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Blue Sky

1 :エンタ2005/02/09(Wed) 17:20:34 ID:itj68Ep2
はじめまして。
ポケモン小説だいすき
エンタ(15)です。
今まで僕は読む派だったのですが、
精鋭ぞろいのこの掲示板みて
書く側にチャレンジしようと思います。
皆さん応援してください。

2 :エンタ2005/02/09(Wed) 17:58:07 ID:itj68Ep2
第1話 はじまりの灰雨


ここはホウエン地方、ハジツゲタウン。
えんとつやまの北に位置する農村だ。
この何もない田舎町から、物語は始まる。

  「おーい!おじさーん!
   ケムッソの駆除おわりましたよー!」
声をあげたのは、緑色の半そで服を着て白い変てこな帽子をかぶった
14歳くらいの少年。
名前は、ユウキ。
カイスの畑を担当する少年だ。
おじさん「おー!ごくろう、ユウキくん!」
ユウキ「12ひきもとれましたよ!
    全部むこうにかえしてきました!」
おじさん「大漁だな、きょうは!おつかれさん!
     マナカの畑のほうは?」
マナカというのは、おじさんの娘、つまりユウキのいとこだ。
ユウキ「まだみたいっすよ。なんか2株ヤられてるとか…」
おじさん「か〜アイツはいつまで経っても
     だらしがないなぁ…」
ユウキ「ちょっと様子をみてきますね!」
おじさん「お、すまないね。
     よろしくたのむよ!
     君は本当に働き者だねぇ。
     ほんとにお給料いらんのかい?」
ユウキ「暇つぶしみたいなモンですからね。
    それに、おじさんから金取ったら
    父さんがプッツンしますよ!」
おじさん「あっははは!」
歳に似合わない高い笑い声をあとに、
ユウキはもと来た道を戻っていった。
彼の父親の名はセンリ。
ここ、ハジツゲからははなれたトウカシティで、
ポケモンジムを営むポケモントレーナーだ。
ここしばらく帰ってこないので、
ユウキと母はおじさんの家で暮らしている。
ユウキ(ポケモントレーナー、か…)
彼はポケモンを持っていなかった。
センリ自身が禁じていたのだ。
ポケモンは人の友達にもなれば、
ときに人をおそう怪物と化す。
センリは、ユウキの心が成長するまで
彼にポケモンを持たせることをしなかった。
しかし、ユウキは忘れていた。
今日が彼の14回目の誕生日であること、そして…

彼の兄もまた、14歳でポケモンを持ち
旅にでたことを。

この日が、彼が初めてポケモンを持ち
親のもとを離れる日だと知るものは
一人としてこの村にはいなかった。

灰がゆっくりと降り始めた。

3 :エンタ2005/02/11(Fri) 19:29:13 ID:sxQi4Gnc
第2話

ユウキ「マーナーカー!!まだ終わんないのかー?」
マナカ「ちょっと待ってよ…」
ユウキ「早くしないと、朝飯食えないぞ!」
マナカ「待ってっていってんでしょ!?
    っていうかもうそんな時間なの?」
彼女の腕時計は7:00をさしている。
朝日がまぶしい。
ユウキ「何てこずってんだよー。」
マナカ「カラサリス!!しかもありえない量なの!
    あんたも手伝いなさい!」
ユウキ「うげっ、お前昨日ちゃんと
    駆除したのかよ?」
マナカ「ケムッソの成長ははやいでしょ?
    昨日の夕方あつまったのが
    夜のうちに進化したんだよ!」
ユウキ「うえー、はがれねぇ…
    うわっ、中身が!?」
マナカ「ギャー、あっちやって!」

こんなことは日常茶飯事だ。しかし、いつもと違うのは…
今日は灰が多い。
朝からこんなに降ることは、いままでなかった。
ユウキ「なぁ…今日灰多くないか?」
マナカ「そんなことどうでも…キャー!?」
突然、大地震が起きた。二人はとっさにえんとつやまを見た。
地震があったら火山から離れるよういわれていたのだ。
ユウキ「……!」
あろうことか、火を噴いている。火山弾と大量の灰が畑に降り注ぐ。
おじさん「こっちだ、はやく!」
二人は声のするほうへ走り出した。

4 :エンタ2005/02/11(Fri) 19:34:04 ID:sxQi4Gnc
第2話 タイトル書き忘れました。
読者の皆様にお任せします。

5 :エンタ2005/02/11(Fri) 21:43:20 ID:TOq1XVKY
第3話 ポケモンセンターにて

おじさん「ふたりとも大丈夫か?」
ここはPCハジツゲ。緊急の避難所でもある。
ユウキ「地震はおさまったみたいですね…。あーびっくりした。」
すごい地震だったらしい。センターの入り口がふさがっている。
マナカ「おなかすいたー…」
センターの電波時計を見ると、もう8:00だった。いつもの朝食時間より1時間遅い。
大事そうにルリリを抱えた少女も、同じことを叫びながら泣いている。
とはいっても、センターには食料などない。ポケモンの回復なら回復装置でできるからだ。
   「…申し訳ありません、当センターには…」
センターの人も大変だな。と、ユウキは心の中でつぶやいた。
ユウキ「とにかく、入り口をふさいでる岩を壊さないと。」
   「…それなら僕に任せてよウフフフフ…」
…こいつもきてたのかよ。
114番道路に棲んでいる化石マニアのヒサヤだ。
ヒサヤ「…おいで…プスプス…ウフフフフ」
彼の放ったボールからアノプスが出てきた。
ヒサヤ「…いわくだき…ウフフフフ」バキッ。アノプスの爪が折れた。
マナカ「レベルが低いんじゃないの?」
ヒサヤ「う…うるさい…。おねえさーんウフフフフ」ヒサヤはプスプスを回復した。
ピーン。ユウキが何かひらめいた。
ユウキ「そうだ!パソコンは壊れてないみたいだから…
    マユミのパソコンから父さんのパソコンにリンクして…」
おじさん「おいおい、勝手にそんなことしていいのかい?」
ユウキ「いいんですよ、緊急緊急!緊急事態!」そういいながらユウキはあれっ、と首をかしげる。
おじさん「どうした?」
ユウキ「いや…あれ?これでいいはず…うわ!」   ボン。
パソコンがフリーズし、ボール取り出し口からプレミアボールが1つ飛び出した。

6 :エンタ2005/02/12(Sat) 20:14:25 ID:b6XCV.w.
第4話 あざむきポケモン

長い沈黙の後、正体不明のボールはユウキの手によって開かれた。
ユウキ「こ、こいつは…!」
黒い頭に巨大な口、黄色い体。
口のような物の付け根にはシルクでできた布が巻かれている。
よくみると布には文字が書かれている。
チー
ユウキ「チー…お前の名前か。」
おじさん「そいつは、あざむきポケモン『クチート』だね。
     タイプははがね…だ。覚える技は…」
さすがはセンリの弟、ポケモンには詳しいようだ。
ユウキ「ちょっと待って…はがね…ってことは
    …いわより硬い!そうだろ、チー!」
チーはこくりとうなずいた。もうすっかりなついてしまっている…いくらなんでも早すぎだ。
おじさん「おどろいたな…あの慣れよう…そしてあの機転…。
     今日はじめてポケモンをもったってのに…
     さすがはセンリ兄さんの息子!」
ユウキ「よし、チーいわくだきっ!」
チーは岩の隙間に大口を突き立て、そのまま押し広げた。
岩が2つ粉々になったが、これでは到底外には出られない。
と、思った次の瞬間、岩の隙間から黒々とした鋭いツメが飛び出した。
何人かは悲鳴をあげたが、ユウキは思い当たることがあった。
ユウキ「いわくだきより高い威力の…ツメをつかったワザ?黒いツメ…まさか…」
岩がまた崩れ落ちた。そして黒いツメの持ち主の腕がみえた。
ユウキ「黒いツメ、白い腕!ブレイククローが使えるヤルキモノ!」
次の瞬間、岩はすべて粉砕され、二つの人影がまぶしい光とともに現れた。
ユウキ「こんちは、ソライシ博士…そして、」

   「おかえり、父さん。」

7 :エンタ2005/02/24(Thu) 16:24:03 ID:lZzFwn46
第5話 わが息子

センリ「2年ぶりに帰ってみれば、何だこの荒れようは…。」
粉々になった岩の隙間から、外の様子がうかがえる。恐ろしい光景が広がっていた。
ユウキ「そんな…。」
センリ「ヤルキモノ、オオスバメ、もどれ。ユウキ、マナカ、怪我はないか?」
マナカ「は、はい。でも…」
ふと聞きなれない鳴き声が響く。黄色い塊が近づいてくる…
マナカ「まさか…さっきのカラサリス…」
センリ「くっ、出でよザングース!れんぞくぎり!」
おじさん「ゆけ、パッチール!さいみんじゅつ!」
一瞬で勝負が決まった。アゲハントはすべて眠りにおち、狙いを誤ることなくれんぞくぎりがすべてヒット。
ユウキ「つえぇ…!」
センリ「寝言を言ってる場合じゃないぞ、余震だ!」

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!

ヒサヤ「ひえぇぇ、今のが余震?」
ユウキ「くぅ…っ、父さん、母さんは…?」
センリ「トウカシティに向かっている。逃げ遅れた者はみんなトウカに避難させた。」
ソライシ「ん…まてよ、センリ君、あの中にマユミちゃんはいたっけ?」
マナカ「ここには来てないけど…まさかまだ114番道路に?」
ユウキ「オレ、探してくる!」
センリ「待て。」
静かに制止するセンリ。
センリ「お前がなぜポケモンをもっているのか、なぜそんなになついているのか、
    なぜバッジもないのにポケモンを対象とせずにワザが使えたのか、
    そんなことはどうでもいい!!
    だがポケモンを手にしたからにはおまえのできる限りの愛情を持って育ててやれ!
    コウキがそうしたように!いいな!」
ユウキ「はいッ!」
駆け出していく後姿をみながら、センリは息子のことを思い出していた。
今はどこにいるかもわからないわが息子。
私がさずけたピカチュウをもって、ホウエンリーグへ挑んだわが息子。
奴が優勝して、チャンピオンが変わったんだったな…。
元気でやっているだろうか、連絡もよこさないで旅し続けるわが息子。
いつかお前の弟がお前を超えるのだろうな。
わが2人の息子よ、強くなれ…。

8 :エンタ2005/03/06(Sun) 14:49:30 ID:imcEklho
第6話 こうもりポケモン

ユウキ「おーーーーーーーーーーーーーーい!!」
ここは114番道路。流星の滝を通って海に流れ出る川があるのだが、
火山灰などで水源がつまり、その水位は下がる一方だ。
ユウキ「家にはいないみたいだし…流星の滝のほうかな?」

流星の滝も、水がほとんど残っておらず、滝と呼べそうなモノはどこにもない。
ユウキ「おーーーーい、マユミーーー」

マユミーーーマユミーーーマユミーーー

ドーム状の大部屋の中、声があちこちから返ってくる。
マユミ「ここーーーー」

ここーーーここーーーここーーー

部屋中から声が聞こえるので、場所を特定できない。
ユウキ「弱ったな…これじゃどこにいるかわかんないじゃないか…あ!」
ガバッ
ユウキが気づくより早く、チーは作戦を実行していたようだ。
その口に、こうもりポケモンズバットがはさまれている。
ユウキ「おい、悪いけどちょっと協力してくれないかな。」
ズバット「ギ?」
ユウキ「君のちょうおんぱで、マユミを探してほしいんだけど…」
ズバット「ギッ!」

きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ

マユミ「ユウキくーーーん」
なぜかマユミは岩に挟まっていた。
ユウキ「おまえ、なにしてんの?」
マユミ「野生のポケモンに襲われたんです!家に帰ろうと思ったのに…
    オマケにすごい地震はおきるわで、もう散々ですよ!」
ユウキ「どんなポケモン?」
ユウキはチーに岩を持ち上げさせながら聞いた。
マユミ「よいしょ…白と黒の体で、頭にカマみたいに鋭いものがついてて…
    身震いするようなオーラを放つポケモンでした。
    そのポケモンが、地震の少し前にあたしを押し倒して…」
ユウキ「こわー。あ、それより、みんな心配してたよ。
    さっさと帰ろう。じゃ、ありがとな、ズバット君。」
ズバット「ギ!」
ユウキ「え?帰りたくないの?」
マユミ「あなたのこと、気に入ったみたいですね。名前をつけてあげたらどう?」
ユウキ「そうだな、じゃあ…ギギ、とかは?」
ズバット「ギッ!ギーッ!」
ユウキ「よし、君は今日からギギだ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
また余震だ。大きな余震が多すぎる。何か大きな災いの予兆のように感じる。
マユミ「あ!ユウキくん、あのポケモンです!私を襲ったのは!」

9 :エンタ2005/03/13(Sun) 20:36:29 ID:J7Ed4Ico
第7話 わざわいポケモン

ユウキ「あのポケモン…父さんから聞いたことあるぞ。
    アブソルっていって、災いを呼ぶポケモンらしい」
マユミ「もしかしてさっきの地震もこいつの仕業かしら…。」
ユウキ「とにかく、あんな不気味なポケモンはほっといて
    はやくハジツゲへ帰ろう。」
マユミ「でも…さっき来た道も塞がっちゃったみたいですよ。
    どうやって帰るんですか?」
そのとき、アブソルが低くうなった。
そして、ついて来い、というような目つきで二人を見、周りを警戒しながら歩き出した。
その雰囲気に圧倒されてしまったうえ、帰るあてがなかった二人は、
しかたなくついていくことにした。

しばらくあるくと、岩の間から光が漏れている。
お約束のわざでチーが岩を壊すと、まぶしい光が差し込んできた。
その光に目が慣れるまでの間に、アブソルは消えてしまった。
ユウキ「もしかして…。」
ユウキはマユミに聞いた話を思い出そうとしたが、面倒なことをいちいち考えるのは嫌いなので
すぐに忘れてしまった。

センリ「これで住民は全員集まったな。今ここに残っている人たちはすぐに…、」
トウカに避難してくれ、と言おうとしたのだろうが、ソライシ博士がすかさず言った。
ソライシ「お言葉ですがセンリさん、わたしはここに住みますよ。
     こんなになっても、故郷は故郷だ。」
センリは彼の言葉を聞き、ちょっと自分が嫌に思えたようだ。
センリ「わたしたち親子は…その、ミシロに住む親友に家を貸してもらうことにしたのだが…」
おじさん「遠慮はいらないでしょう、兄さん。僕らはこの町の復興に努めますよ。」
ソライシ「それに、もうこの町にはあなたの家はないしね。
     追い出すみたいで気の毒だけど。」
センリ「…そうだな。そうさせてもらおう。ま、荷物がないから楽な引越しだ。」
ユウキ「ミシロかぁ…どんなところだろう?」
空を見上げながらユウキが言った。
青空。青い空。
日は高く昇っている。うん。明日も晴れる。
ソライシ「わたしはこの噴火について調べてみるよ。
     こんな地質学研究者の血が騒ぐようなことは初めてだからね。」
センリは苦笑いして彼らと別れると、ユウキにささやいた。
センリ「忘れてないだろうが、明日はマユミちゃんの誕生日だぞ。
    おまえ、何か用意してるんだろうな。」
ユウキ「あ、そっか!毎年忘れたことなかったのに!」
思い出したときには、二人の足は宙に浮いていた。
センリ「知らないぞ、嫌われても…オオスバメ!」
ユウキは慌てふためいたが、もうひとつ大事なことを思い出した。
ユウキ「マユミーーーーーー!ギギをよろしくーーーーーーーー!
    あとたんじょーびおめでとーーーーーーーーーーー!!」
二人は青空に向かって旅立った。

10 :エンタ2005/03/13(Sun) 20:38:14 ID:J7Ed4Ico
ここまででプロローグ・ハジツゲ編は終わりです。
次からは第1章でございます

11 :エンタ2005/03/18(Fri) 16:04:03 ID:bZJQXbxw
第8話 石マニア、見参!

ハジツゲタウンガ見えなくなり、えんとつ山が雲に隠れると、
センリのオオスバメは高度を下げた。
ユウキ「ここがミシロタウンか…。すげぇー。」
そこは、林に囲まれた潮の香りのする小さな町だった。
やがて、センリの親友の人が来た。名前はオダマキといって、
ポケモンの生息研究をしているえらい人らしい。
オダマキ「さあ、センリ。ここが君たちの家だよ。」
センリ「2階建てか…すごいなぁ。」
家の中には冷蔵庫や食卓などが並んでいた。全部オダマキさんが用意してくれたらしい。
こんな親切な人はホウエン中にそういないだろう。父さんは顔が広い。
センリ「さて…気が進まないが、わたしはトウカから母さんを連れてくるから、
    ユウキは家で待っていろよ。2階にお前の部屋があるからな。」
そういってセンリとオダマキ博士は行ってしまった。
しかし、待っていろと言われておとなしく待つ性格ではないユウキは、
早速町の様子を見学することにした。
歩いていると、ふと北の方角にある通路が目にとまった。
好奇心旺盛なユウキは、迷わず足を進めていた。
ユウキ「101番道路…なるほど、コッチに来ると減るのか。」
野性ポケモンに気をつけよう!ポケモンを持ってない人はなるべく来ないように
と書かれた看板を、ユウキは得意げに見つめていた。
ユウキ「よーし、野生のポケモンを倒してチーのトレーニングだ!」
思い立ったはいいが、野性ポケモンの気配がない。
ユウキ「あれー?なんだよ、みんな昼寝してんのか?」
???「それは、強いポケモンの気配を感じたからだよ。」
背後から男の声がした。ユウキはとっさに振り返り、身構えた…が、
後ろにいたのは鉄のような体で、頭にバッテンマークのあるごついポケモンだった。
ユウキ「どわぁ!ポケモンがしゃべった!」
???「ちがうよ、ここさ。」
よく見ると、そのポケモンの上に人が乗っている。
ユウキ「誰だ!?」
男が答えた。
???「僕の名はダイゴ!一番強くてすごいトレーナーさ!」

12 :エンタ2005/03/23(Wed) 17:35:29 ID:EqaZS8dc
第9話 初バトル、初負け

ユウキは、ダイゴと名乗る男が言った言葉を無視し、彼に突っかかっていった。
おそらく、後ろから気配を感じさせず近づかれたことに、気が立っていたのだろう。
その静かなる迫力が、そのまま彼の実力を意味するとわかっていながら…
無謀な挑戦だった。

