長い沈黙の後、正体不明のボールはユウキの手によって開かれた。
黒い頭に巨大な口、黄色い体。
口のような物の付け根にはシルクでできた布が巻かれている。
よくみると布には文字が書かれている。
チー
さすがはセンリの弟、ポケモンには詳しいようだ。
チーはこくりとうなずいた。もうすっかりなついてしまっている…いくらなんでも早すぎだ。
チーは岩の隙間に大口を突き立て、そのまま押し広げた。
岩が2つ粉々になったが、これでは到底外には出られない。
と、思った次の瞬間、岩の隙間から黒々とした鋭いツメが飛び出した。
何人かは悲鳴をあげたが、ユウキは思い当たることがあった。
岩がまた崩れ落ちた。そして黒いツメの持ち主の腕がみえた。
次の瞬間、岩はすべて粉砕され、二つの人影がまぶしい光とともに現れた。
「おかえり、父さん。」