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この砂漠の空の下で
- 1 :森羅 :2008/10/05(Sun) 12:30:52 ID:GWSKl586
- はじめまして、森羅といいます。
初めて投稿させていただきます。というより、投稿する所ここでいいんですよね!?
・・・本当に申し訳ありません。
さて、舞台はホウエンとジョウトの間、出てくるポケモンたちもそれに合わせて登場します。
それでは、早速主人公の紹介を始めます
主人公:レオ
一応女の子です。ですが、かなり、男の子っぽいので、出会う人皆に勘違いされます。
彼女も否定しないので、女の子と知っている人はごくわすかです。因みに、ポケコロのレオとは関係ありません。
生まれつきでは、ありませんが、特殊な力を持っています。
それはこの物語のキーとなるのですが、それは、後々、明らかにしていきます。
- 2 :森羅 :2008/10/05(Sun) 14:11:36 ID:GWSKl586
- 第零章〜歯車は今回り始めた〜
逃げないといけない、砂漠の砂に足をとられながら、一人の少女ーいや少年だろうかーは走っていた。
「逃がすな!早く捕まえろ」後ろからは多くの足音。それは、ひととポケモンとそれから、それから
・・と、急に砂漠が途切れた。前は崖、崖の下は濁流が流れている。後ろからは足音。迷っている時間はない。
「いくよ」手に持った2つのボールに声をかけ崖に飛び込む。その後は、覚えていない・・・。
* * * *
「ふぁぁぁ、ねむッ!」大あくびをかみ殺しながら少年がつぶやく。彼の名前は零、レイと読む。女の子のような名前だが、れっきとした男の子だ。名前に関しては不可抗力なので仕方がない。
傍で同じようにあくびしているのは、彼の相棒である、マグマラシ。そう彼はトレーナーなのだ。といっても4ヶ月程前になったばかりだが・・。
それでも、腕はそこそこだと自負はしている。実際、過去に彼がバトルした全員に勝ってはいる。
持ちポケはさっきのマグマラシをいれ、3匹。
さて、ところで彼は一体どこで何をしているかというと・・道に迷っているのである。もっと細かく言うと、彼が行きたいのは、水の都として有名なセイレンシティ。
前にいた町から歩いて2日の距離でまっすぐに行けば着くはずだった。だが、彼はすでに5日間この辺りを彷徨っている。そこで仕方なく川のほとりで休憩しているという訳だった。
と、なにか小さな音が彼とマグマラシの耳に聞こえて来た。さっきの寝ぼけた顔はどこへ行ったのやら、顔つきが変わる。小さく「マグマ。」と相棒を呼ぶ。ニックネームを呼ばれたマグマラシは立ち上がり、戦闘体制を取る。
レイが、周囲に耳を澄ませ、五感をフルに使う。すると、音の出た所は傍の川からで、なんと自分と同じ年頃の人間が流れてくるではないか。
「んなッ!」レイは急いで、流れてきた人間の服の端をつかんだ。
* * *
「そうか、『レオ』は逃げたのだな?」暗闇のなかで男の声だけが響く。
「はい、申し訳ありません。」一人の男が答える。「今、全力で探しております。」付け足すようにまた一人答える者がいる。
「フ、フフ、ハハハ!!面白い。レオ、逃げてみるが良い。鬼ごっこだ。逃げ切れるかな?」最初の男が笑う。
それは、止まることなく、ようやく止まってから、「あいつらに探させろ。自分の仲間のことだからな。責任もって生かしてつれて来い。」
彼らの知らないところで歯車は回り始めた。
少しずつ、少しずつ速度を上げて。
噛み合った歯車は止まることを知らない。
運命はかれらを水の都に集らせた。
- 3 :森羅 :2008/10/05(Sun) 22:13:39 ID:GWSKl586
- 第一章〜黒い夢と光の方向〜
真っ黒な中に自分はいた。真っ黒なそこが、とても怖くて、一生懸命に走って少しでもそこから逃げ出したかった。
けれど、暗闇はなくなることなく、むしろ、さらに濃いくなって行く。少しでもと光を求めたが、見渡す限りそれは無い。
「真っ黒なくせに光を手に入れられるものか。」響いた声には聞き覚えがある。
それが、誰だったかは・・・・覚えていない。
* * *
「・・ッわぁぁ!」跳ね起きたと同時に、ゴン、といい音がした。どうやら二段ベットの二段目にぶつかったらしい。ということは自分が寝ていたのは、一段目ということになる。
かなり冷静に自分の状況を確認してから、やっと”ここはどこか”という根本的な問題を思い出す。
「あ。起きた?」聞きなれない声に驚くと同時に戦闘態勢を取ろうとして失敗する。わけは、もう一度ベットにぶつかったからだ。
2度の痛さに頭を押さえる。「おい、大丈夫か!?」かなりびっくりした、先程の聞きなれない声が尋ねる。
やっと痛みが引いてから、頷くと、「よかった。」と安心したような声が返ってくる。
まだ、警戒を解いてはいけない。「ここはどこだ?」と尋ねると、「水の都セイレン、でわかる?」首を傾けると、「ホウト地方で一番美しいといわれる町だよ。」これでわかるかと言う様に彼は笑ってみせる。
それでも自分にはわからない。とにかくこの少年は、あいつらの仲間ではないようだ、とだけ理解した。
「ところで、こっちも色々と聞きたいんだけど、いいかな?」少年は続ける。「まずはあんたの名前。それから、なんで川から流れてきたのか。ああちなみに俺の名前は零。ゼロと書いてレイと読むんだ。よろしく。」
とりあえず、問われたことに答えようとして、「・・・ッ」わからなかった。いや全てを忘れたわけではない。ないのだが、ところどころ記憶が抜け落ちている。その節をレイと自分の事を言った少年に説明する。
「うわー、マジかよ・・」頭をがりがり掻きながら、レイは言う。そして、「あ、そうだ、とりあえずあんた、男?女?」
とんでもなく失礼なことを聞かれた気がした
運命は交差した。一人の少年と一人の少女。
かれらはこの美しい町に近づいてくる闇をまだしらない・・
- 4 :森羅 :2008/10/07(Tue) 19:32:50 ID:Hnkz1TdA
- 第二章〜自分探し〜
「そんなに殴らなくったていいだろー」右頬をタオルで冷やした少年(レイ)がもっともな抗議の声を上げる。
その言葉をとりあえず無視して、少女はもう一度自分の顔であるはずの顔を鏡で見る。
鏡に映るのは、パッと見は完全に少年そのものだ。しかもかなり変わった感じの。
髪の色はレイが短く切った黒であるのに対して、彼女は長く、色を抜いたような白、いや、それは銀と言っても過言ではなかった。
さらに特徴的なのは、瞳。黄と、透明のオッド・アイだった。そして、これこそが、彼女に現実を突きつけるものでもあった。
「どうしたんだ?やっぱり、俺に悪かった、て?」ぼー、としていた彼女にレイが声を掛ける。
それを黙殺してから、「なんでもない。」と彼女は言った。そして、
「名前、名前は『レオ』」と小さな声で吐き出す様に付け加えた。
それに対して、レイは「ふーん、レオね、レオ。俺より男っぽいなまえじゃんか。」と感想を言った。そして、
「あ、そうそう。はいこれ。あんたのだろ?」一体何かとレオが首を傾けると、2つのモンスターボールが差し出された。
「あ、」差し出された2つは紛れもなく、自分の唯一の味方が入っているもの。
「ありがと。」一応お礼を言って受け取る。その嬉しそうな初めて見た笑顔にレイは不覚にもみとれた。
そんなレイに気づかず、レオは早速ボールの閉開スイッチを押し、二匹のポケモンが中から登場した。
出会いと再会は果たされた
少女の過去と未来
少年の未来と過去
少しずつ、紐解かれて行くことだろう
- 5 :森羅 :2008/10/10(Fri) 23:40:54 ID:6EfR.ehY
- 〜作者の戯言〜
お久しぶり(?)です。森羅です。この物語を読んで下さっているかたがいらっしゃればよいのですが。
まあ、とにかく完結はさせるつもりですので、コメントがあれば是非よろしくお願いいたします。
さて、どうしていきなり、ワタクシが登場したのかといいますと、(別にネタが尽きた訳ではナイですよ。)
こうしてたまに登場して補足でもいたしましょうか、と思いまして・・。
さて、今回のネタは、レイ君のプロフィールです。(最初に書きたかったのですが、語数の都合上無理だったので・・)
レイ:男の子です。(当たり前ですが)名前の事をえらく気にしていますが、これは実は女の子にする予定だった名残なんです。
(そしてレオを男の子にするつもりでした・・。)この物語の副主人公。ときどきは彼に語りをしてもらいます。
彼にも過去があります。それはこの物語に外せない過去で一応伏線を引いていますが、ちゃんと機能しているかどうか・・。
お暇な人は探してみてください。ちなみに彼の過去が、繋がっている事を彼はもちろん知りません。
