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Blue Sky 第二部
- 38 :エンタ :2008/05/06(Tue) 19:01:06 ID:dHycQM..
- 第34話 ダークボール
「…もう一度言ってくれ」
「ですから、当店ではダークボールは取り扱っておりませんので…。誠に申し訳ございません」
「バカな…」
ここに来て、シンジは思わぬ壁に激突していた。
ミオシティのフレンドリィショップでは、ダークボールを取り扱っていないというのだ。
それどころか、問い合わせてもらったシンオウフレンドリィショップ協会によれば、ダークボールを取り扱っている店舗はシンオウの中心線に聳えるテンガン山脈を隔てて東側の町にしかないらしい。
ヤミカラス、いやドンカラスがいないので徒歩でいくほか無く、行って帰ってくる頃には新月の夜はとうに終わってしまっている。
「残念だったなぁ。ま、他にも方法があるかもしれねぇぜ」
そう言って、ナミキは船の整備を始めるため船着場へ向かった。
シンジはうな垂れた。
「古臭い情報をくれたものだな、クソ親父が…」
昔はこのミオシティでもダークボールを取り扱っていたが、ホウエンはデボン社開発の新型ボールがシンオウにも出回るに連れて需要が減ったらしい。なぜなら夕日が西側よりも早く山に沈み、夜になるが早い東側のほうがダークボールの売れ行きがいいからだ。
「…どうする…?」
ダークボールが無ければ、しんげつじまへの海路を見出すことは出来ない。次の新月までの1ヶ月間を、再び悪夢とともに過ごすのも癪だった。何か方法は無いか…?
思考を巡らせ…るまでもなく、シンジはひとつの結論に辿り着いた。
「…俺は、馬鹿か?」
そうだ。俺が何者か、俺自身が忘れていた。
船乗りの一人が、図書館があると言っていたのを思い出す。その辺にいた住人らしきアロマな女性に、シンジが勢い良く声をかけた。
「すまない、図書館はどっちにあるかわかるか!?」
「えっ…? あっちですけ、ど…」
「あの建物か、恩に着る!!」
いろいろと思慮に欠けた物言いで礼を述べ、一目散に図書館へ向かった。
図書館に駆け込み、「静かにしてください」と叱られつつ図書館案内に目をやる。
「1F・ポケモントレーナー関連書籍…これか」
アイテム関係の本棚から、モンスターボールについての資料を探す。
「あった! これだ!!」
「お静かに!!」
周囲の痛い視線も気にせず、シンジは「モンスターボール大全・第八版」を手に取り読み始めた。熱くなると周りが見えなくなるのが彼である。
「ダークボール、材料…。くろぼんぐりと、ヤミカラスの羽根…」
ビンゴだ。両方とも、現在彼が所持している。シンジは本を元に戻すと、図書館を後にした。もちろん、三度目の正直とばかりに注意を喰らいながら。
ボートに置いておいた袋から、くろぼんぐりと、ハンマー、金床を取り出し、ポケットに入れてあったヤミカラスの羽根を引っ張り出した。ドンカラスに進化したとき、記念にとっておいて良かった。
「サイドン…かえんほうしゃは使えるか?」
ハイパーボールから出したサイドンに問うと、嬉しそうに頷く。主の息子の力となれることが素直に嬉しいのだろう。
「お、おいおい…アンタまさかボールを…!?」
そばに立っていたナミキが不審そうにシンジを見つめている。
シンジは手ぬぐいを頭に巻き、後ろ髪をゴムでまとめて、言った。
「その通りだ。俺がここでダークボールを打つ」
やってやるさ。
俺は、全国一のボール職人、ガンテツの弟子なのだから…!!
「…ん? どうした、サイドン」
ボールから出してから、サイドンの様子がどうもおかしかったことに気づく。よもや、このきょうせいギプスに似た装甲の影響では…?
「サイドン、それを外せ!!」
しかし、サイドンはいうことをきかなかった。空に向け、咆哮を轟かす。やがて身体は黒く変色し、装甲は身体と同化し、尻尾の先端が丸く膨らんでいった。
「…サイ…ドン? いや、違う」
サイドンが、進化した。
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Colorful Board System Version1.01 by ミライいろ。