ダイゴ「勝負は…ついたみたいだね。」
彼は、メタグロス一体しか使用していなかった。
ダイゴ「最初は手持ち一匹で挑んでくるなんて…と思ったけど、
    その一匹でこの僕相手に1分以上持ちこたえるとは思わなかった。」
ユウキ「58秒ですよ…。」
その言葉に、ダイゴは一瞬戸惑った。
ダイゴ「数えて…いたのか?」
僕も戦いの中でカウントをとっていたんだ。僕のリズムがずれるはずはない。
ダイゴ「あれだけ押されながら…正確なカウントを…?」
ユウキ「オレの体内時計は結構正確なんですよ…。そんなことより…、」
ユウキはくたくたになっているチーを抱えあげて言った。
ユウキ「オレを…弟子にしてください!」
ダイゴ「…え?」
ユウキ「師匠!はがねポケモンって、すばらしいですね!
    オレ、はがねの魅力を改めて知らされました!
    お願いします!弟子にしてください!」

1時間後。

ダイゴ「さっきから言ってるだろ、僕は仕事で石を集めてるんだから、君にかまってられないのっ!」
ユウキ「そんなこといわずに、ねっ、師匠!」
ダイゴ「そんなこといっても…ねぇ…」

さらに1時間後。

ダイゴ「ねぇ、僕の弟子なんかになっても足手まといになるだけなんだ…
    頼むから他をあたってくれないか…」
ユウキ「嫌です!師匠はオレと石とどっちが大事なんですかっ!?」
ダイゴ「えぇー…。」

さらに1時間…。

ダイゴ「負けたよ…くぅ…」
ユウキ「やったー!弟子だー!」
ダイゴ「もう煮るなり焼くなり好きにしてくれ…」
ダイゴはヤケになっていた。
ユウキ「じゃあ早速!さっきのバトルの敗因を…」
ダイゴ(あれ?)
意外と積極的な質問に、ダイゴはちょっと驚いた。
ダイゴ「…これは、面白くなりそうだな。」
少年の瞳に、石なんかよりずっと魅力的な輝きを見つけたダイゴは
静かに立ち上がり、口を開いた。

13 :エンタ2005/04/01(Fri) 13:48:17 ID:lbHE/sKE
第10話 ダイゴ先生のトレーナー修行

ダイゴ「というわけで、君の敗因は今挙げた3つだ。
    1つめのレベル不足に関しては、いうまでもなく
    もっと経験を積むことだ。」
ユウキ「ふむふむ。」
ダイゴ「レベルが低いとポケモンは能力もわざも弱いものだ。
    君のクチートはまだレベルが低いから、弱々しいわざしか使えないだろう。」
ユウキ「ふむふむ。」
ダイゴ「次に、バトルスタイルだ。これはさっきも言ったように、
    わざの使い方と鍛え方が重要だ。
    はがねタイプは攻守自在の上級ポケモンだ。
    それだけに、中途半端な鍛え方では強くならない。」
ユウキ「ふむふむ。」
ダイゴ「攻めのスタイルでいくなら強力な攻撃わざを、
    守りのスタイルでいくなら便利な補助わざを。
    まあ、それが一度にできるのもはがねのいいところなんだよね。」
ユウキ「ふむふむ。」
ダイゴ「3つめに、ポケモンとの信頼関係だ。
    それは君自身がポケモンを信じるということであり、
    ポケモンもまた君を信じるということでもある。」
ユウキ「ふむふむ。」
ダイゴ「ポケモンを信じるにはポケモンのことをよく知らなければならない。
    さっき君はメタグロスのコメットパンチを防ぐときに、
    バリアーっていってたよね。
    …クチートがバリアーを覚えるわけないじゃないか。」
ユウキ「お恥ずかしい…。」
ダイゴ「ポケモンのことをよく知るにはポケモンと一緒にいてやることだ。
    共に戦い、共に生き、共に喜びあい悲しみあう。
    そうすればいつしかポケモンは君を信じてくれるだろうし、
    君もポケモンについていろいろ学ぶことが出来るね。」
ユウキ「ふむふむ。」
ダイゴ「僕は石を探す旅の中でそれをしてきた。
    君も強くなりたいと思うのなら旅に出るといい。
    えっと…名前は…。」
ユウキ「ユウキです。」
ダイゴ「ユウキくんか。…え!?すると、君は…!!」
ダイゴはなぜか驚きの表情でユウキの顔を見つめた。
そして、ため息をついてからこういった。
ダイゴ「どうりで…同じ瞳をしているわけだ…。」
ユウキ「…?」
ダイゴ「…それじゃあ…実戦といくか。」
ユウキ「え?もうですか?」
ダイゴ「これ以上教えても意味のないことに気づいたんだ…。
    さ、ここの野性ポケモンは厳しいぞ!」
ユウキ「はいッ!いくぞチーッ!!」

ダイゴ(彼と同じ瞳を…強さを追い求める瞳をね…)

14 :エンタ2005/04/04(Mon) 15:56:21 ID:.DXnmqDo
第11話 強さを求めて

ダイゴ「遅い!」
このあたりの野生ポケモンはもう全部倒してしまったので、
ユウキとチーはダイゴのポケモンとトレーニングをしていた。
ダイゴ「それじゃ、隙がありすぎるじゃないか。もっと回転数を高めるんだ!」
今特訓していたわざは、てっぺきという防御わざだ。
チーの場合、角を回転させて攻撃を弾き飛ばすのだが、
回転数が足りないと、わずかな隙間に攻撃が入るうえに無駄に疲れてしまうのだ。
ダイゴ「それじゃ、回転数のテストをするよ。僕のアーマルドが使うロックブラストを
    90%以上跳ね返せたら合格だ。それじゃいくぞ、せーの…」
ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ダイゴ「はいそこまで!どうした、こんなわざ跳ね返すのにそんなに疲れていちゃダメじゃないか。
    …えーと…石は全部で、1、2、3…」
ユウキ「37個ですよ!そのうち6個がはずれ…あーあ、不合格か」
ダイゴ「すごいな君…違う意味で。それより、もっと鍛えないといけないよ!
    クチートが習得するはがね技はてっぺきだけなんだから…。」
ユウキ「はい…って、えー!?これだけ!?」
ダイゴ「そだよー。そのかわり、攻守に優れているサポート型のポケモンなんだ。」
ユウキは不服そうな顔をした。
ユウキ「えー、サポート…やっぱりメインで一番目立ちたいよな、チー?」
チー「チーッ!」
ダイゴ「(メインって…1匹しか持ってないくせに…)さ、特訓の続きだ!
    ノルマ達成までビシバシ行くぞ!」

2時間も立っただろうか。101番道路は、岩山のようになっていた。
ダイゴ「よくがんばったね、ユウキくん。1000本ノック1000本達成!
    文句なしの合格だ!この辺の空気が薄くなるまでホントよくがんばった!」
ちなみに、ロックブラストは空気を石化させて撃ち出す上級のわざである。
ユウキ「ありがとうございます、師匠!じゃ早速オレ旅に出ます!」
ダイゴ「はやいよ!まあ待ちなって。ほかにもトレーニングが必要なわざはいっぱいあるんだしさ。」
ユウキ「え…でも今日のこの記念すべき日に旅に出たいんですよ、師匠。
    コトキまで旅して戻ってくるのはどうですか?」
ダイゴ「…君がそれでいいなら別に…」
と、そのとき!突然火球が2人めがけて飛んできた!が、この辺は空気が薄いので、なんとも情けない炎になった。
あっさりよけたユウキは、火球のとんできた方角に向かって叫んだ。
ユウキ「誰だ!?オレの旅立ちを邪魔するヤツは!」
???「あれ?人?野生ポケモンかと思ったー。」
火球の飛んできた方角から声がした。
???「じゃあ喧嘩でも売っちゃおうかな。ひまだし。」
ユウキ「姿を見せろ!」
???「喧嘩っ早いのね。喧嘩売り甲斐あるかも。」
といって現れたのは、ひよこポケモン、アチャモを連れた少女だった。

15 :エンタ2005/04/04(Mon) 15:58:30 ID:.DXnmqDo
今頃なんですけど、漢字の間違いがありました。
野性×
野生○
ほかにもたくさんあると思います。

16 :エンタ2005/04/13(Wed) 15:43:33 ID:WR683Aik
第12話 喧嘩合戦!バトルガール・ハルカ

ハルカ「アタシ、ハルカ。アンタは?」
ユウキ「ユウキ。大空ユウキ!」
ダイゴが悟ったような口調でつぶやいた。
ダイゴ「やっぱりね…。」
だが、そんなダイゴの様子は気にもとめず、二人はヒートアップし続けた。
ハルカ「あのね、この辺のポケモンがいない理由はだいたいわかるんだけど、
    困るのよね。仕事のじゃまされると」
ユウキ「オレがどこで特訓しようとオレの勝手だろ!
    だいたい、オレのほうが早く来たんだからここはオレの場所だ!」
ハルカ「何?そのおこちゃま発言?さっきから言ってるように
    あたしは仕事で来てるの!
    そっちはただのポケモン遊びでしょ!?」
ユウキ「遊びだと!?もう我慢ならねぇ!!決闘だ!」
ダイゴ「え、何?決闘?」
ようやくダイゴもわれにかえったようだ。そして、あわてて言った。
ダイゴ「どうしたっていうんだ?いきなり決闘だなんて…
    ねぇ、コウキくん…じゃない、ユウキくん」
ダイゴはまだ回想から戻りきれてなかったようだ。
だが、今のセリフも完全にシカトされていたので、ダイゴは内心ほっとした。
ユウキ「決闘だ!今すぐ!ここで!
    もともと売られた喧嘩だ、買ったろうじゃんか!」
ハルカ「やるっての?あたしと?プッ」
ユウキ「何がおかしい!?いや、何でもいい!すぐ決闘だ!」
ダイゴ「おちついて、ユウキくん。頭に血がのぼったまま戦っても、全然いいことないぞ」
その言葉に、ユウキははっとした。
ユウキ「なんで、そのセリフを…?いや、何でもいい!
    大丈夫です!もう大丈夫です!
    特訓の成果、見ててください師匠!」
ダイゴ「どうしてもやるってのなら止めないけどさ…。
    それなら、僕が審判をやろう。
    ルールはポケモンリーグ式でいいね?」
ユウキ「りーぐしき?何ですか、それ」
ハルカ「知らないの?プッ」
ユウキ「う…。し、知ってらぁ!」
ハルカ「あそ。じゃはじめようか」
ユウキはどうやらこのルールを知らないらしく、ダイゴの出方をうかがっている。
ダイゴ「はぁ…とにかく、相手のポケモンを戦闘不能にしてしまえばいいんだよ…。
    しっかりしてくれよー…。」
ユウキ「あ、なーんだ。びっくりするほど簡単じゃん。」
ダイゴ「ほんとに君なのかな…?」
ユウキ「え?何がですか」
ダイゴ「いや、コッチの話だよ。それじゃ相手のコもじれったそうにしてるから
    さっさとはじめちゃうよ。」
   「試合・・・開始!」

17 :エンタ2005/04/13(Wed) 16:44:18 ID:WR683Aik
第13話 最高にアツい喧嘩

ハルカ「アチャピー、ひのこ」

ユウキ「こいつ…ッ」

強い。

少なくともユウキはそう確信した。
空気がうすいという状況の中で、これだけの攻防を見せるほのおポケモンは
父親への挑戦者の中でも、『ポケモンニュース』のバトルインタビューのコーナーでも見たことがない。
が、ユウキも負けてはいなかった。
てっぺきのトレーニングと、うすくなった空気のおかげで、
襲い来るひのこもすべてはじき返している。
ハルカ「守ってばっか?そろそろ攻撃に移りなよ!」
ユウキ「く…ッ、うるせえ!
   (とはいったものの、攻撃わざのトレーニングはしてないし…
    あのわざも、切り札としておきたいし。)
もう一度ひのこが飛んでくる。が、その勢いはだんだん弱まってきた。
ユウキ(そうだ…攻撃に転じるのは、ヤツのほのおわざが尽きてから!)
チーは攻撃を防ぎ続ける。

ひのこ、ひのこ、ひのこ。

ハルカの命令がこだまするかのように繰り返される。
ユウキ(底なしかよ…くっそ、売られた喧嘩に負けてたまるか)

ひのこ、ひのこ、ひのこ。

耳を澄ませ。相手の動きを体中で感じ取れ。見極めろ。
ユウキは、薄れていく意識の中で(ここは空気がうすい)、相手の声だけに全神経を集中した。

ひのこ、ひのこ、ひのこ…

…「なきごえ」。
ユウキ「いまだ!」
言うが早いか、チーが角を回転させたまま突っ込んだ。
アチャモがひるむ。そして。

ユウキ「チー、ジャーンプ!!!」
チーがはさんだアチャモの体は、チー自身とともに沈みかけた太陽に向かって高く上げられた。
ユウキ「そのままぶっ放せ!ちきゅうなげッ!!」
チーが全力を振り絞って、アチャモをつかんだまま空中でてっぺきの体制に入る。
ハルカ「ああああ!!アチャピーッ!!」
オレンジ色の体がオレンジ色の夕日と重なる。そして…
ハルカ「なーんてね!アチャピー、にほんばれ!」
アチャモの体がもうかに包まれる。太陽の熱を受け、活性化しているのだ。
ハルカ「最後に勝つのはアタシよ!残念でした!」
ユウキ「いや、オレとしてはうれしいぜ!このわざが出せるからな!」
チーの角の、丸い模様の部分が輝き始める。
ユウキ「くらえ、ソーラービーム!!」
あたりがまぶしい光で覆われる。

ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

アチャモはミシロタウンのほうに落ちたようだ。
チーは、そのまま降りてきた。が、疲れ果てている様子だった。
ハルカ「そんな…うっ」
ドサッ、とハルカが地面に崩れ落ちる。おそらく酸欠だろう。
ユウキ「ハルカ!?大丈夫か!?」
ハルカ「気安くさわんないでよ…ちょっとフラッとしただけ」

しばらくして、ダイゴがアチャモを抱えてきた。
ダイゴ「ミシロの人の話だと、落ちてきたときから気絶していたそうだよ。
    よって、両者同時に戦闘不能。…つまり、引き分け」
ユウキは、ハルカに向かってニッと笑いかけ、こう言った。
ユウキ「お前…すっげー強いよ。こんなに熱くなったのは初めてだ。
    最高にアツい…喧嘩だった。オレの負けだ。ありがとな」
ハルカ「フン…アタシは勝ったなんて思ってないからね。
    すぐにアンタより強くなってやる」

やがて、センリとオダマキ博士が戻ってきた。
二人はへたり込んだままのユウキとハルカをみて、
顔をあわせて苦笑いしたという。

18 :エンタ2005/04/16(Sat) 15:49:51 ID:R6MEE57E
第14話 おとなりさん・前編

センリ「オダマキー!助けてくれー!」
オダマキ「お、奥さん!落ち着いて!」
ユウキ「母さんがこわれたあぁぁ」
親子そろってぐるぐる追いかけまわされているようだ。真ん中で、博士が仲裁に入ろうとしている。
センリ「許してくれナツコ、わたしが悪かった!」
ナツコ「いいえ許すモンですか!あんなに長い間家を空けて!
    今日という今日は思い知らせてあげるわ!」
ナツコ、と呼ばれたセンリの妻は、何かこん棒のようなものを持って
オニのような顔で二人を追いかけまわしていた。
ユウキ「母さん、落ち着いて!」
ナツコ「だいたいユウキ、あんたもあんたよ!夜遅く家を抜け出したりして、
    母さんすごい心配したのよ!」
どうやら、彼はどうしても誕生日と旅立ち記念日をあわせたかったらしく、
夜11時ごろ家を出たというのだ。結局、コトキタウンの近くで寝ていたらしい。
ユウキ「悪かったって、許してよー!」
ナツコ「許しません!」

1時間後、二人はタンコブだらけになって縛り上げられていた。
女は恐ろしい一面をもつというが…
ダイゴ「あれ?朝っぱらからどうしたんですか?」
彼は、ユウキたちの家に泊まっていたらしい。
ナツコ「あら、ダイゴ様!おはようございます!」
彼女はダイゴの大ファンらしい。
ダイゴ「はぁ…どうも…それはそうと奥さん、手に持ってるのは…」
ナツコ「あぁ、これですか?今朝ひろったこん棒ですけど、それが何か?」
ダイゴ「……僕のダンキチなんですけど…」
確かにこん棒だと思っていたものは、てっきゅうポケモンのダンバルだった。
ナツコ「あらホント。ダイゴ様ったら、そのニックネームおっしゃれー!」
悪びれた様子などまったくない。女というのは恐ろしい。
ハルカ「パパー、朝ごはんできたけどー」
オダマキ「ああ、今いくよー。この 綱 をほどいてから…」
ダイゴ(あ、綱引き用の綱でしばってたのか…)
女というのは恐ろしい。
ハルカ「おとなりさんも一緒にどうー?」
ハルカはオダマキ博士の一人娘で、
ユウキたちが住むことになった家の隣、研究所から少し離れた家に博士と二人で暮らしている。
なので、家事全般はすべて彼女がこなし、暇ができるとフィールドワーク(ポケモンの生態観察)に出かけているらしい。
ナツコ「はーい、いただきまーす!…コラお前ら、いつまですっ転がってんのよ!?」
といって、二人を蹴飛ばす。やはり、女というのは恐ろしい。
そんなことを思いながら、オダマキは二人を引きずって自宅に向かった。

19 :エンタ2005/04/16(Sat) 16:57:11 ID:R6MEE57E
第1話の最後のほうに書いていたこと、まったく無視しちゃいました。
計画性ないです、はい。

いまさらキャラクター設定その1

 大空ユウキ
物語の主人公。
第1話で服について書いてますが、エメラルドバージョンの主人公(男)です。
大空センリと大空ナツコの息子で、14歳。
年子の兄がいて、名前はコウキ。15歳。
1年前にセンリからピカチュウをもらって旅に出る。
わずか半年でポケモンリーグの頂点に立った天才。だが、
チャンピオンを辞退して後任を指名後、どこへともなく行ってしまったという。
いうまでもなくルビーバージョンの主人公

苧環ハルカ
もう一人の主人公。エメラルドバージョンの主人公(女)。
父のオダマキ博士は子供のころのある日センリと喧嘩をして、
ユウキとハルカの戦いと同じく引き分けに終わったが
その後センリにリベンジを遂げるべく猛勉強、
ついに博士となったらしい。
だが、その後二人のバトルは21戦21引き分け。
決着はついにつかなかった。
12話でハルカがバトルガールといわれてたのは、
彼女の手持ちが…

大空マナカ
設定としては、ゆびをふるを教えてくれる少女です。
彼女はゆびをふると本当に魔法が使えてしまうデタラメな能力の持ち主で、
その用途は瞬間移動(テレポート)、小金稼ぎ(ネコにこばん)とさまざま。
また、彼女はポケモンを持ったことがないので知りませんが、
ゆびをふることで出てくるわざを、思い通りにコントロールできる能力も持っている。
こういった能力は一般に『トレーナースペック』と呼ばれ、
ほとんどの人が生まれつき持っているものとされているが、
その中でもマナカのそれは実用的である。
もちろん、ユウキやハルカにもトレーナースペックが備わっている。