さて、あまり話すのはルール違反なので、この辺で。とにかく、彼には、常に陽気。楽天家で、時どき、真剣な顔をする。掴み所のない
主人公の典型風の男の子と言うイメージを持っていてください。(また、変わって行くかもしれませんが、)
最後にお詫びと訂正を・・
二章のレオが自分の名前を言うとき”吐き出すように”となっていました。
本当は、”吐き捨てる様に”です。申し訳ありませんでした。
- 6 :森羅 :2008/10/16(Thu) 20:25:15 ID:oydKswtU
- 第三章〜〜
「なー、いたぁ?」「いいえ。いませんよ。」「こっちもだよー」「・・・・いや」
はあ、と言うため息。彼らの着ているおそろいの黒いコートのような上着は夜の闇を更に深くしていた。
「なんで、俺らがこんなこと・・」最初の声(男)はあきらめを含んだ声でため息と一緒に続きの言葉を飲み込んだ。
「文句言わないのー」3番目に聞こえた女の声が、最初の声の主をたしなめる。
「そうですよ。それより、早くやってしまいましょう。」2番目の声がまたも女の声で続ける。
「・・・ここにもいないなら、下流にある町にでもいるのでは・・?」深い男声が口数少なくぼそっと言う。
「だよなー。てか絶対じゃねーの?」またもため息混じりで、最初の男は乾いた笑顔・・だろうか、を見せる。
(暗闇でわからないのだ)
「では、セイレンですか?いい趣味ですね。」皮肉交じりで2番目の女性が言う。
「じゃあ、あたし、行きた・・」「私が行きましょう。」2番目の女性が言葉をさえぎって言った。
彼らがいるのは、レイがレオを拾った川から、わずか3メートル程の距離だった。
* * * * *
・・彼はあっけにとられていた。何に、と言われると、目の前の光景に、である。
レオのボールから出てきたのはしなやかで優雅な肢体を持ったエーフィとブラッキー。
そこまではまだいい。彼にとって問題はレオが正座をして、ぶつぶつ独り言を言うように話している事である。
彼女の目の前にいるのはエーフィ。(ブラッキーの方は彼女の横で座っている)つまり彼女はエーフィと話していると言う事になる。
そのうえ、「目の色が―、ライトグリーン?」嘘だろ、と言う含みを持ってレイはつぶやいた。
「あ?ああ」まるで、そんなこと当たり前じゃないかとでも言うようにレオがそのつぶやきに答えた。
レイはその言葉を理解するのに数分の時を要した。
- 7 :森羅 :2008/10/18(Sat) 15:56:55 ID:KFzukjfw
- 三章で題名を書き忘れました。題名は〜黒と白〜です。途中からレイが語りをしてます
第四章〜〜
「ポケモンと話せるのか・・?」レイが聞く。
「・・・・いや。」と、レオ。
透明な方の瞳が翡翠のような色になっていたのがいつの間にか元に戻っている。
これは嘘だ、レオはなにか隠している。そうじゃないとさっき言ってた事と噛み合わない。
とレイは思った。それでも彼は人が秘密にしていることは相手が話そうとしないかぎり聞かない主義なのだ
一応「そっか」とだけ答えた。
と、”ぐるるきゅ〜”間の抜けた音がどちらからともなくする。
無論空腹を伝える音で、時計を見るとまもなく11時30分。3日ほど寝込んでいたレオはもちろん
「なんか食いに行くか。」7時ごろに一旦看病(病気ではないが)をやめて朝飯を食べたはずのレイも
空腹なのであった。レオは黙ってうなずいた。
* * * * *
―なんなんだこいつは―レイつまり俺だが、はある種感動さえ覚えた。
確かに顔は男だし、かみは銀だし、瞳はオッド・アイ(色まで変わる)でついでに言うと他は普通の服なのに
上着にどう見てもサイズのあっていない黒のコートみたいなのを羽織っているという変なやつだが、
俺はいままでにこんなやつ見たこともない!!
何にそんなに驚いてるかって?そりゃ、アレだ。『レオが空見て感動している』って事だ。
空は青空。雲ひとつない。が、そんなことで感動してる人間は14年間生きてきたが見たことがないぞ。
「うわあ。ほんとに青色してる、なー、フィー、キー?」・・・そりゃよかったな。
ボールからでているエーフィとブラッキーのニックネームだろう、を呼んで同意を求めているレオ。
話し方が妙に子供っぽくてかわいい。だが、俺は素直に疑問を口にした。
「レオ、お前どんなとこにいたんだよ?青空見て感動するなんてやつ、俺は初めて見た。」
と、一瞬レオが顔を曇らせた、様に見えた。だが確認する暇もなく、すぐに普通の顔に戻ってしまった。
「おれの前にいた所じゃ一年中砂嵐が吹いていた。だから、青空なんか見たことなかったんだ。」
間髪いれずに次の質問を繰り出す俺。「その町の名前は?」「・・・さあ?」
本当に首を傾げてしまっている。これは演技じゃない、・・だろう。
はあ、とため息ひとつ。レオの事は置いておこう。とりあえずは飯だ。
青い空がもたらすものは、ひかりかかげか。
手を伸ばしてもとわに手は届かない。
それでもなお、青い空に手を伸ばすのか。
選ぶのは彼ら次第
- 8 :森羅 :2008/10/20(Mon) 16:41:16 ID:u1Iup5lI
- どうも、三章で題名書き忘れ、さらに四章でも忘れたという作者失格の森羅です
本当にすみません。四章は〜偽りと真実の見分け方〜です。
さて、気を取り直して第五章!レオとレイがそれぞれ語りをすると言う形式です。
第五章〜青空を夢見る鴉〜
「はあ」本日何回目かわからないため息をつく。ここはセイレンシティの市場。
レオの看病で町はまだ見てなかったから本当はもっとよろこんでいいんだろう。けど、
ぶちゃけあんまり喜べない。理由は簡単。レオのことだ。
そりゃ、川から人が流れてきたら助けるしかないだろう。それは人として当然。だが、
拾ったそいつが自分はどこから来たのかとかそういう重要なことを覚えていないなんて予想外もいいところ。
おまけになんか秘密があるようなのだから更に厄介だ。
・・・まあとてつもなく男っぽい事を除けばかわいい(かっこいいか?)部類にはいるからいいんだけどな。
ちなみにレオとは別行動。まだ本調子じゃないのか人ごみに会ったことがないのか気分が悪いらしい。
どこぞのお嬢様かなんかか?とも思ったが服装を見るかぎり違うだろう。
とにかく病人を歩かせる訳にもいかないのでレオは町の中央の噴水の所にいさせた。必然的に俺が買出しになる。
ふと、いいにおいがする。「あれでいいか。」小さくつぶやいて俺は露店に足を向けた。
* * * * * *
「何やってるんだろ」レオつまりおれは独り言のように小さくつぶやく。空は青い。何度見てもすごいなあと思ってしまう。
さて、やっと落ち着いて考えるチャンスができた。ちょっと状況を整理しよう。
まず、レイから聞いた話ではおれは川から流れてきたらしい。そして、5日間彷徨っていたというレイに拾われ、
更に一日かけてこの町に着いたのだと言う。少し関係はないが、5日間彷徨っていたってどういう事だ?と思う。
きっと、というよりかなりレイは方向音痴なのだろう。
考えを戻そう。おれは今記憶がかなり色々抜け落ちている。フィーとキーに聞いては見たが、『わからない』らしい。
まあ仕方がないだろう。さて、おれは逃げなければならない。そうわかっているのに”何から”なのかわからない。
崖に飛び込んだのは覚えている。けど”どこの”からかわからない。・・大切な事ばかりじゃないか忘れているのは!!
と、リンと頭の中で幼い女の子の、でもどこか気品のある声が響く。[レオ様は深く考えすぎなのですよ]
この声の主はエーフィのフィー。かなり丁寧な口調は癖らしく、出会って間もない頃普通の口調でいいと言うと謝られてしまったのを覚えている。
とても丁寧でおだやかで優しい雰囲気がある。だが、[そんな事考えるよりも先にする事があるでしょう?助けてくださったあの方にお礼を言う事。そして、
わたしたちに謝る事です!!一体どれだけ心配したと思っているのですか!]そう、彼女は怒ると怖い上に、おれにとってかなりキツイこと痛い事をさらっと言ってしまう。
逆にブラッキーのキーは[レオは一度謝った。これ以上は良いではないか。レオのおかげで我らはあそこから出られたのだからな。だが、無茶をしすぎだ。]
どこか時代がかった少年の声。こちらも普通の口調でいいと言ったのだが、彼の場合は叱られた。だが、おれは知っている。
話し方は、見下したようだが、さりげなくフィーの言った事の緩和材になる様なことを言ってくれる。
実はとても優しいのだ、彼は。まあ締める所は締めるのだが。
おれは笑って、「悪いな、心配かけて。彼にも後でお礼を言うよ」と2匹に伝える。
あ、そうだ一番重要なことを思い出した。この”能力”の事だ。なぜかこの力については良く覚えている。
そうこれは・・・・ッ!!!
なんだ?辺りの様子がおかしい。まさか、これは・・・・!
