跳梁跋扈改訂版 そしてそれは永遠に―――

1 :司馬の八達 ◆v0AXk6cXY22004/11/24(Wed) 19:07:08 ID:9PU8zDlQ
どうもお久しゅう。
司馬の八達です。
いぜん、ぽけぱで書いていた、純ポケモン小説(設定めちゃくちゃだけどね)
に色々と書き足し、終わっていないので終わらせられるように、
ここに新たに改訂版を建てたいと思います。
なお、長編になると思うので、製作者がいつだれるか分からないけれど、
期待してみてね!!

2 :司馬の八達 ◆v0AXk6cXY22004/11/24(Wed) 19:36:47 ID:9PU8zDlQ
まず、今まで出てきたキャラや、出してほしいと幸いにもいただけたキャラをテンプレで。

主人公たちね
【名前】如月陸也:男
【年齢】12歳
【性格】おっとりとした天然系。話が進めば人間的に成長していく。
しかし、たまに冷静に話を見極めたりするとこで掴み所の無い人間。
【詳細設定】父親はトウカシティのジムリーダーだがトウカには数えるほどしか行ったことが無い。
出身地はシダケタウン。幼馴染の海斗とポケモンバトルをやったりしているが昔二人別々に旅をしたことが有る。

【名前】星野海斗:男
【年齢】12歳
【性格】陸也よりも冷静だけど一つの物事に対してはしゃいだりする事がある。
【詳細設定】父親はカントーへの単身赴任。幼馴染の陸也とは良く遊んでいる。
こちらは父親の居るカントーへは行ったことが無い。陸也とのポケモンバトルは実力伯仲。
二人別々に旅をしたことが有る。

一応アクア団幹部。
【名前】我修院涼哉(がしゅういんりょうや)
【年齢】20歳
【性格】自称、面白い人。いつも本を持ち歩いているので、別名は二宮さん。「
【手持ちポケモン】バンギラス
【服装】上下共に白のタキシードの正装
【詳細設定】身長が180cmほど、サングラスをかけている。
アクア団の突撃隊長で戦闘時には自らのバンギラスで突撃する。
自称アクア団の天才突撃隊長。危険人物やら変態やら、散々に言われている。

こっちもそうだけど、こっちは色々な人たちからの贈り物。
【名前】鋸摩 覇畝(のこま はせ)
【年齢】13
【性格】陸也の天然節に乗せられる事がある。。非常に子供っぽい。
【手持ちポケモン】
・ポニータ・ラプラス・ポッポ
【服装】赤い半袖。腕には左だけにリストバンド。
だるだるの明らかに身長に対して大きい黒いズボン。靴下は13歳にしてポケモンの靴下(苦笑
【顔】長めの黒髪に、目は茶色。喜怒哀楽が激しい。
【キャラ詳しい説明】
身長152cm・体重38kgの小柄派。足が速くすばしっこいが、昼間の場合、
頭を使うのは苦手。そして不器用。。
しかし夜になると、冷静沈着で何げに器用になる。しかし、何故か神経質になる。
【詳細設定】
小さい頃にロケット団に捕らわれていたが、脱獄。親はアジトで殺されたが前向きに生きている。
しかし、覇畝は心の中で孤独と戦っている。
昼間は明るいが・・・夜になると性格が一転し、バトルでは冷静に戦略を立てたりする。
また、ロケット団からは今もまだ指名手配中である訳で、もしものために
陸のポニータ。海のラプラス。空のポッポを連れている。
【名前】深緑 聖一 (ふかみどり せいいち)♂
【年齢】11歳
【性格】こまかい事にきずき ボケへのつっこみが早い(最短0.25秒)よく寝、どこでも寝れる
【手持】ラル=キルリア♂ フラ=フライゴン♂ ミロ=ミロカロス♀
【服装】緑の帽子 黒の長袖 青の長ズボン
【設定】親に捨てられ孤児院生活をおくっていた髪が、深緑の少年
キルリアについているペンダントの原料が、かわらずのいしなので
進化しない、本人は、気ずいていない。
ゲットが得意で、いろいろな場所にボールが入っている
その能力で、マグマ団に勧誘され、断ったところ殺されそうになり
復習の炎を燃やしている。

【名前】剣崎 新次 (けんざき しんじ)♂
【年齢】11歳
【性格】冷静沈着だが、友達思いの優しい性格
【手持】ハッサム♂、メタグロス、ハガネール♂
【服装】青のバンダナ、半袖に黒のジャケット、下は長ズボン
【設定】旅の人物であり、別名『鋼鉄のトレーナー』の異名を持っているのか、
手持ちの殆どを鋼タイプであり、移動としてメタグロスを使用する。
バトル経験やゲットの知識が豊富。しかし自分でも知らないこともある理由から
旅をしているうちに他のメンバーとも親しんでいる。
これでお願いします。

3 :司馬の八達 ◆v0AXk6cXY22004/11/24(Wed) 19:40:25 ID:9PU8zDlQ
あとは、もったいないけど四人だけの紹介。
もう一人のオリキャラ
【名前】虎雲 月花 (こうん げっか):女
【年齢】 14歳
【性格】 冷静沈着で、ポケモンにしか笑顔を見せない。
【手持ち】 オニスズメ♂ ガーディ♀ ストライク♂
【服装】短刀をつけたジーパン&灰色の長袖
【詳細設定】
ある名家の跡取りとして生まれたが、8歳に親に捨てられる。
その後、歩いた末にたどり着いた村で4年暮らしたが、突然のロケット団の襲撃で村は壊滅。
その後2年にわたる放浪生活の間、自分が満月の夜、人を傷つけてしまう事を知る。
それからは、人間に決して心を開けなくなった。

マグマ団幹部

【名前】柴田浩市(しばたこういち):男
【年齢】24歳
【性格】冷静とはかけ離れたような性格。
【手持ちポケモン】?
【服装】いつも違うが大抵運動のできるような服。
【詳細設定】マグマ団の幹部で、敬介と信行の友人。
よく総帥に色々なことをやらされる。

【名前】佐々信行(さっさのぶゆき):男
【年齢】25歳
【性格】結構軽い性格。
【手持ちポケモン】?
【服装】よく迷彩柄の服を着ている。
【詳細設定】敬介と浩市の友人。
結構優秀なトレーナーで、先陣を切って突撃するタイプ。

【名前】司馬敬介(しばけいすけ):男
【年齢】20歳
【性格】冷静な性格。
【手持ちポケモン】?
【服装】統一性の無い服装。
【詳細設定】浩市と信行の友人。自分の家の蔵の中の古代の文献を大量に読み漁っている。
その中にグラードンについての資料があったのでマグマ団のために調べている。
ちなみに、かなりの菜食主義者である。

4 :司馬の八達 ◆v0AXk6cXY22004/11/28(Sun) 22:48:36 ID:we3L6Q1I
この物語は、ある二つの集団がとあるポケモンの為に争い、
一つの地方を巻き込んでの巨大な戦争にまで至った事件と、
それに巻き込まれた二人の少年の物語である。

順を追って説明していくと、
ここはホウエン地方、巨大な地方でかなりの繁栄を見せていた。
して、このホウエンに現れたのはマグマ団とアクア団と言う
ポケモンを利用しての集団犯罪などを行う組織である。
この組織は今までは水面下の活動を見せていたのだが
とある事件で激しく対立、集団犯罪などの数も格段に増えてきた。
この二つの組織が争い、我が物にしようとしているポケモン。
グラードンとカイオーガ。
そして、この物語は一大戦争に巻き込まれた数奇な運命の
二人の少年と、マグマ団とアクア団の一大戦争を記した物である。
ただ……どっちの集団も、どんな奴らか分からないけど、
ホウエンだけに展開しているわけじゃないかもね。

5 :司馬の八達 ◆v0AXk6cXY22004/11/28(Sun) 22:52:07 ID:we3L6Q1I
【第一章・旅の始まり】
第一話:陸也と海斗
ジリリリリリリ。
目覚まし時計の電子音が部屋に鳴り響く。
少年は枕もとのそれのボタンを押し、寝惚け眼を擦りながら上半身だけを起こし、
目の前の窓を開けた。多少暖かい気持ちの良い風が部屋に充満してくる。
階段の方から声が聞こえた。
「陸也、早く起きて。海斗君も来てるよ」
母親の声が聞こえる。なぜ海斗が?と思いつつも着替え、
水道で顔を洗って、顔をタオルで拭きながら階下へ降りていった。
「お早う、お母さん。海斗」
服を調え降りてきた陸也に海斗と呼ばれた少年が答えた。
「よう、陸也」
母親が陸也の座る椅子をテーブルから少し離した。
陸也がその椅子に座る。
陸也の目の前には食事が並べてあった。
出来立てで湯気が立っている。
トーストを手に取りながら海斗に質問する。
「モグ…んで、今日はどんな用?モグモグ…」
「あのなぁ…。飯食べるか話すかどっちかにしろよ…」
陸也は正当な意見を肯定し、数分かかって手に持っているトーストと
皿の上のソーセージなどを平らげた。
「んで、今日はどんな用?」
「今日はだな…この街から別の街にちょっと行こうかと思ってね」
この街とは、シダケタウンのことである。
「え?今更何処に行く気?」
「最近の新聞とか…ニュースなんか見ているか?」
陸也はそれを否定する。
「んじゃあ、最初から話そう。まず、マグマ団とアクア団って知ってるか?」
「いや、多少ニュースで聞いたことしかないし…ニュースもあんまり見てないし」
陸也はそれも否定した。すると、海斗は喋り出した。

