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ポケモンFINAL
- 1 :聖騎士 :2007/03/08(Thu) 16:26:08 ID:kuNW9rs6
- こんにちは。聖騎士と申します。
この小説は 長編 です。
ゲームや漫画、アニメなどいろんな設定を
少々混ぜ合わせて組み込んであります。
(2007年の)春は中学から高校への進学などの準備などが理由で
書き込みが非常に遅い場合がほとんどです。
夏は休みが多いのでなんとか書けそうです。
秋・冬は未定です。
両親からPC禁止令が下される場合もありますが、
どんなに更新が遅くても完結出来るよう頑張ります。
- 2 :聖騎士 :2007/03/09(Fri) 19:50:22 ID:OYHSJPdk
- 追加説明
補足や本編以外を書き込む時は 青色 です。
本編は 紺色 で書き込む予定です。
明日から書き始めます。
1話1話が長いかもしれませんが、ご了承下さい。
時間がないので失礼します。
- 3 :聖騎士 :2007/03/12(Mon) 18:29:33 ID:GSGZzL36
- BATTLE 01 始まりの町 ☆前編☆
風が気持ちいい。寝ころんでいるこの草むらも気持ちいい。
何もない草むら。遠くにいくつかの一軒家が見えるだけだ。
でも―――
ここは何処だ?
どうして此処にいるのか。
俺はこんな所にいるはずはない。都会に住む普通の日本人である。
両親の祖父母の家も都会の中にあるからな。近いから自転車で僅か5分ほど。
それに、何か“この場所”は違う気がしてならない。
「まあ、いいか。」
気にすることもないだろう、そう考えていた。
俺はとりあえず家が建っている方向に足を動かした。
ここが何処なのかを聞かなければならない。
数分歩いた後、俺は看板を見つけて文章を声に出して読み上げた。
「この先 マサラタウン。」
マサラタウン? 聞いたことのない地名だ。
第一、片仮名の町名なんて初めてみたぞ。
大量の?マークを頭に浮かばせ、
マサラタウンの真ん中に一人寂しく座っている少年に話しかけた。
「ちょっといいかな。」
「はい。」
驚くこともせず返事を返す少年。
どうやら俺とこの少年はお互いに普通の人間なんだろう。
いや、当たり前だが。
と自分で言い聞かせ少年に問う。
「今って何年の何月何日かな。帰国したばかりでさ、少し時間の感覚が狂ってるんだ。良かったら教えてほしいな。」
と、本当のような嘘を発言。
少年は年号と月日、更に曜日まで教えてくれた。
「ありがとう。」
「あ、待って。」
少年は俺の手を掴むと、
「ついてきて。」
そういって他の家より少し大きめの家へ案内された。
研究所と看板に書いてある。何のつもりだろうか。
奥には椅子に座り何かをいそいそとノートに書いている老人。
「博士、来たよ。」
少年は俺を指さして言う。博士? この老人がか?
その老人はこちらを向いては急に
「おお!ついに来てくれたか!」
と言い出しては俺を一つの机に案内し始める。
何だ、何だ。俺は何にも悪いことはしていない、するつもりもない。
「君は、おそらくだが…この世界の人間ではなく別の世界の人間じゃな?」
「………」
「君の額に刻まれている紋章がその証拠だ。」
「………」
「早速だが君の… 」
「待て。」
何だ、この爺さんと少年は。
俺を何に勧誘する気だ。額の紋章だぁ? そんなモノあるはずが――あった。
近くの鏡で確認したところ本当に紋章と呼べるモノが刻まれている。
大変だ、俺はそんな怪しいモノを刻んだ記憶などない。
別の世界の人間? まあ、信用しても悪くないな。片仮名の町なんて存在するはずもなかろう。日本語だし。
「その前に地図を見せてほしい。」
念のため、俺はその爺さんに大きな地図を見せてもらうことにした。
「…………。」
そこには一つの地方が細かく描かれ、地名や観光地なども書かれている便利な地図。
おいおい、これどう見ても関東地方だよな?