堀岡ヒサヤ
114番道路に棲む化石マニア。
彼が化石から復活させたポケモンを持っているのは
デボンの技術に頼ったわけではなく、
彼の「くさぶえでどんな深い眠りについたポケモンも起こすことができる」スペックのおかげ。
実はダイゴと知り合いで、化石ポケモンを譲る代わりにダイゴが別の地で手に入れた化石を貰っている。

石蕗ダイゴ
ホウエンきっての巨大企業デボン・コーポレーション(略してデボン)の御曹司。
だが、親の跡を継ぐ気はなく、あらゆる所を旅して回りながら珍しい石や化石を集めている。
元ホウエンリーグチャンピオンだったが、コウキに敗れ解任。
以来、前よりも熱心に石を集めている。
生い立ちや風貌から、繊細な性格と思われがちだが、
前向きで明るく、子供のように無邪気な感情の持ち主である。
また、自分を「一番強くてすごい」と称するように、かなりのナルシストでもある。

現時点ではここまで。新しいキャラが出るにつれて、また新しい設定が明らかになるにつれて
その2、その3と出してく予定です。

20 :エンタ2005/04/20(Wed) 17:01:37 ID:ikPY7CKU
第15話 おとなりさん・後編

ユウキ「う…うまい!」
オダマキ宅の食卓で、朝食をいただいているらしい。
センリ「いやー、助かったよ、オダマキ。
    何しろうちの人は料理が下手くそだから…」
ナツコ「ダイゴ様、さっきのダンバル君を借り…」
ダイゴ「だ、ダメですよ!」
ユウキ「って…何で師匠まで食ってるんですか!?」
ダイゴ「まあいいじゃないか。あ、コレおかわり」
ユウキ「しかも、図々しい!」
ダイゴ「まあいいじゃないか。いちいち家まで帰るのもめんどいしさー、
    それにホラ、特訓料もまだもらってないし。
    その代わりってコトでね?」
オダマキ「あっはっは!まあ、にぎやかなのはいい事じゃないか。」
センリ「ダイゴくん、後で話があるんだが…。」
ダイゴ「?ふが…何のでふか?」
ハルカがすかさずしかりつける。
ハルカ「コラっ、お行儀が悪いっ!」
ダイゴ「あ、すいません…。」
意表をつかれて面食らったのか、情けない対応になってしまった。
どうやらこの食卓の中で、奇妙な上下関係ができているようだ。
センリ「とにかく、あとでわたしの家に来てほしい。」
ダイゴ「はぁ…わかりました。…というわけでユウキくん、
    今日の特訓は午後からね!メニューは、そうだなぁ。
    昨日のバトルで使ってたわざ2つを練習してみようか。」
ユウキ「はい!よろしくおねがいしまーす!」
センリ(さすがだ…練習不足を一目で見抜き、相手の弱点を突く戦法と、
    あのバトルセンス…これが幼きころより天才、神童ともてはやされた
    若きチャンピオンの実力…だが…気になるのは…)
ダイゴ「センリさん?」
センリ「ん?ああ、何だ?」
ダイゴ「いや、何の話ですかって…」
センリ「…後で話すよ」
オダマキ「いやー、それにしてもすごいトレーナーが越してきたもんだ!
     前までは、ハルカがミシロで一番強かったのに、
     あっという間に超えられてしまったな!」
ハルカ「…!」
食卓は、いきなり沈黙に包まれた。
オダマキ「ん?みんな、どうしたんだ?」
ハルカ「…ごちそうさま」
ガタン。勢いよく立った拍子にいすがひっくり返ったが、ハルカは直そうともせず
みんながあっけにとられている間にさっさと出て行ってしまった。
しばらくして、ナツコが口を開いた。
ナツコ「ホント、男って鈍いんだから」

21 :エンタ2005/04/25(Mon) 20:55:09 ID:e/RT2MpQ
第16話 勝手にゆだねられた運命

30分前…

ダイゴ「で、話って何です?」
センリ「わたしの息子について…知っていることを語ってほしい。」
ダイゴ「…!」
ダイゴは少しためらった。
センリ「やはり、話したくないか…君は、そういう傷つきやすい…」
ダイゴ「ち、違います!ただ…コレを話すと、センリさんががっかりするかなって…」
センリは黙って見つめた。
ダイゴ「わかりました。あれは、去年の夏…
    ピカチュウを連れたトレーナーが、チャンピオンロードを超えて
    ポケモンリーグに挑戦しに来た…日でした。」
センリ「…進化させていないのか…」
ダイゴ「…はい。彼は他にも、ラグラージやソーナンス、ブーバーと
    個性の強い面々をそろえてやってきました。」
センリ「ほう…珍しいのばかりだな。
    いずれも、野生での生息数は少ないそうだ(博士によると)」
ダイゴ「そうだ…珍しいといえば、光るポケモンも連れていましたよ。
    バトルにこそ出さなかったですけど」
光るポケモン…色違いのポケモンは、生息数が非常に少ない珍種で、
持っている人はクラスの人気者になれるほどだ。
センリ「その後の、行き先などは…?」
ダイゴ「わかりません…。でも、ミクリなら知ってるかも…」
センリ「ほう…後任はミクリか。だが、ジムはどうするんだ?」
ダイゴ「ルネの方は、アダンさん…ミクリの師匠が務めるそうですよ。
    なんか、うさんくさい人ですけど」
センリ「そうか…じゃあ、ミクリにあってみるか(聞いてない)。」
ダイゴ「なぜそこまでして彼に会いたいんですか?」
センリ「わたしたい物があるんだ…いろいろとな。
    今まではキャモめーるだけでやり取りしていたから、
    おそらくはここホウエンから離れた地方で暮らしているのだろう。」
ダイゴ「いつごろ出かけるんですか?」
センリ「ふむ…あんまり気にしていなかったが、ナツコがあの状態となると…
    トウカジムを閉められる間か……多分、無いな…」
二人は苦笑いした。
ダイゴ「届け物だけなら、ユウキくんに頼めばいいんじゃないですか?」
センリ「そうか!まずポケモンリーグのチャンピオンであるミクリに勝って
    ミクリにコウキの行き先を聞き…そのあとコウキを探し出して
    あれを届ける…完璧じゃないか!」
ダイゴ「勝つ必要は無くないですか…?」
センリ「いや、やるからには強くならねば!さっそく特訓を開始だ!
    ダイゴくん、よろしく頼むぞ!」
ダイゴ「え…あ、はい!」

こうして、しらない間にチャンピオン候補にされてしまったユウキだった。

22 :エンタ2005/05/02(Mon) 20:32:05 ID:yt1BX7Pg
第17話 そして30分後

ダイゴ「よし…。投擲回数30回中、2980点。
    ちきゅうなげトレーニング、合格だ。」
今やっていたのは、直径1m以上の岩を15メートル離れた木の的に当てるという特訓である。
ユウキ「まだ、完璧じゃあないんですね…。」
ダイゴ「はは、完璧なトレーナーなんているわけないだろ?
    君はお父さんに似て完璧主義だけど、もっと気楽にやってもいいんじゃない?
    君たち子供には、時間はたっぷりあるんだからね。」
ユウキ「ともあれコレで全トレーニング合格ですか。
    実感わかないな…本当にオレなんかが全バッジ集めてリーグ優勝できるのかな?」
ダイゴ「君のお兄さんみたいにね。」
平然としているダイゴを見て、ユウキは前々から気になっていたことを聞いた。
ユウキ「あの…師匠。師匠はアニキに負けて、悔しくなかったんですか?」
ダイゴ「…はは、その逆さ。彼と戦って思い知らされたよ。
    僕がチャンピオンという地位にうぬぼれて強さを追い求めるのを忘れていたことを…ね」
この言葉を聞いて、ユウキは内心ほっとした。
ユウキ「強さを追い求める…。
    オレは、強くなりたいな…なれるかな…?」
ダイゴ「心配は要らないよ、君なら。でもひとつ知っておいてほしいのは、
    強さなんてものは、妥協してしまえばそれで終わりということだ。
    そのことは…強さを追い求めるうちに、いずれ思い知らされるだろう。
    高い壁となって、君の強さへの道を阻むだろう。けど…」
ユウキ「大丈夫です、師匠!どんな高い壁にぶつかったって、僕の意思は折れませんよ!」
ダイゴ「…それを聞いて安心したよ。
    これを、受け取ってくれ。僕からのご褒美だ。」
ダイゴが差し出したのは、かわらずのいし、かたいいし、みずのいし、リーフのいし…そしてモンスターボール。
ユウキ「このポケモン…ココドラ?くれるんですか!?
    うわぁ、ありがとうございます!
    名前は何がいいかな…女の子だったら、ココでいいかな?」
ダイゴ「このあいだいしのどうくつに行った時にとってきたものだよ。
    そっちのかわらずのいしとかたいいしもね。」
ユウキ「変わらずの意思と…固い意志…。」
ダイゴ「お守りとして持っていてほしい。」
ユウキ「…! ありがとうございます、師匠!
    じゃあ改めて…よろしくな、ココ!」
ココはうれしそうにほえた。チーも、新しい友達ができてうれしそうだ。
と…そこに突然、
   「たすけてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」

23 :エンタ2005/05/04(Wed) 20:35:34 ID:eaul6R16
第18話

オダマキ「た、た、た、た、助けてくれ!」
そこには、ジグザグマと追いかけっこをしているのか
逃げ回っているのかわからない博士のこっけいな姿があった。
ダイゴ「うわぁー、こんな状況そう見られるものじゃないぞ。」
ユウキ「博士ってばポケモンと一緒に元気にはしゃいで…
    コドモゴコロが忘れられないんですね」
オダマキ「冗談言ってないで、早く助けてくれよ!
     そのかばんの中にモンスターボールがあるから…」
そのかばんを拾い上げたダイゴは、さっきと同じ調子で言った。
ダイゴ「アハハ、やだなぁ博士。空のモンスターボール一個しか入ってないですよ?」
オダマキ「な…さてはキモリのヤツ、また抜け出したな!?」
ユウキ「はぁ…しょうがないな、チー!」
ボンッ。チーがボールから出るなりジグザグマに向かって大口を開け、威嚇する。
ようやくジグザグマは博士から離れて戦闘態勢に入った。
ユウキ「チー!はさむ!」
いきなりの攻撃にジグザグマはおどろいて(かわいく)鳴き声をあげた。
ユウキ「油断させるつもりか?そうはいくか!チー!」
チーはなおも驚異的な怪力でジグザグマを締め上げる。油断する様子は微塵もない。
ダイゴ(なっ…二つの特性だって!?そんなバカな!)
ユウキ「いいぞ、チー。…そろそろかな?」
チーが敵をはさんで静止すること一分(ターン)。
ユウキ「よっし、充填完了!ソーラービーム発射ぁ!!」
ドドーーーーーーーーーーーーーーーーン。
オダマキ「ずいぶん派手にやるもんだなぁ…やや、まだ戦闘不能には陥ってないみたいだぞ!?」
ダイゴ「急所をはずしたからかな…じゃあ博士、この際だから捕獲しちゃいましょーよ。」
オダマキ「あ、ああ。でもボールが…」
ユウキ「さっきのキモリとかいう奴のでいいじゃないですか。」
オダマキ「ええ!?でも、そんなことしたらキモリは野生ポケモンになってしまうぞ!?」
ダイゴ「いいじゃないですか。」
オダマキ「よかないっ!!」
ユウキ「じれったいなぁ…そりゃっ」
ポーン。ジグザグマはユウキが投げたボールの中に入った。
オダマキ「ああ…ああっ!?か、勝手に投げるなーッ!」
…カチッ。捕獲の完了を示すボールのロック音だ。
オダマキ「…………」
ユウキ「やった、捕獲成功ーッ!…でもオレはジグザグマはいらないな…」
オダマキ「…しょうがない…キモリの代わりに大切に育てよう…クーッ」
博士はもはや半ベソだ。無理もない、キモリは捕獲の困難なレアポケモンなのだから。
ユウキ「それじゃ…そろそろかな…」
ダイゴ「いったん家に戻りなよ。別れの挨拶も、きちんとすませてからだよ」
ユウキ「はいっ!」
晴れた青空の下、彼は家路をかけていった。

24 :エンタ2005/05/04(Wed) 21:05:49 ID:eaul6R16
第19話 親子対決その1・試合開始

センリ「もう発つのか?」
ユウキ「うん。早いほうがいいと思って。」
センリ「まずはどこにいくんだ?」
ユウキ「へへ、まずはトウカシティのジムリーダーに野外試合を申し込むんだ!」
センリ「…!ほう…。なら、特訓の成果とやら、見せてもらおうじゃないか。」
ユウキ「ただ、ひとつ条件があるんだ。ルールはリーグ式じゃなくて、入れ替え制でお願いします!」
センリ「な…。お、お前の手持ちは二匹だろう?公平な勝負にならないじゃないか。」
ユウキ「父さん…オレは、強さを追い求めてるんだよ?」
場の雰囲気が変わる。一段と静まり返った空気の中で、ユウキは話し続ける。
ユウキ「本当に強くなりたいんだ。だから、たとえ自分に不利でも完全な勝利を目指す!」
センリ「よかろう!私もその気持ちにこたえるべく、手持ち全匹で受けてたつ!」

試合…開始!

ユウキ「最初はココッ!速攻でいくぜ!」
センリ「先制攻撃なら、こちらに分がある!ザングース!」
シュパッ。ザングースのツメが光る。すでに一撃入れたようだ…が!
派手な音を立ててザングースのツメが割れる。
ユウキ「へっへー!速攻の一言はおとりさ!はじめから攻撃の命令なんてしてなかったんだ!」
センリ「まさか…かたくなる?」
ユウキ「ココは、はがねといわが交じり合ってできた最強のヨロイを纏ってる!
    最初にでんこうせっかじゃなくてブレイククローを使ってれば当たり負けたかもしれないけど、
    父さんは相手と同じ戦術で相手を圧倒しようとするクセがあるんだよ。
    だから、あえて守りに入った。」
センリ「何…最初から、でんこうせっかを予想しての守りだったのか?」
ユウキ「オレは父さんの戦いを何百回と見てきた!父さんのクセは、本人より百倍わかってるつもりだ!」
センリ「フフ、この試合面白くなりそうだ…次、バクオング!ハイパーボイス!」
ぼええええええええええええええええええ
ユウキ「ぎゃぁ!し、しまった!」
センリ「ココドラのヨロイは、強い衝撃に弱いんだったな?
    振動や強打などの衝撃により岩とはがねが分離して、ヨロイがスカスカになってしまう。
    バクオング!じしんだ!」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドド
ユウキ「ああ、ココッ!くそ、次だ!チー!」
センリ「クチートか…ならば戻れ、バクオング!ケッキング、ゆけ!」
ユウキ「くっ、ちきゅう投げ封じか…まけるな、チー!つるぎのまい!」
センリ「ほう、まだそんなわざがあったのか。しかし、もう何が来ようと…ムッ!?」
つるぎのまいは、戦いの踊りを踊って気分を高め攻撃力を上げるわざだ。だが…
ダイゴ「そんな、バカな…バカなコトだらけだ、彼は…」
遠まきに勝負を見ていたダイゴが呟いた。
ダイゴ「ポケモンが…剣に変身するなんて…」

25 :エンタ2005/05/04(Wed) 21:07:19 ID:eaul6R16
ふたつも書きましたぞー。でも、18話のタイトルまた書き忘れた…。

26 :エンタ2005/05/12(Thu) 14:39:31 ID:9Pm.xiDI
第20話 親子対決その2・つるぎのまい

ユウキ(第五師匠には内緒で特訓してたけど…うまくいくかな?
    …いや、うまくいかなきゃダメなんだ!)
センリ「そのわざは…?」
黒い剣…いや、クチート色の剣。それを右手にかたく握ってユウキが反撃に出た。
ユウキ「いくぞっ、チー!いあいぎり!」
クチートは本来いあいぎりを習得できない。「切れる」ものを持っていないからだ。
だが、今のチーはどういうわけか剣に変身して鋭くなっているので、切りつけるわざが使えるのだ。
ユウキ「ケッキングの拳が届かない間合いから、確実に体力を削り取る!」
センリ「ケッキングが物理わざしか使えないとでも思ってるのか?
    やれ、ケッキング!だいもんじ!」
ケッキングがあくびと一緒にだいもんじを吐き出す(ちょっとクサい)!が、
ユウキ「おっと。そんな大技、かすりもしないぜ!」
やはりユウキは見抜いていた。「物理攻撃の届かない範囲から攻撃すれば、威力の高い離れ技を撃ってくる」というクセを。
ユウキ「へへ、今のチーはオレが持ってるから、一緒に動ける!
    トレーナーの判断とポケモンの行動が一瞬でシンクロするってコトだよ!」
センリ「フフ…わが子ながら見事…だが、私もジムリーダー、容赦はせん!」
ケッキングがユラリと立ち上がった。なるほど2mの巨体は目の前の敵を圧倒する威圧感がある。
センリ「ケッキング!いけっ!」
ユウキ「あの構えのときは、のしかかりだ…けど、物理攻撃を封じてるのに、何で…?」
ケッキングが倒れこんできた。両手を広げただけでユウキの体は影に覆われてしまった。
ズズーーーーーーーーーーーン
ユウキ「よしっ、かわし…ッ!?」
ユウキはクセは読めても一手先の作戦は読めなかった。
のしかかりは囮、真の狙いはその体重を利用しての…じしん。
ユウキ「あ、足が…!?」
センリ「足場を封じるのも狙いよ!そして、とどめだ!オオスバメ、でんこうせっか!」
ボールから出るなりとんでもない速さでとんできたオオスバメ。
ユウキ「くッ…足場が何だ、チー!カウンター、いくぞ!」
剣の先がガパッと開いた。もともとこの部分はチーの口なので、元の体型と同じ動作も可能だ。
ユウキ「チー!1、2の、3で相手を挟み込んで投げ飛ばすぞ!1…2の…」
オオスバメはすぐそこまで来ている。ユウキの右手、すなわちチーめがけてまっすぐに。
…間合い。
ユウキ「3ッ!!!!!」