6 :司馬の八達 ◆v0AXk6cXY22004/11/28(Sun) 22:56:07 ID:we3L6Q1I
【第一章・旅の始まり】
第二話:二つの組織
「マグマ団とアクア団って言う組織はな、現在とある二体のポケモンを巡って戦いを続けているんだ」
「その…ポケモンって何?」
陸也が首を傾げて海斗に質問する。
「そいつの名前はグラードンとカイオーガ。遥か昔のポケモンの大戦争で陸軍と海軍が戦ったんだが…両軍。陸をグラードン、海をカイオーガが
率いて両方の軍団が激突したんだ。そして、戦いが終わると二体は封印されたって言う」
「いわゆる、昔のポケモンって言うことだね」
陸也が海斗の丁寧な質問を要点だけを搾り取り単純明快に答えた。
「まあな…んで。そのポケモンはグラードンが一ヶ月もの豪雨を鎮め。カイオーガが一ヶ月の日照りを鎮めたって言われてる」
「ってことは…雨乞いとかしたのかな…」
海斗が呆れ顔をしながら答える。
「いや…まあ良い。んで、このポケモンを二つの軍団が手に入れようとしているんだ。マグマ団はグラードンでカイオーガはアクア団がね」
陸也が海斗に質問をした。
「じゃあさ、そのマグマ団とアクア団ってどういうようなことやってるの。あと、二体のポケモンを手に入れようとしている理由とか」
海斗が脳内で自問自答をしているような表情をしながら多々頷き、やっと口を開いた。
「まずどんなことをしているかだな。フレンドリイショップの襲撃とかトレーナーを襲ったり。あと、マグマ団に一つ大きな会社が襲われたって噂だな。
後はポケモンの大量捕獲とかもしているらしいな」
陸也が無言になり、多少考え又言った。
「じゃあ、何であの二体のポケモンを狙っているかも教えてよ」
「分かってるよ。マグマ団が付け狙うグラードンは豪雨を鎮圧しただろ?その力を利用して海を全て陸にしようとしているんだ。
理由は良く分からないけどね。んで、アクア団はカイオーガの能力を利用してこの世を海にしようとしている。
いや、こっちの方が訳分からないけどね」
「なるほど、マグマ団がこの世を昔の世界みたいにしようとして、アクア団がこの世を水の都ベニスにしようとしているんだね
……でも、どっちも暮らしにくくない?海だけになるとさ、野菜とか食べれないし、陸だけでも、塩ないしね」
海斗が又も顔が苦虫を噛み潰したような顔になった。
「いや…別に解釈方法に文句は言わないけど…何?それ。ついでにいうと、生活できるために少しぐらい残すだろ」
しかし、海斗は気にせず又言った。

7 :司馬の八達 ◆v0AXk6cXY22004/11/28(Sun) 23:11:42 ID:we3L6Q1I
【第一章・旅の始まり】
第三話:出発
「まあいい、んで、話を最初に戻すとだな。この街を出てマグマ団とアクア団を止めるんだ」
「なるほど、奴らを止めると」
陸也も気付くと神妙な面持ちに変わっていた。
「今から出発しようと思うんだ。行くか。行かないか?」
「…聞く意味無いって分かっているでしょ、海斗?戦争馬鹿に戦争行くか聞いてるのと同じだよ?」
海斗が小さく頷き。肯定する。
「分かっているさ。そんな事」
傍らで話を聞いていただけの母親も
「陸也。旅の支度だったらしてあるから。さっき海斗君に話を聞いたから」
そう言うと母親が陸也にバッグを渡した。
中に入っている物は服などの旅の支度や、バッグに入るほどに畳まれた折りたたみ自転車と寝袋。財布などである。
中には一つ、紫色のモンスターボールが有った。そのほかには前の旅で使ったモンスターボールが余った数だけ入っていた。
「ありがとう。お母さん。多分三ヶ月ぐらい帰って来れないと思うけど」
「そんなこと何時もの事でしょ。どうせ、一ヶ月以上帰ってこなかった試しは無いけど」


「おう、陸也。海斗。何処か行くのかい?」
近所のお店の店主である。昔からの付き合いでかなり親交も深い。
「今からちょっと旅にね。一大事だから」
陸也が答える。すると、店主も軽く頷いて。
「頑張れよ!!取敢えずたまに帰って来て来いよ」
二人が軽く頷いた。

二人が街の出口――と、行っても逆方向はカナシダトンネルしか出る場所が無いので必然的に出口兼入り口になっている場所に来た。
「陸也君。海斗君。何処か行くのかい?」
街の詰め所と思われる場所の審査官が話しかける。
海斗が、この街を出てとある場所に行きます。
というと、すぐに手続きをしてくれた。
こうして、二人はこの街を出て行った。
いつ終わるとも分からない戦渦の中に身を投じ、誰とも分からぬ人たちの平和のために。
【第一章・旅の始まり】完。

8 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/11/29(Mon) 21:43:09 ID:/QG6GO/o
【第二章・ポケモン研究所】
第四話:ダブルバトル・前編
「やっぱキンセツ経由がいいかな…カナシダトンネルが開通したなんて話聞いてないしな…と、言うか一回町を出たのに又戻るのもな…」
海斗が自分のポケナビのタウンマップと睨めっこをしながら何かを考えていた。
陸也は腕を頭の後ろに組み時折欠伸をしていた。
春という季節の気候からか陸也が全く寝ていないのか分からないが陸也は眠そうであった。
海斗は独り言を叫んでいた。
「よし!!やっぱキンセツ経由で行こう!!」
「ファ…?」
時折欠伸を交えながらも海斗の独り言に対して反応を見せた。
「何?何か決まったの?海斗」
海斗がハシャギながら陸也に報告する。
「これからの道が決まったぞ!!これからキンセツ経由でサイクリングロードらへんの道をまっすぐ行って湖に当たるからその湖を渡ってミシロタウンまで行くんだよ!!」
「フーン…それが?」
いつもならば突込みを入れるところだがそれを無視して尚海斗が言う。
「早くキンセツ行こうぜ。あの大都市で色々と蓄えていくんだよ」
「ボクもそうしたいよ…何か眠くなってきたからねぇ…」
「って…早いな…陸也。さっきまで寝てたんだろう?」
海斗が本来のように呆れて陸也を見ている。
すると陸也は
「ま、ミシロタウンに行く目的を教えてよ」
「目的?勿論。ポケモン研究所が目的さ。オダマキ博士に色々な事を訊きたいんだよ」
「オダマキ博士…?昔会った事有るけどね」
陸也の何気ない台詞をも無視して海斗が更に続ける。
「あの人は俺の目標なんだよ!!フィールドワークでのポケモン調査って言うのがすきなんだよ。俺は」
「ヘェ…」
腕を頭の後ろから普通に戻しずっと話を聞いた。
「マグマ団とアクア団についても色々訊きたいんだよ」
「ハァ…」
すると海斗は、忘れていた事のようにいきなり陸也に訊ねた
「そういえば…なんで眠いんだよ…」
「この気候のせいかな。いわゆる春眠暁を覚えず。ッて言う奴さ」
そんな馬鹿なと、海斗は思っていたが、また蒸し返すと永遠に動けなくなると思うと、それで話を終わらせた。
多少の沈黙がありながらもゆっくりとキンセツシティに向かって進んでいくと。