「うむ。確かにカントー地方じゃが?」
俺の意見に対し、爺さんも同じ事を言っている、目を右下に向けた。
右下には カントー全域地図 と書かれていた。
待て待て。関東 ではなくて カントー 。
よく見ると関東地方とはところどころ違いもある。
ちなみに俺は関東出身ではないので奥深く違いを見つける気はない。
東京都 の3文字が載っていない。富士山は左端に載っていたが シロガネ山 と記してある。
確かに白銀のような雪だろうけどよ、あきらかに片仮名だ。
マサラタウン、シロガネ山。この二つの言葉で俺は既にここがどこかを知っていた。
一つだけここがどこか解る…該当する答えがある。
しかしそんなのはもう何年も前に“止めている”。
実際なら存在しないはずの場所。
記憶もかなり薄かった。だから俺は爺さんに聞いた。
「爺さん、名を教えてくれ。」
「わしか? わしの名は オーキド・ユキナリじゃ。」
「…そうか、ありがとう。はぁ…やっぱりか。」
俺は確信した。ここがどこなのかを。
- 4 :聖騎士 :2007/03/12(Mon) 18:33:50 ID:GSGZzL36
- BATTLE 01 始まりの町 ☆中編☆
あ〜あ、やっちまったよ。知らぬ間に。
来ちまったよ、異空間に。しかも ポケモン の世界かよ。
ポケモン。一言で全てを言い表せる。ポケットモンスターの略。
こっち――俺が普通に暮らしていた世界――では ゲーム、アニメ、カードなどで
遊び道具として楽しまれている一つの 非現実 が今、こうして俺の視界に 現実 となって存在している。
しかし完全に信用はできない。俺が夢を見ているのかもしれないが、ここはポケモンの世界にかわりはない。
もし夢の中だとしても、どんなに非現実であろうとも、何かしらの 手段 でこちらに来たはず。
その手段を行っている最中の記憶がない。
夢だからその記憶がない、という可能性も考えられた。だが、俺は記憶を一部持っていた。
正確には ある朝、学校へ登校するために家のドアを開いた。 そこまで記憶にある。
その後に俺はこの世界へやってきた。その間の記憶がなかった。
何か理由があるはずである、俺がこの世界へ来る理由が。
思考を張り巡らせいろいろ考えていた
僅か2分、俺をずっと見つめていたオーキドという爺さんと少年だったが
先にオーキドという爺さんが口を動かした。
「おぬしの名前も聞かせてもらおう。」
ああ、そういえば名乗ってなかったな。名乗らせておいて失礼だな、俺。
「俺の名は 昴流。」
名字は不必要と判断して名前だけ名乗った。
漢字を書いて読み方の「すばる」も教えた。
少年も名乗った。偶然にもそこへ少年の母が迎えに来たのでその少年は自分の家へ帰っていく。
研究所はオーキド博士と俺だけの二人っきりになった。
「昴流、君の世界では何があったかは解らん。
しかしこちらの世界ではその紋章をMUGEN――むげん――と呼んでいる。」
むげん ねぇ。そのまんまだろうよ、 だって ∞ が紋章だからな。
まあ、無限大 が本当の意味で使われるんだがそこはこの世界では関係ないだろう。
「その紋章を持つ者を2年前から待っていた。世界中で探し出していたところだったのじゃよ。」
何かあったのか? そんな大げさなことをして。
「実は調べによるところ地球の内部で何かの生命反応を我らが見つけたのじゃ。
その生命体が動くたびに地球は揺れ、災害が起こっておる。」
それからの数分に及ぶ長話をまとめると、
その何かを倒すなりなんなりするために行く道がある。
普通は人間はそんな熱すぎる場所に踏み込んだら即死、まず踏み込むことは不可能だが、
シロガネ山の一番地下に ∞の紋章が描かれた場所があり、そこから地下へ行くことができる。
とその場所の石碑に書かれていたらしい。オーキド博士も見に行ったそうだ。
だから∞の紋章を持つ存在を待っていたらしい。幸い地球はまだ500年は耐えれるらしい。
オーキド博士は俺が来たことで少し安心したように見えた。
「じゃが、その地下への扉を開くには条件がある。」
その条件として
・∞の力とこの国の伝説の生き物を集めること。
・32個の勝利の証を集め、指定の位置に置くこと。
だそうだ。32個の勝利の証とは各地の強者が構えているジムのバッジのことらしい。
一つの地方に8個、要するに4つの地方をどこでもいいから制覇しろ ということになる。
「つまり、俺はその時間のかかることをして内部の何かを倒すなりするためにやって来た――なんて言うんじゃないだろうな。」
「まさしく、その通りじゃろう。」
腹が立つ。反対だ。拒否権を速攻で発動する。もしくは帰らせてもらう。
俺は研究所の扉を大きく音を立てて出ていこうとした。
「だが、どうやって帰るんじゃ?」
「……」
出ていく前に言われてしまった。
返す言葉がない。だってそうだろう?