センリ「勝負…あったな」

27 :エンタ2005/05/12(Thu) 14:41:42 ID:9Pm.xiDI
またまた間違い訂正

第五師匠⇒ダイゴ師匠

28 :エンタ2005/05/21(Sat) 16:07:28 ID:zRr1e5Ts
第21話 なぞの赤装束

センリ「残念だったな、ユウキよ。」
ユウキは負けた。最後の最後でオオスバメのつばめがえし…つまり、
カウンターのカウンターが決まったのだ。
センリ「普通の公式リーグのルールだったら、私が負けていた。
    しかし、お前はあえて入れ替え全手持ち制で私に挑んだ。
    お前のその志が本当なら、もっと強くなって帰ってこい。いいな。」
ユウキ「…はい…!」
センリ「お前が再び私に挑むときのために、ジムの場所を教えてやろう。
    …ついて来い。そして、もうしばらくは二人とも帰らない。
    家を頼むぞ、ナツコ…。」
ナツコ「はいはい。あなたってば、ホントにバトルが好きなのね。
    …でも、構わない。あたしはもっとあなたのことが好きだから。」
センリ「…ありがとう。いってくる」
ハルカ「…あ、アタシも」
ユウキ「ん?」
ハルカ「アタシにも、教えてください。コイツより強くなりたい!!」
センリは口をあんぐりとあけた後、吹きだした。
センリ「あっはっはっは。別にいいよ。」
ユウキ「あれ?そういえば師匠は?」
ハルカ「ちょっと前に用事を思い出してどっかいっちゃったわ。
    それより見てみて!アタシもダイゴさんにポケモンもらっちゃったの!
    ほら、かわいいでしょ?」
モンスターボールから顔をのぞかせたのは、マクノシタだった。
ユウキ「はは…そりゃよかったね」
センリ「ハルカちゃんは格闘タイプのポケモンがすきなのか?」
ハルカ「うん。なんか強そうだし、っていうか一緒に強くなれそうだしね。」
センリ「ほう…一緒に強くなる、か…」
センリは、この数日間ハルカがポケモンと自分の体を一緒に鍛えていたことを知っていた。
ユウキ「じゃ、そろそろ行こうよ。」
センリ「そうだな。」

101番道路。野生のポケモンはまだ倒れているままだ。
空気はさすがに元に戻ったらしい。
ユウキ「父さん!歩くの早すぎない?」
センリはほぼ走っている状態だ。
ハルカ「きゃっ」
突然ハルカが悲鳴をあげた。が、センリは気づきもせずガンガン進んでいく。
ユウキ「どうした?」
ハルカ「誰かが足をつかんだのよ!」
ユウキ「野生のポケモンじゃないのか?」
とユウキがいったそのとき、茂みの中から不気味な笑い声が響いてきた。
???「クククク…アーッハハハハハハハ!!!」
ユウキ・ハルカ「誰だ!」
二人は同時に身構え、同時にポケモンを出した。
???「仲のいいこった…お前の父さんはもうどっか言っちまったなぁ?」
ユウキははっとした。まさか、それが狙いか?
ハルカ「何者だッ!?姿を見せろッ!!」
???「クク…威勢のいい嬢ちゃんだ…だが、お前に用はねえ。用があるのは…」
茂みの中から、赤装束の男が現れた。
???「大空ユウキ!!てめェのほうだッ!!」

ダイゴ「…今、ユウキ君たちがマグマ団と接触したようだ。」
電話の声「フフ、さっそくお手並み拝見というところか。
     しっかり見届けてくれたまえ、ダイゴ。
     その少年の実力のほどを…。」
ダイゴ「わかっているよ。…そっちの仕事も頼むぞ、ミクリ。
    追って連絡する。」

29 :エンタ2005/05/22(Sun) 18:56:26 ID:2f73avBU
第22話 タッグバトル!

???「オレの名を名乗っておこう…マグマ団の若き流星!
    紅蓮のホタル!お前らを地獄に送る名だ、覚えておきな!」
ユウキ「オレに用があるとかいったな。何の用だ?」
ホタル「ククク…よくぞ聞いてくれた!お前に聞きたいのは、
    かの大噴火の現場、ハジツゲタウンのことだ。
    お前の住んでいた町に不思議な力を使う女がいたはずだ。
    そいつの情報を教えてもらおうか…。」
ユウキ「さあ?知らないな。
    (こいつが言ってるのは多分マナカのことだ…なんとしても隠し通すぞ。)」
ホタル「あの噴火であぶり出してやろうとしてたんだがなぁ。
    町が危険にさらされりゃ、力を使うはずだと思ってな。
    だが、失敗しちまった。
    だから現場にいたヤツの中で最年少のお前を探して聞きだすことにしたんだが…」
ユウキ「何だって!?じゃあ、あの噴火は人災だってのか!?よくも…」
そんなユウキの言葉にはおかまいなく、ホタルは続ける。
ホタル「知らねえのなら仕方ねえ。お前は用済みだ。バルビート、殺せ」
ユウキ「…知らないこともないな。オレに買ったら教えてやるよッ!」
ハルカ「アタシも戦うわ。なんかこいつ、ムカつくし」
ホタル「バカが…オレの専門はダブルバトル!2対2ならガキなんかにゃ負けねーよ!」
チー&アチャピーVSバルビート&イルミーゼ。勝てなくもない。
ユウキ「チー!いかくしてから、はさむ!ターゲットは…イルミーゼ!」
ハルカ「アチャピー、昨日教えた作戦でいくわよ。イルミーゼをたたみかけるのよ!」
ホタル「ハッ、そうはいくかよ。イルミーゼ、まもる!」
まもるは、ほとんどのわざを防ぐ完全防御わざだ。集中攻撃はすべてクリアされてしまった。
ホタル「で、この隙にほたるび、っと」
ほたるびは神秘的な光で物理を伴わないエネルギーを活性化させる、つまり
特殊攻撃を高めるわざだ。
ホタル「でもって、イルミーゼのてだすけからつなぐバルビートのれいとうパンチ」
チーの口が凍り付いて開かなくなってしまった。
ホタル「これでそいつは使いもんにならねーな。まず一匹」
ハルカ「なんの!アチャピー!作戦Bに変更よ!」
アチャピーのひのこでこおりが解ける。だが、チーの体にかかるダメージも大きい。
ユウキ「サンキュー、ハルカ。てだすけを封じないと…オレが出る」
ハルカ「OK.アチャピー、作戦Cよ」
ホタル(ちっ…コッチの女の戦略が読めねえ…命令もせずによく戦えるな)
ユウキ「チー!様子をうかがうんだ」
ホタル「小細工は通用しねえよ!イルミーゼ!」
ユウキ「そっちだ!チー、くすぐる!」
ホタル「ンなッ!?」
ハルカ「今よ、アチャピー!かえんほうしゃ!」
ホタル「何だと!?アチャモごときが、なぜ!?」
ユウキ「これでイルミーゼは戦闘不能!さあ、次は何だ?」
ホタル「なめやがって…クソガキが!」
ボン。ボールから出たのは…
ハルカ「何…このポケモン?ホウエンじゃ見たことない…?」
ホタル「よくもコケにしてくれたなぁ…てめえら…ぶッ潰す!」

30 :エンタ2005/05/31(Tue) 20:25:28 ID:kiXySJns
第23話 紅蓮の炎

ホタル「こいつの名はガーディ。お前らガキどもは知らねえだろうが、
    オレの故郷ではメジャーなポケモンだぜ?」
現れたのは、いかにもほのおタイプのポケモンだった。
ユウキ(相手のタイプはともかく、特性もわざもまったく予想できない!)
ハルカ(アチャピーに任せて。ぶっ飛ばしてやる!)
   「いけっ、アチャピー!」
ガーディが大口を開けて吠え立てた。
とくせいが判明した!あとは相手のわざに応じて戦略を立てていけば…!
ユウキ「ハルカ!相手のとくせいはいかくだ!特殊攻撃でいけ!」
ハルカ「わかってる!アチャピー!」
ゴオオオオオオオッ!
かえんほうしゃが炸裂した!
ホタル「オレにコイツを…ほのおタイプを使わせたんだ。死ぬ覚悟はできてんだろうな?」
消し炭となった草むらの中からひときわ強力な炎がアチャピーに襲い掛かった。
その炎の勢いはとまらず、チーやユウキ、ハルカまでもが飲み込まれてしまった。
ホタル「…死んだか」
もはや101番道路は焼け野原になっていた。
ホタル「ケッ…あわれなガキどもよ。ガーディのとくせいは二つあるんだよ。
    あーあ…殺しちまったよ。おっと、ホムラのダンナからだ」
ホタルはポケギアを取り出した。とたんにバカでかくて低い男の声が響いた。
ホムラ「BAKAヤロオオオオオオオゥ!!!
    何派手にやってんだよォ!?AHOかお前は!!
    人気がないとはいえ慎重にやれってBOSSもいってただろゥ!?
    しかもだ、お前の任務は聞きだすだけの仕事だったはずだぞォ!?
    口封じはウスバに任せろっていわれてただローがヨォ!?」
ホタル「(よくしゃべるな…うるせーっての)
    すまねぇダンナ。けどよ、やっぱウスバカは頼りになんねーよ。
    ココはやっぱオレが…ッ!?」
ホムラ「あん? どうした…?」

プツッ ツー ツー ツー …

ホタル「…すまねぇダンナ。まだ仕事が残ってたみてぇだ…」
そう話すホタルの背後には…

ユウキ「まだ…死なねぇ…!!」
ものすごい形相でホタルが振り返った。ブチッ、という音がした。
ホタル「ブッ殺ス…!!!」

ダイゴ「赤装束の男がとくせいを二つとは…やつもおそらくユウキ君と同じ…」
ミクリ「フフ…すごいことになりそうだな」
ダイゴ「…このままではユウキ君がやられてしまう…何か手を打たねば…」
ミクリ「ん?ああ、そっちの手配ならもうすんでるよ?」
は?と首をかしげるダイゴに、人影が歩み寄った。
???「ダイゴ様でしょうか?」

31 :エンタ2005/06/05(Sun) 18:50:05 ID:u2LI1td.
第24話 仮面

ホタル「ウガァァァァァァァァア!!!!」
狂ったように大技を連発するホタル。もはや冷静とはいえない状況だというのに、
ねらいは極めて正確である。まさに戦いのプロだ。
ユウキ「くッ…チー、てっぺき!」
だが、対するユウキも的確なわざと動きで、最小限のダメージにとどめている。

ダイゴ「ガーディのわざは高レベルの大技ばかりなので、そのうち撃てなくなるだろう。
    どっちが先にくたばるか…じゃなくて、君に仲裁を頼むんだった。
    なるべくさりげなくやってくれよ。」
???「はい、ダイゴ様。」
ダイゴ「あと…様付けもやめてもらえるかな…?」
???「はい、ダイゴ様。」
ダイゴ「……。」

ユウキ「ハルカッ!大丈夫か?」
返事のかわりにモンスターボールが飛んできた。
ユウキ「…よっしゃ」
ハルカ「はがねタイプじゃ分が悪いよ!マクピーが攻撃を受けてる間に
    作戦を考えて!」
ユウキ「もう、いってるよ」
と、ホタルの背後の草むらからガサッと音がした。
ホタル「なるほど…コレが作戦ってわけかよ…?」
ユウキ(…?ココじゃないぞ?てゆーかココはあなほり中だし)
ホタル「ばかにしやがって…ガーディ!草むらごと焼き尽くしちまえ!」
ゴォォォォォォォォォォォッ!!
???「うあっチチ!くっ、いけ!」
炎をくぐり抜けて飛び出したのは…
ハルカ「キ、キモリ!?じゃなくて、ジュプトル!?」
ホタル「ケッ、野生か…ぶっ潰してやる、ガーディ!」
しかし、なぜかガーディの攻撃は跳ね返されてしまった。
???「ふん、他愛もない…おい、ユウキ!ハルカ!
    さっさと行け!こいつは私が始末する!」
ユウキ「そ、その声…父さん!?」
センリ「はやくいけ!」
ハルカ「は、はいっ!逃げるよユウキ!」
ホタル「あッ、待てコラ…」
センリ「お前の相手はこの私だ。」
ホタル「ソーナンス…てめェ…センリじゃねえな…?」
センリ?「ククク…ウチのユウキを可愛がってくれたそうじゃないか?
     まあ、本当は家族でもなんでもないけど。」
ホタル「変装ってか…今すぐその化けの皮引っぺがしてやる!」
センリ?「フフ…言われなくても自分ではずすさ。」
ビリビリと破り捨てられた仮面の下にあった顔は…
ホタル「!…お、お前は…」

32 :エンタ2005/06/12(Sun) 17:51:10 ID:drZJ.Log
第25話 助っ人

ユウキ「はぁ、はぁ…ここまで来れば大丈夫だろ。」
たどり着いたそこは、
なにかがかすかにはじまるところ、コトキタウン。
ハルカ「ポケモンセンターで、みんなを回復させてあげないと…」
ユウキ「じゃあ、オレが行ってくるよ。ハルカは休んでて」
そういってユウキはハルカの分のボールを受け取り、ポケモンセンターまで歩いていった。
数分ほどボーっとしていると、だんだん眠くなってくる…
???「もし、お嬢さん…」
ハルカ「ふえっ?」
???「このようなところで寝ていては、風邪をひきますよ。ところで…
    このへんで、ユウキという少年を見ませんでしたか?」
寝ぼけ半分で話を聞いていたハルカはとたんに目が覚めた。
話しかけてきた人は全身黒いマントで身を包んだ長身の男だ。顔は見えないが、たぶん男だろう。
ハルカ「ししし知らないっ」
???「ほう…今どこにいるのですか?」
ハルカ「知らないっ!てゆーか知ってても教えないよ!
    ポケモンセンターでアタシとアイツのポケモンを回復させてるなんて口が裂けても…ん…?」
???「お決まりのパターンですね…」
ハルカ「あー!!いや今のは違うの、なんていうか嘘ついたほうがいいって思ったって言うか、
    またあいつらが追ってきたのかと思ったって言うか…あっ、いや…」
???「隠し事できないタイプですね…」
ハルカ「くっ…こうなったら…死んでも通さない!」
???「落ち着きなさい。ポケモンを持ってないあなたに何ができるのです?」
ハルカ「…!」
ハルカは、ポケモンがいなくなって無防備になるまで待ち伏せされたのだろうと思った。
だが、次に出てきた言葉は意外なものだった。

???「何もできないのですよ。だから私が守るのです」

ハルカ「え…?」
???「あなたはハルカさんですよね。ダイゴ様から話は聞いています。」
ハルカ「あんた、一体何者…?」
???「え…困ったなぁ、なるべくさりげなくって言われてたから
    正体をお教えするわけにはいかないんだけど…」
ハルカ「言いなさい!!っていうか言え!!」
???「仕方ないか…本名ではありませんが…アオイ、とお呼びください」
ハルカ「あれ?あんた今声が変わっ…」
アオイ「ええ、変声器『かわるくん』を外したのです。
    ところで、私あなたより数えでひとつ年上だからフツーにしゃべっていい?」
ハルカ「いきなりね…しかも数えでひとつって同い年ってコトじゃん…まあべつにいいけど?」
アオイ「はあ〜、このキャラ疲れるのよねー。ほんと最近慣れない仕事ばっかり。」
唖然とするハルカにアオイは言った。
アオイ「安心して、ハルカさん。ユウキがいない時はあたしがあなたを守るからね。」
ハルカ「…あ、そりゃありがとう…あとさ、顔を見せてよ」
アオイ「え…どうしようかな…」
アオイは照れたような感じで躊躇するも、しぶしぶマントを脱いだ。(高下駄も)
水晶のような青くて綺麗な瞳と同じ色の髪。黄色い帽子と、前を向くように曲がった髪型。背はハルカより若干低い。
アオイ「えへへ、よろしくね。ハルカさん」

33 :エンタ2005/06/13(Mon) 12:28:18 ID:.WBLiCJ2
第26話 病気の少年

一方、ユウキはポケモンセンターを見て驚いていた。
ユウキ「ほえー、なんていうかでっかい病院みたいだなー。」
ユウキはその静かな町の中にそびえ立つ白壁の建物に足を踏み入れた。
ユウキ「あのー、コレ…」
といって差し出した手の上に、ラルトス入りのボールを持った手が置かれた。
???「あっ、すいませ…」
その手の主、緑色の髪の少年はあんぐり口をあけてユウキを見たかと思うと、
???「コ、コ、コ、コウキさん!?うわー、お久しぶりです!」
ユウキ「へ?」
???「もう忘れちゃったんですか?僕ですよ、ミツルです…う!ゴホッゴほッ!」
看護士「あー、ミツル君、ダメよ、あんまりはしゃいじゃ、あなた、付き添いですね、さあこちらの部屋へ、どうぞ」
ユウキ「え?あ、はあ…(ずいぶん早口でしゃべる人だな)」

ミツル「ひどいですよ、コウキさん。僕のことを忘れtゴホッゴホッ!!ゴホッ」
ユウキ「オレはユウキだよ。コウキはオレのアニキ」
ミツル「へ?…そういえば、服の色が違う…」
ユウキ「オレのアニキを知ってるのか?」
ミツル「ええ…前トウカシティに住んでいたときに会った人なんです。
    すごくポケモンが強くて…さっきのラルトスはそのときコウキさんと一緒に捕まえた思い出の一匹なんです」
ユウキ「君は今どこに住んでるの?」
ミツル「シダケタウンです。空気がおいしくていいところなんですけど、最近何かいろいろな工事が始まっちゃって…トンネルだとか、テントだとか」
ユウキ(テントたてるのに工事…?)
ミツル「それで、工事が一段落するまではこの大きな病院もかねたコトキタウンのポケモンセンターに入院することになったんです」
ユウキ「へえ…20へえ」
看護士「大空勇気さん、芦田光さん、ポケモンの回復が終わりました」
ユウキ「あ、ども。そんじゃな、ミツル」
ミツル「あ、待って…コウキさんに会えたら伝えてください、
    ミツルは今も元気に前を向いて生きてるぞって…」
ユウキ「ふーん。前を向いて…か。悪くないけど…前ばかり見てたら人生平坦で
    つまんなくなるよ。前を向くのはいいけどたまには気分を変えて空を見上げてみな。じゃあ」
ミツル「え…?あ、はい!さよなら!また会えるといいですね!」

ユウキ「アニキの言葉だけどな…てか、また仕事増やしちまったよ…ま、いいか。さて、ハルカのとこに戻るか」

看護士「いい人だったね。友達ができてよかったじゃない」
ミツル「…あの出で立ちは旅人です。大きなリュックをしょってたし、服も破れてたし。
    多分ここにいる限り、もう二度と会えない。コウキさんとも、ユウキさんとも」
看護士「ミツル君…」
ミツル「看護婦さん…僕も、旅に出られないものでしょうか…」
院長「ダメだね。あきらめたまえ」
白髪でやせ気味の院長が部屋に入ってきた。
看護士「院長…何もそんなに冷たいこと…」
院長「君はトウカにいただけでよく発作を起こした。ここの環境だってあまりよくない。
   シダケにいないとダメなんだよ。君の居場所は限られてしまっているんだ。そして、君のポケモンもね」
ミツル「!そうだ、僕のラルトスはどうだったんですか!?」
院長「あまり思わしくないな。君が旅に出ようとするならなおさら…」
ミツル「…病…名は」
院長「…ポケルス」