「おい、お前ら!!」
いきなり目の前に居る二人組みに呼び止められた。

9 :楓写2004/12/19(Sun) 23:06:24 ID:CjJfzkUY
久しぶりに見ました。やっぱり素晴らしいですね、何度見ても。

頑張って下さいね、陰で見てますから。

10 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/21(Tue) 21:59:22 ID:0/uTdWJU
【第二章・ポケモン研究所】
第五話:ダブルバトル・中編
「何なんだ?いきなり…」
海斗が苦い顔をしながら二人組みに質問する。
すると
「俺たちはここら辺のトレーナーだ。お前らも二人居るようだからダブルバトルを申し込むぜ!!」
海斗はその話を聞いて頷いた。陸也は。
「ま、ちょっと眠いんだけどね。戦争馬鹿の目の前に戦場があるとね、どうも」
と海斗に呟く。しかし、すぐに後ろで組んでいた腕を体の前に回し自分のボールを手に取った。
「やはりやるみたいですね。ま、頑張りましょう」
背の低い男。最初に発言した男とは違う方の男が背の高い男にそう言う。そして自分のボールを手に取る。
海斗も陸也の態度を見ると、自分のボールを取り出した。
「久々だな…ダブルバトルなんて。しかもお前とだ」
背の高い男が傍らの背の低い男にそう呟く。背の低い男も
「そうですね。でも、やるからには勝ちますよ」
そう言うと、四人が一斉にボールを投げた
「行けー。ブリッツ」
「頼むぜ。岩里」
「カッ飛べ。グラエナ!!」
「頑張ってくれよ。ノクタス」
陸也のライボルト。ブリッツ。海斗のボスゴドラ。岩里。背の高い男のグラエナ。背の低い男のノクタス。
四匹のポケモンがフィールドに降り立つ。陸也と海斗のポケモンは、彼ら二人のポケモンと戦うのは当然のごとく初めてである。
「ブリッツ。グラエナに攻撃。ノクタスは海斗に任せておけばいいよ」
ブリッツが頷き、グラエナに近づいていく。
「グラエナ。お前はあのライボルトとだ」
グラエナも頷く。二体のポケモンはじりじりと着実に距離を縮めていく。
多少の牽制を交えながらもまだ大きい攻撃は放っていない。
「ブリッツ。十万ボルト」「グラエナ。噛み砕け!!」
二人がほぼ同時に声を出す。ブリッツが十万ボルトを放つが今までグラエナが居た地面を抉り取っただけで、グラエナには当たっていない。
グラエナが横に回りこみ、白銀に煌く牙を露にし首筋を抉り取ろうとした。
その瞬間ブリッツが後ろステップからグラエナの白銀の牙をかわした。
「ブリッツ。電撃波」
ブリッツが体内から放電し、柱のように何本も電撃を出して攻撃する。
背の高い男は、かわせ!!と言ったがさすがに全て避けきることは出来なかった。
数発がグラエナに命中した。そこに隙が出来た。電撃で動きを制限された瞬間に陸也はもう一つの指示を出していた。

11 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/21(Tue) 22:02:14 ID:0/uTdWJU
【第二章・ポケモン研究所】
第六話:ダブルバトル・中編之弐

「ブリッツ。動けないところに十万ボルト」
動けないグラエナにブリッツの十万ボルトが直撃した。
電撃波の威力の後遺と重なって十万ボルトで倒れた。
「あっちゃー。隙を突いて十万ボルトなんてな…」
背の高い男が頭を掻く。
「海斗。後は頑張ってね。まず草タイプとは相性悪いんだよね…。春眠」
海斗が陸也の言葉を聞く。こんなんじゃダブルバトルじゃないだろ。と言いながらも陸也のほうに向いて、軽く頷いた。
岩里とノクタスもいきなり重い一撃を出すような動きは見せない。隙を着いて攻撃する気だろうかトレーナーは険しい顔である。
「隙を見つけているときが一番隙がありそうだ。…岩里!!切り裂け」
巨大な体型。全身に纏われた鋼の鎧。動くようなタイプに見えないボスゴドラのいきなりの先制攻撃。
しかも、かなり素早く、それによって二つも驚かされた。
「よけろ。ノクタス」
多少焦っていただろうか苦し紛れの作戦といってもいいだろう。
しかし、ノクタスは何とか爪の一撃を避けた。まぁ海斗が言うにはわざとはずせと言ったそうだが。
爪は空を切るものの、岩里も海斗もいきなりの奇襲で避けられた割には全く驚いていなかった。
「見事なはずし方だね」
傍らで見ていた陸也も呟く。
「ノクタス。ニードルアーム!!」
ノクタスが腕を押し出すように突っ込んでくると海斗は
「ボスゴドラ、鉄壁だ」
ボスゴドラはニードルアームに対して非常に硬化した腕をぶつけた。凄い音が鳴り響いた。
ノクタスはニードルアームを放ったときの反動と鉄壁との激突で後ろに仰け反った。
「こうなったら…。ノクタス!!砂嵐!!」
「良いの?そのノクタスも喰らうんだよ?」
陸也が、非常に興味深い物を見るような目でノクタスのトレーナーに言った。
すると、背の高いグラエナのトレーナーが
「あれがあいつのやり方だ。ノクタスは砂隠が出来るからな。自分は喰らうが肉を切らせて骨を絶つ。ッて奴さ」
「指南有難うね。おっちゃん」
陸也のその言葉に背の高いトレーナーは笑った。
「おっちゃん。か…いや、これでも二十歳だけどな…」

「ノクタスの砂隠で攻撃をかわして隙を突いて倒すと言う戦法か…。ま、お前のノクタスがそこまで耐えられるかな?」
海斗は、不敵な笑みを湛えている。

12 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/21(Tue) 22:05:31 ID:0/uTdWJU
【第二章・ポケモン研究所】
第七話:ダブルバトル・後編
「それを耐えられるようなポケモンさ。俺のノクタスは。今までその戦い方を貫いてきたんだ」
二人の対話の最中でも砂嵐はどんどん強くなっていく。ブリッツと陸也はそんな中で寝ていたのだからある意味で度胸がある。
「ノクタス!!ミサイル針」
両腕を前に構え、大量の針を前に向かって飛ばした。
「弾き落とせ!!岩里」
砂の中からミサイル針の群れが飛んできたが、防御体勢を取った岩里が両腕でミサイル針を全て捌いた。
鉄壁の腕の力に負けた針は全てが地面に落ちた。
「そんな柔な攻撃じゃ俺の岩里は落とせない」
相手のトレーナーに対して言う。
すると、そのトレーナーも
「こんなんだけじゃない。まだまだ終わるわけには行かないよ」
何故かこんな時でも不敵な笑みを見せている。不気味と言うよりも何か策があるのだろうと感じた。
いや、自棄になられて笑われると見ている方が辛くなる。
「ノクタス。草笛」
指示と共にノクタスが草笛を鳴らす。音色は澄み切っていて、響いていた。
「頼むから眠ってくれよ…」
先ほどの不自然な笑みから一転。顔が明るくなった。
願っての通り、眠ってくれた。チャンスが一気にピンチになってしまった筈だった。

「ノクタス!!爆裂パンチ!!」
相手トレーナーは叫んだ。このチャンスを得なければそのままズルズルといってしまう。
―――しかし。今度は海斗が不敵な笑みを見せた。
「―――?」
相手のトレーナーは逆に驚いた。その瞬間、海斗が指示を出した。
「狸寝入りはそろそろ終わりだ。岩里!!鉄壁から両腕で爆裂パンチを止めろ」
いきなり岩里が構えた。両腕を顔の前で交差させて力を入れた。
腕の白銀の色がどんどん強くなり、光を跳ね返すほどになった。
そこに爆裂パンチがあたった。撃ったノクタスも命中時の腕との激突の反動で後ろに吹き飛んだ。
「何ッ…ならもう一発放て!!」
ノクタスが体勢を素早く立て直し腕に渾身の力を込めて放った。
岩里は今度は防御の体制は取らなかった。
「こっちも。止めだ岩里。地震!!」
ノクタスの拳が命中する寸前にその力で岩里が大地を揺るがせた。
ノクタスはバランスを失って後ろの岩に叩きつけられた。 誰が見ようと戦いが終わった。

13 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/21(Tue) 22:07:58 ID:0/uTdWJU
【第二章・ポケモン研究所】
第八話:戦い終わって
「あっちゃー。あいつもやられちまうとはな」
グラエナのトレーナーが頭に手を当てる。
巨大な音のせいかそれとも十分な時間睡眠をとったのか陸也が起き出した。
「フワー。あれ?もう終わっちゃったの?」
あの二人が可哀そうになるぐらい緊張感の無い声だった。
「もう終わったさ。いや、そんなことよりも体の砂粒は何だよ」
海斗が寝起きの陸也に質問する。
「え?いや、寝てただけだよ?」
陸也が至極真っ当の様に答える。
「はい!?あの砂嵐の中で?」
今までは口を閉じていたノクタスのトレーナーがいきなり口を開けて叫んだ
「え?何か危険なことでもあるの?あのね、僕をなめちゃいけないよ。
震度七までだったら起きない自信がある」
そのまま死ぬから起きれないけどな。という海斗の呟きも無視して陸也が答えた。
ある意味面白いと言えば面白い。
「でもさ。あの勝負は凄かったな。いや、ノクタスも、俺のグラエナもやられたけどな」
「え?後の勝負って何?」
「少し黙っていてくれ。陸也」
陸也のセリフに海斗が陸也のこれからの発言を止めさせた。
「ま、いい勝負だったし。しかし。あのボスゴドラは怖いな…」
ノクタスのトレーナーが呟く。
背の高い方のトレーナーも
「そうそう。あの体型であのスピードは怖いな」
と呟いた。
海斗が二人に
「じゃあ、俺達はそろそろキンセツに行きたいと思います」
と言い、又寝ていた陸也を起こした。
「もう出発するの?せっかく眠ってたのに」
と、陸也が海斗に言う。
「早く出発しないとミシロまで行けないぞ」
海斗が陸也にそう言う。
「じゃあ、君達も旅を頑張ってな」
背の高い男にそう言われると、二人が芝生に置いてあった自分のリュックを手に取った。
「じゃあ。キンセツまで行きますか」
海斗がキンセツの方向を見つめている。
と、二人はキンセツの方向へ歩いていった。
あの二人とは反対のルートに。