- 9 :森羅 :2008/10/20(Mon) 21:30:33 ID:u1Iup5lI
- 語りはレイ。(なんかこっちのが書きやすいんだよなあ)
第六章〜闇の中にもがく黒〜
「うん?」露店のいいにおいに混じって変なにおいがする。
普通の人なら気がつかないだろうそのにおいには俺は心当たりがある。そう。つまり・・・。
はあ、とまたため息。さっきから行列に並んでやっともうすぐで飯にありつけると思ったのに。
でもこれは異常事態だ。早急に対処しなければマズイ。「あ、やっぱいいです。」
露店の売り子のおにーさんに笑顔で断って、歩き始める。だんだん早く駆け足になっていく俺。
目指すは風上。さっきのにおいはつまり・・「ねむりごななんて誰が撒いてるんだ?」
腰のボールに手をかけながらできるだけ息をしないように俺は必死に走る。
そんな俺を「なにやってるんだ?こいつ」って見てる一般市民の皆様。俺は変人じゃねーー!
やっとの事で匂いのなくなっている所にたどり着く。そこは町の中央の噴水の広場、のすぐ傍の街路樹の陰。
噴水広場では人が大勢いる。・・・大勢?
「おかしいだろ」とひとりつっこみ。でもおかしいものはおかしい。
なぜって広場の端っこにはねむりごなで眠らされたセイレンの市民の皆様がちゃんといるから。
じゃあ、あいつらは一体誰だ?心の中で自問自答。寝てないやつらはみんな黒いジャケットを着ている。
形は違うがどこかで似た様なのを見たような・・・。
そこでやっと答えにたどり着く。レオだ!あいつの着てたコートに似てるんだ!!
じゃあ、あれはレオのお迎えか?だが、そうならあんなに大勢で来る必要も、ねむりごなを撒く必要も、
ついでに言うとあいつらが戦闘態勢をとる意味もない。つまりは、だ。
「うん?」思考を一旦停止する。風に乗ってあいつらの話が聞こえてきた。
「『マスター』が心配していました。”散歩”は十分楽しんだでしょう?帰りますよ、レオ。」
女の人の声。綺麗なソプラノだ。レオの名前が出てきたからさっきの推測は正しいのだろう。話が続く。
「いやだね。あんなとこに戻るつもりはさらさらない」・・・これはレオだな。
「何を言ってるのです?拒否権は貴方にありません。やっと見つけた『適応者』なのですから」
適応者ってなんだ?その上『拒否権はない』だと?あまりにも横暴すぎるだろ。それは。
「ふん、『ポケモンとの同調』。それがどうしたってんだよ!ついでに言うとおれは記憶の一部失くしてるみたいでな。
お前の顔は覚えてる、『十二宮』の一人だろ?だが名前も持ってるポケモンも忘れてるんだ。悪いけどお前誰だ?」
同調?十二宮?なんだそりゃ?俺の周りで「?」が飛び回る。誰か説明してくれ。
「・・とぼけている訳ではないようですね。いいでしょう。私は十二宮のバルゴ。本名は捨てました。
一対のポケモンはラフレシアとウツボット。よろしいですか?」
バルゴ、さん?あんまりかわいくない名前だ。本名でないと言っていたが。
「うーん、なるほど。お前か。わかった。なんとなく思い出した。でも・・」
「でも、何ですか?」「おれは死んでも戻らないッ!」それを合図にしたように、
カチッ、ボールを開ける音がいくつも響く。黒ジャケットたちだ。
黒ジャケットたちから出てきたポケモンは虫タイプが圧倒的に多い。対レオ用なのだろう。
「あく」も「エスパー」も「むし」は苦手なポケモンだ。
レオがどれだけ強いかは知らない。けどいくら強くても、苦手なタイプ相手はかなりキツイ。
だとしたら?どうしたらいい?
答えはとっくに出ていた。少なからず俺にかかわった人間だ。そうでなくても見殺しは俺の趣味じゃない。
はあとため息ひとつ。今日だけで一体何回目だ?でも。
覚悟を決める。俺はきっとこういう損な性格も持っていたのだろう。
「おい、子供相手に大人何人ががりだよ?ちょっと卑怯なんじゃねーの?」
全ての視線が俺に注がれるのを感じた。
歯車は本気で回り始めた。
少しのズレが修正されて
足らないパーツが足されたから
いままではまだ少しぎこちなかったが
それがはやくはやく回り始める
- 10 :森羅 :2008/10/21(Tue) 23:40:33 ID:33zKuQlY
- 第六章〜真実はいつも残酷で〜
「誰ですか。それよりもどうやって―!」当惑と驚愕が先程までレオと話していた女性―バルゴ―から聞こえる。
レオは人垣でレイには見えない。女性はレオとそっくりのコートを着てレイを見ている。
レイはニコッと笑って言う「はじめまして。キレーなおねーさん、でもなんでねむりごななんか撒いたんですか?」
女性の表情が驚愕のみに変わる。その顔が聞いていた。―なぜねむりごなのことを知っているのか、と。
レイは表情は笑みのまま「においでわかりましたよ。」と答える。女性は更に驚いた様子だった。レイは重ねて聞く。
「なぜ街中を眠らす必要が?ついでに、話に出てきた『同調』やら『十二宮』についても教えていただきたいですね。」
「そこまで聞いてしまったのですか・・、一般市民は巻き込まない様に眠らせたのにですね」女性、バルゴが答える。
「なかなか殊勝な心がけですね。普通の人を巻き込まないように、なんて」レイの皮肉への返答はシンプルだった。
「後で、いろいろと厄介ですから」余裕が出てきたのか微笑まで浮かべている。
「ですが、あなたは色々と聞いてしまったようですね。仕方ありませんが、『研究所』につれて行かせてもらいます。
レオと一緒にね。」その声を合図にジャケット達がポケモンを繰り出す。レイは2つボールを選んで、投げる。
「マグマ!ハガネ!」その声に答えるようにマグマラシはひのこをハガネと呼ばれたエアームドはつばさでうつをそれぞれ相手にぶち込む
一瞬にして敵は半分に減った。対レオとして「むし」を使う彼ら達はレイの2匹にとっては格好の獲物だったのだ。
ジャケット達は数歩退いた。と、「むぐ」「うわ」と人垣の方で声がする。その後レイの傍にレオが来ていた。きっとやつらを殴ってここまできたのだろう
レイは話しかける。「よう、どうなってるのか説明して欲しいんだけどな」「助かった。お前のおかげでやつらの注意がそれた。説明はバルゴにしてもらえ」
「だそうですよ、バルゴさん。説明お願いします。」肩をすくめてレイは聞いた。
バルゴは「レオ。どうしても裏切るつもりなのですね。そして、いいでしょう。説明して差し上げます。
ですが、そうしたらあなたはレオの味方ができないでしょうね」一体どういう意味だとレイは聞こうとした、その前にバルゴが話し始めた。
なにがそんなにおかしいのか、たのしそうな笑みまで浮かべて彼女はこういったのだ。
「レオは私達の仲間。ある組織で私達と同じ『十二宮』いわゆる幹部なのですよ。」
今度はレイが驚愕の表情を浮かべる事になった。
- 11 :森羅 :2008/10/22(Wed) 23:07:31 ID:fy0zognk
- またまたレイに話してもらいます。がんばれよ(他人事)
第七章〜黒い翼を持つ鳥は〜
俺の頭のどこかが、バルゴと名乗った女性の言葉に拒否反応を示し勝手に自己防衛機能を作動させる。
簡単に言うと現実逃避だ。―そうそういい忘れてたけど、レオは背が低い。俺が14歳で165センチ。
まあまあ平均的だろう。それに比べてレオは153あったらいい方の背丈をしている。背が低いので俺は、11歳くらいかと思ったくらいだ。
つまり、こいつの着ているコートのサイズがあっていないと思った事があったが、間違いなく小さいのではなく大きいのだ。・・・
現実から逃げようとそこまで考えたところで俺の口が頭とは逆の行動をとる。すなわち、
「こいつが幹部だって―?」と聞いたのだ。上目使いの言葉はもう使っていない。
「だって、こんな服に着せられているような、男・・いやッ、女の子だぜ!?」残念ながら、女と知っていようがこいつは男にしか見えない。
そして、思い出す。その件に関して俺が殴られた事に。もしかして俺、絶体絶命!?
