虹の出る丘

1 :ヂーブ2005/07/22(Fri) 23:35:12 ID:ciE075Oc
どうも、ヂーブです(またかよ、とか言わないでね(ぇ)

ここは、長編小説第2段、『虹の出る丘』スレッドです!
勿論、『ミュウツーと共に…』スレッドも同時に連載するんで、ご安心を…
では、楽しめるかどうかわ疑わしいですが、どうぞごゆるりと…

3 :ヂーブ2005/07/29(Fri) 21:25:16 ID:Ij9PWni.
 第二話

「…コウチュウ、剣の舞」
 ハッサムに指示を出す青年。その語気には勢いがない。勝算を分かりきっているから…
勝てないバトルと、戦う前から分かっていたはず…でも何故、彼はユキに立ち向かうんだ?…
そう訊くと、一つの答えしか返ってこない…

…強くなる為…

 力を溜めているハッサム。攻撃力を高めている。次に出る行動…だがあの巨体を切り崩せるのか?
「…ソルガネル、大爆発!」
「何…!」
 彼の感嘆な声が響いた。だがその声は直後、物凄い爆音で消し去られた。
「…ガネー!!」

…ドガァァァァァン!!…

「…あ〜あ、やっちまったな…」
 背後から聞えた声。この爆音でもこの一言。いかにも先生らしい。
「…というと?」
「グランド整備代。毎月あいつのお陰でどれだけ消えてると思う?まあ、いいんだけどね…」
 “大神田 拓哉――おおかんだ たくや――”…と飛び捨てにしたら命がないであろう。
タクヤ先生…彼は再びグランドの隅を見直した。黒い煙が、ほとんど闇に染まりかけている空に消えていく。
勝負はついた…わけではない。

「鋼タイプにノーマル技とは…どういうつもりだ?ユキ」
 倒れているハガネール。そして…ふらつきながら立ち尽くすハッサム。
それを横目で見つめながら…彼は…“播磨 茶粋――はりま さいき――”はユキに問い掛けた。
その答えとは…僕も、サイキも予想していなかったこと…

「やっぱ私、この子で終りにしたいの」
 二つのモンスターボールを両手に握り締め、右手のボールを高々を掲げるユキ。
左手のボールはハガネールに向け、スイッチを押す。赤い光が、あの巨体を一瞬にしてグランドから消し去った。
「…ソル…」
「サンダ!」
 サイキの言葉。それに続いて、ユキが叫んだ。と同時に、右手のボールをフィールドの真ん中に投げ込む。
ボールから光が放たれ、暗くなったグランドを一時的に照らした。
そしてその直後…“ソルサンダ――サンダー――”の全貌が明らかとなった。

 全身黄色で統一されているが、その不統一に形取られた羽の後ろ、円を作り、これまた不統一にジグザグとなっている尻尾の真ん中は、黒色。
足はというと、少し色の薄い茶色の太股から、黄色、というよりは、茶系に近い色の足先が顔を覗かせている。
勿論、左右一つずつあるが、そのつま先は三本、踵からは一本の鋭い爪を携えた指が伸びている。
そして最大の特徴が、鋭い眼光の下から、全てのポケモンの身体を貫かんばかりの、大きな嘴が、威嚇するかの如く生えている…
「…無駄だ!」
「どっちが…」
 ハッサムが動き出した。ユキの言葉を皮切りに、両ポケモン対峙が続く。
先に仕掛けるのは…ハッサムか…サンダーか…
…いや、どちらにしろ、勝敗は…

「雨乞い!」
「燕返し!」
 先に仕掛けたのは…ユキ。サンダーに雨乞いを指示した。
そしてサイキは…燕返しを指示。助走をつけ、両足を使い、思いきりハッサムは跳んだ。
サンダーは空中で向かってくるハッサムを見据えている。全く、動こうとしない。
このままいけば…燕返しは直撃…と…

 雨が降り出した。雨乞いの効果。そして一瞬だった。
「ソルサンダ、雷!!」
「…サァ…」
 サンダーに飛び掛ろうとしていたハッサム。だがサンダーへの攻撃目前…天の裁きを食らった。

…ゴォォォ…ズサァァァン!……

 黒く焦げたまま、ハッサムが地面へと落下していった。
ドサッ…という音とともに、ハッサムは両手を広げ、グランドに倒れ込んだ。
「……流石だ。戻れ、コウチュウ」
 唖然…としてはいられない。サイキはボールをハッサムに向けた。
勝負はついた。本日の戦い、これにて終了。
「終了!」

 サイキの声掛けと共に、グランドの部員達は慌しく後片付けを始めた。
僕もまた、サイキのところへ走り出した。

 播磨 茶粋…おそらく漢字を見ただけでは名前は読めないではないだろうか。
僕もたぶん、読めなかった…というのも、僕と彼が知り合ったのは幼稚園の頃だったと思うからだ。
でもいつから…こんなに遠くになったんだろう…彼の存在が…
「サイキ、お疲れ」

 続く…

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