14 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/28(Tue) 19:22:28 ID:f4vTeews
【第二章・ポケモン研究所】
第九話:キンセツ行脚 ごめん・・・正直言って、嫌です
「さすが大都市キンセツ。美味しそうな物が並んでるね。色々買って食べたいなぁ」
キンセツに入って数時間。色々な食べ物が売っている商店街で陸也が感嘆の声を挙げた。
「まぁ、色々買ってすぐにミシロに向かわないといけないぞ」
海斗が、このままずっとここに居そうな陸也に発言した。
「じゃさ。買っていくのは?」
「いや…。金…無くならない?」
その一言で饒舌な陸也が口をつぐんだ。
「まぁまぁ、早く買う物買って行こうよ」
陸也が先程とは百八十度真逆のセリフを言った。

日がほぼ真上に上がった。時間にすると午後二時ごろである。
「ま、買う物も買ったしそろそろこの街を出ようかな」
海斗がそう言った。まぁ町の中心部から海方面への出口へはかなり遠い。
嗚呼哀しき哉大都市の運命。と、でも言うべきか。
二人はゆっくりと歩を進めて三十分ぐらいしてやっと街の出口に着いた。

街の外、ポケモンも大量に居る草むらの近くを歩いているといきなり陸也が質問してきた。
「海斗はいろいろ缶詰とか携帯食糧とか買ってたけど…あれの材料って何?」
一番もっともな質問である。そして、突拍子の無い質問でもある。さすがにポケモンを食べるなんか考えたくも無い。
「さぁ…一応牛肉って書いてあったけど…。真っ当な牛肉であって欲しい」
「例えば…。よくサファリゾーンに居る猛牛とか」
「考えたくも無いな」
陸也のセリフに対し海斗が呟いた。まぁ当然と言えば当然であるが。
「いいや、それだと判明した瞬間海斗の晩御飯になるから」
「一切れにつき十発叩く。それぐらいが妥当」
「正直言って、嫌です」

二人が話しているうちに草むらが切れ、舗装されている道に出た。結構向こうには湖が見える。海斗の補足によればこの湖も海と繋がっているらしい。
左側には高い―――さながら高速道路のような舗装されていると思える道が見える。
この道路には無数の橋脚があり海にも橋脚が浮いている。
「やっぱサイクリングロードの方が良いかな…。歩いてあんな草むら行くのも時間掛かりそうだし海もポケモンに襲われそうだからな」
「それが良いと思うな。最近思いっきり自転車で走ってないしね」
陸也も同意する。サイクリングロードと呼ばれた高速道路の前に建物があった。
いわゆる詰め所と同じような物であろうか。
中には一人人間が居た。椅子の背もたれにもたれかかり顔には先程まで読んでいた痕跡がある新聞を載せていた。

15 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/28(Tue) 19:44:58 ID:f4vTeews
【第二章・ポケモン研究所】
第十話:審査官
「すいません。サイクリングロードを使用させていただきたいんですが」
すると、多少寝ぼけた様子で、審査官らしき人間がその新聞を取って、二人のほうに体を向けた。
「……あ、あ、サイクリングロードの利用ですね。どうぞどうぞ。特に審査なんかありませんからね。あ、一応言うと自転車持っていないといけませんよ。フヮー」
「それは分かっていますし自転車も持っていますけど…。ここでどんな仕事を?」
海斗が審査官に質問をした。
「実は…ある意味でここだけ閑古鳥が鳴いていますよ」
「へ?」「何故?」
審査官の言葉に驚きを覚えた二人がほぼ同時に質問をする。
すると、審査官が
「いやぁ。トライアスリートたちは大抵一週間の食糧を買い込んで泊りがけですから。まぁ人が来ると言えばたまに食糧を買いに行くときだけですよ。下の方がもっと閑古鳥が居るかもしれませんね」
審査官がフッと笑いながら言った。
「まぁ泊りがけで来ているトライアスリートさんも大変だね。一年の殆どが合宿じゃん。いつ大会なのかも」
陸也がそう言うと
「正直僕もそう思うよ。いや、こんなことをやったって大会が起きた。とか大会のためにここから出て行く人なんか見てないからね」
「でもさ。話を最初に戻すとどんな仕事しているの?」
陸也が話を最初に戻し、再度質問をした。
「悪いね。仕事の事聞かれて閑古鳥やらトライアスリートやら。んで、仕事の内容は出る人と入ってくる人の自転車の有無についての質問と。……あったっけかな……いや、それだけだね」
「こんなことを毎日やっているんですか。…辛そうですね」
海斗が審査員に呟いてみる。審査員も自虐の念で自嘲していた。
「辛いって言ったって、君たちのように時たま来てくれる旅人や食糧の買出しに言った人との話は良く盛り上がるよ。時間も潰せるし、色々な話も聞けるから」
「なるほど、話題には困りませんね」
「やっぱいろいろな話聞く方が良いんだ。でも、暇すぎて」
二人が審査官に言う。審査官も軽く頷く。
「じゃあ、僕たちはそろそろ行くから」
陸也が審査官に言った。再度頷き、出ようとする二人に恭しく礼をした。

16 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/28(Tue) 20:00:26 ID:f4vTeews
【第二章・ポケモン研究所】
第十一話:『閑古鳥の止まり木』
「結構気持ち良い。風は強いけどな」
自転車。―――マウンテンバイクのようで、赤と銀の混じった色のフレームのマウンテンバイクに乗った
海斗が呟く。陸也も自転車の上で頷く。
ミナモシティの方から潮風が吹きつける。気持ちの良い潮風で適度に暖かみも持っていた。
「よし。素早く降りようか」
自分の頭に手馴れた手つきでヘルメットを付け終わった陸也が海斗に言った。
「よし。こんな所でゆっくりするわけにも行かないしな」
海斗もヘルメットをつけ終わりると、陸也がいきなり
「んじゃ、お先に」
自転車を走らせた。坂道でしかも追い風と言うこともありかなりのスピードである。
五秒ほど置いていかれた海斗が地面を蹴り自転車を走らせた。

「やっと着いたけど…海斗はまだかな…」
陸也は先程まで一気に下ってきた道を見た。
出発時の差がかなり広がり二十秒ほどして海斗が来た。
「やっぱり。遅いよ海斗」
「お決まりの言い訳セリフ。俺はダートだ」
「関係ないね」
陸也に、遅い。という指摘をいきなり喰らった。とりあえず、お決まりの言い訳で答えておく。
人間一つは天賦の才というのを持っているのだろうか。自転車での移動はかなり上手である。
こればかりは劣等感―――いわゆるコンプレックスよりも、まずその才能に対して凄い物だと思った。
まぁ自転車についてなどはどうでも良い。早くオダマキ博士のところへ向かいたい。
二人は早く出ようとした。しかし目の前にはここに来る時と同じ建物がある。
これが、あの『閑古鳥の止まり木』であろうか。
二人がドアの前に立つ。自動ドアらしく勝手に開いてくれた。
開いた『閑古鳥の止まり木』に二人が入る。
と、同じ位置の机にある椅子に座りながら体を机に倒れさせている一人の人間が居た。
「あっれー。あ、兄さんの言っていた。『お客さん』ですね?」
先程まで『閑古鳥の止まり木』のなかで夢うつつだった審査官が声を挙げる。
「ちなみに、兄さんって言うのは向こうに居る審査官の人。二人で審査官やっているんだよ。旅人の話とかをメールで送ってもらって、来た人にさっきみたいなセリフを言う」
聞いても居ないことをペチャクチャと喋られたが、短縮のためにはいいかもしれない。
すると、陸也が、
「んじゃあ僕たちもそろそろ行きますね。面白い話も聞けたし」
『閑古鳥の止まり木』も―――なかなか面白いようだ。

17 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/28(Tue) 21:15:42 ID:f4vTeews
【第二章・ポケモン研究所】
第十二話:虚しいですよ。そりゃねえ
「ここが湖。結構広いね」
マウンテンバイクから降り、自分の手でマウンテンバイクを押している陸也が呟いた。
「そうだな、まぁ湖が小さかったら池じゃん」
海斗が陸也に対して答える。
「でもさぁ……どう渡れと?まさか、嫌味ですかい?」
陸也が思いっきり海斗に疑問をぶつける。
陸也は波乗りなどの類を覚えたポケモンを持っていない。
「いや……鳥ポケモンとかで飛んでいくとか。少なくとも、嫌味じゃごぜえませんから」
さすがに陸也の喰いかかりそうな表情に海斗も押され、答えを言うのにも困っていた。
「……そう、鳥ポケモンね。出て来い駿翼」
陸也が海斗の答えに頷き、自分のモンスターボールからポケモンを出した。
駿翼と呼ばれたポケモンはオオスバメで、陸也に従順である。
「まぁ、俺はギャラドスで行くから」
海斗が自分のモンスターボールを手に取る。
中にはギャラドスが入っているらしい。
海斗が湖に向かってボールを投げる。すると、中からギャラドスが出てきた。
そのギャラドスに海斗は乗り、向こう岸へと向かっていった。
「うっわー、気が早いな。自分は水タイプを持っているからって…。そうですか、一人の博士のために海を越え湖を越え……。ってね」
陸也が独り言を誰にとも無く呟く。しかし、自分で、虚しい。と言うことに気付きすぐに出発することにした。
「……虚しいですよ。そりゃねぇ」