知らぬ間に異世界へ来たのに帰る方法など解るわけがない。
帰る方法が解っていたら、こんな所に来る前に帰っている。
「はぁ。」
と溜息をついたのは俺だ。出ていくのを止めて、再びオーキド博士の元へ戻る。
まったく呆れる話だと思った。
これでは俺がバッジを32個も集めれる強そうなトレーナーになれ、と言ってることと同じだ。
だいたい誰なんだ。俺はこんな依頼なんぞ望んではいない。
出てこい、一発殴らせてもらいたい気分だ。
そんな俺の脳内意識の独り言を聞いていたかのように、
研究所の床が液体化してふくらみ出す。
風船のように割れて、人間が姿を現した。
その一人の人物が俺を見ている。
こいつか?
俺をここに連れてきたのは…
そう考えてその人間に拳をつきつけた。
- 5 :聖騎士 :2007/03/13(Tue) 12:25:31 ID:iNPOxZ.s
- BATTLE 01 始まりの町 ☆後編☆
現れたのは幼顔、背も低く小学生と変わりない少女。
外見で全てを判断してはいけない。
こんな可愛い姿をして、実は敵だった、なんてことになるかもしれない。
俺は拳を、その少女の目の前につきつけたが、オーキド博士が俺の腕を掴んでいた。
「止めるんじゃ。彼女も昴流と同じ人間じゃ。」
“同じ人間”。俺みたいに選ばれた者。
どうやら敵ではなさそうだ。その少女の額にも ∞ の紋章が刻まれている。
「初めまして。有紀です。」
その美少女は言った。声も幼いな。俺の妹並だ。
ちなみに妹は小学6年である、そういえばいなくなった俺のことは、どうなっているのだろうか。
「貴方もこの世界を救うために来たんですね? よろしく。」
聞けば有紀さんとやらは15歳だという。おいおい、神様も卑怯な事をしてくれる。
俺の周りにはこんな可愛い子はいない…多分。
どうやって外見ステータスを分配したのか気になるくらいだ。
「よろ…しく。有紀さん。」
「有紀 でいいですよ。私も 昴流 と呼んでいい?」
「え、あ…あぁぁ」
ドスンと音を立て、研究所の床に倒れた俺。
手を差しのべる有紀。
その手を握り立ち上がる俺。いやぁ、柔らかい手だ。
小さめなのがまたいいね。って何を言ってるんだ俺は。
「あ、ありがとう…有紀。なら、俺のことも昴流って呼べばいい。」
立ち上がりオーキド博士を視界に入れると、
「そろそろ良いかの。」
といって赤と白のボールを2個持ってきた。ポケモンの世界ではよく見かける道具。
「これはポケモンを捕獲する際に必要な モンスターボール。」
見ればわかる。俺は初代とその次までは遊んでいたからな。
「お前達のために二匹のパートナーを用意しておいた。受け取れ。」
そういって俺と有紀にボールを一個ずつ渡す。
中にはあの有名なポケモンが入っている。
出していいのか、こいつ。
「挨拶代わりじゃ。出してもよい。」
俺と有紀はボールを宙に放ると俺のボールからはネズミみたいな生き物が現れた。
「ほれ、これを。」
俺と有紀はポケモン図鑑という 発見しただけでデータを記録できる便利な道具を受け取った。
受け取ると所有者登録画面が現れる。
指を画面に乗せ指紋で登録するシステムになっているようだ。
ネームを登録し図鑑モードに切り替わった途端に画面に表示された1匹のポケモンの説明。
それはまさしく俺がボールから出した黄色いポケモンの説明。
「ピッカ。」
と鳴いて手を差しのべる。
俺も応対しそいつの手を握ってやる。
ほらよ、よろしくな。
だが――
「きゃっ!?」
悲鳴なのか疑問文なのか知らないが叫んだのは有紀である。
こいつがいきなり電撃を発したのである。
俺はアニメみたいに黒こげにはならなかったが皮膚が赤く焼けている。
熱いぞ、生で実感しちまった。
「やるじゃねえか。俺のパートナーとしては充分すぎる電撃だぜ、ピカチュウ。」
ピカチュウ、電気タイプのすばしっこいネズミだ。
ちなみに有紀のパートナーはふさふさの毛をした、見るからに大人しい イーブイ である。
そのイーブイだが、何とも腹が立つことに有紀の体に張り付いてはもぞもぞ移動し始める。
俺が取り払おうとしたら
「べ、別にいいわ。これくらい…」
と言ったが顔が肌色から赤色に染まっていた。
まあ、有紀がそういうのならイーブイよ、命は預けておく。
しかしイーブイが♀で良かった。有紀が同じ♀…いやいや、女性としての認識をしたかったと考えておく。
これが♂だったら即座に引っ張り出して踏みつけていただろう。
調べたところ、図鑑にはステータス確認機能もついていた。
ピカチュウの性別は♂である。特性は せいでんき…とくせい?