と思いきやレオはまったくの無関心。ただバルゴの方をにらんでいる。
バルゴ―こいつもこの様子だと幹部なのだろう―は俺の問いに答える。にっこりと並の男なら瞬殺ものの笑みを浮かべて。
「でも、そうなのですよ。そして、レオは一応14歳にはなっています。」
・・・さいですか。もらってもあんまりお得感のない情報をありがたくいただいて、俺は話を組み立てる。
つまり、1.レオはこいつらから逃げている。2.1よりレオは幹部であったが、今は違う。
3.この状況をなんとか打開しないとレオだけでなく俺も危ない。4.こなを撒いたのは自分達の存在を普通の人に気づかれたくない為
以上だ。豆知識程度だな。そして、・・・あんまり3については役に立たない。
でも1・2・4よりも優先すべきなのは3である事に間違いはない。
さて、どうしようか?何か策はあるかと、レオの方を見てみるが、さっきから動いていない。
周りはすっかり囲まれている。万事休す、だ。
と、”ぴろろろー、ぴろろろー”間の抜けた電話の着信音。どうやら音源はバルゴらしい。
バルゴは一瞬いやそうな顔をしたが、すぐに戻って電話に出る。
この間になんとか脱出できないかなあ、考えれたのは一秒だけだった。周りのジャケット達は俺たちから目を逸らしていない。
よって、不可能。だか、自体は一気に終結した。
バルゴが、「なんですって?戻って来いと?目の前にいるのに?」と電話越しの相手に憤(いきどお)りをぶつける。
そして、電話を切ると、すぐに「戻りますよ。」とだけ言う。すごい風が来たと思った瞬間に彼女達は消えていた。
「た、助かったぁ〜!」はあと息を吐き、座り込む俺。見上げるとレオの顔。その顔に向けて笑顔を送る。だが、レオは難しい顔をしてこっちを見下ろしていた。
「お前なんでおれを・・」「はい。待った”お前”じゃなくて”レイ”」途中で割り込んで訂正する。
「む。れ、レイはどうしておれを助けたんだ?ほっといても良かったはずだろ?」傍にいつの間にかいるブラッキーを撫でながら聞いてくる。
はあ?と思う俺。答える。「そんなの当たり前だろ?俺は目の前で誰かがやられてんのを見ないフリするほど冷たい人間じゃない。」
納得したのかしていないのかレオはしゃがんで俺と目線を合わせる。そして、「損な性格だって言われないか?」聞いてくる。顔は笑っている。納得してくれたのだろう。
俺も笑って、「ああ、自分でもそう思うよ。でも、俺が手を出すのは自分にできる限りの事だぜ。」と答える。レオは
「じゃあ今日からそれは訂正だな。これはレイの手に負えられない。」付け足すように「おれも逃げるだけだ。つかまらないように。」と言った。
その顔があまりにも暗かったので、俺はついこう言った。いや、訂正。覚悟を決めた。レオに言う。
「俺は一度手を突っ込んだ事は最後まで貫く。俺ももう関係者だ。だから、だから一緒に旅しよう。逃げるんだよ、やつらから。」どうだい?と聞く。
レオは色違いの瞳を大きくして言った。「ほんと、損な性格だな。貧乏くじを知ってて引くか。」暗い顔は消えて、笑みが戻る。
こうして俺たちの旅が始まった。蒼天の下で。
- 12 :森羅 :2008/10/25(Sat) 23:27:28 ID:ffcj0C6g
- 〜作者の戯言その2〜
どうも。森羅です。少し時間が空いてしまった事をまずお詫びいたします。
さて、補足することが山ほどあるのですが・・、今回レイ&レオの性格が少し変わった
(というより本性がでてきた?)様なので付け足すのと彼らの服装についてと後、作者のレオとレイのイメージ
に絞って少し話すことにします。
では、まずは性格の修正から。レオはあまり変わりませんが、いままでのを読んで悟ってくださる賢明な読者様
ならわかるように主人公のオセリーを踏んでいません。彼女は『正義の味方』ではないのです。降りかかる火の粉は
払うし、さすがに目の前で泣いている人をほってはおきませんが、積極的に「まかせとけ!」とは絶対に言いません。
そして実は基本的にはレイと同じように笑顔なんですよ。(自分もびっくり!)『研究所』にいた時に笑わなくなっていたのです。
それもレイのような裏のありそうな(ちょっと彼の過去に関係があるのですが)感じではなくて、
こどものような裏のない無邪気な感じの笑顔です。いままでの章ではかなり警戒していたので無表情でしたが、七章のラストぐらいで
少し出てきていましたな。レイに関しては損な性格だと判明しました!(かわいそうに)彼は自分のできる範囲でしか手を出しませんが、
気がつくと手に負えない範囲にまで行っちゃってる場合が多いです。彼らは好き勝手に動くので性格が掴みずらいことこの上なし!
さて次。彼らの服装。本編に書き損ねていました。レオは黒のコートの下にはTシャツとジーパン。レイはイメージとしてはゲームの赤・青
緑(つまり初期)の主人公なので、黒髪に黒い目おなじみの赤の帽子にジーパン。上はTシャツで。赤の帽子については少し話を作りました
はい、ラスト。レオと言う名前には星座のしし座から来ています。ですが、彼女のイメージはライオンではなく、鴉です。黒い鴉(からす)
(このイメージについては今度話します)レイの方がライオンです。白い獅子。今はまだ眠れる獅子ですが、物語が進むにつれて眼が覚める時
が来るかもしれません。ですから、題名で「鴉」や「獅子」がでてきましたら、レオやレイの事だと思ってください。
さて、こんなものですかね。補足が多くてすみません。見捨てないで読んでくだされば幸いです。
では、また第八章でお会いいたしましょう。
- 13 :森羅 :2008/10/26(Sun) 20:54:44 ID:jz4PZ8EY
- 今章では、異色にもレイではなくレオに語りをしてもらおうと思います。
第八章〜無色の瞳が語るモノ〜
おれ、つまり『レオ』は座って空を仰いでいる。天気は今日も晴れ。空は青い。
ついさっきまで、レイには一通りおれの覚えている事を話していたからさすがに喉が渇いた。
ここはセイレンシティから少し離れた草原。緑の草が風になびいている。
隣でレイはあぐらをかいて、ほおづえをつき、目の焦点が少し失われている。
何か考えているのだろう、とおれは思った。と、突然レイはこっちを向いて「なあ」と言ってきた。
一体なんだ?レイの方に向き直るとレイは続けた。「ほんとーーーに覚えてるのってそれだけなのか?冗談抜きで?」
・・・おれは言葉を返す事ができない。確かに、自分でも本当に?と思うのだ。だが、
別に好きで覚えていない訳ではないんだよ!!おれが覚えているのは、つまり、
1.自分は”どこか”の砂漠にある建物から逃げてきた。2.1の場所はバルゴの言っていた『研究所』(仮)
3.『十二宮』と言うのは幹部の総称(らしい)で星座から来ている4.『レオ』と言う名前もしし座から来ている(実名不明)
5.『十二宮』はその名の通り自分を入れて12人(仮)6.『同調』と言うのは自分の持っている力の事でこれは良く覚えてる。
6の内訳は、ポケモンと会話できる事(多分どんなポケモンでも)ただし、会話といってもポケモンの言葉を話せるわけではなくて、
どちらかと言うとテレパシーに近い(と思う)。頭に彼ら(ポケモン)の考えている事が浮かぶのだ。
それから、この能力はまだ未完成である事。(どの様に未完成なのかは不明)そして、最後に『世界を支配できる力』という言葉・・
最後のについてはいつ、どこで、誰から聞いたのか、なぜなのかをまったく覚えていない。
である。そう、これで全てなのだ。冗談ではなく。
・・・・・大事なところばかりが完璧に抜け落ちていて、覚えている事ですらあいまいさが目立つ。
{レイ:(仮)ばっかじゃねーか!!}
肩をすくませてやっとの事で答える。「悪いけど・・それだけだ」
レイは少し考えてからまた聞いてくる。「『同調』とやらについては”よく”覚えてるって言わなかったか?」
おれは少し胸を張って答える「”良く”じゃないか。・・・数としては」
レイの乾いた笑みと恨めしそうな視線が痛い。
「ま、また思い出す事もあるだろ。とにかく次はどこに行くか決めよう、な!」
レイは少しから元気をだして話題を変えてくれた。
* * * *
「戻れと言った意味を説明していただけるのでしょうね?」いらいらとした声が館内に響く。
声の主は他でもないバルゴだった。「もちろんだよ、麗しのバルゴ。」芝居がかった男の声が答えた。
「ただし、僕からではなくて『マスター』からしてもらってくれたまえよ。命令を出したのは『マスター』なのだからね。」
そういって館内のあるドアの前で立ち止まる。ノックを2回。さあどうぞと言うように男がドアを開け、バルゴは中に入った。
「すまないね。『戻れ』などと言ってしまって。けど、ある可能性に気がついたんだよ。もしかしたら、『レオ』を完成させられるかもなんだ」
うれしそうに部屋にいた男が言った。まるで子供が新しいおもちゃを見つけたかの様な声だった。バルゴはやわらかく笑って答える。
「貴方の命令なら逆らいませんよ。説明していただけるのでしょう?」こちらもうれしそうだった。
「もちろん。じゃあ、内緒の話をしよう。『世界を使って遊ぶ』ための話を、ね」
うわあ、なんか第零章が消えましたね。初読みの方。実は零章があります。注意してください。(作者談)
