砂漠の風

2 :KaZuKi2005/03/22(Tue) 01:54:05 ID:yT/hv9Zg
ヒュゥゥゥゥ…。
砂漠では一陣の風が吹くだけで砂が吹き荒れる。
特に黄色い大地によって構成されたこのオーレ地方ではなおのこと。
砂漠は昼はあまりに暑く夜にはあまりに寒い…。
砂漠に入ればそこは何もない恐怖の世界。
町もオアシスのあるところに限られる。
そんな町から一歩でも踏み出せば待っているのは地獄だ。
昼間は雲ひとつなく旅人の体力を奪い夜になると野生のポケモン達が旅人を襲う…。
生身で砂漠へと足を踏み出すのは危険…乗り物が必要だ。
そして、その中そんな世界を今その己の足で歩いている男がいた。
その男は肌を少し焼き、顔には横に切るように鼻のラインを白いラインが走っていた。
目は黄色…スキーで使うようなゴーグルを付けていた。
そして砂漠でとはとても思えない暑苦しい格好。
手袋まではめ、そして、左肩に何やら不思議な装置をつけている。
その男は少年…年端もいかぬ少年だった。
その足元には一匹のブラッキーがとことこ着いてきていた。
少年は太陽が真上にある中方位磁石も何も無しに砂漠を歩いていた。
そんな中突然少年の後ろからとある女の子が走ってきた。
その女の子の足元にはエーフィの姿もあった。

「もう! レオったら何勝手に行っちゃうのよ!」

女の子はレオと呼ばれる少年の後ろまで行くと肩を持って無理矢理振り向かせた。
どうやら女の子は随分ご立腹のようだ。

「It sleeps and is dotage?」(お目覚めか、お寝ぼけさん?)

レオは少々嫌らしく笑うとそう言った。
それを聞いた女の子は大噴火。

「何呑気に言ってくれちゃってるのよ!エーフィがいなかったらあたしレオを見つけられなかったじゃない!」

そう言って女の子はエーフィは持ち上げた。
当のエーフィは鳴き声あげず女の子の顔を覗き込んだ。
レオはそれを聞くとやれやれといった顔でまた進行方向を向く。

「エーフィはわざと残したんだぜ?」

レオはそう呟いた。
それは少し小言、注意しなければ気付かない。
女の子はそれに気付かなかった。

「あ、待ちなさいよー!」

女の子は歩いていくレオを小走りに追う。
そして横に立ち。

「次はどこに行くの?」

女の子はそう聞いた。
女の子の顔にもう怒った顔はない。

「そうだな…どこか別の地方へ行こうか…」
「どうせ着いてくるんだろ?ミレイ…」

レオはそう言った。
ミレイと呼ばれる女の子は当たり前といった顔だった。

「ダークポケモンも多分スナッチ終了したと思うしね…」

ミレイは少し空を見上げてそう言った。
空には灼熱の太陽がある。
こうやって歩いているだけで体力はあっという間になくなっていく。
今日中にはどこかの町へ着かなくては命が危ない。

やがてしばらく歩くとブラッキーは突然前を歩き出す。
それを見てエーフィもミレイの腕から逃れてブラッキーを追った。
ブラッキーは立ち止まりエーフィを待つ。

「もう!エーフィ、ブラッキー、待ってよ!」

ミレイは髪を左手で掻き揚げながらそう言った。
やがて砂丘の上に両匹が立つとエーフィが一番前に立ち砂丘を登りレオたちを振り向いて小声で。

「フィ…」

砂丘の下には海…港がある。
そこからは様々な地方に向けて毎日のように船が発つ…。
今日も客を乗せて船は動く。
少年と少女、そして二匹のポケモンを乗せて…。
彼らの行き先はわからない…。

知っているのは…砂漠の風だけかもしれない…。

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Colorful Board System Version1.01 by ミライいろ。