ぼく、ラグラージ。
ミシロタウン出身で、現在レベル58です。
性格は、よくご主人に『のんきなヤツ』と言われるから、多分のんきなんでしょう。
特技は『じしん』と『なみのり』、もちろんオスです。
で、この人がぼくのご主人。
本当は可愛い女の子のトレーナーが良かったんですが、それなりに活躍させてもらっているので、
この際文句は言わないことにします。
年がいくつなのかは知りようもありませんが、ぼくが思うに『しょうがくせい』と呼ばれる人になります。
きっと『しょうがくせい』って、人間の中ではとっても高い位なんでしょうね。
だってご主人、よく人から頼りにされたり、物も貰ったりしてますし。
それも全然知らない人たちから。
でも、どうして『ショウガ臭い』のがそんなに偉いんでしょう?
人間ってよくわかりませんね。
まあ、いいか。
…さて。
今日ぼくたちは、背の高い草が生い茂る、滝のある川岸までやってきました。
いつもは雨時々雷のお天気なのに、今日は珍しくお日さまがニコニコ。
そのせいかご主人も張り切って、『ヒンバス釣るぞー!』と叫びながらハチマキを締めていました。
ポケモン用のやつなのに。
そしてリュックから釣り竿を取り出すと、ぼくに『なみのり』をさせました。
本音を言わせてもらうと、ご主人育ち盛りで結構重いから、乗せて泳ぐのはあまり気が進みません。
でもそうは言ったって、ぼくたちポケモンはご主人に逆らうことなど不可能なのです。
だってご主人、もうジムバッジ8個揃えちゃってますから。
一生懸命戦って勝ち取ったのはぼく達なのに、ご主人ばっかり威張っちゃって何だか不公平な気もします。
まあ、いいか。
しばらくウロウロと泳いでいたぼくですが、ある所まで来るとご主人に止められました。
どうやらここがポイントのようです。
ポケモン用のハチマキを締め、鼻歌を歌いながら釣り糸を垂らすご主人。
…と、言ってるそばからアタリが来ました。
ご主人は素早く糸を巻き、大きく竿を振り上げます。
かかっていたのは……残念、キバニアでした。
ガックリ肩を落とすご主人。
まあ、いきなり最初からお目当てのポケモンが釣れるわけありません。
ご主人はブツブツ言いつつも釣り針を外し、キバニアを逃がしてやりました。
気を取り直して再トライです。
ウキはしばらく水面で揺れていましたが、やがてぴくりと竿が動きました。
今度こそ!と気合い十分に釣り糸を巻き上げるご主人。
ところが今度は大物のようで、なかなか思うように行きません。
たっぷり数分ほどの苦闘の末、ようやくご主人は獲物を釣り上げることが出来ました。
大物の正体は……何とまたしてもキバニア。
ご主人の額に、ピキッと青筋が浮かびました。
…どうやらこの勝負、かなりの長期戦になる模様です。
ぼくは溜め息をつきながら、青く晴れ渡った空を仰ぎました
まあ、いいか。