いつの間に 特性 なんぞ備わっていたんだ、ポケモン。
俺が遊んだクリスタルまでにはなかったはずだが。
そんなこんなで俺と有紀はこれから共に旅するパートナーを受け取った。
これから旅する上での大事な仲間だ。
その後博士からいろいろ話は聞いたがそれはまた後に語るとしよう。
俺と有紀は話を聞いて博士の研究所を後にした。
俺はこれからイーブイが良からぬ行為に走らないよう注意した方が良いのだろうかと考えつつ、口では
「さて、行くか。」
と言ってピカチュウを肩に乗せて歩き出した。ピカチュウは反抗することもなく素直に肩に乗る。
有紀は隣でイーブイを頭に乗せて歩いている。
…これが夢じゃなくて、現実だったら…
最初はそう思ってこの世界を楽しんでいた。夢から目が覚めるのを拒んだ。
だが、この思いが少しずつ少しずつ、夢から俺を引きずり出していった、いろんな意味で。
次の日の朝、目が覚めた俺は家族が石化しているのを目撃した。
- 6 :聖騎士 :2007/03/13(Tue) 13:58:43 ID:iNPOxZ.s
- BATTLE 02 むげんの力
何があったのか。家族は石化して動かない。
俺は目を覚ました後、目の前に置かれている3つの石像を確認した。
それは家族の石像であり、家族本人としか考えられなかった。
窓を開け、外を見る。
外には大量の石像が置かれていた。
夢なのかと思った、これこそ夢であってほしいと俺は願っていた。
そのとき――
「うあっ!!??」
突然、頭が割れるほどに痛い音波が頭に響いた。
何だ、これは…
浮かんでくるのは覚えのない光景と声。
とある公園、周りは誰もいないのに声が流れていた。
《***ならば、その力を**……》
「わかった。」
俺は返事をしている。なんだろう。
また別の光景が浮かぶ。今度は目の前で白い扉が開かれていた。
《行きなさい。***世界を救うため***……むげん は貴方を導くでしょう。》
痛みが止まる。
「あれは…俺が誰かから“むげん”を授かった時の記憶…」
覚えていないはずの記憶。
周りの人々は石化してしまい、何も聞くことができない。
“むげん”はココで使うべきなのか・・?