34 :エンタ2005/06/14(Tue) 21:09:29 ID:x2P92JQg
第27話 ポケルスの謎

ミツル「ポケルス…?何だ、ぜんぜんたいした病気じゃ…」
院長「うむ。本来たいした病気ではないのだが、君のラルトスのものは何故かとりわけ強力で…
   とても危険な病気になりうるのだよ。」
ミツル「なりうるって…?」
院長「簡単に説明するとポケルスというのはそもそもポケモンの細胞に寄生して繁殖する極小生命体のことだ。
   寄生された細胞は活性凶暴化して筋肉を増強させる。
   そこから生まれるエネルギーはポケルスの糧となりこの循環でポケルスはどんどん増えていくのだ。
   だが、ポケルス自体の生命力は弱く大抵2〜3日ですべて死滅してしまうがポケルスに侵された細胞は凶暴化したままで残り新しく生まれてくる細胞が弱いうちに喰い潰してしまうのだ。
   ところでこのポケルス世間一般では戦闘力の増強や短時間での大幅強化可能な点から重宝されているわけで中にはわざと感染させる人も少なくなく…
   そうだ大事なことを忘れていた。ポケルスは感染するんだった。しばらくは他の手持ちと近づけないほうがいい。
   しばらくというのも2〜3日と言いたいところなのだが、このラルトスに感染しているポケルスはとりわけ強力で生命力も高く今の時点でも通常の10倍長生きしている上にまだまだ死ぬ気配を示さないのだ。
   それとこのポケルスがどう危険かというとポケルスに感染した細胞Pは新しく生まれてくる細胞Nが自分より大きくならないうちに喰い潰してしまうのだ。
   これはさっき説明したね。細胞Nが完全な細胞として機能する前に死んでしまうと、怪我の直りが遅くなったりあまりいいことはない。
   極めつけは進化で、進化することで大量に生成される細胞Nが喰われてしまうと、進化後の形態に必要な細胞数に満たなくなって不完全性進化による莫大な負担により死んでしまう可能性があるというわけだ。
   お分かりかな?だから今後決してこのラルトスが進化するほど鍛えてはいけないよ。
   細胞Nが喰われる前に大きくなって完全性細胞になりさえすればつまり生命力の強さがカギとなるわけだが、あわよくば死なずにすむかもしれない。
   だがそこにいたってはラルトスは二回進化するポケモンだ。普通に戦わせ育ててしまうと、二回生きるか死ぬかの賭けが待っていることになる。君も嫌だろう?
   そうそう、抗ポケルスワクチンは残念ながら未完成なんだ。どうしても細胞Pごと殺してしまうのでね。とにもかくにも絶対に進化させてはダメだよ。
   もし進化の兆しが現れたそのときは祈るしかない。また、他の進化するポケモンへの感染も未然に防ぐこと。
   その点を踏まえると、手持ち一匹しかも初期形態のポケモンでホウエンの荒波を乗り切るのは病気持ちの君でなくても到底無理な話だ。
   諦めなさい、わかったね?…ハァ、ハァ、フゥー。」
看護士「説明お疲れ様です、いんちょ」
ミツル「ぜんぜん簡単じゃなかったですけど…要するに僕に諦めろって言いたいんですね…」
院長「ああ。残念だが君はシダケでゆっくりと暮らしたまえ。私の話は以上だ」
ミツル「…有難う御座いました…」

バタン。

ミツル「くッ………!」
悲しさと悔しさが床を濡らす。しかしその大粒の涙の中に憎しみは込められてはいなかった。
当然だ。
ユウキ「おまえは、純粋な気持ちでポケモンを愛しているから…」
窓から顔を出したのは…
ミツル「!…ユ…ッ!」
その言葉の語尾はすすり泣きとしゃっくりの音に混じって消えた。
ユウキ「全部聞いてたよ。あんなメガネのジーちゃんのいうことなんてシカトしちまえばいいじゃん」
ミツル「…?でも…っ、僕っ、…ラ…スが…死…んっ」
弱音を吐くミツルにユウキは喝をいれた。
ユウキ「生命力が強ければいいんだろ!?前を向いて生きれば生き繋げるんだろッ!」
ミツル「え…っく?」
ユウキ「不安になったら空を見上げろ。青空は、どんなときでも勇気をくれる。青空は、いつでもお前の味方だ。…信じろ。」
オリジナルの人生訓と、ポカンとするミツルの顔。その顔に、再び涙があふれてきた。
ミツル「……っ、…はい…」
今度のは、喜びの涙。感謝の涙。ぬくもりの涙。
ユウキ「…今度こそお別れかな。お前が俺の言葉を信じてればいつかどこかでまた会えるはずだ。」
ミツル「…さよなら。僕、頑張ってみます。」
泣き止んだミツルの顔は、傾きかけた日に照らされて前より凛々しく映った。

35 :エンタ2005/06/15(Wed) 18:27:45 ID:pPzKeVpI
第28話 トレーナースペック

ダイゴがユウキの元を離れ、快速プテラで飛んできたところは、114番道路。
ヒサヤ「穴を掘る〜♪Hey!穴を掘る〜♪Wow!」
ダイゴ「こんにちは、ヒサ、ワビちゃん。」
怪しげな格好(忍者)の少女がそれに気づいた。
ワビスケ「おお、これはダイゴ殿。兄者、ダイゴ殿がいらしたでござるよ」
ヒサヤ「ああ、ワビ、お茶いれて。今いく」
ワビスケ「御意」
ダイゴ「いやいや、お構いなく。今日はこんなのしか持ってきてないから」
といって、畳の上にコトッとねっこのかせきを置いた。
ヒサヤ「いやー久しぶりだなダイゴ。ちょっと今どけるから」
タンスの裏の穴から声がした。ヒサヤは家の奥に向かって穴を掘り続けている。今やその深さは2qに達した。
ヒサヤ「悪いな、いつもこんな格好で」
あの時のヒサヤとは別人だ。あのときのヒサヤは穴を掘ることができず欲求不満になっていたので気が変になってたのだ。
ちなみに、普段はこんな普通の性格。
ダイゴ「これなんだけど…今日はちょっと頼みがあるんだ。」
ヒサヤ「ん?何だ?」
ダイゴ「君のくさぶえを聞かせてくれないかい?」
ヒサヤ「な…?気づいてたのか…困ったな、本当は内緒なんだけど…。
    親友の頼みとあらば仕方ないな。えーと、コイツでいいのかい?」
といってねっこのかせきを拾い上げると、ポケットからトロピウスの羽を取り出した。
ヒサヤ「ここじゃ狭いから外に出てやるぞ?」
といって外に出ると、辺りをきょろきょろ見回して誰もいないことを確認してからくさぶえを吹き始めた。

♪〜♪♪♪〜…

ワビスケ「のう、ダイゴ殿…」
顔を赤らめてヒサヤの顔を見ながらワビスケが言った。
ワビスケ「兄者は普段、…特に穴を掘っていないときは…だらしなくて情けなくて冴えなくて頼りないが、
     くさぶえを吹いているときはとても大人びた格好いい顔をするのでござるよ」
だが、ダイゴは聞いていなかった。他の事を考えていると悟ったワビスケは恥ずかしそうにうつむいた。
ダイゴ(これが…トレーナースペック…化石が、よみがえっていく)
化石のただの石の部分は音を立てて剥がれ落ち、根っこの部分は輝きながら大きくなってくる。
ダイゴ(もし、ユウキ君のスペックが戦闘に役立ち彼自身をもっと強くする手立てとなるのなら…)

くさぶえの音が途切れた。
ヒサヤ「…終わったぞ。化石はユレイドルだったみたいだ」
ダイゴ「スゴイな、トレーナースペックってのは。デボンの技術では初期形態でしか復活できないのに。」
ヒサヤ「ダイゴはどうなんだい?はがねポケモンを扱う能力とか、石探しの才能とか?」
ダイゴは黙ってうつむいている。
ヒサヤ「…そうか。まあ、スペックってのは潜在能力の一種だからな。
    僕みたいに気づいて当然な能力じゃない限り気づくのは難しいかもな。あ、でも
    ジョウトのどこかにそういうのを占ってくれる人がいるらしいぞ」
ワビスケ「ああ、拙者も仕事仲間から聞いたことあるでござる。
     何でもコウメという名の老婆で、ヒワダタウンに住んでいるとか」
ダイゴ「いや…僕はいい。今は、ホウエンを離れている余裕などないからな」
ヒサヤ「そうか…お前もあんまり無理すんなよ。
    それはそうと、アイツとはうまくやってんのかい?」
ダイゴ「ふふ…元気な子さ。何かにつけて旅に出るって言ったり
    すぐ実力を試したがったり…それでいて、生き急いでる感じがしないんだよね。」
ヒサヤ「アイツの体内時計はすごいだろ。何をカウントするのも正確で」
ユレイドルをボールに収めながら二人笑いあった。

ヒサヤ「それじゃ、コイツが今回の分だ。ほれ、カブトプス」
ダイゴ「サンキュ。これからムロまでいってこなきゃいけないんだ。
    トウキのやつもまだ決めてないらしくてね」
ヒサヤ「大変だな、リーグ公認のトレーナーの皆さんは」
その言葉を背にダイゴはまた快速プテラで飛んでいった。

36 :エンタ2005/06/19(Sun) 16:40:35 ID:jg1HiHaw
第29話 それぞれの旅立ち

アオイ「…そろそろユウキが帰ってくるみたい。それじゃ、私の役目は終わりだね。」
ハルカ「ねえ、アオイ…今度アタシがあの赤いヤツラに襲われるようなことがあっても、
    自分の身は自分で守ることにするよ。
    だけど、もし何も関係ない人が巻き込まれるようなことになって
    アタシ一人の力じゃどうにもできないときは…」
アオイ「うん、わかってるよ。いつでも呼んでよ。」
ハルカ「何かただならぬ災いの感じがする…アオイも気をつけてね。
    (それにしても、あの赤い服どこかで見たような…)
    そうだ、アオイ。感謝の印にコレをもらってよ。」
そういってハルカが渡したのは、オダマキ博士が研究用に取り寄せたポケモン図鑑。
アオイ「うわー!ホウエンの図鑑だ!いいの、貰っちゃって!?」
ハルカ「うん、不備の点検とかのためにたくさん取り寄せてあるっていってたから。
    あと20個はあるのかな…パパ、こういうことにはお金を惜しまないタイプだから」
アオイ「うーん、ますます協力しないわけにはいかないね」
ハルカ「べ、べつに買収したわけじゃないからね?」
アオイ「アハハ…っと、いけない、ユウキがきた」
ハルカ「?何でいけないの?」
アオイ「ごめんね、ハルカさん。またあおーね」
と言って、さっきの黒衣を翻すとそのまま消えてしまった。
ユウキ「おまたせ。誰と話してたんだ?」
ハルカ「…べつに…(消えた…?)」
ユウキ「?まあいいや、さっさとトウカまで行って父さんを待ってようぜ。」
ハルカ「ん?うん…」

102番道路。
ユウキ「…でさ、そのミツルってやつが…」
ハルカ「…。」
ユウキ「…ハルカ、どうしたんだ?さっきからずっと黙って」
ハルカ「…ユウキ、アンタはこのままトウカに行って。
    アタシは調べたいことがあるからいったん家に戻る。」
ユウキ「え!?でも…」
ハルカ「でも何?いったんって行ったでしょ、すぐまた出るよ。」
ユウキ「…そうか、気をつけてな。」
ハルカ「…気をつけるのはアンタのほうになりそうだけどね…」
ユウキ「ん?なんか言ったか?」
ハルカ「そのうち知りたくなくても思い知らされるよ。じゃーね」
といって、ハルカはもときた道を戻っていった。
ユウキ「…?何なんだ?」

ダイゴ「ハルカちゃんがアオイと接触したけれど、ユウキ君にはそのことを言ってないみたいだ。」
ミクリ「コウモリの羽音がうるさいな…おい、聞こえるかダイゴ、そのことは口止めしないのか?」
ダイゴ「大丈夫だろう。事情がわかってるみたいだし、あの娘の性格なら。
    問題なのは、敵の勢力。さっきのホタルとか言う男が幹部格とも思えないし…
    ま、それを調べるのは彼女の仕事だけど。」
ミクリ「てことは、お前は今114番道路にいるんだな?」
ダイゴ「そゆこと。…ってなわけでよろしくお願いしますね、マユミさん。」
マユミ「はいはーい♪」
ミクリ「よろしく頼むぞ、二人とも。(…ホントにうるさいなぁ…)」

37 :エンタ2005/06/20(Mon) 21:04:03 ID:omEEnB6w
第1章はここまで
第2章では波乱の展開、新たな敵、仲間も登場?(予定)

いまさらキャラ(略)その2

桂ホタル
マグマ団と名乗る組織の一員。年齢不詳。そのうちわかるかな?
電話の相手にそれなりの敬意を払っているあたり、彼よりも格上の敵も存在する!?
本来マグマ団の手持ちは炎ポケモンが主流だが、彼が使うバルビート、イルミーゼは
タッグバトルにおけるパートナーの炎わざを「ものまね」して
ほたるびで威力を高めるコンボが使えるので、特別に使用が許されている。
彼がこの2匹を好んで使うのはただ単にお気に入りだからと言う理由だが、
好きなポケモンを自分のスタイルで強くできる彼はかなりの実力者であるといえよう。

アオイ(本名不明)
謎に包まれた少女。もちろん年齢も不詳。
といってますがクリスタルバージョンの主人公(女)です。
いったい何を思ってホウエンに現れたのか?その辺が謎。
彼女は変装の名人で、背丈を変えるだけの簡易な変装から
変声器『かわるくん』を使った本格的な変装まで、まさに変幻自在である。
彼女の変装グッズは『かわるくん』のほかに『きえるくん』や『うつすくん』などさまざま。
彼女の手持ちはまだ不明。

芦田ミツル
あしたみつると読みます
かつて会ったコウキに憧れ、その高みを目指す純粋少年。
歳は10歳。つまりコウキとあったときに9歳だった。
自分自身ばかりでなくポケモンまでも病気に侵されてしまった悲劇の人。
だが、そんな悲しい運命にもめげずにまっすぐ生きる心の強い少年だ。
手持ちはおそらくラルトス一匹?
以前はトウカシティに住んでいて、センリにもいろいろお世話になってたらしいが、
環境が思わしくないためシダケに移り住む。
でも、そのシダケでも工事が始まって…本当に悲劇の人です。

銀杏マユミ
いちょうまゆみ、と読みます。
歳は17歳。114番道路に住んでいる。
ダイゴの協力者のようだが、詳細はまだ秘密。
彼女はポケモン預かりシステムを1から10まで作り上げたIQ187の天才少女。
彼女の仕事は、預かったポケモンのボールのスリープ機能の調整と、
「逃がす」と選択されたポケモンの世話。
逃がされたポケモンがマユミのもとに送還され、それをマユミが野生に返してあげるという仕組み。
手持ちはズバットのギギのほかに、アメタマのキャンディ、ロコンのロンロンなどがいる。

椿木ワビスケ
年齢不詳、正体不明(たぶん忍者)、本名かどうかも怪しい。すべてが謎に包まれた女。
自分では忍者であることを隠しているつもりだが、周囲にはバレバレ。
ヒサヤを兄者と慕っているが、本当は血のつながりはなく、
ひょんなことから居候することになった次第である。
手持ちはもちろん不明。

第2章もがんばるぞー。

38 :エンタ2005/06/26(Sun) 08:38:26 ID:V0HLSMCM
第30話 父の試練、友の危機

ユウキ「んー…ここでいいはずなんだけど…」
ユウキが立っているのはトウカシティ、トウカジムの前。
ユウキ「入り口がない…?」
トレーナー「はっはっは、お困りのようだね、少年。
      このジムに扉はないよ。真のトレーナーとは実力で突き進むものだからね。」
そういって、トレーナーはケッキングを繰り出すと、壁をメガトンパンチで突き破ってしまった。
トレーナー「ははは。お先に!」
トレーナーが中に入ると、壊れたはずの壁がどういう仕組みかすっと元通りになっている。
ユウキ「…でも、よくよく考えると父さん今ジムにいないはずなんだけど…」

つい10分前。
102番道路を歩いていたユウキは、前に一度だけ見たことのある
トウカジムのトレーナーに声をかけられた。
トレーナー「あれ?ユウキ君?父さんが探してたぞ」
ユウキ「あ、どうも…どこでですか?」
トレーナー「どこって…トウカジムに決まってるじゃないか。」

ユウキ「うーん…父さんオオスバメつかったのかな…コトキにいるときに見かけなかったってことは、多分」
考えるよりまずは行動だと悟ったユウキは、すぐさまチーをボールから取り出した。
ユウキ「よし、チー!つるぎのまい!」
チーが剣に変身してユウキの手に握られると、壁を切り開く力となった。
ユウキ「たのもーッ」
突然、頭に強い衝撃が走り、ユウキはその場に昏倒してしまった。

センリ「まったく…普段なら12発は耐えられるくせに…どうしたことだ、一発で卒倒とは」
トレーナー「ダンナ、そんなに殴るなよ…下手すりゃ児童虐待だぞ」
目が覚めたユウキの顔を覗き込んでいたのは、センリとさっきのトレーナーだった。
と…
センリ「このバカ息子がぁぁぁぁあ!!!!歩くのが遅いのにもほどがある!
    どうしてちゃんとついて来なかったんだ!?」
ユウキはまだ頭がくらくらしていたので、センリのいっている意味がわからなかった。
ユウキ「どうしてって…いや、何でもいい…よ」
センリ「よくないッ!!罰として、お前に課題を与える!
    バッジを4つ集めるまではこのジムへの挑戦は認めん!」
ユウキ「え〜…めんどいなぁ…ま、いいか」
センリ「わかったらさっさと行ってこい!」
もう一回殴られて、ユウキは正気に戻った。

ユウキ「バッジを4つかぁ…えーと、このホウエンマップによると…
    ここから一番近いのはカナズミシティ…だけど、森を越えるのはめんどくさいしなぁ…
    泳いでキンセツまでいこっかな…いや、めんどいけどカナズミでいいや」
そしてジムを出ると、トウカの街中で高らかに叫んだ。
ユウキ「大空センリ教訓、其ノ壱!千里の道も一歩から!」

マユミ「マグマ団の総員勢力のデータと、彼らの狙いがはっきりしてきました…
    ミクリさんに転送します」
ダイゴ「あまり思わしいデータじゃないみたいだな…それに、やつらの狙い…
    ミクリ、腕の立つトレーナーを一人ずつ、おくりびやまとハジツゲタウンによこしてくれないか?」
ミクリ「事情を話すのか?一般ピーポーに?ジョークはよしてくれ」
マユミ「ジムリーダーの息子なら知り合いに一人いますよ。」
ダイゴ「彼にはもっと重要な局面で役立ってもらう。…そうだ、あの子なら…あの子をおくりびやまに向かわせよう!」
ミクリ「ハジツゲはどうする?」
ダイゴ「ふむ…バンリさんに頼むのもいいが…」
マユミ「では決定ですね。二人にメールを送ります。」
ミクリ「メールひとつ送るにしても、慎重にやってくれよ。あまり事が大きくならないように…」
ダイゴ「わかってるさ、ミクリ。だからこそジムリーダーをやめた君に頼んでるんだろう?」
ミクリ「チャンピオンのほうが忙しいことはお前が一番よく知ってるくせに」

