Blue Sky(1)

第一話: はじまりの灰雨

ここはホウエン地方、ハジツゲタウン。

えんとつやまの北に位置する農村だ。

この何もない田舎町から、物語は始まる。

「おーい!おじさーん!ケムッソの駆除おわりましたよー!」

声をあげたのは、緑色の半そで服を着て白い変てこな帽子をかぶった

14歳くらいの少年。

名前は、ユウキ。

カイスの畑を担当する少年だ。

おじさん
「おー!ごくろう、ユウキくん!」
ユウキ
「12ひきもとれましたよ!全部むこうにかえしてきました!」
おじさん
「大漁だな、きょうは!おつかれさん!マナカの畑のほうは?」

マナカというのは、おじさんの娘、つまりユウキのいとこだ。

ユウキ
「まだみたいっすよ。なんか2株ヤられてるとか…」
おじさん
「か〜アイツはいつまで経ってもだらしがないなぁ…」
ユウキ
「ちょっと様子をみてきますね!」
おじさん
「お、すまないね。よろしくたのむよ!君は本当に働き者だねぇ。ほんとにお給料いらんのかい?」
ユウキ
「暇つぶしみたいなモンですからね。それに、おじさんから金取ったら父さんがプッツンしますよ!」
おじさん
「あっははは!」

歳に似合わない高い笑い声をあとに、

ユウキはもと来た道を戻っていった。

彼の父親の名はセンリ。

ここ、ハジツゲからははなれたトウカシティで、

ポケモンジムを営むポケモントレーナーだ。

ここしばらく帰ってこないので、

ユウキと母はおじさんの家で暮らしている。

ユウキ(ポケモントレーナー、か…)

彼はポケモンを持っていなかった。

センリ自身が禁じていたのだ。

ポケモンは人の友達にもなれば、

ときに人をおそう怪物と化す。

センリは、ユウキの心が成長するまで

彼にポケモンを持たせることをしなかった。

しかし、ユウキは忘れていた。

今日が彼の14回目の誕生日であること、そして…

彼の兄もまた、14歳でポケモンを持ち

旅にでたことを。

この日が、彼が初めてポケモンを持ち

親のもとを離れる日だと知るものは

一人としてこの村にはいなかった。

灰がゆっくりと降り始めた。

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