跳梁跋扈(10)

第二章 - ポケモン研究所 第七話 - 審査官

「すいません。サイクリングロードを使用させていただきたいんですが」

すると、多少寝ぼけた様子で、審査官らしき人間がその新聞を取って、二人のほうに体を向けた。

「……あ、あ、サイクリングロードの利用ですね。どうぞどうぞ。特に審査なんかありませんからね。あ、一応言うと自転車持っていないといけませんよ。フヮー」

「それは分かっていますし自転車も持っていますけど…。ここでどんな仕事を?」

海斗が審査官に質問をした。

「実は…ある意味でここだけ閑古鳥が鳴いていますよ」

「へ?」「何故?」

審査官の言葉に驚きを覚えた二人がほぼ同時に質問をする。

すると、審査官が

「いやぁ。トライアスリートたちは大抵一週間の食糧を買い込んで泊りがけですから。まぁ人が来ると言えばたまに食糧を買いに行くときだけですよ。下の方がもっと閑古鳥が居るかもしれませんね」

審査官がフッと笑いながら言った。

「まぁ泊りがけで来ているトライアスリートさんも大変だね。一年の殆どが合宿じゃん。いつ大会なのかも」

陸也がそう言うと

「正直僕もそう思うよ。いや、こんなことをやったって大会が起きた。とか大会のためにここから出て行く人なんか見てないからね」

「でもさ。話を最初に戻すとどんな仕事しているの?」

陸也が話を最初に戻し、再度質問をした。

「悪いね。仕事の事聞かれて閑古鳥やらトライアスリートやら。んで、仕事の内容は出る人と入ってくる人の自転車の有無についての質問と。……あったっけかな……いや、それだけだね」

「こんなことを毎日やっているんですか。…辛そうですね」

海斗が審査員に呟いてみる。審査員も自虐の念で自嘲していた。

「辛いって言ったって、君たちのように時たま来てくれる旅人や食糧の買出しに言った人との話は良く盛り上がるよ。時間も潰せるし、色々な話も聞けるから」

「なるほど、話題には困りませんね」

「やっぱいろいろな話聞く方が良いんだ。でも、暇すぎて」

二人が審査官に言う。審査官も軽く頷く。

「じゃあ、僕たちはそろそろ行くから」

陸也が審査官に言った。再度頷き、出ようとする二人に恭しく礼をした。

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