- 14 :森羅 :2008/10/27(Mon) 23:20:58 ID:CxweQ9/M
- 第九章〜道は決まったか?〜
「う〜〜ん、たぶんここ、か・・なッ!?」レイのセリフにレオのゲンコツが飛んだ。
「いってェ〜」涙目で頭を抑えるレイ。見るとすでにレオは第二撃目を用意している。
レイは言おうとした文句を飲み込んでははは、と笑ってごまかした。
だが、レオの怒りはまだ収まっていないらしい、声が聞こえる。
「どー言う事だ?なあ?ここはどこだって聞いてなんで『わからん』なんだ!!地図は!」
レオの怒りの声が辺り一面の草原に響いた。
レイは「いや、地図ってのは現在地がわからないと役にたたないものなんだ」
真剣な顔をしてビシッ、と人差し指をたてる。だが、このジョークはレオには通じなかったらしい。
わなわなと怒りが湧き上がってきているのは一目瞭然だ。レイは反射的に自己防衛を働かせた。すなわち
「い、いや!冗談だからッ!冗談!!・・・ごめんって!!!」ととにかく謝る事をした。レオはふん、と
鼻を鳴らして、うんさんくさそうな目でレイを見て、手を出してきた。レイは素直に地図を渡す。
今時珍しい紙の地図で、これに機械のように現在地を表示する機能はもちろんない。
レオは少しの間地図とにらめっこをしていたが、突然声をだした。「なあ、ここじゃないか?」
レイは「どこどこ?」と嬉しそうに聞いてくる。レオは地図の一点を指差していた。
草原のマークのついたその場所の名前は表示されていなかったが、セイレンシティ周辺で草原はそこしかない。
ちなみにレイが最初地図見て指差した場所とはまったくの反対側だった。
「おお、間違いない!レオすごいな!」レイはひっしによいしょしたが、無駄だったのは言うまでもないだろう。
次に行く町を決めようと言うレイの提案で、地図を見ていた彼らだったが、
レオはレイが自分を見つけた時になぜ5日間も迷っていたかがわかりたくなくてもわかってきた。
「んじゃ、次はカグツチに行くか!」レオのおかげで現在地のわかったレイが地図を見て元気良く言う。
「カグツチ?」レオはまた新しく出てきた地名をそれは何か、と言う含みを持たせて聞いた。
ん、ああ。とレイはつぶやき、答える。「炎の町カグツチシティ。ホウト地方で一番明るい町さ」一旦切ってから
「明るいっていっても夜が来ないわけじゃねーよ。町の雰囲気が明るいんだよ。」と補足を入れた。
ふーん、とレオが納得しているのを見てレイは続ける。「いいか、このホウト地方はそんなに大きい地方じゃない。
大きな町がいくつかあって、他の町はその周辺に集落みたいにして住んでる。いままでいたのが水の都セイレン。」
そういって地図のセイレンの場所を示す。「んで、次行こうって言ってるのが炎の町カグツチ」
地図の上のレイの指が移動し、カグツチと書かれた場所を示す。「どっちも大きな町さ。あと、大きな町に入れるのは」
うーんと考えてからレイは地図の指を動かす。「風の谷ノトス、時の地区クロノス、それから、天の孤島テュール。
これでホウト地方の五大都市だ。」地図で一番下にあたるセイレンからぐるりと時計回りにレイは説明した。ただし、
「最後のテュールだけ、なんで孤島なんだ?地図の中心にあるだろ?」レオは疑問を口にした。
「ああ、それはテュールが湖の上にあるから。・・といっても俺も見た事ないけどな」レイは答えた。
答えを聞いてからレオはもうひとつの疑問も聞く。
「なあ、砂漠はこの地方にはあるか?」
- 15 :森羅 :2008/11/01(Sat) 22:38:10 ID:jyXRaZ9I
- ご無沙汰しております。森羅です、ですが一体上の英文はなんなのですか!?
コメント!コメントなのか?パソコンはまったくだめなんで、よかったら教えていただきたいです。
本当にすみません。(あわわわ・・)
開き直って第十章!早いものでもう二桁じゃないですか!
第十章〜過去と町と赤い帽子〜
「砂漠?」レイが聞く。レオが頷くのを確認してから答える。
「んー、この地図で言えば上と下。上が北の砂漠、下が南の砂漠。そのまんまだけどな。」
レオの顔がこわばり腕が微かに震えたのをレイは見過ごさなかった。急いで続ける。
「あ、でも別に砂漠を横断しなくても、ノトスからクロノス、テュールからセイレンに行けるぞ」
少しだけレオのこわばった顔が元に戻った気がしたレイは安心する。だが、レイにもあったのだ。
絶対に口に出したくなかった言葉が。口に出すだけで恐怖の甦る名前が。
フラッシュバックしてきた恐怖を振り払うようにレイは元気良く言った。
「んじゃ、さっさと行こうぜ。ここにいたらいつあいつらが来るかわかんねぇし」
立ち上がってズボンについた草と土を払う。レオは頷いてそれに倣った。
カチッ、とボールの開く音が3つ響く。レイはマグマラシを、レオはエーフィとブラッキーを出した
それぞれを傍に歩き出す二人。カグツチに着くまでにやつらには会わなかった
そして、数日後、ある問題が起こった。
それほど広い地方ではないと言うレイの言葉通り、数日間草原と土の道を歩くとカグツチに着いた
いや、少し訂正をカグツチシティ直前の林の中に着いた。理由はレオの一言。つまり
「なあ」「ん?なに?」「この髪の色って目立たないか?」である。
レイは一瞬返答に困った。が、答える。「・・・目立つ部類に入るな・・」
そう、なぜ気がつかなかったのか。レオの髪は銀(白)なのだ。目立たないわけがない。
「切るか、染めるかした方がいいかな?」レオは何気なく言うのをレイは急いで止めた。
「い、いや!やめろ!!・・染めるのは体に悪い!」表向きの理由を言う。本音は、
「髪切ったら本当に男になるだろ!」と「もったいないだろ!」
そんなレイの本音には気づかず、レオは少し怒った様に言う。「じゃあ、どうしたらいい?」
う、と返答を詰まるレイ。なにか代わりのものはないかと考えて、はたと思いつく。
レイは自分のかぶっていた帽子を脱ぎ渡す。これ気に入ってんだけどな、と思いつつ。
「ほら、これ。髪はくくって中に入れて、目深に被って片目隠すようにしてろ」
しぶしぶ受け取って言われたとおりに被るレオ。確かに髪と瞳は隠せたが、
どこからどう見ても男の子だ。上から下までレオの姿を見回して、レイははあ、とため息。
だが、とりあえず準備は整った。
次に着くのはほのおのまち
祭りと花火とバトルの町
待ち受けるのは一体何か
- 16 :森羅 :2008/11/03(Mon) 23:37:01 ID:Rwrq/4GY
- こんばんは。今回からちょっと息抜きみたいな話を作りました。
第十一章〜炎の町の獅子と(ポケモン)〜
「うわあ〜」嬉しそうな笑顔でカグツチの祭りを見つめているのは言うまでもなくレオだ。
俺(レイ)に向けて、では断じてない。
祭りに向けて、である。カグツチの祭りはホウト地方では一番だと聞いている。
今日と明日するらしい。うまい時期にこれたものだ。と俺は一人思う。
「なあ」いきなり俺の前を歩いていたレオが振り返り話しかて来る。
「なんだ?・・花火なら夜やるそうだぞ」
「いや、そうじゃなくて・・、レイは来た事あるのか?」聞いてくるレオ。
「いや、ない。」答える俺。
祭り自体は俺の町もやっていたから見た事はあるし、参加もしたが、カグツチのはない。
と、そこでふと疑問がわいた。・・ちょっとレオをからかうか。
「お嬢さん、祭りや花火は初めてですか?」ニコッと笑いながら聞いてやる。
「見た事はある!!覚えている!!」顔を真っ赤にして怒るレオ。グーの拳が飛んでくる。
ひょい、と避ける俺。らくしょー。二撃目も飛んでくるがこれも余裕だね。
すっ、と避ける。だがそのせいで、レオはバランスを崩した。
ここでレオが転んだらかわいいのだろうし、
俺が転びかけたのを支えたらかっこいいのだろう。だが、人生そう甘くない。
レオは自分で体制を立て直した。
俺が支えようと伸ばした手は無駄になった。
少しの間俺はレオと自分の伸ばした手をかわるがわる見ていたが、俺は手を無言で戻した。
レオはそんな事に気にも留めずさっさと歩いていってしまう。
足元にいる相棒のマグマラシのマグマが哀れむ様にこっちを見上げた。
俺たちが目指すのはだいたい町の中央にあるポケモンセンター(以下P.C)
そして祭りが一番にぎわうのももちろん町の中央。
なので人ごみはどんどんひどくなっていった。さすがに迷うな、と思ったところでレオを呼ぶ
「レオ、ちょっと待て、迷うぞ」
だがレオは「大丈夫だって。あの赤い屋根の建物だろ?すぐだ」と笑って答えた。
そして人ごみにつっこんで行ってしまう。
レオの笑顔に一瞬気を取られた俺は急いで後を追う。
赤い帽子のおかげで見失わないと、思ったが、それは初めの方だけだった。
レオは背が低いのだから人ごみに簡単に埋もれてしまう。
やっとのことでP.Cの前に着いた頃には完全に見失っていた。
P.Cの辺りにもいない。「マグマ!レオを知らないか!」
俺の声に答えたのはマグマラシではなかった。
リン、と頭の中で音がした、と思ったすぐ後に[知らぬ]と少年の声が響いた。
驚いた俺は辺りを見回しながら「ッんな!?誰だ!?」と聞く。
答えがある。[我だ。阿呆め。貴様の足元だ]
急いで足元を見るとマグマとそして・・・
[どうした?よもや見えぬわけではあるまい?]ブラッキーがいた。()付きでレオの。
「な、なんでお前が・・ていうか、話せ、ッ痛て!」頭突きを食らった。痛い。
