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殺戮者の旅
- 27 :楓写 :2005/01/05(Wed) 15:55:34 ID:xM9zerik
- 第十五節 色追低にて。
勲慈の家は超豪邸、それをまず感じさせたのは門番。 正門の前だけで四人。
門番は皆、上半身の筋肉がまるで盛りあがっているかのように異質だった。
「す……すごい…ッ!」「門番も血が滲む思いで頑張ってたんやな。」
中からは鳥の囀りや噴水の音。……まさに別世界である。
「あの門番噛みついてくるで、ホンマに!子供ら行く所とちゃうで。」
「んな訳ないだろ、あーゆー奴ほどお茶目だったりするんだよ。」「ニューハーフかもよ?」
どうでも良い会話を続けている中、門番の一人が三人に近づいてきた。
「牡草雄之介殿に御座りますか。我々は色追家を門番させていただいている者です。
色追勲慈殿からお話を耳にしております、どうぞ中へお入り下さいませ。」
雄之介の方を向き終わると門番の男は綾の方を見て顔を真っ赤にした。
「お名前は何と…申し……ま‥すか…。」「郷崎 綾と申します。」「素敵なお名前で‥すね。」
門番の男が綾を口説き落とそうとしているのが分かった、分かりやすい素直な奴である。。
色追低に入ると、そこら中に警備が回っているのがすぐ分かった。恐らく全体で二十は軽く超えるだろう。
「うっひゃー、こんなに警備が居ると逆に生活しにくいだろうな、色追さん。」
「多すぎやな。セキュリティシステムで安心出来へんのやろか。」
そんな会話をする中、後ろから雄之介の名前を連呼する声が飛んできた。「牡草く〜ん、おーい。」
呼ばれた方向へ三人は走った。すると、勲慈が手をふっていた。「こっちだよ〜。」
「色追さん…ですか?初めまして。」「いや、君とは二回目だよ?」「えっ?……」
「あぁ、僕の事を死にそうな目で見てたよ。 戦地でね。」
雄之介はやっと気づいた。あの時目に映った男がこの色追と言う人物であることに。
「フフフッ……そしてさっきも君たちを見ていたんだよ?フフフッ…」
雄之介は勲慈に最初は警戒心を張っていた。いつでも見られているかのようで少し引いたのである。
するとその男は雄之介の耳元に近づき、手で隠しながら小さな声で言った。……
「きょ……今日は一段と…か‥可愛いよ、綾」
「うわああぁぁあぁあっ!」隙のない男だと思った雄之介は、ますます警戒した。
「何で知ってるんですか!」「いやその時さぁ、偶々言ってたから次会ったら冷やかそうと思って。」
「うん、確かに可愛いよね。 綾 ち ゃ ん は 。」「じょじょじょじょうだんに決まってるじゃないですか!」
顔を真っ赤にして雄之介は答える。タイミングが良く、勲慈は其れだけを聞いていたらしい。
「いや、趣味は良いと思うよ」「本題入って下さい!さ、早く!!」
兎に角、道の真ん中で言われるのは恥ずかしかったので色追低に戻りたかった。
警備を軽々と超え色追家に入り、みんなは広いリビングへと招待された。
「今日の用件はね、帝王から聞いたと思うけど…『隊長』としての事ね。」
「はい、聞いてます。貴方が僕を推薦してくれた事も。」「あ、そーなんだ。」
建物全体に綺麗な音色の音楽が演奏され、緊張が少し解れた。
が、次の瞬間予想もせぬ意外な答えが返ってきた。
―――――――「修行をしてもらう、もちろん部下の二人もね。」
第十五節 「色追低にて。」 終
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