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Blue Sky 第二部
- 40 :エンタ :2008/06/04(Wed) 17:54:15 ID:hvaa2aOw
- 第36話 宝珠と巫女
「でもさ、こうして巫女が3人揃うって、初めてじゃないかな?」
ルネシティに向かう道中、ペリッパーの口の中でマナカが唐突に言った。
「そう…ですね。私とマナカさんは決戦の後よくおしゃべりしていましたけれど…」
「申し訳ないです」
「あ、いやいや別にミズホちゃんを責めてるわけじゃないって」
ミズホは、ホタルからのファイヤーに乗せていくとの申し出を自ら断った。マナカとヒスイに、謝らなければならないと思ったからだ。
「…そのことだけでは無いです。私は、巫女は本来、ホウエンの平和のために在らねばならないというのに。私は闘争と破滅の片棒を、望んで担いでいたのです。それと知って協力していたのです」
「う〜…で、でもそれはその、さ。ホラ」
マナカが口ごもっていると、助け舟でも出すかのようにヒスイが喋り始めた。
「ミズホさんにはミズホさんなりの正義があったのでしょう? それを貫くための方法が、少し私たちと違っていた…それだけのことですよ。私はあなたの為そうとした正義を否定しませんし、あなたなりに導き出した考えを咎めもしません」
ヒスイが優しく諭すように言った。普段の彼女はふわふわしていてどこか天然だが、こういう時は力強い意志があらわになる。
「…前から思ってたんだけどさ、ヒスイちゃんて見かけによらずアツいよね」
「へ? そ、そうですか?」
「なんていうか。あたしの知ってる『そーゆー人たち』と似てるって思ってさ」
そーゆー人たち。それだけで、何か2人には伝わるものでもあったのだろうか。
「…それ、ユウキさんのことですか?」
「もしくは、ホタルさん…?」
「あっはは。さぁねー。違うかもしれないし、そーかもしんない。片っぽだけかもしんないし、両方かもしれないね?」
はぐらかしているのか、誘導しているのか。いまいち意図の掴めない返答だった。何も考えてないのだろうか。
「ふふっ」
「あはははっ!」
「……くすっ」
その瞬間を、2人は見逃さなかった。
「あー!! 笑ったよ!!」
「ええ、やっと笑ってくれましたねっ♪」
「え、あ!? あ、うぁ…!?」
当然、困惑もする。
「そ、その…」
「ほら、やっぱり笑ってるほうが絶対いいって! 楽しいし、嬉しいし。笑ってる人も、それを見てるこっちも」
「そう…でしょうか」
「それとも一番大事な笑顔はホタちゃんのためにとっときたい?」
ミズホの顔が爆発したように赤くなった。
「そ、そのへんにしておきましょうよ、マナカさん…」
「あはは、ちょーっとイジメ過ぎちゃったかな? ごめんごめん。ほら、もう着いたみたいだよ」
ペリッパーのくちばしを、コツコツとノックする音がした。
「しかしスゲェな。人を背中に乗せるならともかく、口に入れて運ぶなんてよ」
「溺れているポケモンを救助するためとも言われているからな。それなりの大きさは必要なんだろう。私のペリッパーは通常よりいくらか大きいが」
ファイヤーをボールに戻しながら感心して言うホタルに、ミクリが説明する。何だかんだで、この2人もすっかり普通に接していた。
「んっん〜!! いい空気だねぇ〜」
いささか狭い口内で凝った身体を伸ばしながらの深呼吸。
かつて火口だった場所がカルデラ湖となり、そこに人が住まうようになったのがルネシティのはじまりだ。かつて太古の昔、グラードンとカイオーガが激突したのがこの地といわれ、今でもいくつもの伝承が残っている。
その名残のひとつが、彼らの目の前にある洞窟の入り口……めざめのほこら。神の意識に最も近い場所。
「この奥に、宝珠を保管してあるんだ」
見張り番をしていたルネシティジムのトレーナーと思しき女性に話を通し、一行はめざめのほこらの深部へと向かった。
「…なんだか、海底洞窟の雰囲気と似ています」
「同じさ。海底洞窟には神の肉体が、そしてここには神の意識が眠っている。ここで宝珠を破壊すれば、神の肉体は失われるだろう」
それはつまり、マグマ団とアクア団の目的である神の力の利用を完全に阻止するための手段。
彼らの暗躍によって形作られた神のイレモノを壊し、神を神に戻す。そのための方法。
最後にして最大の懸念を取り払うために、彼らは宝珠を壊すのだ。
「さあ、着いたぞ」
おくりびやまの頂上と同じように、深い霧に包まれた空間。その中心に、3つの宝珠が設置してあった。
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Colorful Board System Version1.01 by ミライいろ。