二人はほぼ同時に向こう岸まで着いた。
「さすが速いね、すぐ着いたよ」
陸也が海斗に対して言う。海斗も、速いな。と言う。

「あれ?貴方達、どうかしましたか?こんな湖を渡ってまで」
いきなり近くから声が聞こえる。
二人は周りを見回すが二人のほかに人間と見受けられる物は見えなかった。
すると、いきなり丈の長い草だらけの草むらがガサガサと揺れ、中から人間が出てきた。
「驚かしてすいません。まぁこんな草から人間の声が聞こえたって分かりませんよね」
「いや…まず、君は誰?」
海斗がその少年に対して質問をする。すると、
「ボクはオダマキって言うポケモン博士の息子で、ユウキって言う名前です。こんなところまで来たって言うことは父に用があるんですか?」

18 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/28(Tue) 22:15:21 ID:f4vTeews
【第二章・ポケモン研究所】
第十四話:オダマキ博士
「ありがとうございます、お二人さん。じゃあ父のところへ行きましょうか」
ユウキの先導で巨大な建物へと入っていった。
「父さん、ただいま」
ユウキが研究所のドアを開けていきなり口を開く。
すると、奥でゴソゴソと何かを探していた人間がこちらの方を向く。
「おお、ユウキ、帰ってきたか。それと、後ろの二人は?」
白い上着にジーパンを履いている。
なかなか活動的といった感じの服装である。
白い上着も所々に草の青い色や土の色が着いている。
ジーパンも同じである。
「今さっき103番道路で会いました。二人ともキンセツの方から来たらしいです」
「ああ、君達は陸也君と海斗君か。また二人で何処かへ行く気かい?」
オダマキ博士が二人に質問をする。
すると、陸也が
「はい、今からマグマ団とアクア団のところへ…」
すると、海斗も
「マグマ団とアクア団を止めに行きます。んで、オダマキ博士にはマグマ団とアクア団について訊きたくて」
すると、オダマキ博士が二人に椅子を勧めた。
二人は礼をして椅子に座った。
「まぁマグマ団とアクア団について話そう。彼らは犯罪を行っている組織、っていう噂があるのは…知って居るね?」
オダマキ博士が質問をする、海斗が軽く頷く。
「まぁ犯罪って言ったってマグマ団の報告しかないわけだ。んで、マグマ団が居るところにアクア団が居る。その定義からアクア団とマグマ団がセットになったんだ。いや、悪の組織としてね」
「んで、マグマ団の首領はマツブサ。ポケモンの腕もなかなかのようだが、味方が多いためにホウエンの自治体も手を出せない集団だ。対してアクア団は首領アオギリと数名の幹部、あとは数百人の兵士での少数精鋭の部隊だ」
オダマキ博士が少し文を切る、そして再度喋り始める
「んで、数の上ではマグマ団の方が有利だ。兵士が千人ほど居るからね。アクア団は三分の一ほど、戦ってどうなるかは分からない。でも、グラードンとカイオーガのどちらかが復活してしまったらこの世のバランスが取れなくなり大変なことになる」
オダマキ博士が喋るべきことを全て言い終わったような顔で息をつく。
そして、海斗が話そうとした瞬間。
ぴんぽーん。
と、気の抜ける電子音が建物中に鳴り響いた。
【第二章・ポケモン研究所】完。

19 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/28(Tue) 22:16:56 ID:f4vTeews
【第三章・盟主アオギリ】
第十五話:いきなりの客人
「はいはいはい。どなたどなた?」
ユウキが受けでも狙っているような言い方で壁の向こうの人間に質問する。
インターホンでユウキが外を見る。
外に居たのは二十歳前半ぐらいの青年で肩にまで付く黒髪を持っている。
「貴様。ここがポケモン博士オダマキの研究所と知っての行為か」
インターホンに向かって叫ぶ。
オダマキ博士は頭を抱えている。
陸也と海斗は笑っていた。
するとインターホンの向こうから
「それは心得ています。ちょっとマグマ団からかくまって頂きたい」
相手がユウキに向かって目的を告げた。
ユウキは、あれ?乗ってくれない、と言っていたがそこは無視する。
「カイナ辺りからここミシロまで逃げてきました、用件はマグマ団からかくまっていただきたいんです」
ユウキが了解してドアを開けた、中に入れるまでかなり時間が掛かった。
いきなり中に入ってきた人間が声を荒げ叫ぶ。
「助けてください。マグマ団に追われています」
息も荒くなっているその青年に向かってユウキは
「貴方の精神に負けました……。今までは負けたこと無かったのにな……」
と呟いた。
「へ?何の事……?」
青年は顔を上げてユウキに言い返す。
「アハハハハ……」
ユウキは引きつった笑いを見せる、陸也はまともに笑っている。
オダマキ博士の口から、馬鹿息子という言葉が漏れた気がするのは気のせいだろうか。

20 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/28(Tue) 22:19:15 ID:f4vTeews
【第三章・盟主アオギリ】
第十六話:襲撃者と盟主
「それで…君の名前は?」
オダマキ博士が本題に話を戻そうとした。
「ああ……僕の名前ですか?いや、聞いても……驚きませんか?」
青年が訝しげに質問する、オダマキ博士は、驚きませんよ、と言った。
「別に俺も、驚くようなことはありません」
海斗が青年に向かって呟く。
「んじゃあボクも気にしないようにしようかな」
陸也が青年に向かって言う。
「僕の名前は、アクア団盟主、アオギリ」
その場の人間が驚く前に窓ガラスが音を立てて木っ端微塵に砕け散った。
入り口付近の窓ガラス全てが音を立てて最初のガラスと同じように脆くも崩れ去る。
「物陰に隠れて、伏せて!!」
自分をアオギリと呼んだ青年がその場の人間全員に指示する、
ガラスを砕いたと思われる弾丸が絶え間なく飛んでくる、弾丸は鉛の弾丸で、鉄砲の弾らしい。
撃つ時も鉄砲のような音がする。
物陰に伏せたオダマキ博士がアオギリに質問する。
「貴方がアクア団のアオギリですか?どうももうちょっと年齢が高いと思っていましたが」
「これでも一応アクア団の盟主です。しかし、こんなに絶え間なく鉄砲を撃たれては進めないですね」
アオギリが呟いた。
陸也は海斗に
「まったく……武田騎馬隊もビックリするね」
という。が、海斗は良く分からないみたいである。
ユウキは、いい友人になれそうだと呟いた。
アオギリが、腰に佩いている鞘を見せ、合図した。

21 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/29(Wed) 11:00:45 ID:47ql6mK2
【第三章・盟主アオギリ】
第十七話:無謀な人間
「こうなったら……奴らを止めてきます」
アオギリが本棚の陰から飛び出す、弾丸は人間を燻し出すためか高めに浮いている。
窓のところからは弾丸が絶え間なく放たれているが、弾丸は窓の無い硬い壁は貫けないらしく、硬い壁のところまで気付かれないように行った。
窓からは射手が見える。長いマシンガンのようなものでこちらを狙っていた。
弾丸が止まった瞬間窓ガラスのところから飛び出した。
「射撃は止めてくれよ」
アオギリが一人の射手に呟いた。
アオギリを狙い、弾丸を叩き込んで撃とうとしたが、その銃をアオギリの刀に叩っ斬られた。

陸也の方は、
「うっわー。刀対機関銃だ。大丈夫かな、アオギリさん」
緊張感も無いような声で外を覗きながら呟いている。
オダマキ博士は、助手に命じて、アイスノンを持ってこさせて、
額に乗せている。

アオギリが機関銃の弾丸が飛ぶほうの反対側にステップで避けた。
弾丸を刀で少し弾き、また横の草むらへ逃げた。
「ちっ…逃げてないで出てきやがれ」
銃を持った人間がアオギリに叫ぶ。
アオギリは銃を持った人間が向いている方の右斜めから飛び出し、先程のように機関銃を切り裂いた。
機関銃の先を見て驚愕し、腰が砕けた、そこにアオギリが追い討ちで。
「今から帰るのならば危害は加えない。だが、まだ抵抗を続けるのならば先程の機関銃のようになるぞ」
低く、冷たい威圧の声に畏怖して追って来た一団は今来た道を帰っていった。

22 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/29(Wed) 11:03:07 ID:47ql6mK2
【第三章・盟主アオギリ】
第十八話:真実・前編
「あれ?あの特攻隊は帰っちゃったの?でもさぁ、銃刀法違反でいつ捕まるか分かったものじゃない」
陸也が冗談とも思えないようなセリフを言う。
「まぁ、"あいつら"はしつこいから又来るだろうけど…。場所がばれたんじゃ困るな」
アオギリが自分のジーパンのポケットから手袋を取り出しつつ呟いた。
すると、又オダマキ博士が
「でしたら……貴方がアクア団の首領なのでしたら私よりも遥かに二つの集団の戦いと言う物が分かるでしょう?」
アオギリは四人の方を向き、頷いた。
そして、先程とは違う雰囲気で口を開いた。
「僕は…いや、僕達アクア団は……マグマ団が出て来て、そのマグマ団を止めるための組織です。もとはポケモントレーナーの集団で、皆がマグマ団を止めるために集まった善良な集団です。
……自分で言ったって善良かどうかなんて信じないと思いますがね。んで、トレーナーの集団のなかの投票で僕が盟主に成るという事になったんです」
海斗は椅子に座りながら前を向いている、ユウキも背もたれに体を委ねながらも前を向いている。陸也は案の定半分寝ていた。
多少話を止め、再度アオギリが話し始めた。
「僕達アクア団は、マグマを止める。と言う意味での名前なんですよ。止めると言ったって止められるか分かりませんけどね。んで、僕達が悪者扱いされる理由は…
マグマ団の犯罪を止めるために踏み込んで、こっちもただの悪人に……」
すると、ユウキが
「何と言うか……何?自業自得?よく分からないけど」
すると、アオギリが
「まぁ、闇に勝つためには闇に成り切らないといけないからね。でも、犯罪だけはしたことは無いよ。弁護もしたことは無いけどね。マグマ団を倒してからじっくりと弁護したいと思うよ、ポケモントレーナーとしてね」
すると、オダマキ博士が
「こんなことを聞くのもなんですが……今の貴方達にマグマ団を止める自信は有りますか?
兵器の動員までされているけど」
と、一番大事なことを質問した。

