戦い(3)

第一章 - プロローグ 第三話

「で?」

「なんだ?」

「なんですか。これは?」

先輩らにシンヤは問いつめた。

「ディナーショーだけど?」

「つまり、俺を騙したってわけですね」

スパゲティを食べながら、シンヤは言った。

「まあ、細かいことは気にすんな」

くそう、まんまと騙された。飯ごときに引っ掛かった自分がバカだった。

ロケット団襲撃後は、ハッサムが放ったフラッシュの影響で、

入隊式典が10分遅れてしまった。まあ、別になんの支障もないのだが。

あのロケット団はどうやら、手柄欲しさに襲撃してきたそうだ。

だとしたら奴らはバカだろう。本部を狙った方が楽だったのに。

それか、式典にはエリートクラスの隊員が来ないとでも思ったのだろうか。

しかし、それもバカな話だ。まずは自分の力をみきわめろってんだ。

まあ、とにかく下っ端で良かった。おかげであまり体力を使わずに済んだ。

これ以上、眠たくなるなんて地獄だ。嗚呼、寝たい。早く寝たい。

でも、気掛かりが残っている。書類を配った時にあった少年だ。

シンヤは周りを見回した。いた。彼はすぐ近くにいた。

「ちょっと、来てくんない?」

シンヤは彼を誘った。

「えっ?あー、いいですよ」

何やら、投げやりな返答。

「じゃあ、あそこで話そうか」

シンヤの指は会場の右隅を差していた。

「で、早速なんだが、お前、何者だ?」

担当直入に聞いた。

「えっ?いや、何者でもないですけどー」

よくありがちな返し方。

「よくいるんだよなー。そういうドギマギした言い方。大体そういうのに限って、

いるんだよなあ。なあ、化けの皮、剥がしたらどうだ?ロケット団さん!」

ちょっとカッコよく決めようと、後ろを向きながらそう言ってみた。

「ちっ、ばれたか」

よし、ついに自白した。

「じゃあ、どうやってここに・・・」

そう言おうとした瞬間・・・

バシッ

「いっ!」

足を思いっきり踏まれた。しかも踵で。

「な〜んて、言うとでも思いましたか?」

「おっ、お前は・・・」

男じゃ無かった。女性だった。シンヤは彼女を知っている。

「お前・・・どうやってここに潜り来んだ!マキ!!」

嘘だと思っていたらそれが真実だったとは。しかし、今の彼には関係ない。

問題はどうやって彼女がここに入って来たかだ。

「何よその言い方!私はちゃんと試験に受かりました!」

「嘘つけ!どうせ俺の兄貴のコネとかなんかだろ!」

兄貴ならあり得なくも無い。

「おっ、いきなり喧嘩とはまた、相変わらずだな」

噂をすれば、やってきた。治安隊長官ことグレンが。

「兄貴!何こんな奴入隊させてんだよ。どうせコネだろ!」

「ノンノン。ちゃんと表から入って来てるよ。トップで」

「へっ?」

こいつが表から入って来た?しかもトップの成績で?

あり得ない。表から入ってくるのは分かる。でもトップはあり得ない。

自分も取ったことは取ったがギリギリだった。マキにとれるはずが無い。

「お前、カンニングでもしたんじゃないか」

やはり信用できない。

「するわけないでしょ。勉強とかもどっさりしましたよ。ゼンさんのところでね」

「・・・は?」

またおかしなことを言い始めた。ゼンさんと言えば、2年前、自分に

ポケモンバトル教えてくれた恩師。あの人はこの時期が一番忙しいというのに。

何故だ。明らかにおかしなことだらけだ。

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