ポケモンタワー 〜それぞれの思い〜(8)

第二章 - 真琴―ブーバー 第五話 - ブーバー

ドッと遺跡の中へ大勢の団員が雪崩れ込んできた。

見た所二十人弱だっただろう。

少々苦戦しそうだったが、此方にはアンノーンが居る。

(見るからに頼り無さそうな奴等だけど…)

「ええいっ!ゆけっ、コラッタ!」

「アーボ!」

「マタドガス!」

次々にロケット団は夫々のポケモンを繰り出した。

「負けるかよっ」

少し後退したが、俺はブーバーに命じた。

「ブーバー!〔火炎放射〕!!」

叫ぶと、ブーバーは先程より数倍以上もの炎を吹き始めた。

―――ブバァァァァァァァァッ―――

勿論俺のブーバーのLvは並大抵ではなかったから、この一撃で殆どを一掃した。

残り十数匹、と言った所だったろうか。

((強い気配、する))

一匹のアンノーンが囁くように言った。

「関係ねぇよッ」

尚も攻撃を繰り出すブーバーを眼で追いつつ、言った。

((怖い、怖い))

いつしかあのような暖かな響きは消え、頭に負のフレーズが流れ始めた。

「ッ、マイナス思考な奴等だなぁ!お前達も闘えよ!〔目覚めるパワー〕!」

舌打ちすると、流れ込んだ技を掴み、俺はアンノーン達に命令した。

―――が。

アンノーン達は一掃されてしまった。

ボスとみえる女のヘルガーに、だった。

ブーバーは驚いた素振りも見せず、向かっていった。

女は、冷たく、そして小さく言い放った。

「{騙まし討ち]」

するとヘルガーはブーバーへ向かい、物凄い勢いで突進していた。

こっちだって、と俺が命じた瞬間。

刹那だった。{騙まし討ち]で不意をついて攻撃して、態勢を崩した後に

〔噛み砕く〕。

惨くて、見ていられなかった。骨までも噛み砕くその音や、そのときのブーバーの表情。

最後にこちらを向いて、ブバ、と一鳴きしたとき、涙が溢れた。喉の奥が

熱くなって、苦しくなって。どうしようもないもどかしさが襲ってきた。

「勝負アリね」

一端間を置き、下目使いでブーバーを見た。

「アンノーンは頂いて行くわ」

倒れた奴等を、MBへ押し込み手に取っていく。

息遣いが荒くなっていた為、何も言えなかったが、判った。

ロケット団の活動内容が。ポケモンを手に入れる為には、犠牲を払ってでも奪う。

いつか観たアニメとは見間違うほど鋭かった。

女は軽くウインクし、団員を引き連れ出ていく。

悔しかった。

―――脆く、朽ち果てた命の破片を集める為には

どうしたら良いのだろうか。教えてくれ―――――――。

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