一年に一度の大イベント、クリスマス。
今日これから私は、世界中で待っている子供達にプレゼントを届けに行く。
今年も可愛い寝顔を見るのが楽しみだ―――。
「さぁ、行くぞオドシシよ!!」
外で控えて居たオドシシに命ずる。首に巻かれた紐から伸びるソリに座ると、
私は彼の首を手前に引っ張る。出発だ。
一軒目
彼は紅く伸びた長髪だった。とても目立っている。
まだ幼い様で、ふかふかの枕の裾を掴んでぐっすりと眠っていた。
「この子は…」
頭の引出しからこの少年宛てのプレゼントを引き出す。
「モンスターボール、か」
背負った袋をその場に降ろし、モンスターボールセットを取り出した。
この時期多くの子供に与えられる、スーパーボールやハイパーボールの詰め合わせだ。
その袋を彼の枕元にそっと置くと私は再び窓を抜けてソリに乗った。
「――――良い夜を」
二件目
なんと彼女はまだ起きていた。
大きなクマの縫い包みを両手で抱え、ひたとこちらを見据えている。
…しかもとてもにこやかに、だ。
「さんたさんこんばんは」
彼女は云うと行き成り駆け出し、抱き付いて来た。
「やったぁ!さんたさんにあえたー!!あのね、わたしね、とってもねむたかったんだけど、がんばっておきてたんだよ!」
あまりにも唐突で少したじろいだが、私は袋からプレゼントを掴んだ。
なあに、こんな事も屡だ。決して珍しくは無い。
「起きていてくれたのは嬉しいけど、早く眠らないと大きく慣れないよ。
さぁ、この子と一緒に眠りなさい」
そう言って私は抱えたピチューを手渡す。
「わぁ…。ありがとう!よろしくね、ぴちゅー!!」
キャッキャッと大きな笑顔を浮かべつつ、少女はベッドに潜った。
そして言った。
「おやすみなさい」
「ああ。では―――良い夜を」
一晩の間に起こる、大きなドラマ。これぞ私の天職だ!