[レオと分かれてしまった。貴様を見つけたから共におる方が良いと思っただけのこと]
「なら頭突きするな」俺は小声で抗議する。だが。
[ふん、思うだけで良い。独り言をぶつぶついっている変人に思われたいなら話は別だがな]
いちいち勘に触る奴だ。マグマは勝手にしろ、とでも言うように話しに参加しない。
[まったく今日は厄日だ。こんな小僧と共におらねばならぬとは]
それはこっちのセリフだ。
- 17 :森羅 :2008/11/04(Tue) 23:31:52 ID:lIwzQW0w
- さて、こんばんは(?)十二章をしたい所なのですが、今日は眠いんですよね。
なので、少し番外編といきましょうか(え?早く続き書けって?やですよ。たまにはいいじゃないですか)
舞台は少し過去に遡り、まだ『研究所』にいたときのレオの話です。
ネタバレはないので、読まなくてもかまいませんが、僕的にはすごく書きたかった話なので
是非読んで欲しいですね。レオのイメージが鴉と言った意味がわかっていただけるかもしれません。
ちなみにナレーターはヤミカラスがしてくれます。
番外編〜夕焼けの黒。君の空〜
夕焼け空が砂漠の砂嵐の中からかろうじて見えたのを覚えている。
本当にほとんど何も見えなかった。なんとなく赤が見えるか見えないかぐらいだった。
僕はエアームドのような鋼鉄の翼を持っていないし、ピジョットの様に屈強な翼もない。
つまり、止む事のない砂嵐に立ち往生していた、と言うわけさ。
一ヶ月くらい立ち往生していた僕はやっとこの砂嵐のある法則に気付いて、ここから立ち去れると喜んでいた。
これはその時のお話。
砂嵐の砂を受けながら僕はやっとの事で『いつもの場所』にたどり着く。
なんで人間がこんな砂漠の中に建物を造ったかは知らない。知りたいとも別に思わないし。
ただ、こんな砂漠の中で僕が羽を休めて夜を過ごせる所がここぐらいしかなかったと言うだけだった。
いままでずっとそこには人はこなかったし、後少しの間も来ないものと思っていた。
だが、そこには先客がいた。
僕と同じような黒を纏って、僕がいつも止まる手すりに腰掛けて、砂嵐の空を見ていた。
砂嵐に隠されて空なんてまったく見えないのに。それなのにその人間は空を見ていた。
僕はヤミカラス。縄張り意識は結構ある。
その本能に従って僕はその人間を追い出そうと嘴をカチカチ言わせた。
さあ、攻撃するぞ。そう思ったちょうどその時に人間がこっちを向いた。
「ここは君の場所なのか?悪いけど少しだけ居させてくれないかな?空が・・
空が見えると聞いたんだ」やわらかく笑う人間。二つの瞳は色が違っていた。
綺麗なものが大好きな僕は気がつけばガクガクと頷いていた。
もう一度人間は笑って、ありがとう、と小さくつぶやいたのを聞いた。
だけど・・・ここでは空は見えないよ。僕はそう言いたかった。
けれど、僕には人に自分の気持ちを伝える術がない。
「ここは空はみえないのか・・」悲しそうに人間がつぶやいた。
うん。今は見えな・・ええッ!?
[僕の言ってる事がわかるの?]思わず思った言葉に返答があった。
「うん。おれの力なんだ・・。生まれつきじゃないけどね」
更に悲しそうに人間は言った。そして、
「もう戻らないと。怒られるんだ」ははは、と乾いた笑みを見せて人間は行ってしまった。
次の日、『いつもの場所』にまた人間はいた。
僕が近づくと人間はこっちを見て手を軽く振った。
傍にはブラッキーとエーフィが座っていた。
[やあ、今日も来たの?空は見えないだろう?]僕は言った。けれど、答えたのは違う声。
[五月蠅いぞ、貴様。『レオ』が望んだのだから、我等がおるだけよ]
声の主はブラッキー。なんて時代がかった話し方だ。
そして、「やあ、おれ、今日も来たんだ。どうしても青い空が見たくて」照れたように笑うレオ。
レオは続ける「まだ、生まれて一度も見た事ないんだ。ここに来る前も・・」また悲しそうに笑う。
そして、いきなり話を変えた。
「君の名前は?ヤミカラスじゃなくて個人名!」
そんなものは僕にはない。そう思うと答えが返ってきた。
「じゃあ、君の名前は『漆黒』。黒い羽だから」
[『漆黒』・・?]僕は思わずつぶやいた。
「そう、良くないか?」どうやら自分の考えた名前を良いと思ったらしい。
僕は・・どちらかというと・・・・どっちでもいいか。
「漆黒はどんな所から来たんだ?砂漠のポケモンじゃないだろ?」レオは聞いてくる。嬉しそうに。
僕はそれから色々な場所について話すはめになったのは言うまでもない。
三日目。レオは来たが、あまり浮かない顔をしていた。
僕が何を言ってもぼー、とまるで魂が抜けてしまったかのように反応しない。
やっと、反応したかと思ったら、「あ、ああ」と気弱に笑ってまた反応しない。
エーフィとブラッキーはいなかった。
少したった後、建物から声がした。
「レオはどこですか!!連れて来なさい!」その声が聞こえると、レオはビクッと顔をこわばらせた。
そして無表情になってしまって、何も言わずに入っていってしまった。
四日目。レオはこなかった。
・・・・・僕は明日の朝出発しなければならないのに。
明日の朝少しの間だけ砂嵐は止む。その時間に僕は砂漠を越える。
行かなければならない。けど、ちゃんとさよならをいいたい。
あの悲しい笑顔と優しい笑顔と綺麗な2つの眼をもったあの人間に。
僕に名前をくれたあの人に。
五日目朝。
起きるとレオが居た。
なぜ?と僕が思うと返事があった
「漆黒が呼んだから。会いたいって思ってくれただろ?」
いつもみたいに優しく笑う。
僕も笑い返す。そして、言う。
[僕は今日行くよ。もうすぐ奇跡が起きるんだ」不思議そうに首を傾けるレオ。
[青空が一瞬だけ見えるよ。僕はその時に行く]レオの顔が変わる。
驚き、喜び、そして寂しさ。
そのとき、時は来た。
一瞬だけ蒼が世界を支配する。
僕は飛び出した。力の限り羽ばたいて。
レオが何か行った気がしたが、僕には聞こえなかった。
これで僕の話は終わり。
いまでも、ときどき思い出す。
砂漠にある砂嵐の中の建物と、僕が出会った二色の眼を持つ人間。
彼女はどうしているだろうか。
彼女は青空を見てるだろうか。
- 18 :森羅 :2008/11/08(Sat) 22:07:55 ID:eSisWuao
- ちょっと間が開きましたね。こんばんは森羅です。
番外編やっていたので忘れてしまったかも知れませんが炎の町の続きです。
今回はレオの方の話をやります。微妙に十一章と被っています。
第十二章〜炎の町と鴉と(ひと)〜
「すごい・・」おれはこの4,5年で見た人よりも多い人をこの町で見ている。
フィーもキーも(レイも)ほっといても後からついてくるだろうから、とりあえず赤い屋根のP.Cとやらを目指す。
おれが最初に寝ていた所がP.Cと言うらしい。無料で泊まれる言うのだからすごい。
どうやって経営しているのか気になる所だ。
だが、P.Cを目指していたはずのおれはかなり人に流されていってしまっていた。
慌てて戻ろうとするが人波に逆らって進もうとするおれを人達は「じゃまだ」と言わんばかりに流していってしまう。
気がつけば一人になっていた。
周りを見回しても、キーもフィーもいない。レイも・・・。
いきなり一人になってしまった。どうしよう?そう考えるおれは流されれば流されるだけ余裕がなくなって来た。
・・・・怖い・・・。
『何か』が怖い。『何か』を忘れている。
でも一体『何が』・・?『何を』・・・?
「・・・ッ痛・・!」
いきなり頭に痛みが走った。
意識が朦朧とする。目も霞んできた。だが、人波で立ち止まる事ができない。
助けを求めてやっとの事で前を見るが、誰もおれのことなど気になどしていなさそうだ。
が、「大丈夫?こっち!」手が差し出された。
今にも倒れそうな自分を奮い立たせて、かろうじて保っている意識をフルに使って差し出された手を掴む。
「レ・・・・ィ・・・」やっとの事で声を出す。
だが、一体誰をを自分は呼んだのだろう?
そこで意識は途絶えた。
「君!君?大丈夫!?とりあえずこっち!」
声に答える者はいない。意識を失ったらしい”男の子”の手をぐい、と引っ張ってこちらに寄せる。
11歳くらいだろうか?この辺りでは見ないから集落の子か旅行者だろう。
周りに保護者とかがいるんじゃないかと思っていたけど、それなら、あそこまでふらふらになったのをほっては置かないだろう
とりあえず、近くのベンチに座らせる。
男の子はぐったりとしていて、なにかうなされている様に冷や汗をかいている。
僕にはどうしようもできない。
すると、人ごみから抜けて、エーフィがこちらに来る。
びっくりしている間もなく、エーフィは男の子の所に駆け寄って、「フィ・・。」と小さく鳴いた。
だけど、男の子は起きる気配はない。何かつぶやいている。
聞こえたのは「・・ィ・・・『・・タ・』・・ちょ・・ぅ・・・か・ぃ」
一体何の事だか訳がわからない。
とりあえず、エーフィに言う
「君のご主人(?)を診ていてくれる?僕はなにか冷たいものを持ってくるから。」
わかってるのか、わかっていないのか、エーフィは頷いた。
それを確認してから僕は駆け出した。
暗い・・トコロ。声だけが響く。
「逃げられないよ、『レオ』君は私の・・・なのだから」
その場所の名前はなんだった?・・・声の主は一体誰?
