Blue Sky 第二部

1 :エンタ2007/08/04(Sat) 21:25:44 ID:nMqzbP/M
ごぶさたです、エンタです。

お待たせしました(待ってない人も)、第二部の書き込みを
カメのようにトロい更新頻度ながらもやっていきたいと思います。

本日某メッセに行って、改めてポケモン人口の多さを知り…少しでも多くの人に読んでもらいたいと強く思いました。
応援よろしくお願いします!

P.S.あなたは某メッセでタッチペンを口にくわえた不審者を見かけたりしましたか?笑

46 :エンタ2008/08/07(Thu) 15:12:47 ID:fOjkhMwI
第42話 昏き微睡・其の三

 暗闇の中で、ダークライと激しい戦闘を繰り広げるハブネークと、そのトレーナー。
 シンジのかわりにサミット実行部に入った、椿木ワビスケであった。今は、大人の姿をしている。
「なぜお前がシンオウに…!?」
 ワビスケも、ようやくシンジに気づいたのか、攻防の中話しかけてくる。
「ほう、もう目が覚めたでござるか。笛の音で起こせるのはポケモンだけと思っていたが…」
 彼女の手には、あの有名な「ポケモンのふえ」が握られていた。ひとたび吹くだけで、どんなに深い眠りに落ちたポケモンも目を覚ますといわれる代物だ。言うなれば、その力をさらに強力にしたものが、ヒサヤの『呼笛(シンフォニック・アラーム)』である。
「兄者の見よう見まねでござるが、そのサイドンもどきの目を覚ますのには十分だったでござろう?」
 言いながら、足元に次々放たれる球体を、身軽に飛びかわしていく。シンジはその光景に、ただただ感嘆した。
「って、何をボーッとしているんだ俺は」
 自分の目的は、ダークライの捕獲だ。もしかするとワビスケは、ここにダークライを捕まえに来たのかも知れない。いや、しんげつじまの存在を知り、そこに潜入する以上、目的は確実に同じなはずだ。
 ならば、渡すわけにはいかない。シンジにも、トレーナーとしてのプライドというものがある。
「ダークライは渡さん」
「!? お主、邪魔立てするか!?」
 ダークライとワビスケの間に、シンジが割って入った。
「どうやってここに来たのかは知らないが、ダークライは俺が捕獲する。お前は引っ込んでいろ」
「さっきまで眠り呆けていたくせに、傲慢な…ッ!!」
「黙れ、来るぞ!!」
 ダークライが手をかざした一瞬に、ワビスケのハブネークがダークホールをくらい、眠らされてしまっていた。
「く……!!」
「ハブネークをボールに戻せ! 悪夢を見せられるぞ!!」
「何ッ!? くっ、戻るでござる、ハブネークッ!!」
 ビクビクと痙攣し始めたハブネークを、すぐさまボールに戻す。
「モンスターボールの安息効果が、ハブネークをヤツの悪夢から遠ざけてくれる」
 ボールに戻せば回復する異常には、いくつも種類がある。ポケモンの精神を安らげることにより、混乱したり興奮したりといった状態を回復することが出来るのだ。
(ふみんのとくせいを持つドンカラスがいてくれれば、多少は楽になったかもしれないが…贅沢は言っていられん)
 ハイパーボールからドサイドンを繰り出し、戦闘態勢に入る。
「椿木ワビスケ、ヤツの行動パターンに特徴は?」
 少し戸惑いながらも、ワビスケは先ほどまでの戦いで得た情報を、冷静に口にする。
「…この森にはいくつも似たような広場が点在する。黒い球体を10発ほど撃ち終えると、ヤツは隣の広場に移動するでござる」
「なるほど。では、俺がここで残りのダークホールを耐え切る。その間に、お前は次の広場へ行ってヤツを待ち伏せろ。休む隙を与えずにじわじわと弱らせるんだ。お前の得意の手法だろう?」
「協力して捕まえよう、と…そう言いたいのでござるか」
「むろん、最終的にどちらが捕獲することになろうとも恨みっこ無しだ」
 少し沈黙をおいてから、ワビスケはゆっくりと頷いた。
「さぁ、早く行け!!」
 言うまでもなく、といったところか。凄まじいスピードで、ワビスケは森の奥へと消えた。
「…また会ったな、ダークライ」
 蒼白の眼は、いまだこちらに敵意を投げ続けている。黒い手をかざし、再び球体を作り出す。
「ドサイドン、かえんほうしゃだ!!」
 手の砲口から発射された熱と光を伴った攻撃が、容赦なくダークライのフィールドを奪い取る。広場に円状に放たれた炎が照らし出したダークライの姿は、それでもなお闇より濃い暗黒色だ。
「これで互角だ」
 シンジが不敵な笑みを浮かべた。