ハルカ「しまった…」
ミシロタウンの小さな図書館の閲覧禁止のコーナーで、ハルカが一人たたずんでいる。
ハルカ「…アオイ…敵は、ひとつじゃない。何てこと…連絡先を聞いておけばよかった…」
手にした本の名前は…

「2003 AQUA DIARY」

39 :エンタ2005/06/26(Sun) 15:52:51 ID:V0HLSMCM
第31話 予兆と確信

マユミ「彼らの狙い…具体的にはおくりびやまに眠るあいいろのたまと、
    ハジツゲにいるマナカさんの不思議な力…。」
ダイゴ「これでユウキくんが狙われたわけもわかったな。しかし、
    奴らには情報がはっきりと伝わっていない以上、
    今後もまた執拗に彼を狙ってくることが考えられるぞ」
ミクリ「ユウキ…といったっけか?彼にはやつらの狙い…マナカさんのことがわかっているはずだ。
    この間の戦いのときにね。だとしたら彼がコッチに向かってくることも考えられる」
ダイゴ「友の危機を悟って、か…あれ?友じゃなくて、いとこだっけ?」
マユミ「でも、あの人の性格じゃ…そう気にとめてるとも思えませんし…」
すると突然、ダイゴとマユミのポケギア(ミクリとの通信は盗聴を避けるため2個目のを使っていた)が
同時に着信を知らせた。
マユミ「はい。こちらポケモン預かりサービス…あら、センリさん。」
ダイゴ「はい、もしもし…ハルカちゃん?どうしたんだ、そんなにあわてて…」

センリ「マユミ、ユウキはカナズミへ向かった。あいつの体力なら川を渡って
    キンセツにいけるにもかかわらず、だ。」
マユミ「…彼は、気づいているのですね…マナカさんの力が狙われていることに。」
センリ「ヤツは空の見えない場所が嫌いだ。嫌いな森を突っ切ってまで北に向かうのなら、
    考えられる行き先はただひとつ…」
マユミ「りゅうせいのたき…そして、このハジツゲタウンですね」
センリ「わたしはジムの仕事がある。後のことは無職のトレーナーに託すということになる。
    もしそれで満足できないなら…最近うちに入ってきた新人をそっちによこそう。
    あまり物事を深く考えないやつだが、バトルになるとその才能を発揮する。うちのユウキより少し年上ぐらいか」
マユミ「応援が増えるのはありがたい事ですけど、できればことは隠密に運びたいんです。
    あまり世間に知られないうちに排除してしまいたい問題なのです。」
センリ「いや…いずれこのホウエン中が巻き込まれる事態となる。
    やつらのリーダー格は恐ろしく賢くて強い男だ。
    きっと、君たち少人数ではいくら実力があってもかなわない相手だろう。
    そこで重要となるのが…」
マユミ「…あの少女、ですか…」

ダイゴ「お、お、おちつけ!ハルカちゃん、一体何があったっていうんだ!?」
ハルカ「て、敵、ひとつじゃない、もうひとつ、A、Q、U、A、アクア団!
    あお、青装束の組織、ミシロの図書館、航海日誌、見つけた!」
ダイゴ「何…?もうひとつの敵、だと…!?落ち着いて詳しく聞かせてくれ!」
ハルカ「はぁ、はぁ、…ヤツラはべにいろのたま、赤装束はあいいろのたま。
    それぞれ奪い合ってきた。青装束のほうはあいいろのたまのエネルギー吸収させたから、
    つぎに必要となるのはべにいろのたま。赤装束のほうもきっと同じ…だと思う。」
ダイゴ「なんということだ…」
ハルカ「アタシ慌ててたから、見落しがあるかもしれない。データをそっちに送ります。」
ダイゴ「…君を巻き込むつもりはなかった…」
ハルカ「いずれホウエン中が巻き込まれる。グズグズしちゃいられないよ。
    それに、アオイと約束したんだ。アタシは戦う。」
ダイゴ「アオイと会ったのかい?」
ハルカ「じゃあ、やっぱり彼女のクライアントはダイゴだったの…」
ダイゴ「…君には、本当にすまないことをした。データを送り終わったら、
    もうこのことは忘れてくれないか?僕たちで何とかする」
ハルカ「…ふふ、忘れるわけないでしょ?アタシはユウキを倒すために戦うの。
    それをジャマするのなら、どんなヤツもギタギタにしてやるッ」
ダイゴ「…仕方ない…だが、君の戦い方は独学のようなものだ。
    ユウキくんがそうしたように、君も誰かに弟子入りしてもいいんじゃないか?
    たとえば、ジムリーダーとか」
ハルカ「そうだね…ユウキの行方を追いながらあたってみるよ。」
そこまで話したところで、ダイゴのポケギアからFAXが出てきた。
この小型FAXは暗号化されたもので、パソコンに読み込ませると初めて文字として機能する仕組みだ。
ダイゴ「長いな…」
ハルカ「航海日誌の120ページ分、全部送ってるから」
ダイゴ「親指族だな、ハルカちゃん…」
すると、話し終わったマユミがダイゴの電話に近づいて言った。
マユミ「ハルカさん、ご協力に感謝します。このデータは私たちが有効に役立てますのでご心配なく。」
そして、通話終了のボタンを押してしまった。

ツー、ツー、ツー、ツー…
ハルカ「…ダイゴの彼女かな?」

ダイゴ「予兆が感じられてきているようだな…皆に。有力な情報をありがとう、ハルカちゃん。」
マユミ「ダイゴさん、新しい仕事ですね。」
ダイゴ「そうだな。すぐにニセのべにいろのたまを用意しないと
    じゃあワビちゃんに仕事を依頼するのはマユミさんに頼んでもいいかな?」
マユミ「お安い御用でございますよ。」

そのころユウキは父と同じまっすぐで意志の強い目で空を見上げながら一言、呟いた。
ユウキ「大空センリ教訓、其ノ弐。思い立ったが吉日…」
彼は既に確信していた。

40 :エンタ2005/06/28(Tue) 21:00:11 ID:B5ueWzx.
第32話 サン・トウカフラワーショップ

マユミ「はぁ…断られちゃいました。何か別の仕事があるそうですけど…
    300001円払えばそっちにするっていってましたけど」
ダイゴ「彼女の報酬重視主義は相変わらずだな…。っていうか、30万は無理だろ。
    ワビちゃんに頼めないとなると…おくりびやまが手薄だな」
ミクリ「ダイゴ、たった今データが出たぞ。おくりびやまには、
    ポケモンと協力して暮らしてきた先住民のような者たちが
    人知れず宝珠(たま)を護っているらしい」
ダイゴ「腕は確かなのか?」
ミクリ「詳しいことはわからない。
    だが、今まで何件となく起こってきた墓荒らし事件は全て
    彼らの手で解決されているそうだ」
ダイゴ「なら、安心かな…」
マユミ「手を抜かないでくださいね…それはそうと、彼のパートナーはどうなのですか?」
ダイゴ「あっ、忘れてた!これからムロに行くんだったよ、彼に会いに」
マユミ「しっかりしてください…」

ユウキ「…ふぅ、コレで全部…かな?」
ここはトウカの森。春には桃の香り、夏には潮の香りが楽しめる
トウカシティの北側、海に面したホウエン最大の森である。
ユウキ「ここの野生も侮れないな…何より、薄暗い中で
    あのキノコと渡り合うのは至難のわざだ、まったく…」
畑仕事で虫ポケモンの相手は慣れていたが、キノココのとくせいは
接近戦が主体のユウキには手ごわい敵となった。
ユウキ「まひなおしが、2個しかない…あのキノコ野郎、一撃KOに反撃は反則だって…」
ぶつくさいいながら、ユウキはバッグの中身を点検した。
かわらずのいし、かたいいし、みずのいし、リーフのいし。まひなおし、ねむけざまし…
ユウキ「モンスターボールがひいふうみい…16個と、カイスのみが、にしろや…ちょうど30個か。」
すると、突然肩に手が置かれて、ユウキは卒倒しそうなほどびびった。
ユウキ「だっだだだだ誰だ!?」
???「アハハハハ、おもしろーい!ねえ、あたし、サツキちゃんだよ!あなたのお名前は?」
敵ではない。少なくとも、あの赤装束はこんな大胆な行動はしないだろう。
ユウキ「オレ…?オレは、大空ユウキ」
サツキ「おーぞら?うわぁ、センリさんと同じお名前だー!おねーちゃんに教えてあげよー!」
ユウキ「うわっ!?ちょ、ちょっと待ってくれよ…!」

サツキ「ここがあたしのおうちなのー!ユウキおにーちゃん、はいってー!」
ユウキは押し切られてついてきてしまった。
ユウキ「サン・トウカ…フラワーショップ?花を売ってるの?」
サツキ「そーなの!あ、おねーちゃんだ!」
サツキの姉「あら、いらっしゃいませ…こら、サツキ!またお客さん無理やり連れてきて!
      こんにちは、ハヅキと申します。どうぞよろしく」
ユウキ「はぁ、どうも…(もうお客かよオレ)」
サツキ「ハヅキおねーちゃん、このおにーちゃんセンリさんと同じ名前なの!
    おーぞらユウキっていうんだよ!」
ハヅキ「まあ…どうりで似てると思ったわ。」
ユウキ「はぁ、どうも…そんなに似てないと思うけど…」
サツキ「あれ?ミナヅキおねーちゃんは?」
ハヅキ「さっき出かけてったけど。詳しいことは覚えてないわ」
サツキ「ふーん…またセンリさんのところ?」
ハヅキ「多分。まあどーでもいいけど。それよりユウキくん、花でも見てってよ」
ユウキ「え?いや、いいですオレ…ポケモンも疲れてるし…」
サツキ「そんなコト言わないで、さー入った入った!」
ユウキ「うわっ、ちょっ…」
こうしてユウキは、ひとクセもふたクセもある姉妹の怪しげな花屋に引きずり込まれていった。

ハルカは、一通り本を読みあさってみたが、あれ以上の情報はなく、
することがないのでユウキの後を追うことにした。
コトキタウンを通りかかったときはもう夕方だった。
ふと、ハルカはポケモンセンターの窓から一人の少年が大げさな荷物を持って出てくるのを見たが、
あまり声をかけるべきではない雰囲気なので、そのまま素通りした。
ハルカ「マサトも…生きてたらあのぐらいかな…」
そうつぶやきながら小走りで町を後にした。
あの少年がこっちを見ているような気がしたが、それはおそらく気のせいだったのだろう。

41 :エンタ2005/06/30(Thu) 15:27:05 ID:OqsNGUgU
第33話 シャワーズのじょうろ

ユウキ「じゃあ、15年前からからずっとここに住んでたの?」
ハヅキ「お母さんは3年前に死んじゃって…123番道路におじいちゃんが住んでるんだけど、
    まあどうでもいいやってコトで引越ししてないの。めんどいし」
ユウキ「……」
サツキ「ハヅキおねーちゃん、ミナヅキおねーちゃんが帰って来たよ」
玄関から、か細い声がした。…ようだったが、ユウキには聞き取れなかった。
ハヅキ「おかえりー。どうだった?」
そのユウキより若干背の低い前髪で顔を隠した女の子は、ハヅキの耳元で何かささやいた。
ハヅキ「…ふんふん…おじいちゃんがねえ…わかった。あとですぐ行くわ」
ユウキにはもちろん何がわかったのかわからなかった。何しろ声が聞こえないのだ。
サツキ「ミナヅキおねーちゃん、このひとセンリさんの息子さんなんだよ〜!」
その言葉に反応してか、ユウキのもとに駆け寄ってきて、おもむろに耳に唇を当てた。
ミナヅキ「はじめまして、ユウキさん…ミナヅキと申します…
     …センリさんからいろいろ聞いてます…」
どうやらこの声が精一杯らしい。耳元にかすかな息を吹きかけられてユウキの顔が赤くなる。
ユウキ「あ、ど…どうも…」
サツキ「あ、照れてるのカナ?こんの色男!」
子供らしからぬ態度で肩をバンバンたたかれる。
ユウキ「あの…今頃だけど、オレ急いでるんだ…」
サツキ「え〜、何か買ってってよ〜」
この豹変振りから察するに、三姉妹の中で一番危険なのはサツキだろう。
ユウキ「そ、そう?じゃ、じょうろなんか…」
サツキ「じょうろはこのホエルコちゃんのが人気だよッ!」
ハヅキ「いやいや、やっぱじょうろといえばゼニガメでしょ?こっちにしなよ」
ものすごいスピードだ。もはやこれは商売ではない。戦争だ。
散々迷って、結局シャワーズのじょうろを買うことにした。1200円だった。
ユウキ「じゃ、お礼にこのカイスのみを…1個」
置き逃げするかのごとく、風のように走り去ってしまった。
サツキ「あ〜あ、行っちゃったね…もっと遊びたかったな〜」
ハヅキ「そういわないの。…それじゃサツキ、ミナヅキ。留守番よろしくね。」
サツキ「いってら〜」
ハヅキ「フライゴン!行くよッ!!」

ユウキ「…ふぅ、にぎやかな花屋だったな…」
川をひとっ飛び、海沿いの林を左目に。たどり着いたそこは…
ユウキ「カナズミシティ。…やることいっぱいあるな…」

渡し守「こんな時間に片道切符でこんなちーちゃい子供とは…
    自殺なら考え直したほうがいいべ?」
ミツル「いえ、そんなことしませんよ。向こう岸までやってくれるだけで結構ですから。
渡し守「そうだべか…?」
ミツル「それより、あそこにある洞窟は何ですか?」
渡し守「よくぞ聞いてくれたべさ!あれこそ103番道路名物、へんげのどうくつだべ!
    何かの目的で掘られた穴か、はたまた自然の産物か?そもそもなぜへんげのどうくつと呼ばれているのか?
    すべてがナゾに満ちた洞窟だべよ。うーん、男の浪漫を感じるべ」
ミツル「へんげの…どうくつ…。」
何だかその穴を見ていると、暗闇に吸い込まれそうな気がして、ミツルは目をそむけた。
その闇の中から人影が現れたが、誰かに存在をみやぶられる前にズバットに「へんげ」して飛び去った。

42 :エンタ2005/07/04(Mon) 20:04:11 ID:VlT1y/0o
第34話 カナズミジム、岩の優等生

ユウキ「たのもーッ!!」
ここは、カナズミジム。ここで「やること」のひとつにしてメインイベント。
ユウキ「ジムリーダーはいるかーッ!?挑戦しにきたぞーッ!!」
トレーナー「ツツジ様はご多忙だ。挑戦ならまたの機会にしたまえ。
ユウキ「えー!?ここはポケモンジムじゃないのかよ?ジムリーダーが挑戦を受けるのは仕事のはずだろー!」
トレーナー「仕事でご多忙だといっているのだ。今ここにはいらっしゃらない。そもそもあのトウキとかいう若造が…」
ツツジ「…戻りましたわ。」
背後から声がした。気配はなかったはず…なのに、確かにそこには人が立っていた。
トレーナー「ハッ!ツツジ様、おかえりなさいませ。」
ユウキ「…あんたがジムリーダーさんか…」
ツツジ「一部始終聞いていたわ。トウキの話は私が二人選ぶことで解決しました」
ユウキ(…一部始終…聞いていただと!?そんなバカな…どうやって気配を消していたんだ?)
ツツジ「…いらっしゃい。挑戦、お受けいたします。」
ユウキ「…お、おう!!…あ、そうだ、あとお願いがあるんだけど…」

トレーナー「では、これよりジムリーダー平戸ツツジ様VSチャレンジャー大空ユウキの試合を
      入れ替え制で行います」
ツツジ「…本当にいいんですの?あなたの手持ちはみたところ2匹。
    隠し球がいるとしても公平な勝負にはなりませんことよ。」
ユウキはまっすぐな感情のままに言い放った。
ユウキ「…オレが誰だかわかるか?」
ツツジ「…!!…いいでしょう!」
トレーナー「試合…開始!」

ユウキ「ココッ、かたくなる」
ツツジ「イシツブテ、まるくなる」
両者が同時に防御わざを命令する。そして、イシツブテが先に攻撃に出た。
ユウキ「ココ、ずつき」
ゴッチーン。いしあたま同士がものすごい音を立てて激突する。
だがココのほうが固いのでイシツブテはそのまま回転しながら吹っ飛んだ。
ツツジ「やりますわね…」
またもイシツブテが突撃してくる。ツツジは命令していない。おそらくワンパターン戦法である。
ユウキ「ココ、もいっぺんずつき」
ゴッチーン。すると、さっきは何ともなかったはずのココが少しよろめいた。
ユウキ「あれ…ココ、どうした?」
休む間もなくイシツブテが突っこんでくる。さっきよりもペースが速い。
ユウキ「…もしかして…ココ、ゴニョゴニョゴニョ」
ミナヅキ流の指示だ。これならツツジに作戦もばれない。
ドッカーン!!イシツブテは壁に激突した。
ツツジ「!?い、イシツブテ!戻りなさい…」
ボコーーーーーーーーーーーン。
穴を掘って出てきたココの頭がイシツブテの急所(どこ?)にクリーンヒットし、イシツブテは昏倒した。
ユウキ「やっりィ!!」
トレーナー「イシツブテ、戦闘不能!よって、この勝負…」
ツツジ「って、違うでしょう!」
トレーナー「あ、そうでした。し、試合続行!」

ミクリ「マユミさん、AQUAについてわかったことはあるかい?」
マユミ「ええ、いろいろと。二つの組織の関係、狙っている物の共通性も」
ミクリ「共通性…というより、まるっきり鏡映しなんじゃないか?勘だけど」
マユミ「さすがミクリさんですね。そのとおりです」
ミクリ「ふむ、本当にそうだとすると…ひとつ問題が増えるな」
マユミ「ええ、鏡に映ったマナカさん…つまり、彼女と対をなすもうひとりの能力者。
    その正体がわからない…。とりあえず記録を調べてみます」
ミクリ「やれやれ、厄介ごとは片付かずに大きくなる一方だな。」

43 :エンタ2005/07/11(Mon) 14:45:17 ID:C9BH07yk
第35話 敗北と出会い

ツツジの二番手は、またもイシツブテ。そしてまたも同じ戦法だ。
ユウキ「よっし、コイツをさっきと同じように…三回目まで耐えて、ココ…」
またもやココの姿が消える。だが、イシツブテは勢いを余すことなくその場で回転した。
ツツジ「同じ手を何度も食らいますか。イシツブテ、マグニチュード」
マグニチュード7!
ジム内に轟音が響く。だが、ツツジたちにとってはこんな音は日常茶飯事である。
ユウキ「…へ、へへへ」
ツツジ「相討ち…ですわね」
ココはさっき通った穴をそのまま通ったので、さっきよりスピードが出せた。ギリギリで相討ちに持ち込んだのだ。
ユウキ「よし、よくやったココ!次たのむぜ、チー!」
チーは待ってましたとばかりにボールを飛び出して大口を開けたが、肝心のいかく相手がいない。
ユウキ「おい、早く三番手を出せよ!」
ツツジ「ふふ…もう行ってますわ」
先に気づいたのはチーだった。背後に体の自由を奪う何者かがいる…しかし、振り返ることはできなかった。
ユウキ(さっきも、気配を完全に消して…一体何だってんだよ!?)
ツツジ「ノズパス、でんじは」
ユウキ「くっ、チー!かわすぞ」
ツツジ「無駄ですわよ。あなたのクチートは自分の力では動けない」
ユウキ「自分の力では…な」
でんじはがチーに襲い掛かる刹那、チーは剣になった。
ツツジ「何…ッ!?」
ユウキ「いあいぎり!」
ノズパスには、いあいぎりなど効かない。その上、ギリギリでかわされている。
だが、ツツジの目はみやぶった。いあいぎりはフェイク、本当の狙いは…
ツツジ「させませんわ!ノズパス!がんせきふうじ!」
ズドドドドドドドドドドドド!!!!ユウキの足が岩でふさがれてしまった。
ツツジ「本来ポケモンで人を狙ってはいけないのですが…「あなたがクチートである以上」、仕方ありませんね」
ユウキ「覚悟の上だ…(くっ、ロックブラストの時と同じ…意識が…)」
ツツジ「とどめよ!ノズパス、磁力全開!!」
チーが、ユウキの手から離れていく。ノズパスの磁力を利用しての武装解除といったところか。
ツツジ「でんじほう!!」
バリバリバリバリバリバリ…!!!