風と雨のような音だけが耳の奥に残っているのを覚えている。
- 19 :零 :2008/11/09(Sun) 13:29:59 ID:mJzXD5no
- 森羅さん、こんにちは。
私の作品にコメントを残していただいて、
とっても嬉しいです。
森羅さんの作品は
私の好きなエーフィも出ているので、
いつも楽しく見させていただいてます。
私の作品は、短く更新が遅いので・・・。
森羅さんとは比べ物にはなりませんね〜(汗)
では、森羅さん。
作品づくり頑張ってください。
楽しみにしています(笑)
失礼しました。
- 20 :森羅 :2008/11/09(Sun) 21:02:57 ID:ZrIdhsh6
- こんばんは。零さんコメントありがとうございます。
まさかこんな未熟者の作品にコメントをくださるとは・・感動です!
では、頑張って更新行ってみましょうか。十二章の最後で登場した『僕』の名前が明らかになります。
あっと、最後にお詫びを一つ。十二章で間違って『*』を入れ忘れていました。
番外編をやった時のなごりですね・・。申し訳ありませんでした。
第十三章〜分かれた2人と出会いの始まり〜
「うぅ・・」目を開けるおれ、つまりレオ。
傍にはエーフィのフィーと知らない人間。おれは素直に聞いた。
「だ・・誰、だ?」まだ、頭がはっきりしない。目もまだ霞んでいる。
でも、レイではないだろう。
少年が答える前に、フィーが話しかけてきた。
[大丈夫ですか?レオ様。まだ気分が悪いですか?それとも・・・何か思い出しましたか?]
おれは答える。
「なにか、夢見てた。あの時の事、」だったかも知れない。でも、忘れたよ。気分は・・まだちょっと悪い」
フィーは話すのをやめて、力のまだ入らない腕にすりよっておれを見上げた。
ダークブラックの2つの瞳に自分が映っているのが見える。見上げているので、2色のおれの目も映った。
そして、もう一度少年に聞く。
「お前は誰だ?」
少しの間のおれの”独り言”に、レイがしたのと同じようなあっけに取られたような顔をしていた少年がはっ、と我に返る。
「え、あ、ああ!僕は木立。木が立つでコダチ。君が気分悪そうだったからとりあえずここに連れてきたんだけど、大丈夫?」
頷くおれ。そしてお礼を言う。礼を言った後、コダチは聞いてきた。
「君、さっきから何一人で言ってるの?まだ、気分悪い?」
とりあえず、ごまかした方がよさそうだったので、おれはこう言った。
「おれ、何か言ってたか?」
その言葉の効果は抜群だった。コダチを、
「え、そうなの!?・・いや、なんでもないよ。気のせいだったみたい」
と上手くごまかす事ができたから。
* * * * *
「お前なんでしゃべれんだよ!?」俺、つまりレイはレオのブラッキーであるキーを問い詰めていた。
・・・もちろん小声で。じゃないと周りから変人に思われてしまう。まあ、少し位なら聞こえないだろうが・・。
ここはP.Cのロビー。とりあえず部屋は取っておいた方が良いだろうと思って手続きをしている最中だ。
さすがはホウト地方一番の祭り。P.Cの混雑は最高潮だ。だから、いつもならすぐ終わる手続きをロビーで待たなくてはいけない
めんどくさい事この上ないが、泊まれる所がないのは更に困る。まあ、いざとなったら、ロビーで寝させてもらおう。
そして、その間に俺はこの変に時代がかった話し方のブラッキーに色々と聞こうと思ってさっきの質問に至ると言う訳だ。
マグマラシのマグマは現在、俺の他のポケモン達と一緒に回復機で回復されている途中だ。結構時間がかかるとジョーイさんは言った
ブラッキーは俺の頭の中で少年の声で答える。
[なぜ、我が貴様にそんな事を説明せねばならん?貴様は理解力が無いのか?
それとも、よもや人の言葉を理解できるのは人だけだと思っているわけではあるまい?]
俺は少しイラッ、として答えた。
「悪かったな。だけど、俺はポケモンが話しているのを聞いた事が無いぞ」
答えがまた響く。
[我だけが人の言葉を理解できるわけではないぞ。ポケモンが人の言葉をわからねば、どうやって我らは貴様等の命令を聞く?]
・・・なるほど、もっともだ。そして、こいつは言葉とは裏腹にかなり丁寧に説明してくれている。実は結構いい奴か?
だけど、「普通のポケモンは話さないだろ?」
その答えにブラッキーは少し戸惑い、答えを渋った。
別れ別れの鴉と獅子と
鴉の夢と
獅子の掴みかけた真実は
繋がってはいるのだろうか
- 21 :森羅 :2008/11/11(Tue) 23:06:14 ID:OV8bkrZ2
- こんばんは。いきなりですが、訂正を一つ。十三章でのレオのセリフに「なにか、夢見てた・・・」
というのがあるのですが、間違えて”あの時の事”の後に”」”を入れてしまいました。
あそこの”」”は間違いです。すみませんでした。ひさびさに僕が語りです。
第十四章〜黒色の真実〜
[う・・む。]ブラッキーがかなり答えを渋っている。
「答えろよ。知る権利はあるはずだぜ。一体お前らは何なんだ?」
レイは少し声を荒げて問うた。少しだけ人がこちらを向く。
だが、少したつとすぐにレイたちには興味を失くした様に自分達の話に戻っていった。
レイとキーの両者は少しの間にらみ合っていたが、キーがすっ、と目を逸らした。
まるで、レイのほうを見るのがつらいかのように。まるで、隠し事を隠し通す事ができないかのように。
[・・・よかろう。だが、我もごくわずかしか知らぬ。・・・それでも良いなら]搾り出すようにキーは答えた。
「ありがとう」レイはそのつらそうな顔にそう言わずにはいられなかった。
[我らは・・レオが逃げてきた『研究所』から来たのはまず良いな?]確認するようにキーは声を響かせた。
レイが頷くのを見て、キーは続けた。その漆黒の瞳に自分が写っているのをレイは見た。
[我とエーフィのフィーはある実験の実験体だ。その実験内容が『同調』]
セイレンシティで聞いた『同調』の意味の断片をレイはこのとき初めて知る事になる。
レイが口を開きかけたのを制す様にキーは言葉をつないだ。
[一体どこまで研究が進んでいるかは知らぬ。だが、その研究内容である『同調』というのは]
キーは一度そこで言葉を切った。そしてためらうようにして続ける。
[『同調』というのは、人とポケモンの会話を可能とする研究。このようにな]
「これが、『同調』・・・」レイは確認するようにつぶやいた。
[だが、それだけの研究では済まなかった。やつらは、結局『レオ』を生み出してしまった]
その言葉に疑問を持つレイ。だが、キーはまだ続ける。
[『レオ』がどこまでできるかは、我もフィーも・・レオすら知らぬ。だが、レオが覚えていただろう?]
―世界を支配する力―
レイは言葉を詰まらせながらこう聞いた。答えを持っているはずの、目の前のポケモンに。
「一体なにが起こるんだ?一体どうなるんだ?」
[言っただろう?小僧。我は知らぬ、と。
我らはこうやって人に己の心を伝える術(すべ)しか持たぬ。レオと会ったのはずっと後だ]
その言葉の裏側には”もっとすごい事が、レオはできる”という意味があるのをレイは感じ取っていた。
レイは何も言う事はできなかった。
ただ、現実のみが手の中にあるのを彼は知った。
彼にとっては”二度目の”感覚。
まだ、ブラッキーはその事を知らない。
- 22 :森羅 :2008/11/14(Fri) 23:01:16 ID:uw1K5vx2
- 〜作者の戯言その3〜
間が空きましたが、森羅です。久しぶりにこのコーナーをいたしましょう。
いきなりですが、あることに気づき訂正を入れさせていただきます。
十四章で、ブラッキーの目の色が黒と書いているのですが、後で確かめるとなんと赤でした。
申し訳ありません。あそこの部分は赤と読んでください。
さて、今回の補足はそうですね・・、レイのイメージがライオンだといったのがなぜかを説明しましょうか。
と、いってもこれは私のイメージでしかないので、読んでくださっている方が(いれば)その人のイメージのままで結構です。
レイは・・、そうですね、彼の性格からのイメージです。彼は外側はレオや他の人達に言いようにされてしまったり、
周りに流されがちですが、実は内面的な強さがあるのです。
レオの話は長くなるので、また今度。
今日は少ないですが、許してください。
- 23 :森羅 :2008/11/15(Sat) 23:23:27 ID:Dtbrnjw6
- 第十五章〜『力』の兆し〜
コダチは何か買ってきてあげるよ、と言い残してどこかに行ってしまった。
ふう、と息を吐くおれ(つまりレオ)。
エーフィのフィーがだいぶ気分がよくなったおれにもう一度話しかけてくる。
リンと、頭に声が響く。[さて。勝手に行動なさったこと、忘れておりませんね?