23 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/29(Wed) 11:07:24 ID:47ql6mK2
【第三章・盟主アオギリ】
第十九話:真実・後編
すると、アオギリは軽くだけ頷き、
「何とか自信は有ります。下っ端は全く戦力に成らないらしいです。人海戦術と、マツブサと数十人の幹部の力によって成り立っている、あるいみでバランスが取れている集団です。
マグマ団に人間は千人ほど居ますが…戦力は百人程、その他は武器を使っての各地の強襲が役目です」
「マグマ団は武器の作成などもしているようです、ポケモントレーナーとしての能力が無くても、武器を持てば恐ろしい人間って言うのは居ますからね。カナズミのデボンと言う会社も襲われたようです」
アオギリが、二回に話を分けて、オダマキ博士に対して返答した。
オダマキ博士は、
「なるほど……。よし、ユウキ。行って来なさい」
「……。へ?」
目が丸くなり、怪訝そうな顔でオダマキ博士のほうを向いた。
「海斗君と陸也君はマグマ団を倒すために旅をしているそうじゃないか、お前も付いて行きなさい」
するとユウキは
「了解。じゃあ、これから旅の仲間だね」
と、あっさりと答えた。
「うんうん、銃刀法違反の現行犯でいつ捕まるか知れないけど、オダマキ博士の後ろ盾があれば何とかなるって」
と、陸也が言うと、ユウキは多少たじろいだようだった。
「ふ……僕の役目は後ろ盾ですかね、。あ、そうだ。ユウキ、どうせ遠くに行くんだからポケモン調査とか色々と頼むぞ」
と、空のモンスターボールがたくさん入ったボックスを渡された。ボックスを受け取り、肩に襷掛けした。
陸也、海斗、ユウキ、アオギリの四人はオダマキ博士の研究所を出た。
「陸也君、海斗君、ユウキ君。君達、僕と一緒に行かないか?さすがにこっちも戦力不足で辛いんだ。君達だったら信頼できそうだからね」
海斗がアオギリに頷く。すると、陸也も頷き、
「分かっているしょ?さっきの話の具合からね」
「よし、じゃあ行こうか。まずはカイナシティだ」
四人はカイナへ向かった。何が起こるかも知らないけれど。
【第三章・盟主アオギリ】完。

24 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/29(Wed) 22:28:19 ID:47ql6mK2
・・・あれ?13話抜いたみたい・・・鬱。
やけに話つながっていないからおかしいと思ったら・・・
ちょっと直しているうちに勘違いしたのか・・・。
ということで、
【第二章・ポケモン研究所】
第十三話: 何なんですか?あの人 いわゆる、命知らずの馬鹿
ユウキと言う少年が二人の目的をピタリと言い当てた。
「俺たちの目的はオダマキ博士に会いにくるって言うこと、んでオダマキ博士に会いたいんですけど」
海斗がユウキに自分達の目的を告げた。すると、
「では、今から父親の所まで行きましょう。もう捕まえる物も捕まえましたし」
ユウキが近くのボックスを肩に掛けた。よっ。と短く言い立ち上がった。
「じゃあ、行きましょうね」
肩に掛けたボックスを自分の自転車の前籠に入れた。
「んじゃあ、僕達も自転車で行こうか」
陸也が海斗にそう伝え、海斗も自転車を出した。
「ボクはいくらボックスにモンスターボールをたくさん容れてるって言ったって結構自転車には自信が有りますよ」
ユウキがそう言ったが、聞いていたのは海斗だけで、陸也はとっくに行っていた。
「ッて……何ですか?あの人……」
ユウキが目を丸くして、怪訝そうに海斗に訊ねた。
「ああ……"あれ"ね。君がいくら……少なくてもトライアスリートくらい速くても勝つのは無理だと思うよ、
前なんて急な坂道をスピードを全く緩めず突っ込んで無傷だったし」
「いわゆる……命知らず。なんですね」
「その後ろに馬鹿がつく。命知らずと戦争好きな馬鹿。まぁ、俺達も早く行かないと大変だよ」
海斗の正当な意見にユウキも納得し、
「そうですね、じゃあ行きましょう」
と言った。

その頃、陸也の方は
「ひゅー、風が気持ちいいね。あれ?あの二人は?」
陸也が二人のことに気付き、自分の自転車を止めた。
しかし、それも多少して考えるのを止めた。自分の目に銀色のフレームのゴーグルを着けた。
そして、又出発した。

「全く、陸也は何処へ行ったんだか…」
海斗が呟く、ユウキも頷いた。
二人もコトキタウンに着いた。二人はそこでちょっと休み、また出て行った。
そして五分ぐらいするとミシロタウンに到着した。
ミシロタウンの入り口には陸也が立っていた。
その陸也に対してユウキが呟く
「速いですね……いや、何と言うか…」
「まぁ、そっちは良いとして。俺達二人の自己紹介をしよう」
海斗がこれ以上陸也のへの疑問を広げさせないようにした。
「そうだね。ンじゃあボクから、ボクは如月陸也、これでも一トレーナーなんだよ。大好きなのは自転車」
陸也がユウキに言う。
次は海斗が
「俺は星野海斗、取敢えず今紹介するようなことは無いかな」

ということで、メモ帳から写す恐ろしさを知ったような一日。

25 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2004/12/29(Wed) 22:31:48 ID:47ql6mK2
【第四章・ファーストコンタクト】
第二十話:レジスタンス
「アオギリさーん。何でカイナシティなの?」
陸也が怪訝な顔をしながらアオギリに訊ねる。
「ああ、カイナシティには各地に潜伏している仲間のアジトがある、いや、勿論僕が仲間を連れて来て作ったんだけどね」
すると、海斗が
「でも、人数を分けるということは危険じゃありませんか?一斉に攻められたら終わりでしょう?」
と、アオギリに言う。
「いやぁ、さっきも言ったとおりにマグマ団の人数は号して1000、その中で使い物になるのは多くて100ぐらいだから。兵力を裂いたって何とかいけるんだよ」
アオギリが話を止め、また言い出す。
「だが……。その100が問題だよ。まぁ、底辺とか三段目辺りの80人位は何とかなるけどその上の20人の軍団がかなり強い。まぁ、もっぱら噂じゃ5人の幹部を残して15人の軍団は本部にいるらしい。
本部はカントーにあるし、連絡の方法も無いとかね。カントーの自治体に動きを止められているからいくら頑張ってもこちらへは来れないだろうね」
「でもー。5人の幹部は十分に強いんだよね」
アオギリが軽く頷く。
又長い話を切り出す。
「5人の幹部は実力的には十分で、ジムリーダーとかを動員してやっと止められたりするんだよ。まぁ、幹部もマツブサと一緒にホウエンの本部に居るんだよね。その残りの80人が戦いを担当する。
その他の900人は人海戦術のためだな。色々建設とかしてるけど」
海斗が、又質問をする。
「でも、80人で十分なんでしょうか?いくらホウエンががら空きと言ったって……」
「そこら辺は大丈夫らしい…まぁ、銃で攻撃してくるような人間は止めようが無いからな」
と、ユウキを除く三人が話していると、目の前に湖が見えた。先程二人が越えてきた道である。
「っと…。湖だね、君達は向こうに行くためのポケモンはあるの?」
アオギリが先程とは逆に質問をする。
陸也と海斗はうん、と頷く。ユウキは首を横に振った。
「じゃあ、陸也君と海斗君は自分のポケモンでね。ユウキ君は僕のトドゼルガに乗っていこうか」
三人は頷く、すると、海斗と陸也は自分のポケモンを出して一気に渡って行った。