「さあ、根比べといこう! 伝承のポケモンよ!!」

47 :エンタ2008/08/07(Thu) 15:13:16 ID:fOjkhMwI
第43話 黒空の神子・其の三

「まず、お前の背後の壁に、色の違う一角があるだろう」
 ホタルは、ミクリの言葉に従いそれを探すが、そんなものは見つからない。
「んなもん無ェぞ!」
「よく見ろ。わずかにくすんだ色の壁があるだろう」
 目を凝らしてそれを探すと、やがてこれか? と思うものが見当たった。しかし、ひとたび目を離せばまた見失ってしまいそうなほどのわずかな違いで、とても意図的なものとは思えなかった。
「見つかったか?」
「いや、よくわからねぇ」
「押してみろ」
 言われたとおりに、その部分を手で押してみる。…とたんに、音を立ててホタルの足元の床が無くなった。
「どわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
 ホタルとその傍に横たわっていたマナカは、いきなり無くなった床の下の奈落に、なすすべなく自由落下していった。

 派手な水音とともに、身体に激痛が走る。
「ゴボゴボゴボ…………ぶはっ、いっでぇぇぇえええ!!!」
 理不尽なまでの痛みにホタルは心の中でミクリに悪態をついたが、すぐに「もし下が岩だったら」と思い立ち、身震いした。
「そ、そうだ! ガキんちょは!?」
 水に浮かんだままキョロキョロとあたりを見渡すと、すぐに人の手らしきものが波音を立てて助けを求めているのに気づいた。
「お、おい!!」
 慣れない手つき足つきで水を掻き、なんとか音の近くに寄って手を引っ張りあげる。
「ぷはぁっ、はぁ、はぁ、はぁ…い、いやぁぁああ!!!」
「おっ、落ち着け!!」
 引っ張りあげた手にしがみ付きながら、マナカが泣き叫ぶ。顔は暗くて見えないが、明らかに泣いているとわかる声だった。
 さっきまで気絶していて、目が覚めたら水の中にいて息も出来ないのだから、パニックになるのは至極当然だが。おまけに周囲は真っ暗で、ホタルから手を離すことの恐怖はまさに倍加していた。
「あ、あた、あたしっ、泳げないのぉ!! いやっ、死んじゃうぅ!!!」
「死にゃしねぇよ、ヴァカ!! 黙って身体の力抜け!! でねぇと沈むぞ!!」
「はぁっ、はぁっ、で、でも…!」
 逆効果と思ったのか、ホタルが両手を押さえつけるのをやめても、マナカはホタルの服にしがみついて離れない。おかげで身動きが取りづらく、一緒に溺れてしまいそうだった。
「つかお前、みずポケモン持ってんだろ!! そいつ出せそいつ!!」
「えっ、あぅ、あ……。と、とって〜!!」
「はァァ!?」
 マナカはどうやら、片手でも離すのが嫌らしい。ホタルにぴったりしがみついたまま、腰のボールを取ることをホタルに要求した。
「は、はやくぅぅ…」
 哀願するような声音。
 バルビートを出して明かりをつけることも考えたが、マナカの泣き顔が目と鼻の先にあることを思い、取りやめる。…別に俺はガキにゃ興味ねぇが、この状況で明かりをつけるのはいろいろとヤバイ気がする。
「仕方ねェな……っと、この辺か?」
「っきゃあ!? どど、どこ触ってんのッ!!」
「うるせェクソガキ!! 暴れんなボケ!!」
「ひゃわっ!?」
 やや強引に腰からボールを引ったくり、中のポケモンを繰り出した。
「ったく、面倒かけさせやがって……よ!!」
 ボールから出てきたのは、ミロカロスではなく…カイリキーだった。
「ガ、ガウッ!? ブクブクブク」
「あァァもぉお何でだぁああああ!!?」

 やっとのことでミロカロスを出し、その背中に乗ることに成功した2人だったが、ホタルの疲労は半端ではなかった。
「…で、何でまだくっついてんだよ」
「だって、落ちるの怖いもん……」
「だぁぁあウゼェ!! 離れろ!!」
 ミロカロスの体長は6mもあるので、人が2人背中に乗ったところで何ら問題はなかった。今はバルビートが2人を照らし、イルミーゼとファイヤーが出口を探して飛び回っている。
「もーっ、可愛い女の子が密着してるんだからもっと喜びなよっ」
「…今すぐ突き落としてやろうか」
「そしたらミロロちゃんがホタちゃんのこと振り落とすもん。みちづれだもーん」
「あぁムカつく!! ガキってムカつく!!」
 マナカほどではないが、ホタルもカナヅチの部類に入る男だった。振り落とされてはたまらない。
「畜生め…ここ出たら、覚えとけよ」
「え? 何か言った?」
「ここ出たら、ルネの湖に頭から突き落としてやるから覚えとけッつったんだよ」
「えぇ!? …じゃあずっとここにいる」
「ざっけんなクソガキ!!」
 そんな不毛なやり取りを繰り返していると、ファイヤーが何かを見つけたのか、2人に向かってくえーっと鳴いた。
「お? 何かあったのか、ファイヤー!」
「ミロロちゃん、あそこまでお願いっ」
 マナカの命令にミロカロスはこくりと頷き(この動作で2人とも落ちそうになった)、高スピードでファイヤーのもとへと泳いでいくのだった。

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Colorful Board System Version1.01 by ミライいろ。