・・いいかげんにしていただけますか?セイレンでも色々とわたしは言ったと思うのですが]
こ、怖いな。フィーの後ろに修羅が見える。静かに怒っているので更に怖い。
いつもは助けてくれる優しいブラッキーは傍にいない。・・・そういえば、キー!!
「フィー、おれが悪かったよ。だが、キーは?レイは?一体どこだ?」
はあ、とため息をついて、フィーは答えた。
[そういうことはできるだけ早く聞いてください。わたしはその事で怒っているのですよ?]
・・・言い返すことはできない・・・。
「わたしは存じません。レオ様を追っているうちにはぐれたようですね。ちなみにキーとは『同調』できませんでした]
レオ様ならできるかもしれませんが、付け加えるようにフィーは言葉を続けた。
早速、おれはすっと目を細めてキーと連絡を取ろうとする。無色の瞳が一瞬痛んで、細胞が組み変わるような感覚が襲う。
どうでしたか?そうたずねてくるフィーに対しておれは首を横に振った。
と、いきなり「ピギャー!」ポケモンの悲鳴が聞こえた。
おれとフィーは驚いてそちらをみる。人だかりができていて、その中心からその声は聞こえてきていた。
ふ、とおれが立ち上がるのを感じた。
なぜだろう、おれの体なのに、おれの体じゃないみたいだ。
そのまま人だかりをかきわけて、おれは人だかりの中心、悲鳴の聞こえた所についた。
一人の男性とオニドリル。20歳は超えているだろう男性。そして、オニドリルは野生だろう。
「どうしたんだ?」おれは聞いた。だが、頭がまたぼぅ、としてきた。目の焦点が失われていく。
男性が「お前、誰だ?関係ないだろう?一体・・」といったのはなんとなくしか聞こえなかった。
オニドリルの中に自分の意識が入っていくようにおれはオニドリルの見ているものを見ている、そう感じた。
* * * * * *
2つの紙コップを両手にあの男の子のいた所に戻ろうとしたとき「ピギャー!」とポケモンの悲鳴が聞こえた。
びっくりして、紙コップを落としかける僕、コダチ。
なんとか落とさずに済んでほっとする。よかった。
だけど、さっきの悲鳴は気になる。少し寄り道してもいいか・・な?
少しの罪悪感と膨らみきった好奇心を秤にかけてから、足を騒ぎの方に向けた。
・・・そこで見たものに僕を含めるギャラリーの人達はなにも言えず、ただ呆然としていた。
人間が2人、ポケモン(オニドリル)が一匹。しかも片方の人間には見覚えがあった。・・・ってあの男の子じゃん・・。
見覚えがある方が言う。「君は好きな所に行くと良い。誰も君を止めたりはしないから」
オニドリルに向かって言う。薄い笑みが口元に浮かんでいた。
もう一人の男性は黙って、口をぱくぱくさせていた。驚いているのではなくて、あれは怒っている。
「いきなり、何訳のわかんねぇ事をいってやがる!どけ!」やっとの事で言葉を紡ぐ男。
赤帽子の男の子は笑みを嘲笑に変えて、男の方を向く。「お前にあんな事をする権利は無い」
温度の低い鋭い声。僕はぞっとした。だけど、その言葉の後、男の子の方に急激な変化が現れた。
いきなり、はっとしたような顔をして、驚いて辺りを見回していた。帽子で隠れている方の目を抑えて、こう言っているのが聞こえた。
「え・・?おれは・・一体、何を・・・?」そして、「う、うわあぁぁ!!」
何か恐ろしいものでも見たかのように叫んで、走って行く。
僕は慌てて追いかけた。
- 24 :森羅 :2008/11/16(Sun) 17:51:52 ID:HhQIj9yc
- 最初はレイ側の話で後からはレオ側の話です
第十六章〜迷路の中の不安と恐怖〜
[?・・レオ?]ブラッキーがいきなりつぶやいた。(のが俺の頭の中で聞こえた)
「どうしたんだ?」そう問う俺を無視してブラッキーのキーはP.Cの外へ走り出してしまう。
「おい!?ちょ、ちょっと!」急いでキーの後を追う。だが、キーはP.Cの自動ドアをくぐった所で足を止めた。
「なんなんだよ?一体」いきなり走ったので少し息切れ気味に俺は聞く。
[レオが・・いや、違うな。これはもしかするとだが・・まずいかもしれん]
さっぱり意味がわからない、俺。もう一度どういうことだ?と聞く。
[先程、一瞬、『同調』の力を感じた。・・フィーではなく、レオの方だ。だが、レオはこんな広範囲に力を広げられぬはず。
だから、もしかしたらレオの力が強まったか、あるいは”目覚め”かけているのかもしれん]キーは当惑気味に答えた。
「・・・どっちだ?」[む?]
「その方向はどっちだって聞いてんだよ!!」
さっき、ブラッキーが話してくれた話、そして、今ブラッキーが教えてくれた『同調(ちから)』の発動。
胸騒ぎがする。はやくレオと合流しないといけない。俺の本能がそう告げていた。
[多分、こちらだ。小僧急ぐぞ]キーは答えて駆けていった。俺も後を追う。
無事でいろよ!レオ!!
* * * * *
「お、れは一体、何、を・・?」
走るのを止めて、立ち止まり、自問自答を繰り返す。さっき一体何があったのか。
『何か』が心の中ではじけた。そう、壁や堤防のような・・・。
『それ』が外に『出ない様に』していた物がさっき壊れた。
フィーとコダチがこちらに駆け寄ってくる。だが、おれは目をあわせられなかった。
自分が震えているのがわかった。そう、ただただ怖くて。
助けてくれ、誰か・・。そう心の中でつぶやいた。
迷路の中は出口が無い
迷い続ける彼らの行方
それは誰が知りえるだろう
- 25 :森羅 :2008/11/16(Sun) 21:30:31 ID:HhQIj9yc
- 今日は二話更新できました!十七章は少し話を変えて、『あちら』側の話と洒落込みましょう
第十七章〜神の摂理に挑むもの〜
「フフ、面白い話だったよ、バルゴ。そう、なるほどね。まさかとは思うけど、話を聞く限り・・」
男のセリフにバルゴは首をかしげる。
「そんなに面白い話でしたか?結局『レオ』は取り逃がしましたし、変な少年には邪魔をされましたし」
男は笑って、答える。
「ああ、とても面白かった。運命ってあるのかもね?」
「貴方の言う事はわかる事とわからない事があります。全てわかるように説明していただけますか?」
けれど、男は微笑むばかりである。
ここは男の部屋。数時間かけてバルゴは男の話を聞かされ、今度は数分かけてセイレンシティでの出来事を話していた。
「『マスター』?」
バルゴは少し声を大きくする。綺麗なソプラノは少し広めの部屋にこだました。
男は観念しました、とでも言うように両手をホールドアップして、肩をすくませた。
「ははは、まあまあ、こっちに来なよ」
今度は手招きをして、バルゴを呼ぶ。バルゴは男に近づいて、なんですか?と聞いた。
座っている男の前にある机の上に男はチェス盤を広げた。
「チェスは貴方の方が強いでしょう?貴方と対等にできるのは”ハカセ”か”アリエス”ぐらいでしょうに」
「うん、そうだね。ああ、『レオ』も結構強かったかな?ちゃんとしたのは一回だけだったけど」
でもそんなことはどうでもいいんだ、そういって男は盤上に駒を並べ始めた。
少しの間たって、男は盤上に駒を並べ終えた。
黒のナイト、黒のキングにクイーン。ポーン、ビッショプ、ルークそのほぼ全てが黒の駒だった。
黒の駒は普通にチェスをする時の様に並べてあったが、対極にある白の駒の所には、
盤上でたった一つの白駒である白のナイトとその後ろに黒のナイトが置かれていた。
「今の状況はこれだよ」手を広げて、説明する。
「・・そうですね。ですが、あの少年・・・”ナイト”の駒ですか?
せいぜいルークかビッショプでしょう?」どこか腑に落ちない様子のバルゴが聞く。
「多分、多分この駒じゃないかって思うんだ。というより、この駒であってほしいかなぁ。アクシデントは楽しい方がいいしね」
嬉しそうに男は話し出す。「ちょっと気になる事があるんだよ。今から説明しよう。さて・・」
男が全てを話し終えた後、バルゴはそうですか、としか言わなかった。
「面白くなってきた。ゲームはこうじゃないとね。早く、見てみたいな。
『全てを統べる』時。早く世界で『遊び』を始めたいなあ」
あくまで男の声は無邪気でしかない。
最後に少しだけ僕こと森羅が話させていただきます。あとがきみたいなものですね。
この話はレイがレオから話を聞いている時位だと思ってください。大体八章くらいですか(あいまい)
レオだけが『』で残りは””でしたがお気になさらずに。ちゃんと意味はありますよ。
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Colorful Board System Version1.01 by ミライいろ。