26 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2004/12/31(Fri) 18:13:08 ID:pfbqxDzE
【第四章・ファーストコンタクト】
第二十一話:レジスタンス・2
「あっちゃー。あれは速いかな……」
アオギリが呟く。が、自分のトドゼルガを湖に出した。
「はい、早く乗って。僕の前の方が良いよ、それだと支えてられるからね」
ユウキが怪訝そうな顔をしながらトドゼルガに乗る。
よく見ると、トドゼルガには何時の間にかつけられていた手綱があった。
アオギリが手綱を思いっきり握ると右手を思いっきり振り上げ、スタート!!と叫んだ。
と、一気にトドゼルガが恐ろしいスピードで水上を滑るように移動を始める。
上の二人は水に浸からないがトドゼルガはほぼ水面を滑っている。
ユウキは風圧のせいで後ろに吹き飛ばされそうになっている、アオギリはしっかりと手綱を握っているため、ユウキも支えている。
アオギリのトドゼルガが海斗のギャラドスと、陸也のオオスバメを見つける。
そして、三人が対岸に到着した。
「絶叫マシンは得意でも……ロデオはやったことないよ」
と、ユウキが愚痴る。
するとアオギリが
「まぁ、スピードがあって手綱と後ろの人間だけじゃ怖いねぇ。その立場だったら拒みそう」
と、呟いた。
「ちょっとー。アオギリさん」
「へ?何かあった?」
と、アオギリが声の主、陸也に訊ねる。
「いやぁ、向こうに何か大量に人が居るよ」
「え!?」
アオギリがその場所に近づいていく、陸也と海斗とユウキもついていった。

27 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2004/12/31(Fri) 19:59:02 ID:pfbqxDzE
【第四章・ファーストコンタクト】
第二十二話:レジスタンス・3
「おい、早く見つけろ。失敗すれば全員マツブサ様達に処分されてしまうんだぞ」
赤いフードを被った一団。傍から見れば怪しい新興宗教か何かである。
道行く人も、自主的に避けるか、指示している人に、近づくな、といわれるので、誰もそれが何かを追求しようとはしない。
服も赤く、ある意味で統一性の取れた一団である。
フードのせいで顔は分からないが、それを見たアオギリは三人と共に林の中に逃げ込んだ。
「どうしたの?いきなり林になんか逃げ込んで」
陸也がアオギリに言う。
すると、アオギリが
「いや……あいつらがマグマ団。カイナの近くのアジトが探されているらしいな」
林の近くには、秘密の抜け道のような洞窟がある。
が、いきなりマグマ団の一団が近づいてきた。
四人は逃げ込む前に見つけられる。
いきなりの鉢合わせでマグマ団も驚いたようである。
その隙に洞窟に入り、目の前の角を右に曲がる。
胸の辺りから拳銃を出したマグマ団の集団がいっきに突き当りの部分を拳銃で撃つ。
もとはアオギリたちが居たところだが、素早い判断で逃げられた。
さっき指示を出していた男は舌打ちをし、すぐに追う様に指示した。
突き当たりのところから、アオギリたちが逃げた方向に射撃をする。
そして、又追って行く。
「隊長、あいつらは何者なんでしょうか?」
隊長と呼ばれた人間の近くの青年が訊ねる。
「あいつらはアオギリと……その子供達は知らんが、アオギリだ。
こいつを捕まえれば俺達が秘密の入り口を探す必要も無くなる。勿論、あいつらを追って秘密の抜け道を探ってもいい」
と、隊長と呼ばれた人間が返す。

「くっそっ。秘密の抜け道を探されるのはいいけど、捕まるのは嫌だな」
後ろの弾丸にも気を向けながら四人の一番後ろに居るアオギリが呟いた。
四人は長い階段を降りる。階段を降りた先は下水道のような場所だが、異臭等は全くない場所だ。
追いかけてくる人間もしつこく、階段を降りた。
道が三つに分かれているために、三手に兵を分けてあたらせた。
左の道が当たりであった。アオギリたちをおう集団はまたしても拳銃を乱射する。
すると、いきなりアオギリの右手が後ろに真っ直ぐ伸びた。右手の拳銃から弾丸が発射される音が地下通路に響いた。
元が巨大な音だったので響くとかなりの大きさである―――を撃ってくる。
威嚇であろうが当たると困るので追いかけるスピードを落とした。

28 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2004/12/31(Fri) 22:21:22 ID:pfbqxDzE
【第四章・ファーストコンタクト】
第二十三話:レジスタンス・4
アオギリ達の方では。
アオギリが、
「全く、ドイツ軍に追われるフランスのレジスタンスの真似事なんて嫌だな……」
と、呟いた。
マグマ団の追っ手のスピードも落ちたので、背後まで追われることも無く五つに分かれている道の場所に来た。五つに分かれている道を左斜め前の道に進む。
ここまでがかなり長い道で、カイナシティの地下に良くこんな物があるなぁ。と、納得できるような道である。
そこをかなり進むと、分厚い扉があった。厚さが1mほどで、ミサイルをぶち込まれてもビクともしなさそうな厚い扉である。
その扉にパスワードを入れる、一つが開くと後ろが閉まり前が開き前をくぐればその扉が閉まり、と五つほどの扉があった。
「ふぅ……。ここまでくれば安心だよ壊そうとしたって壊せない。パスワードも複雑で解読できるかなんて分からない。
しかも、パスワードを入力したらマスターキーを差し込まないと開かない。マスターキーも複製できる代物じゃない。と……」
「しかし。アオギリさん、こんなクネッタ道がよくカイナの地下にありますね」
海斗が疲れているわりにいきなり気になったことを質問する。
「ああ、ちょっとずつ下に向かっていったりしているんだよ。まぁ、その分は今から登る階段で補うんだよね」
海斗が、疲れた顔をしながら頷いた。
「まぁ、あのアジトへはもっと近いルートがあったんだが……あいつらにばれない様に遠回りしてきたんだよな、普通だったら結構楽なんだよ」
ユウキは疲れて何も言わない、陸也も同じくである。海斗はまた頷いた。
「まぁ、あのアジトへは陸からじゃ入れないようなところだ。マグマ団は陸からしか攻撃しようとしない」
「んじゃあ、そのアジトへ行きましょう。アオギリさん、ユウキ、陸也」
二人を促し、アオギリが登ろうとしている階段に向かっていった。
恐らくは先程の地下の分を埋めるためだろうか、階段はかなり高かった。
皆が黙々と登る、と、蓋の様な者が見えた。恐らくは地上への道であろう。

29 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2004/12/31(Fri) 22:22:22 ID:pfbqxDzE
【第四章・ファーストコンタクト】
第二十四話:裏の真実
風景は何とかあるようだが、周りが不自然だし、林に囲まれている。まるで、近未来的な中から外が見えるドームのようだ。
芝生が敷き詰められていて、広さも適度である。目的の『アジト』とやらも見える。
「まぁ、ここに来るので疲れただろうし…いきなり動き出すのは辛そうだからこのアジトについて説明しようか?」
アオギリが三人に訊ねる様な口調で言う。
陸也はドン、と大の字になって芝生に寝る。ユウキも半分眠っていた。
「あ、気になりますから。教えてください、アオギリさん」
当然……と、言えば当然か―――。
アオギリは恐らくそのようなことを考えたであろう。
「まぁ……海斗君は聞いてくれるようだからね。海斗君だけでも知っておいたほうがいい」
「あの、アオギリさーん?」
「あ、ごめん。アジトの仕組みはね…長くなるけど、いい?」
海斗が頷く。
「このアジトはね……やけに豪華じゃん、マスターキーが必要な扉とか。
まずはアジトと関係ないけど『アクア団』について言おうかな。もともとはトレーナーの集団、って言ったけど、
実はこのアジトも他の場所にあるアジトも本国からの援助を受け、千人ぐらいの工作の集団によって作られたんだ」
「……?」
海斗が怪訝そうな顔をする。この人間は何を考えているんだ?なども思ってしまった。
また、アオギリが話を続ける。
「本国―――って言ったって、一地方だよ。まぁ、文明的にはかなり進んでいるけどね、もう外国との交流…いや、地方との交流って言うのが無いんだよ。
でも、来る物は拒まず。だから。んで、ホウエンに何故僕達が送られたかと言うと、カントーの近くの巨大な島みたいなところでね……カントーのマグマ団の威圧を受けたんだ。
さすがに軍隊攻撃を喰らっては辛いから、カントー自治体と同盟をして、ホウエンに行ったマグマ団を止め、そこにマグマ団が兵力を裂いているうちにカントーの軍団でマグマ団を鎮圧。
ま、机上の空論なるかもしれないけど。まぁ、アクア団の正式名称は『ホウエン地方マグマ団鎮圧部隊』そのために精鋭300が送られてきたんだ」
話を一旦止め、再度話し出す。
「まぁ、アジトの設営はさっき言ったように工作の集団で作ってもらったんだ。最上級の文明と自負してたからね、アジトは外から見ればただの一枚岩なんだよ、中からじゃ外が見える。
気付いたしょ?」
やっと海斗に訊ねる。簡単な質問であるが。
「ええ、外が見えましたが……外のマグマ団も気付いていないみたいでしたね」
海斗が答える。と、又アオギリが話し出す。
「そう、外から見ればただの一枚岩。んで、他のアジトに行くには、あの階段があるところは、他に分かれている道がある。そこから別のアジトへ行けるんだ」
「まぁ……そういう話は又今度聞きますよ。今言うと長くなりそうでしょう?」
「まぁ。うん、アクア団についてだけ聞いてくれただけで良かったよ」

