「油断は禁物じゃけんよ!」
小梅は声を張り上げる。袴の腰に付けていた巾着から一つ、ボールを
取り出すとポケモンを繰り出した。―――デルビルだ―――
悪タイプの技はゴーストタイプの敵には効果覿面だ。
突如現れたデルビルにゲンガーは少したじろいだが、
次の瞬間〔催眠術〕で先手を取った。
「マズイ!〔催眠術〕と〔夢喰い〕の合わせ技じゃ!」
小梅は顔を顰め、慌ててもう一つの巾着から木の実を取り出そうと
騒ぎ立て始めていた。
憑依を逃れた今、麻衣子は自由の身だった。
「小梅さん!」
麻衣子も懐からボールを取り出し、投げつけた!
「ヒノアラシ!〔火炎放射〕!」
夢喰いの体勢を汲み始めていたゲンガーは、避け切れず
攻撃を直接浴びた。
「よしっ!そのまま〔地獄車〕よ!」
ヒノアラシが頷き、体勢を崩した相手に追い討ちをかける。
ゲンガーの身宙に投げ飛ばし、それを追うように自分も飛び上がると
ヒノアラシは空かさず〔地獄車〕をかけた。
見事に、命中した。
「っ!」
麻衣子はボールを放り投げた。
何の抵抗も無く、ゲンガーは捕まった。
ふぅ、と2人は深く吐息を漏らすとボールを拾い上げに麻衣子が行く。
2人は顔を見合わせると、大声を挙げ笑った。
胸の鼓動を抑えるように。