ラグラージの釣り日和(1)

ぼく、ラグラージ。

ミシロタウン出身で、現在レベル58です。

性格は、よくご主人に『のんきなヤツ』と言われるから、多分のんきなんでしょう。

特技は『じしん』と『なみのり』、もちろんオスです。

で、この人がぼくのご主人。

本当は可愛い女の子のトレーナーが良かったんですが、それなりに活躍させてもらっているので、

この際文句は言わないことにします。

年がいくつなのかは知りようもありませんが、ぼくが思うに『しょうがくせい』と呼ばれる人になります。

きっと『しょうがくせい』って、人間の中ではとっても高い位なんでしょうね。

だってご主人、よく人から頼りにされたり、物も貰ったりしてますし。

それも全然知らない人たちから。

でも、どうして『ショウガ臭い』のがそんなに偉いんでしょう?

人間ってよくわかりませんね。

まあ、いいか。

…さて。

今日ぼくたちは、背の高い草が生い茂る、滝のある川岸までやってきました。

いつもは雨時々雷のお天気なのに、今日は珍しくお日さまがニコニコ。

そのせいかご主人も張り切って、『ヒンバス釣るぞー!』と叫びながらハチマキを締めていました。

ポケモン用のやつなのに。

そしてリュックから釣り竿を取り出すと、ぼくに『なみのり』をさせました。

本音を言わせてもらうと、ご主人育ち盛りで結構重いから、乗せて泳ぐのはあまり気が進みません。

でもそうは言ったって、ぼくたちポケモンはご主人に逆らうことなど不可能なのです。

だってご主人、もうジムバッジ8個揃えちゃってますから。

一生懸命戦って勝ち取ったのはぼく達なのに、ご主人ばっかり威張っちゃって何だか不公平な気もします。

まあ、いいか。

しばらくウロウロと泳いでいたぼくですが、ある所まで来るとご主人に止められました。

どうやらここがポイントのようです。

ポケモン用のハチマキを締め、鼻歌を歌いながら釣り糸を垂らすご主人。

…と、言ってるそばからアタリが来ました。

ご主人は素早く糸を巻き、大きく竿を振り上げます。

かかっていたのは……残念、キバニアでした。

ガックリ肩を落とすご主人。

まあ、いきなり最初からお目当てのポケモンが釣れるわけありません。

ご主人はブツブツ言いつつも釣り針を外し、キバニアを逃がしてやりました。

気を取り直して再トライです。

ウキはしばらく水面で揺れていましたが、やがてぴくりと竿が動きました。

今度こそ!と気合い十分に釣り糸を巻き上げるご主人。

ところが今度は大物のようで、なかなか思うように行きません。

たっぷり数分ほどの苦闘の末、ようやくご主人は獲物を釣り上げることが出来ました。

大物の正体は……何とまたしてもキバニア。

ご主人の額に、ピキッと青筋が浮かびました。

…どうやらこの勝負、かなりの長期戦になる模様です。

ぼくは溜め息をつきながら、青く晴れ渡った空を仰ぎました

まあ、いいか。

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