プテラとして

目覚めると其処は殺風景な何かの機材が所々に散らかされた部屋だった。

先ず私の眼に飛び込んできたのは白衣を羽織った男。

眼鏡に手を当て、目を細め私を見ていた。

――――此処は何処なのだ?私は――――――。

声が、出ない。自慢の翼は重くて力が入らなかった。

一体どれだけ眠って居たのだろう?

すると、その部屋へ1人のヒトが入って来た。

赤いキャップを被り、赤い上着を着用したその少年は

私に向かって駆け寄り、「宜しくな!」と威勢良く言い放った。

まぁ最もこの時点での私はその「モノ」のことを「ヒト」、だとは

認識していなかったのだが。

「では―――――」

男は神妙な顔付きで少年に言った。

「これからこの子はキミのポケモンだ。大切にしてあげてくれ」

というと、研究員らしき男は赤と白の球体―――モンスターボールだと

後に教えて貰った―――を

私に向けて投げつけた!

ボシュン。

ボールが音を立てる。次に意識が戻った時には

辺りはドーム場のような所だった。

(こんな息苦しい所、抜け出してやる!)

もがこうとしたが、体が動かない。

(クソっ…)

悔しいが、如何し様もない。私は大人しく動きを止めた。

ポゥ。

温かい光が、ボールの中を包んだ。

そうして、私は仮眠状態へ入っていった―――――。

これから訪れる沢山の試練を目の前に。

少年のポケモンとして、深い眠りから覚めたのだ―――。

プテラとして【終】

サイト内検索

管理人 : POKE-NOVEL Project