ドッと遺跡の中へ大勢の団員が雪崩れ込んできた。
見た所二十人弱だっただろう。
少々苦戦しそうだったが、此方にはアンノーンが居る。
(見るからに頼り無さそうな奴等だけど…)
「ええいっ!ゆけっ、コラッタ!」
「アーボ!」
「マタドガス!」
次々にロケット団は夫々のポケモンを繰り出した。
「負けるかよっ」
少し後退したが、俺はブーバーに命じた。
「ブーバー!〔火炎放射〕!!」
叫ぶと、ブーバーは先程より数倍以上もの炎を吹き始めた。
―――ブバァァァァァァァァッ―――
勿論俺のブーバーのLvは並大抵ではなかったから、この一撃で殆どを一掃した。
残り十数匹、と言った所だったろうか。
((強い気配、する))
一匹のアンノーンが囁くように言った。
「関係ねぇよッ」
尚も攻撃を繰り出すブーバーを眼で追いつつ、言った。
((怖い、怖い))
いつしかあのような暖かな響きは消え、頭に負のフレーズが流れ始めた。
「ッ、マイナス思考な奴等だなぁ!お前達も闘えよ!〔目覚めるパワー〕!」
舌打ちすると、流れ込んだ技を掴み、俺はアンノーン達に命令した。
―――が。
アンノーン達は一掃されてしまった。
ボスとみえる女のヘルガーに、だった。
ブーバーは驚いた素振りも見せず、向かっていった。
女は、冷たく、そして小さく言い放った。
「{騙まし討ち]」
するとヘルガーはブーバーへ向かい、物凄い勢いで突進していた。
こっちだって、と俺が命じた瞬間。
刹那だった。{騙まし討ち]で不意をついて攻撃して、態勢を崩した後に
〔噛み砕く〕。
惨くて、見ていられなかった。骨までも噛み砕くその音や、そのときのブーバーの表情。
最後にこちらを向いて、ブバ、と一鳴きしたとき、涙が溢れた。喉の奥が
熱くなって、苦しくなって。どうしようもないもどかしさが襲ってきた。
「勝負アリね」
一端間を置き、下目使いでブーバーを見た。
「アンノーンは頂いて行くわ」
倒れた奴等を、MBへ押し込み手に取っていく。
息遣いが荒くなっていた為、何も言えなかったが、判った。
ロケット団の活動内容が。ポケモンを手に入れる為には、犠牲を払ってでも奪う。
いつか観たアニメとは見間違うほど鋭かった。
女は軽くウインクし、団員を引き連れ出ていく。
悔しかった。
―――脆く、朽ち果てた命の破片を集める為には
どうしたら良いのだろうか。教えてくれ―――――――。