また…負けた。

ユウキはその場で意識を失った。

「ユ……ん、ユ…キさん」
ツツジ「ユウキさん!!」
目に入ってきたのは、ジムの天井と心配そうな表情のツツジ。
ユウキ「う…イツツツ…」
ツツジ「ユウキさん…よかった…」
安堵の表情をうかべるツツジ。さっきまでとはうって変わってやさしげな表情だ。
ユウキ「…オレは…負けたのか…」
ツツジ「もう…でんじほうが当たったのかと思いましたわ。それにしても、このクチートちゃん…」
ユウキ「…剣に変身するポケモンが珍しいのか?」
ツツジ「ええ、珍しいですとも。あなたが私を始めてみたときと同じくらい驚きましたわ。」
ユウキ「気配を消す…力?あの力はいったい…」
そこまで言うと、さっきのトレーナーにジムの外に引きずり出されてしまった。
トレーナー「挑戦はいつでもお受けしてくださるそうだ。ありがたく思え」
そして、ドアを閉めた。ユウキはひとり、取り残された。
???「浮かない顔してどーした、ぼーず。ツツジのヤツに負けたのがそんなに悔しかったのかの?」
ユウキが振り返ると、そこにはいかつい顔のオッサンが立っていた。かなりデカい。
???「それにしてもおまえさん、いあいぎりをまるで使いこなせてないのう。まるでなっとらん!!」
ユウキ「…誰?」
???「ワシか?ワシは桐崎イッセン。人呼んでいあいぎりオヤジじゃ」

44 :エンタ2005/07/11(Mon) 15:44:09 ID:C9BH07yk
第36話 いあいぎり!其の一

イッセン「おい、セツナよ!いあいぎりの特訓がしたいってぼーずをつれてきたぞ!」
家の中にいた女の人は、ユウキをじろっと見ていった。
セツナ「よろしく。おなかは空いてない?」
ユウキ「は?」
ちょっと怖そうな雰囲気のお姉さんだったので、ユウキは拍子抜けしてしまった。
ユウキ「だ、大丈夫です…すぐに強くなりたいんです。」
セツナ「ふーん…」
またもじろじろ見てくる。顔にうすら笑みが浮かんでいる。
セツナ「こーゆー目をしたお客さんも久しぶりね。いいよ。すぐやってきな。」
イッセン「よし、ユウキといったかぼーず!おまえさんに我が家の秘伝を授けるぞ!裏庭までこい!」
ユウキ「ハイ!」

あの後ユウキは、いあいぎりオヤジと名乗ったのっぽのおじさんの話をひとしきり聞いた。
何でもこの大都会カナズミシティがこの大きさになるまでには、このおじさんが大活躍したそうだ。
もとは森だったこの町の木を斬り、次々開拓する。斬った木はトウカの森に埋めなおす。
このおじさんのいう秘伝を極めると、「命絶たずにその身断つ」ことができるらしい。
ユウキは惨敗の理由であるいあいぎりを強化するために、一日だけ泊り込みで特訓を受けることにしたのだ。

イッセン「この木刀を使うのじゃ。いあいぎりは極めれば木刀だろうが手刀だろうが木を斬ることならできる。」
ユウキ「はい!」
イッセン「…?おりょ?重くないのか?」
ユウキ「はぁ…チーは11kgあるから…このぐらいは」
実はこの木刀、十キロのおもりが入っているのだが、ユウキは3歳のころからもっと思いクワを毎日持っていたから筋力はかなりある。
イッセン「つまんないの…まあよい。まずは手本を見せる。ワシのまねをして、このかかしを切ってみなさい。」
ピョオォォ〜ォ〜…
どこからか笛の音が聞こえてくる。この笛、実はセツナが吹いている。

スパッ!!

イッセン「…このように、いあいぎりに必要なのは間合いとたいみんぐと、す、す、すびーどじゃ。
     どんな物でもすびーどをつければ先端は鋭くなる。その間合いを見切って、先端を使って斬るのじゃ。
     そして、相手が油断した瞬間と剣の先端に込めし気が最大値に達する瞬間…この二つが一致したたいみんぐで斬るのじゃ。」
セツナ「おとーさん、無理に横文字つかわなくていーから。」
イッセン「…おほん。まあやってみい。」
ユウキ「はい!…せいやっ!」
ゴキン。手にジーンと来る痛みがユウキに自らの未熟さを教えるかのようだ。
イッセン「なんじゃ、その貧弱な構えは!?それにすびーどもたいみんぐもぜんぜんダメじゃ!」
セツナ「おとーさん、スピード。スピードよ。」
イッセン「構えはこう!あ〜あ〜ダメじゃ、腰がはいっとらん!ん?何じゃ、やればできるじゃないか。その調子…あー、違う!」
こんなやり取りが夜まで続いた。やがて、二人ともへとへとになって家に入ってきた。

イッセン「はぁ〜、こんなに汗をかいたのは久しぶりじゃ…」
セツナ「老けすぎよ…まだ45でしょ?渋い趣味してっからよ」
ユウキ「ウッソォ!?もう60代かと思った!!」
セツナ「コラ。じゃーあたしはいくつよ?」
ユウキ「んーさんじゅ…」
ゴキン。岩より固いげんこつが炸裂した。
セツナ「まだ17よ」
イッセン「相変わらずセツナは強いの…」
ゴキン。
セツナ「誰のせいだと思ってんのよ!?おとーさんが渋い趣味押し付けるからでしょ!
    こんなかわいげのない名前つけちゃってさ」
ユウキ「え…いいと思うけどな、桐崎セツナ。かっこいいし」
セツナ「…もういいわ。あんたら二人晩飯抜き!」
えー、というブーイングと、ぐー、というブーイングが男声二部合唱をかもし出していた。

45 :エンタ2005/07/11(Mon) 15:44:51 ID:C9BH07yk
第37話 いあいぎり!其の二

セツナ「一晩でこんな成長を遂げるとはね…」
イッセン「うむ…さすがはセンリ殿の息子。天賦の才というヤツか」
ユウキ「イッセンさん、セツナさん、有難うございました。オレ、いってくるよ」
セツナ「その意気よ!ひと暴れしてきな!」
ユウキ「おうッ!」

ツツジ「いらっしゃい。さっそく雪辱戦ですのね。受けて立ちましょう」
ユウキ「昨日のオレとは一味違うぜ!」
試合開始!
ユウキ(昨日と同じ戦法は通じない…ココ、今日の一番手はチーに任せてくれ。)
ボンッ。
ツツジ「あら。いいんですの?一味違うといったから、新しいポケモンでも捕まえてきたのかと思いましたわ。」
ユウキ「新しいのもいいかもな。けど、お前に勝ってからだ!」
ツツジ「フフ…イシツブテ…じばく」
ユウキ「ッ!?」
ドッカーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!
ユウキ「危ねー…おいこらっ、当たりもしねーわざでポケモンを爆発させんな!カワイソウだろ!?」
ツツジの背後に超人的な俊足で回りこんだユウキは言い放った。チーは剣になっていたが、ユウキが何かぶつぶついうと元に戻った。
ツツジ「木っ端微塵になっても、ポケモンセンターに連れて行けば元通りですわ。」
確かにその通りだ。ポケモンセンターの開発者はある意味マッドサイエンティスト気味な人間だったのだろう。
ユウキ「仲間は大切にするもんだ。って父さんが言ってたような気がする」
ツツジ「入れ替え制ルールだからできるのです。せっかくのチャンスに使わないのはもったいないでしょう?
    私は、その選択のおかげで後悔の無い完全なる人生を送ってこれたのです。
    あなたのような新米には口を出されたくありませんわ。」
ユウキ「…2番手を出せ」
悔しさか怒りか声が震えている。
ツツジ「フフ…ゴローン!」
昨日のイシツブテが進化したものだと、ユウキはすぐにわかった。左目の下の黒いしみが残っている。
ユウキ「…あんたもポケモン大事にしてんじゃねーか…」
ツツジ「おだまりなさい!あなたなんかに何がわかりますか!ゴローン!いわなだれ!」
ユウキ「つるぎのまい!」
次の瞬間、ツツジは確かに聞いた。
ユウキ「…ねむる」
そういうと、剣だったチーが元に戻る。しかし、チーはねむってはいない。むしろあんな小声では、チーの耳には届かないだろう。
ツツジ「ちょこまかと…戻りなさい、ゴローン!…ノズパス!」
ユウキ「く…マズイ」
ノズパスのとくせい「じりょく」。はがね=鉄を引き寄せてボールに戻せなくしたりする、
ノズパスの弱点であるはがねタイプに対して有効な、一番の弱点対策である。
ツツジの狙いは、おそらく至近距離での大技。ゴローンを戻したところから見ると、おそらく自爆わざだ。
じりょくで至近距離に引き寄せられては、さっきのようにはよけられない。おまけにこの足場では…
ユウキ「近距離栓を封じられるなんて…いあいぎりの修行が台無しだ。こうなったら…」
離れるしかない。じりょくは離れれば離れるほど弱くなる…しかし、攻撃法が限られてくる。
ユウキ「戻れ、チー。」
ツツジは遠くからではメガネがないと何をしているのか見えない。
ツツジ「隠しだまですの…?」
ユウキ「…へへへ」
ボコーーーーーーーーーーーン。
天井にぶつかる位の勢いで(ぶつかった)、地面から飛び出してきたのは…
ツツジ「ココドラ!?」
ユウキ「そのまま引き寄せな…ココの体重60キロを、受け止められるかな?」
ピンボールのように跳ね返ってきたココの勢いはもう止められない。プラスじりょくで、威力は激増だ!
ユウキ「すてみタックルぁ!!!」
ドッカーーーーーーーーーーーン!!
ツツジ「…もの凄い「いしあたま」ですわね。いえ、てつあたまかしら?がんじょうなノズパスの体が木っ端微塵ですわ」
ユウキ「あ…ご、ごめん!こんなに強いとは…」
ツツジ「…いきなさい、ゴローン。あなたが最後よ。」
ユウキ「ココ、よくやった。いくぜ、チー…つるぎのまい」
ツツジ「ゴローン、ロックブラスト!」
ユウキ「いあいぎり!」
迫り来る岩をすべて粉砕するはがねの剣。人呼んで「一閃流・刹那の剣舞」だ。
ツツジ「かえんほうしゃ!」
ユウキ「なッ…」
すかさず後ずさりするユウキ。威力は無いが、弱点のわざは食らうべきではない。
足をついたところは、さっきの穴をほり始めた場所だった。チーを地面に突き立てたまま、ユウキはまだ驚いていた。
ツツジ「このわざがある限り、近づくこともできませんわ。もはや成す術ありませんことよ。観念しなさい」
ゴローンが、じりじりと近づいてくる…ユウキは、何かつぶやいている。
ユウキ「…あと3歩…2歩…1歩…チー」
突然、地面から緑色の光が噴出した。ソーラービーム…ココのヨロイの破片を鏡の代わりにして反射させたのだ。
しかし、当たることは無かった。
ツツジ「ホホホホ…残念ですわね、計算されつくした攻撃もおじゃんですわ!」
ユウキ「…これでいい」
ドーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!
今度は上から降ってきた。そして、ゴローンに見事命中した…!

ユウキ「…どうだ?オレの計算されつくしにされつくした攻撃は」

46 :エンタ2005/08/10(Wed) 18:13:08 ID:rPuSWMLc
第38話 その能力

トレーナー「し…勝者!挑戦者大空ユウキ!」
ツツジは驚いて言葉も出ない。
ユウキ「ソーラービームの軌道は、そのままココの軌道と同じだったってことさ。
    さ、お約束のバッジをもらうぞ!」
ツツジ「…いいでしょう。ついて来なさい。」

二人が入ったのは、勉強のために使われる個室だ。驚くほどの量の本がおいてある。
その中から一冊取り出してツツジは言った。
ツツジ「まずはコレを読んでみて…あなたに話したいことがあるのです。」
ユウキは言われるがままにその厚さ10cmくらいの本を開いたが、ものの3分と立たないうちに頭がブレイクした。
本の内容は、トレーナースペックとその条件についてだった。
ツツジ「実際にお見せしたほうが早いですわ…私の手持ちを、全て外します。
    …私のスペックは、「いわタイプのポケモンを手持ちにすると自分の存在をあらゆる知覚から遠ざけることができる」というものです。
    そして、いわポケモンの数が多ければ多いほどその隠密性は高まりますの。」
そういって、ツツジはさっきまで持っていた3体と、部屋の引き出しから取り出した3体を机に並べた。
ツツジ「まずは味覚…ですわ。1匹目を身に着けると、私の味がなくなるのです。
    次に嗅覚…これで私は無味無臭。」
ユウキ「変なの…」
ツツジ「次に視覚。このゴローンちゃんを身につけるとわたしは見えなくなります。」
次の瞬間には服が目の前でゆれていた。
ユウキ「うえっ、気もちわりぃ…」
頭の辺りからツツジの声がする。
ツツジ「この時点では服は隠すことはできませんが、6匹目を身につけ、
    この能力が完全に成り立ったとき…私は触れている物をも消せるのですわ。
    …だから裸になる必要は無くてよ」
ユウキ「つ…次は何が無くなるんだ?」
ツツジ「触覚ですわ。4匹目を身に着けると私に触れられなくなります。」
ためしにユウキが触れようとしてみたが、服以外には触ることができなかった。
ツツジ「次は聴覚ですわ…私の声はおろか立てる音さえも聞こえなくなりますの。だから、6体目の効果も先に言っておきますと…
    第六感とその他、ですわ。…ここから先は私の声が聞こえなくなります…」
ユウキ「うっ…何も見えない、聞こえないのに気配はあるなんて…気味悪ぃ…ぜ…」
そしてついに服が消えた。気配も完全に消えた。狭い部屋に、ユウキ一人になった。
ユウキ「すっげー…これがトレーナースペックかぁ…」
ツツジ「…そして、この状態から何時でももとに戻れる…というわけですの」
ツツジがスゥッと出てきた。
ユウキ「…でも、何の役に立つんだ?ストーカー?」
ツツジ「あら?ダイゴから聞いていませんの?もしやとは思ってましたけど…」
ユウキ「???」
ツツジ「あなたのスペックが判明し次第…ダイゴが決断を下すはずですわよ。
    それまでは…何も知らないほうがいいかもしれませんわね…」
ユウキ「…か…」
ツツジ「え?何かおっしゃいましたか?」
ユウキ「…いや…そうだ、早くストーンバッジをくれよ。」
ツツジ「ああ、そうでしたわね。本末転倒になってしまうところでしたわ」
光り輝くバッジ…トレーナーの憧れの輝き。それこそがジムバッジ。
ユウキ「ストーンバッジ、いっただきィ!」

47 :エンタ2005/08/11(Thu) 17:31:36 ID:HXoLUgAU
第39話 手紙

ツツジ「あなたのスペックが判明し次第…ダイゴが決断を下すはずですわよ。」

ユウキ(オレの…能力…トレーナースペック…って、一体…)

セツナ「うおーーっ!!!おめでとうッ!!ユーーーーキーーーーーーーーッ!!」
ユウキ「どっわぁぁ!!?」
セツナ「まっさか本当に勝っちまうなんて!あたしは…う、嬉しいぞォォォォォォ!!!」
ユウキ「ギャー!ギッ、ギブギブ!それ以上絞めたら…ッ」
がくっ…

イッセン「まったく…たかが一人目のジムリーダーに勝ったぐらいで浮かれるでないぞ!
     お前はワシの一日弟子じゃからな、それこそ一日で全員制覇しないと許さん!」
ユウキ「無理っすよ…」
イッセン「まあ、しかし…今日はよくがんばったな。よし、ご褒美にこの町を案内してやろう!」
ユウキ「え!?いや、オレ他にやることあるんで…」
セツナ「遠慮すんなって!ついでにすませばいいでしょ?」
なんか前よりセツナがふてぶてしくなっている気がする…
ユウキ「はあ…それじゃ、まずデボンコーポレーションを案内してください。」
イッセン「がっはっはっは!!よーしわかった!!!」

研究員A「なかなかうまくいかないね…」
研究員B「だな…」
研究員C「…俺たちにも名前くらいあるのに…AとかBとかCとかいう扱いなんて…」
研究員D「しかたねぇよ…所詮脇キャラだし…」
研究員B「だな…」
一同「はぁ…」
ここは、活気に満ち溢れ…てるかどうかはほっといて、ホウエン一の大企業デボンの社内である。
ユウキ「イッセンさん…負のオーラのせいで社長室にたどり着けそうに無いんですけど…」
イッセン「ん?社長に会いたかったのか?それならそうと…」
一同「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっあぁぁぁ…」
ユウキ「…」

イッセン「おーい!石蕗ィ!遊びに来てやったぞ、がははは!」
ユウキ(へー、二人は知り合いだったのか。)
ツワブキ社長「おぉ、桐崎!…ん?その子は…」
ユウキ「ちょっとお話したいことがあるんですけど…お時間いただけますか?」
ツワブキ社長「おぉ、ちょうどよかった。私も君に話すことがあったのだよ。」
イッセン「ワシらは邪魔者みたいじゃな。どれ、いっちょ斬るか…」
セツナ「コラ!観葉植物は観るためのものであって、斬るためのものではありません!」

ツワブキ社長「君がダイゴの一番弟子のユウキくんだね。それで、話とは…?」
ユウキ「手短に…ダイゴ師匠の居場所を教えてください。」
ツワブキ社長「…悪いが、その質問には答えられないよ。ダイゴはたまに不定期に手紙をくれるだけで、
       今どこにいるかなどわからないのだ…」
ユウキ「じゃあ、連絡先も…」
ツワブキ社長「…ユウキ君…君がダイゴを探すつもりなら、この手紙を届けてくれないか?」
ユウキ「手紙…?」
ツワブキ社長「ああ…早いうちにこの内容を伝えておきたいのだ。手伝ってはくれないか?」
ユウキ「…わかりました!届けます!」

(…って…アニキへの手紙、師匠への手紙…これじゃオレ、郵便屋さんじゃん)

イッセン「おう、終わったか?」
既に斬っていたようである。セツナがへこへこと誤っている姿が見えた。
ユウキ「さっさと外に出ましょうよ…社長との話も終わったし、次は…」
と、言いかけたそのとき、窓の外に見覚えのある姿が見えた。

ユウキ「ハルカッ!?」

48 :エンタ2005/08/11(Thu) 17:33:56 ID:HXoLUgAU
久しぶりに来てみたら展示室に僕の名前が!?

