カツラ

あの噴火から三年が経った――。

横穴から、ヒソヒソと話し声が聞こえてくる。

中には二人の男。

「何の用かね?」

カツラの言葉に、グリーンは首を振って答える。

「用は無いよ。ただ、近くに来たからよっただけさ。それにしても――」

「ここも変わっちまったな、とでも言うんだろう?」

これにはコクリと頷いた。

「そうさ。そして…あんたもな」

「年には勝てんさ」

そう言って、寂しげに笑う。

「そうだ、ついさっき珍しくトレーナーが来た。実にいい目をしていたよ」

「…勝てたのか?」

グリーンは、少し期待しているような声だった。

「想像にお任せするよ。でも――」

一旦言葉を切り、グリーンを見つめる。

「――あいつは伸びる。間違いない」

「…なんでわかるんだ?」

グリーンの問いに、フッと笑い、頭を撫でながら答える。

「あの子――レッドと同じ目をしていた」

そう言うと、思い出したように呟いた。

「お前と戦ったのはいつだったかな。まさか、お前が仲間になるとはな――」

言葉を遮るように立ち上がると、ズボンのお尻の部分を叩く。

黒いズボンは、埃でお尻の部分だけ真っ白になっていた。

「じゃあな、もう行くぜ。ジムをいつまでも留守にしとくわけにもいかねえからな」

「そうか。…さっきの少年、まだいるかもしれないぞ。なんにしろ、いつかお前も会えるだろう」

グリーンはその言葉に微笑むと、ウィンクしながら出て行った。

そして、また時が経つ――。

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