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ふと君の姿を思い出す。
- 1 :桜神 :2005/12/20(Tue) 15:50:37 ID:9DVCCaDQ
- はじめまして、桜神といいます。
ここへは、POKELIN.info様からやってきました。
ポケモン好きの私ですが、此処でポケモン小説にチャレンジしたくなりました。
指摘、感想よければお願いします。
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子供のイーブイ♀と保護者のポケモン(?)のお話。
短編ですが、できたら長編もやってみたいお話です。
- 2 :桜神 :2005/12/20(Tue) 16:21:05 ID:9DVCCaDQ
- さくり、さくりと草原を歩いていく黒い影。
とてとてと小走りにやってくるちっちゃな茶色い毛並みを赤い目で認め、ひょいっと黒い尻尾で足に引っ掛ける。
「ひゃあっ」
ころころと大きく前転して転がっていく小さな茶色い毛並みのポケモン――イーブイにくつくつと意地悪く笑う。
ころころ転がっていくイーブイをその転がした尻尾で引き寄せて、ひょいっと頭の上に乗せる。
「黒さん、ひどいです」
「おや、なにが酷いのかな?」
「そういうトコです。レディーにしつれいです」
「レディー? それはどこのレディーかな? 私の視界には草原と空しか見えないのだが」
「もういいです」
ぷいっと顔をそらすイーブイに、くつくつとソレはまた意地悪く笑う。
草原に一つの影。
空の下、二つの命がどこかへ歩いていく。
「ねぇねぇ黒さん」
「なにかな」
「あおぞらって、どこまで続いてるんでしょうね?」
子供の幼い質問に、ふむ、とそれは腕を組む。
黒い影はぴしりと長い尻尾で草原をはたき、その質問の問い掛けに途惑う。
「そうだな。朝が始まって、夜が始まるまでが青空としておくか」
「? おかしいです。朝が始まってもあおぞらじゃないときがありますよ?」
「曇りや雨の日のことか? その雲や雨の向こうは青空だからソレは省きなさい。とりあえずそんなところだろう、青空というのは」
「それはあおぞらがあることでしょう? そのあおぞらはどこまで続いているんですか?」
「続いている、ねぇ…」
これまた難問だ、とかりかりと丸い指先で頬をかく。
「知識の中で語ればつまらない単語の羅列だが、それでいいかな?」
「それはヤです」
「だろうね」
さくさくと芝生を踏んでいき、丈の高い草木を避けて通る。
地平線の向こうは、まだ何も見えない。
「どこまで続いている。といわれると、私も一度試したことがあったなぁ」
「ためした?」
「ああ。青空じゃないけれど、どこまで行けるか試したことはある」
「黒さんは、どこまでいけたんですか?」
「そうだね。息が苦しくなってきたんでそこで行くのを止めたんだけれど、そうだな………遠い、といったほうがいいね」
「とおいのですか?」
「うん、遠い。遠すぎて、やはり手にとることはできなかった」
最後の言葉の意味に、イーブイは頭の上に疑問符を飛ばす。
その言葉の意味が、解らないからだ。
問いかけようにも、ひょいっと頭の上に乗せられた体勢から、肩の後ろに引っ付くような体勢に変えられて、ずり落ちないようにするのが精一杯。
「けれどね、イーヴ。私はそれでも、もう一度手に取りたいと思ったんだよ」
さくり、と足を止めて、吹きぬける風を体に受けて、青い地平線の向こうを見つめる。
うまれて間もない頃からソレと一緒にいるイーブイ――イーヴは、ときどきソレの今まで見たことのない表情をするソレに、言葉を失くす時が度々ある。
その表情がイーヴは嫌いだけれど、ソレはソレの大切な一つ。
すりすりと首元に頬を寄せ、冷たいソレの肌の温もりを確かめる。
「さぁ、行こうか」
どこへ。どこでも。どこまでも。
いつか/かつて
別れて/離れて
しまう/しまった
その日まで
今も、ふと君の姿を思い出す。
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Colorful Board System Version1.01 by ミライいろ。