死闘の楽園(3)

「うへえ〜、こんなの自由に使っていいわけ?」

驚くのも当然だった。たがか小型客船だとは思っていたのだが、

外装から見る限り、とてもダイのような一般人には乗れないような船だった。

「これは元々V.I.P用の船だからね。早く乗りましょう」

「あっ、そうだな・・・」

勝手にこんなものが使えるとはさすがだな、と思いつつダイは船に乗った。

「やっぱり、内装も豪華だなあ」

この客船はどうやら長期航海にも対応しているらしく、いくつかの部屋があった。

「そんなこと無いって」

ダイの反応を見たリンのは何故か少し憂鬱そうだった。

「ところで、この船、何処に逃げるのさ?」

少し疑問に思ったから聞いた。

「ホウエン」

リンはきっぱりと答えた。

「おいおい、遠すぎるだろ!せめてグレン島ぐらいにしてくれよ!」

「駄目。強盗が何処まで追ってくるか分からないんだから」

「少し考えすぎだと思うけど・・・」

「いいの、いいの」

コンピューターが発達したこの時代、車はもちろん飛行機、船などの

ほとんどはコンピューターに制御された自動運転だった。

もちろん、この船もそうだ。船は動き始めた。

「さてと、ちょっと落ち着いたからさ・・・」

やっといいたいことを言える雰囲気もなってきた。

「大体分かってる。手紙のことでしょ」

リンは静かに言った。

「ああ、送ってくるとか言っておいて、全く送って来なかったじゃないか」

「それには理由があったの!」

急にリンの口調が厳しくなる。

「私ね、引っ越しが普通なものだと思ってたから、手紙出すとか言ったけど、

無理だったの。甘かった。何処にもいけなくなった。社長の娘に

なっちゃうと『誘拐されてはいけない』とか言われて外に出られなかった。

最初は別にいいと思った。その代わりどんなことでもできると思ったから。

でも、何もできなかった。毎日毎日、難しい勉強とかさせられて、

無理やりピアノとか茶道とかやらされたり、来たくもないのにドレス着せられたり、

誰かに手紙を送ろうとしても、『一般人と仲良くなるな』なんて言われて、

書かせてもらえなかった。まるで檻の中に入れられてたようなものよ」

リンはいっぱい喋ったからか、深いため息をついた。

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