管理人様、本当にありがとうございました。

49 :エンタ2005/08/15(Mon) 16:00:42 ID:nOaf4RGA
第40話 岐路と決別

猛ダッシュで建物から出たユウキは、ハルカに話しかけた。
ユウキ「ハルカ!おなか痛いのはもう大丈夫か?」
ハルカ「…腹痛で帰ったわけじゃないだろがっ(つっこみ)。調べることがあるっていっといたでしょ」
ユウキ「そうだっけ…何を調べてきたんだ?一日も」
ハルカ「アタシが調べることは全部やった。アンタがこの町で何か情報を集めようとしても、
    アタシがダイゴに送った情報を超える情報は見つからないよ。」
ユウキ「え?今お前なんて…」
ハルカ「アンタがこの町にやり残したことがあるなら別だけど、無いなら
    いつまでもチョロチョロしてないで。目障りだしジャマよ。」
ユウキ「なッ…お前いつからそんな悪い子に…」
ハルカ「あー、つっこみは一日一回だから軽くスルーしとくけど、本当にジャマなの。
    戦いはもう始まってるって言うのに…何も事情をわかってないアホが私の前に気安く出てこないで。」
ユウキ「…てめ…ッ」
ハルカ「アタシは用事を済ませてから東の道に行く。アンタはついてこないでよね。」
ユウキ「…イッセンさん…」
ひゅッ!
慣れた手つきでカイスのみを投げ渡した。
ユウキ「一日だけだったけど、どうも、ありがとうございました。これはほんのお礼です」
イッセン「む?お、おう…ワシらも、楽しかったぞ…」
ハルカ「用が済んだならとっとと消えて。」
ユウキ「…ほれ。」
ひゅッ…
ハルカ「な…」
ユウキ「腸にいいぞ。一人で食い切ると絶対太るけど」
そして、北の道に向かって歩き出した。
ハルカ「…フン!余計なお世話!」
イッセン「あ〜…どんな理由かは知らんが、夫婦喧嘩はよくないぞ…?」
セツナ「…えっと、ハルカちゃんだっけ?あたしは木刀つっこみOKだから後のことは任せて〜」
べキッ!ズドッ!ピュー…
セツナ「おら、クソジジイ!天下のセツナ様の靴を穢すな!お前が朱に染まれゴルァ!!」
ハルカ「…こんなのと一日も一緒にいたのか…なかなか、たのしそうじゃない…?」

ハルカ「ツツジジムリーダー…いるのか?」
ツツジ「やれやれ。今日は挑戦者が多いですこと。」
ハルカ「…はがねに打ち勝つ方法を…教えてくれ。」
ツツジ「!!」
ジム内に沈黙が流れる。
ツツジ「無理ですわ…さっき負けたばかりですもの…バッジならあげるから、他を当たってくださらない?」
ハルカ「…そんな汚いバッチなんていらない。」
ツツジ「…小粋なギャグですわね…ふふ…クスクスクスクスクス」
ハルカ「う…」
そんなに面白いか?と思いつつも次の言葉を待つ。
ツツジ「クスクス…ああ可笑しい…ええ、私が負けたのは、ノズパスのとくせいを過信したせいですわ…」
ハルカ(いきなりか)
ツツジ「どんなに優れた力でも、過信すれば痛い目を見る。完全なる強さ、完全なる人生など無い。
    最初から不完全なものはいつまでたっても不完全なままなのです。
    それが、私から言える言葉ですわ。ええ、たったそれだけ。クスクスクス」
ハルカ「アンタ正気か?その言葉、信じていいものかどうか…」
ツツジ「さようなら、小粋なバトルガール(闘う少女)。真理のため強さのために、闘い続けなさい。クスクスクス…」
ハルカ「………そうか。助言をありがとう」
ツツジ「強さを探すのならムロタウンに言ってみてはどうかしら。クスクス…
    あそこには、強い人がたくさんいますわよ」
ハルカ「そうするよ。失礼した」

50 :エンタ2005/08/24(Wed) 17:34:16 ID:8CHFEI9E
第41話 緑の少年、黒の少女

ミツル「ありがとうございましたー。」
渡し守「んだー。おっかさんによろしく伝えてけろ。」
ミツル「はぁ…そうですか」
103番道路。キンセツ、カイナを結ぶサイクリングロードが近くに見える。
ミツル(まずはシダケに戻って…パパとママに旅に出る事を報告だ!)

サイクリングロードでは、アスリートたちが日々自分の体と自転車を鍛え、修練に励んでいる。
アスリートA「(左から)…ぁあーっはっはっはっは!もはや首都高に敵はいねぇー…(右へ)」
ミツル「すごいスピードだなぁ…」
サイクリングロードには標語が掲げられている。
「ここは110番道路 自転車事故は119番」キンセツ交通安全委員会
ミツル「…事故の防止はしないんだ…」
アスリートたちは、事故る度にポケモンバトルを仕掛けている。3分に一組くらいのペースである。
ミツル(まぁ、自転車なだけましか。自動車だったら発作が起こってるもの)
アスリートB「うっしゃらぁぁぁ!!俺の勝ちじゃぁぁ!!」
アスリートC「わっ、ちょ…押さな…落ちるっ、おち…」
ドボーン。
落ちた。
ミツル「…………。」

ふと、ミツルが悪寒を感じて振り返った。
???「ほう、やるな…わが気配を見抜くとは」
ミツル「誰ッ!?」
カラクリやしきと書かれた看板の上に立っていたのは、黒い影。変化の洞窟で見た影である。
???「残念だが名乗ることはできぬでござる。」
ミツル「ラルトスッ!」
???「おおっと、そんなに叫んでは病が悪化するでござるよ?芦田ミツル殿」
その影が音も立てずひゅッと降りてきた。さっきは逆光でよく見えなかったその姿はなんとも奇ッ怪で時代錯誤なものだった。
忍者ごっこでもやっているのだろうか?にしては随分と背が高いし声も低い。
ミツル「…隠してたみたいだけど、手に取るようにわかりますよ…あなたの名も、目的も。
    おたがい戦う理由はありません。戻って、ラルトス」
???「…そのポケモンは、あまり戦わせたくないからでござるな?」
ミツル「…しつこい女は嫌われますよ、椿木ワビスケさん。
    他に用があるんだったら帰ってください。」
ワビスケ「ふっ、ふふふ…面白い子供でござる」
ミツル「子供って…僕より背低いくせに。何とかの術でごまかしてるんでしょう?」
ワビスケ「…!!?そっ、そんなことまでわかったでござるかッ!?ふ、不埒な…」
ミツル「まぁ、他人の個人情報を暴くのは趣味じゃないので…それ以上のプライベートは読んでませんよ」
ワビスケ「十分機密(プライベート)でござるッ!!我慢ならぬ、この場で成敗してくれる!」
ミツル「うへっ…バトルは苦手なんですけど…」
ワビスケ「問答無用!覚悟ォ!」
懐からモンスターボールをとりだすワビスケ。どうやら本当に気に障ったようである。
ミツル「…さいみんじゅつ!」
ボウンッ。それは、ラルトスがボールから出た音と、まやかしの術が解けた音の両方だった。
すやすやと眠りこけるその少女の姿は、先ほどの奇怪な忍者とはとても思えない。
ミツル「…とにかく、僕は行くからね。ルネシティに行くにしても、誰かにひろってもらうんだね。」
自分より小さい子供に対して、急にミツルの態度が変わる。
白昼堂々首都高レースを繰り広げるアスリートの中には、
いや、通行人も野生ポケモンでさえも、誰一人としてこの戦いを見ていたものはいなかった。
ただ一人、カイナシティの方角から望遠鏡で見ていたアヤシイ男を除いて。
???「若くしてスペックをマスター…うーん、面白くなってきたな」

51 :エンタ2005/08/28(Sun) 08:13:09 ID:gweX0z3E
第42話 ツツジの過去 前編

ツツジ「どぉちて?どぉちて勝てないんでしゅの!?」
ダイゴ「僕のダンバルが強いからに決まってるだろ〜?勝ちたかったら、出直してきな〜」
ツツジ「うぇーん、くやちぃヨォ…うえーん」

そこでツツジは目が覚めた。
ツツジ「…久しぶりですわ…うたた寝で夢を、しかもあんなうっとうしい夢を見るなんて…」
ユウキに負け、ハルカに教えを説いた日の午後のこと。ツツジは疲れて部屋で眠り、子供時代の夢を見たのだった。

ツツジは秀才だった。徹底した英才教育を受け、ポケモンも3歳のころから始めていた。
器用で飲み込みが早く、頭も冴えていた。そのため幼いころから武芸百般ありとあらゆる段位を取得していた。
ポケモンもその例外ではない。5歳でシングルバトル一級を、6歳でダブルバトル一級とポケモン検定一級をそれぞれ取得した。
天才少女と謳われ、町の名物にまでなったが、ツツジ本人はそれを嫌がることはなかった。
というより、嫌がることを知らなかったのだ。
ツツジはあらゆることを知っていたかわりに、あらゆることを知らなかった。
喜び、怒り、哀しみ、楽しみの他にも、疑うこと、感動すること…そして何より、負けること。
そんな彼女に負けを教えたのは、同じ町に住むひとつ年上の石蕗ダイゴ少年だった。
圧倒的な敗北だった。その日ツツジは今まで知らなかったあらゆる感情を知った代わりに、たくさんのものを失った。
信頼と愛情。天才の肩書き。無敗の戦績。
ダイゴは当時鼻持ちならない無礼な少年だった。努力をせずとも何でもできる、でも何もしないような嫌われ者だった。
おまけに家が金持ちなので、ツツジのファンたちはみんなへこへこと石蕗のところに流れた。
ツツジはその日から何も思い通りにこなせなくなった。親も愛想を尽かし口もきいてくれなくなった。
どん底の人生だった。ツツジはダイゴを恨んだ。
「あいつさえいなければ、こんなことにはならなかったのに…」
唯一、自分に優しくしてくれた祖父も他界し、ツツジは幼くして孤独になった。

家出したツツジは貨物船に忍び込み、ホウエン地方にたどり着いた。
そこはツツジにとって楽園だった。
誰も自分のことを知らない。天才と期待もされないから気が楽だ。
自分と同年代の子供ともたくさん仲良くなった。
ツツジは故郷のこと、親のことを忘れて幸せな日々をすごした。

だが、数ヵ月後…
ツツジの暮らしているカナズミシティに、最悪のニュースが入った。
あの石蕗家が、この町に会社を設立するというものだった。
いあいぎり男のおかげで土地ばかり広がっていたことに目をつけたらしい。親友のよしみということもあった。
そうしたらもちろん、ダイゴもこの町に来るはずだ。
「返り討ちにして、町から追い出してやりますわ!これ以上幸せを奪われてなるものですか!」
ツツジの頭には、雪辱を果たすことしかなかった。
ツワブキ一家が引越してくるまでの間、ツツジはポケモンの特訓に勤しんだ。
そして彼女は再戦に臨む。この地で手にした新しい仲間を携えて。

52 :エンタ2005/09/07(Wed) 18:12:01 ID:ZmjanPeM
第43話 ツツジの過去 後編

その戦いは、死闘と呼ぶべき凄まじさだった。
互いのポケモンがぶつかり合う度、嵐の吹きすさぶカナズミの広場に金属音がこだました。
負けたほうが町から出て行くという条件のもと、試合はダイゴが優勢かに見えた。
しかし、ツツジが彼に勝つために用意していた策は、一般人の常識を超越しえるものだった。
意表をついたほのおわざで敵を引き離すかと思えば、じりょくで引き寄せたりもする。
戦いは石蕗ダイゾウ(現在のツワブキ社長)の審判のもと、4時間に及んだ。
そして、お互いがとどめの大技にかかろうとしたそのとき…!

ズドーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン

突然の津波にさらわれ、両者は海に投げ出された。
ツツジは必死に手を伸ばしてダイゴの服の端をつかんだ。
このとき交わした言葉は、今もツツジの胸に残っている。

ダイゴ「ぷはっ…なんで…僕を助けるんだ!?お前は僕を憎んでいたじゃないか…ッ!」
ツツジ「クスクス…それは、まだ決着がついていないからですわ…
    このまま海の底に沈んでもいい…死ぬまで、いえ、死んで地獄に堕ちてからも、
    決着がつくまで戦い続けましょう…!!!」
ダイゴ「…ッ!」

結局、二人とも救助されて地獄落ちを免れ、
勝負は無効となり、両方町に残ることになった。
その後ダイゴは少しずつ性格が変わっていった。ツツジのように、一途でいて気ままな性格に。

ツツジ「0勝1敗、99引き分け…ですか。百戦錬磨とはこのことですわね」
彼女は今日の1ヶ月前、ダイゴと戦った。あの日以来ツツジは一度もダイゴに勝っていない。
もちろんダイゴもあの日以来一度もツツジに勝っていない。
つまりユウキは、ある意味既に師匠を超えているのだ。
ツツジ「クス…将来が楽しみですわ。」

あたたかい日差しが、新たな旅立ちを祝福していた。

53 :エンタ2005/09/11(Sun) 17:01:00 ID:UqgPLuFw
第44話 Hey!レッツあなをほる!

ユウキ「っかぁーーッ!!腹減ったァーーーッ!!もう42m67cmは上ったぞぉーッ!?」
りゅうせいのたきに向かう道、115番道路。
といっても、山道はものすごく険しいので、専ら下り道か修行などに利用され、登ろうとする愚か者などいない。
ユウキ「くっそォ…上から見たことは何度もあったけど、こんなに険しいとは…これ63度はあるな、傾斜…」
ちなみに、ユウキの現在地(地上42m地点)の傾斜角度はドンピシャである。
ユウキ「お前らも腹減っただろ…多分もうすぐ着くからな、りゅうせいのたきに。」
すると、岩壁から聞き覚えのある音が聞こえてきた。
「…Hey!…Wow!」
ユウキ「ま、まさか…」
ボコ―――――――――ン!
ヒサヤ「ィヤッホ―――!!!!着いたぞ、反対側!!イエス!イエス!!イエ――――――――ッス!!!!」
ユウキ「ヒサヤ!」
ヒサヤ「おう!久しぶりユウキ!アー丸、ご苦労さん」
さすがにこの岩壁に素手で穴を開けるのは無理があったのだろう。アーマルドに手伝ってもらっていたようだ。
今のヒサヤはごきげんモードだが、引きこもりモードのときはとっつきにくいのでユウキはあうたび警戒しているのだ。
ユウキ「…あれ?待てよ?お前がここにいるってことは…あの穴、掘りきったのか!?」
あの穴とは、ヒサヤが毎日掘っている家の裏側の穴のことである。
ヒサヤ「あれ?言ってなかったっけか?この穴はNo.026の穴だよ。」
ユウキ「26番?何だそりゃ?」
ヒサヤ「何ってお前…堀岡ヒサヤのディグダネットワークのネット番号だよ。
    あの穴を枝分かれさせて、ホウエンのあらゆるところとリンクさせる予定なんだ。」
ユウキ「でぃぐだ?」
ヒサヤ「おうよ!ディグダは穴掘りの神様だぞ!っつってもホウエンには棲んでないから僕が代わりに掘ってるんだけどな。
    そもそもディグダは…」
得意のうんちく発動直前に、ユウキがストッパーをかける。
ユウキ「お前、そんな穴掘ってどーすんの?まさか金稼ごうってんじゃ…」
素朴な疑問である。
ヒサヤ「ノンノンノン。そんなことはしないよ」
引きこもりモード時ならやりかねない。
ヒサヤ「これは今度のホウエンサミットの連絡用の穴だ。ちょっと高度がずれたけど、カナズミに近いし…」
ユウキ「ホウエンサミット…?」
ヒサヤ「今の時点で完全に通じてる穴はハジツゲのNo.000とフエンのNo.012、そしてこのカナズミのNo.026の三種類!
    最近は地震やら大雨やらでダメになる危険性があるから補強が必要だけど…」
ユウキ「ホウエンサミットって何だ?」
ヒサヤ「ん?ダイゴから聞いてないのか?」
ユウキ「みんなそれだよ!師匠は今どこにいるんだ?」
ヒサヤ「さっきうちに来たけど…まだハジツゲにいるかもな」
ユウキ「そうかな…なんか、行っても無駄な気が…それより、ホウエンサミットって何だよ?」
ヒサヤ「…面倒くさいから一回しか話さないぞ?よーく聞いておけよ」

54 :エンタ2005/09/11(Sun) 17:02:26 ID:UqgPLuFw
第45話 ホウエンサミット

ヒサヤ「ホウエンサミットってのは、緊急時にジムリーダーやらチャンピオンやらホウエンの有力者たちと、
    オダマキ博士やらツワブキ社長やらホウエンの有権者たちが執り行うポケモン最高機関のことだ。
    今度の会議の内容は、赤装束の軍団…つまりマグマ団の、計略の詳細とその対処法および超古代ポケモン復活の阻止…の検討。
    超古代ポケモンってのは要するにたいりくポケモン・グラードンのことだな。
    身の丈12尺、重さ250貫にも及ぶ超ド級重密度ポケモンだと言ってたが…どうだかな。
    なにしろ伝承の上での存在だからな。ポケモンが大地を築いただなんてにわかには信じられないっつーの。
    それで、そもそもホウエンサミットってーのは民間から独立した機関なわけで、
    今回もことを隠密に進めるためジムリーダーはパートナーを会議に出席させることになっているんだ。
    僕は一応フエンタウンのアスナのパートナーに抜擢されて…まぁ、こんなに詳しいってことだな。」
ユウキ「…オレは民間人だぞ?フツーに話しちゃっていいのか?」
ヒサヤ「は?何言ってんだお前、ダイゴのパートナー様がよっ