そう考えていた俺は、一度目を閉じた。
――この世界は何だろう。何が起きたんだろう――
右目に ∞ の紋章が大きく写されている。
そして左手の甲にも ∞ の紋章が浮かびあがった。
痛くはない。
そして、左目に家族が光となって写されている。
「昴流!」
母さんが語りかけてきた。
「え・・母さん? どういう…」
「兄ちゃん!…変な人達が私たちを固めちゃったの。」
「昴流か…お前はどこかへ消えていたから、無事だったんだなぁ…。」
一度に声をかけてくる父と妹。
「これは…現実なのか。」
騒がず、落ち着いて問う。
「ええ、でも貴方から考えたら夢かもしれない。でも、私たちにとっては本当よ。」
俺は母さんたちからその時の状況と俺の状態を聞いた。
妹が言う“変な人達”が襲ってきた時、俺は眠っていたらしく、
時間が経って消えていったと、父が教えてくれた。
その後、その変な人達は何かしらの方法で人々を石化させた。
「どうして、昴流は私たちが見えるの?」
母が聞いてきて、思い出した。
「むげん の力…? そうか、コレは見えないモノが見えるんだ。」
普通の目では見えずとも∞の力で家族の魂たる根源が見え、会話することもできた。
「昴流、貴方には何かやるべきことがあるはずよ。それを成し遂げて。」
おいおい、いきなり何を。
「どこかで貴方を待つ者がいる。貴方はまだ知らないことがここでもあるの……頑張って。」
「知らないこと…?」
思い当たることが一つ。記憶と記憶の間にできた空白。
覚えのない空間。それを母さん達は知っているのか。
そして待つ者がいる……これが意味するところは…
「有紀。」
その名を口に出したとき、母さん達はただの石像に戻っていた。
母さんは俺の何を知っているのか。もしかして何か秘密でも……
「戻るか。有紀の元へ。」
どうしてこんな事になってしまったのかは知らない。
だから知るために戻る。
――あの世界へ――
俺の願いは∞の紋章を右目に写し、扉となって現れた。
- 7 :聖騎士 :2007/03/15(Thu) 17:01:30 ID:r5B0JrtA
- BATTLE 03 常磐の森林 ☆前編☆
願いが形となって現れた。
次元の扉 と小さな文字でドアノブの近くに刻まれていた。
扉を開き、一歩踏み出す。
「あれ…ここは…」
一歩踏み出すとそこは、町。
扉は消え、俺は町の中を歩いていた。
「昴流。」
後ろからの声。振り向くと有紀とイーブイ、ピカチュウがいた。
どうやら俺を待っていたみたいだ。
「今までどこに行っていたの?」
「え、あぁ。うん。その…」
まさか 自分がいた世界に行ってました なんて言えるはずが――
「……帰ったのね。」
ああ、そうだよ……
「今、何て?」
「自分の暮らしていた世界に帰ったのね?って言ったの。」
「……」
何故、わかったのか。俺は言葉を発さずに有紀の言葉を待った。
「私も“同じ者”なの、私も帰ったわ。自分が暮らしていた世界。でも…」
「人が 石化 していた。」
「! 昴流の所もなのね…あれは誰が起こしたのかしら。」
自分が暮らしていた世界での人間が何者かの行為によって石像と化していた。
しかし、それが夢だとも言える可能性がある。この世界が夢なのか、現実なのか未だに不明だからだ。
有紀は少し考えていたが、
「考えても仕方ないね。旅を終わらせなくちゃ。」
と、いつ訪れるかも不明な“世界を救う日”のことを、呟いていた。
この町は トキワシティ と呼ぶ。
この町で生まれた者はトキワの森の力を継承しているらしい。
森の力、気になるワードだが、先にジムを目指す。
「トキワジムは ポケモンリーグ カントー地区決定戦 1週間前に開きます。」
看板にはこの一文のみ書かれていた。
つまり、リーダー不在 ということである。
すぐに俺と有紀は次の町へ向かうためトキワの森へ入っていった。
虫を中心としたポケモン達が住処として暮らしている トキワの森。
ポケモンを育てて、各地の町や市のジムリーダーに勝利する。
これが旅を終わらせるための条件。
俺と有紀は二手に分かれ、森を散策し、寝床を探すついでにポケモン育成を開始した。
30分後
ピカチュウ、イーブイの2匹はこの森でLVを一気に上げた。
新しい技も習得し技の範囲が広まった。
どうやら、ピカチュウがこの森で生まれ育ったらしく(偶然出会ったトキワシティの市長が教えてくれた)ピカチュウはこの森のポケモンと仲が良かったために森のポケモン達が寝床を作ってくれたのだった。
そのかわりにピカチュウは今晩だけ森のポケモン達と遊んだりするらしい。
ピカチュウが地に書いた日本語――小学1年生程度の文字――で何とか判断できた。
それにしても日本語が書けるピカチュウってのも珍しいな。
そのためピカチュウは外出中なので寝床となった場所では俺と有紀とイーブイのみである。
「火はつけちゃダメなのかな…」
「ダメだろうね。虫ポケモン達が怒る。」
虫は火を恐れる。人間が 夜は暗いから灯りの火が欲しい と思っていても虫ポケモン達からすれば 自らを死に追い込む恐ろしいモノ と思い、判断している。
寝床をつくってくれた虫ポケモンへの恩を仇で返すのはよくないだろう。
「でも、暗いな。」
時計も見えなくなるほどの暗さ。少し離れた場所でピカチュウと野生のポケモン達が眠っているため何か起きても情報が伝わる。
何か明るくしないといけないんだが、と思い気がついた。
むげんの力なら見える。
普通の目では暗くて見えない夜も、むげんの力を使えば周りを見回して状況判断が可能になる。
右目に ∞ が写される。ちなみに∞が写されても右目が何も見えなくなるわけではない。
左手の甲に写された∞は赤く光を発した。
今回は両目が反応し、暗かった視界が少しだけ明るくなった。
「暖かい…。」
眠りについた有紀が俺の左腕を抱きしめている。
まあ、こんな夜もたまにはいいな。そういえば有紀ってどんな生活をしていたんだろう……
静かな森。常磐の森林はどんな者でも一歩踏めばその音が森中に伝えられるという。
トキワシティでの噂を思い出していた俺だったが、すぐさま眠りについた―――
はずだった。
「……」
どこだよ、おい。
こうやって突然何かが起きるのは勘弁してほしいのだが、仕方ないのだろう。
これはトキワの森で眠っている俺の夢の中?
