戦い(1)

第一章 - プロローグ 第一話

某ホテル内、大宴会場。

「準備はできた。いいな?」

数十人の中心にいるリーダーらしき人物が部下達に聞いた。

「OKです」

「じゃあ、始めてくれ」

「はい!」

数十人はバラバラとなった。

数十分後。

「合格証を見せて下さい」

「これでいいですか?」

「はい、どうぞ」

さっきの会場にぞろぞろと人が入ってくる。

「なあ、今年は何人くらい入ったんだ?」

待機中の係員に青年は聞いた。

「さあな、ざっと60人、といったところじゃないか?あと、シンヤ、

仕事の準備しとけよ。どうせこんなことやったこと無いんだろ」

「へいへい、どうせ俺はただの任務バカですよ」

シンヤは少し無愛想に言った。

「いいことじゃ無いか。それはそれで。それにお前、

ボス直々にこの仕事やれ、って言われたんだろ、名誉なことじゃないか」

誉めたたえるように言われる。

「今のボスは狂ってるのさ。13年間、少しも変わっちゃないね。

先輩は分かってないから尊敬することができるんですよ」

「そうか?今までの中では最高だと思うけど。おっ、全員入ったようだな」

各扉の係員は両手で○をしていた。

「じゃあ、これはお前の分な、間違えずに全部配れよ」

シンヤの前にざっと100枚分の書類が置かれた。

「へいへい、先輩殿」

シンヤはその書類を荷台に乗せて、会場に持っていった。

「いつも通り、バラエティに富んでるな」

会場には年少では10代前半から、年長では20代後半まで揃っている。

シンヤが書類を配らなければならない場所は右端の列。

一番前はシンヤと同じ年頃の、帽子をかぶった少年だった。下を向いている。

「帽子、外したら?」

流石にこんな所ではマナー違反なのではと思い、 忠告した。しかし、

「あんたに言われたく無い」

いきなり静かにそう言い返してきた。すると、彼はハッと我に帰ったかのように

「あっ、えと、この書類を後ろに送ればいいんですね。やっときますから

帰ってて下さい」

と、下を向いたまま、彼は後ろに書類をまわし始めた。

-どっかで聞いたことのあるような・・・

「おっ、意外と早かったじゃないか」

もう先輩達は帰っていた。

「・・・あっ、まあな・・・」

シンヤはさっきの少年のことが気になっていた。

あの少年の声が、シンヤがもっとも嫌っていた声と似ていたからだ。

昔からさんざんおせっかいをかけてくる幼馴染みの声に。

もしかしたら、従兄弟か?と思ったがそれはありえない。

あいつには従兄弟なんていなかった。じゃあ、なんだ?

-ただ似てるだけか。

シンヤは大きく欠伸をした。朝5時に叩き起こされたのだ。まだ寝たりない。

シンヤは今日の仕事が終わったら、多分、爆睡するだろうな、と思った。

「それでは、只今より、入隊式典を行います」

スピーカーから放送が流れた。

「じゃあ、そろそろ出番だな」

先輩は両手をブルンブルンと回しながら外へ出ていった。

「 まず初めに開会宣言です」

部屋のモニターの電源がついた。先輩が前に立っている。

「ただいまより、特別治安維持隊の入隊式典を始めます!」

会場中から盛大な拍手が送られる。

「続きまして、治安隊長官より御挨拶をいただきます」

また盛大な拍手が送られ長官が前に出てきた。

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