「やった!」
洞窟の内部で少年の声が響き渡る。
手にしているボールの中で、忠誠を誓ったかのようなコドラが微笑んでいた。
少年が早速手帳のような分厚い「何か」を懐から取り出し、開いた。
「ポケモン図鑑、結構集まったね」
傍らのトゲピーとオーダイルに向けて再び笑みを放った。
『――ピッ。コドラ 鉄鎧ポケモン ハガネの体をつくるため鉄鉱石を
山から掘り出して食べているが、たまに橋やレールを食べてしまう困り者だ』
「へ〜」
少年は1つ感嘆の声を漏らすと何を思いたったのかその場に埋まっていた石に腰掛けた。
「んーとなぁ…」
顎に手をやり考え込む。
「よし、今日からコドラ、お前の愛称はドラゴだ!」
在り来たりな名を口に出すと少年はボールからドラゴと名づけられたコドラを出した。
「宜しくな。オレさ、前迄旅人やってて。だけどこの図鑑貰って『ポケモントレーナー』としてコンプリートしようとしてるんだ。…で、チカラは貸してくれるか?」
先程の手帳のようなモノ――ポケモン図鑑だ――を宙に上げそれをパシッ、と受け止めるながら少年が言う。
「ドラドラ!」
ドラゴも負けじと主人の肩に飛び乗った。が、先客のトゲピーさんに先を越される。
「大丈夫か?んしょっ。さ、出発しようぜ」
そういうと少年もドラゴも笑いあい、次の一歩を踏み出した。