そこにはいくつもの巨大なカプセルと白衣を着た者達がうろついていた。
- 8 :聖騎士 :2007/03/20(Tue) 11:12:44 ID:z4S78HEs
- BATTLE 03 常磐の森林 ☆後編☆
うっすらとした光景だがそこには何人もの人間が巨大なカプセルに保存されていた。
数人の白衣を着た人間らが何かを呟いている。
「……ですから01は失敗です。処分を。」
その指示に従い、一つのカプセルが、中央にある穴へ捨てられた。
その穴から聞きたくないような音が次から次へと聞こえてくる。
「ダメですねぇ。我々の欲望を満たせなければ作る意味がありません。」
「ええ、我々の器官を無限回復の状態にして、作られた人間で我々の欲を満たす…なんとも素晴らしい。」
カプセルに保存された一人の少女が白衣を着た一人の操作により体が作り替えられる。
「スタイルも良くないとダメですねぇ…今度の属性は…」
だが、そのカプセルが勝手に開き、少女は目を覚ました。
「な、試作品δ01が!」
「落ち着きなされ、今から我々の欲をコレで試しに満たしましょう。終わらない欲をね……」
口元を歪ませニヤニヤ笑う。
その少女は一糸まとわぬ姿をしていた。他のカプセルの人間も同じである。
「……」
その少女は何も発せず、額に刻まれつつあった ∞ の紋章に手をあてる。
完全に∞の紋章が刻まれたとき、白衣を着た人物らは跡形もなく消えていた。
「!!」
何だ、アレは。
誰だ、あの少女は。
どうしてあんな光景を見たんだ。
太陽の光も差し込む森。既に朝を向かえていた。
左腕が重い……ああ、有紀か。
有紀を起こさないように離すと左手の甲で光っていた∞の紋章が消えた。
「え…じゃあ、アレは……有紀?」
謎の研究室で一糸まとわぬ姿をして巨大なカプセル一つずつに保存されていた多くの幼い少年少女。
その一人の少女が目を覚まし、瞬間的に研究者らを消し去った。
つまり、俺は有紀の過去を見たのか?
「うぅぅ、ん…」
と言って目を覚ました有紀。あの研究者らが言っていた……作られた人間で我々の欲を満たす、器官を無限回復の状態、終わらない欲、スタイル、属性……
そうして作られた一人が有紀だったら……
「おはよう、昴流。顔が真っ赤だよ? 熱?」
そういって俺の額と額をくっつける。
「お、おいおい…待てよ。ななななな」
有紀の過去を考えてたら心臓が早く動き出す。
額までくっつけたら更に加速……もうダメだ。
「熱ないじゃん。大丈夫、次の町へ行こう!」
それから数分して片付けを終え、森のポケモン達と別れた。
町が見えてきた。近くの草むらに岩がいくつか設置してある。
「もう少しか。」
「走るよ〜〜!」
旅の最初からいきなり謎が多すぎる。
とりあえずこの世界が夢か現実かを教えてほしい。
とりあえず、俺は有紀とイーブイに追いつくために見えてきた次の町まで走ることにした。
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Colorful Board System Version1.01 by ミライいろ。