30 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 13:50:24 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第二十五話:アクア団幹部・我修院涼哉
四人は芝生に寝転んでいる。異様な形の『ドーム』には、外からの光も差し込んでいる。
と、いきなり巨大な建物から人間が出てきたのが見える。
海斗はその影に気付き、寝転がっている体を起こして、建物の方向を見つめる。
と、その影がかなり近くまで近づき、いきなり呼び掛ける。
「アオギリさん、何してるんだい?こんなところで……」
上下に白のタキシードを着ているハンサムな人間がアオギリに問う。
「うん。……?って、涼哉。何やってるんだ?」
アオギリがその人間に、逆に訊き返す。
「え?この人アオギリさんの知り合い……って、このアジトに居るんだから……アクア団の人ですか?」
この、涼哉と呼ばれた人間に、海斗も訊く。
「うん?俺はどちらへ答えればいいのかな?まぁいいや、隊長の場合よりも珍しい客人に答えないと」
と、その人間が言う。
「俺はアクア団幹部でアクア団の突撃隊長、我修院涼哉。その通りに、アクア団の人間だよ」
と、海斗へ答えた。
「おっと、隊長にも答えないといけないのか……。いやぁ、隊長は俺がキンセツに行ってたらいきなり居なくなるんだからね」
と、アオギリが不服そうな顔をしながら返す。
「僕はついで……かい?」
そのアオギリのセリフにも
「まぁまぁ、どうせ隊長のやることなんてマグマ団に追っかけられることばっかでしょう?それよか……キンセツで魚を釣ってきたから昼飯にしましょう」
と、涼哉は軽く答える。
「そうか……そんなこと言うんだったら、追い掛け回されることのつらさを、身をもって教えさせてあげようか」
と、アオギリは、拳銃を取り出して、かけてあった安全装置をきった。
と、涼哉は、両手を挙げて首を横に振っている。
すると、アオギリが話題を変えて
「うん。まぁ、そろそろ昼飯にしようかな?陸也君と海斗君も食べていくしょ?」
何時の間にか起き出した陸也は頷く。
海斗も、お願いします、と言って結局ここで昼飯を食べていくことにした。
「そう来なくっちゃな。隊長、昼はバーベキューにしますけど――肉、ありましたっけ?」
「うん、確かでかい冷蔵庫に大量にあったはずだよ。しっかし……なんでキンセツに行ってたの?」
アオギリが訊ねた。

31 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 13:53:27 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第二十七話:昼食時
「うん……まぁ、後で答えますよ」
涼哉が受け流すように答える。
そして、また建物の方へ戻っていった。

「これぐらいで良いかな?隊長」
ビニール袋五袋ぐらいと、クーラーボックスを持って来た。
ビニール袋は見事に赤く染まっている。
そして、アオギリたち四人を促して、建物の前までまた行ってしまった。
「もう用意はできているんですよねぇ」
四人が建物の前のバーベキュー用のコンロの前の椅子に座っている、
涼哉は大きい金網の上に、釣ってきた魚を置いた。
そのうちに、何時の間にか取ってきたでっかいボールにドバドバとタレを入れる、
その中にビニール袋の中の肉を全て入れた。
「ああ……何か……おいしそうな匂いがするね」
先程まで殆ど休んでいたようなユウキが呟く。
アオギリも、手伝うために長い菜箸を手に取る。
ボールの中のタレに漬け込まれた肉を金網の上に乗せる。
陸也と海斗に、ユウキも自分の箸で肉を載せる。
すると、アオギリが
「まぁ、あと少ししたらカイナに行くから……。勿論、マグマ団を追い払うためにね」
と、三人に報せる。
その間、涼哉は黙々と食べていた。

そんなこんなで一時間ほどが経つ。
昼の一時ほどだろうか、太陽がほぼ真上まで来ている状態である。
陸也は芝生に寝ている、アオギリと涼哉も椅子に座っていた。
海斗とユウキは芝生の上に座っている。
と、アオギリが
「んじゃあ、休憩もできたし、そろそろ行こうか?」
陸也が上体を起こし、了解、と答えた。
海斗とユウキもアオギリと涼哉のところまで来た。
「よし。行こうか?マグマ団何か俺達で追っ払っちまおうぜ」
涼哉が言った。
「あっれー?そういや……覇畝は何処行ったの?」
アオギリが涼哉の近くで涼哉に訊ねた。
「ああ、キンセツの方で遊んでるって、そういやぁ俺がキンセツ行ってきたのも覇畝を送って来る為だったんだよ。
スロットで儲けたら半分くれるって言っていたからな」
「へぇ……なに半分もらう約束してるんだか。……じゃあ、行こうか?陸也君」
「行こうかね。海斗、ユウキ」

32 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 14:45:32 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第二十七話:四面楚歌・1
巨大な岩の中から5人の人間が出てくる。いきなり通りかかった通行人が見れば、かなりびっくりしそうな程である。
「こりゃ……。マグマ団は何人ぐらい居ると思う?」
涼哉がカイナシティを望みながら訊ねる。
アオギリは、さぁ。と言って、受け流した。
街は嵐の前の静けさの如く、皆静かである。右を見渡せば覗ける海も凪である。
季節が季節のせいか、海岸に居る人間も少なく、また声なども聞こえない。
「奇妙。……かなぁ?さっきまでマグマ団はこの近くに居たけど、今は全く見えない」
アオギリが、見たまんまの感想を言う。
「まぁ……何処かへ進んだらいきなり二十人ぐらいが出てきたり?」
「いや……隊長さんよ、さっき見たって言うマグマ団は何処だい?」
アオギリが呟いたが、涼哉が又訊ねる。
すると、アオギリが半ば自棄になって
「あー。もう、あの洞窟行こう、あいつらあそこから追っかけてきたからまだ居るはず」
と、言う。やはり半ば無理矢理だ。

場所が変わり、先程の洞窟の前。
「隊長、奴らが来ました」
先程"隊長"と呼ばれていた人間に先程、"隊長"と呼んだ青年が連絡をする。
すると、その"隊長"が、
「よし。全員ここの林と、向こうの林、あとは洞窟の中に隠れろ。素早く、気配を消すように、だ。遅れたものは処罰する」
と、指示を出す。全員は素早く林の中に隠れる。

「ここがさっきの洞窟だね、マグマ団はまだ居ると思うけど……」
と、アオギリが呟き、洞窟前の狭い広場へと四人を促した。
「あれ?誰も居ないじゃないか」
涼哉が呟く。広場には五人以外人が一人も居ない。
「でもさぁ、この広場の近くに敵が待ち伏せててぇ、敵が出てきたら……うーん、恐ろしいことだね」
陸也が冗談っぽくアオギリたちに呟いた。

33 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 14:54:30 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第二十九話:四面楚歌・2
「全員、掛かれぇーっ!!」
先程の隊長が声を荒げ叫ぶ。
いきなり林から出てきたその影にアオギリと涼哉は多少冷める。
陸也と海斗は目を丸くして、周りを見つめる。ユウキもありえない、といった表情である。
「こいつらを捕獲せよ!!もしも抵抗するならば屍のままマツブサ殿に提出したってかまわん」
隊長がまたも声を荒げ叫ぶ。すると、先程の側近の青年が進もうとする隊長のルートを阻むように立ち阻んだ。
隊長は、再度声を荒げ、何事だ。反逆はリッパな罪だ。と、側近の青年に向かって叫ぶ。
アオギリたちを囲んでいたマグマ団の下っ端たちも、その二人を見ている。
「隊長、奴らは捕まえろと、マツブサ殿が言っていたではありませんか。殺してはなりません」
と、必死に、"殺してでも良い"と言う信念の隊長に忠告の様に言った。
が、隊長の人間は、
「マツブサだと?元来あんな人間などどうでもいい、あんな奴の下で俺が働けるわけ無いだろう?」
と、側近に向かって今の心までも暴露する。
が、側近の人間も必死に食い下がり、
「いくらアオギリを捕まえろ、だから、屍の状態でもいいだろうと思ったって、マツブサ殿はしっかり生きた状態で捕まえて連れて来い。と、言われました」
「ふん、あんな奴の命令など聞く意味も無い。捕まえれば一応はアクア団は"滅びた"と、いう事になるんだ。そんな英雄を処罰したとなれば、奴の地位も落ちるであろう」
「し……しかし、マツブサ殿は飽く迄も"ホウエン征伐マグマ団"の隊長でもあり、マグマ団でも幹部として、隊長の腹心で五本の指に入るほどの人間ですぞ。
しかも本部の中でもかなりの発言権を持っている。そんな人間の命に背けば処罰されたって文句は言えません」
と、側近が正論を並び立て、隊長が反論を続ける。周りの人間も痺れを切らしてきたか、集中力が無くなる。折角の良い作戦も、これでは無駄になる。
「とにかく、いくら抵抗をされても生きたまま捕まえなければいけないはずですよ」
「だから、アオギリが死ねばアクア団は勢いが無くなる。そうすれば、あの馬鹿者でも制圧できるはずだ」
「馬鹿者!?それこそ隊長が反逆者になってしまうではありませんか!!」
「馬鹿者に馬鹿者と言ってはいけないという法律がどこにあるというのだ!!」
「そういう問題ではありません!」
側近は飽く迄も引き下がらない気である。

34 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 15:08:03 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第三十話:四面楚歌・3
「ところで……もう逃げた方が良くない?」
陸也がアオギリの耳の近くでボソボソと呟く。
「いや、ここは放っておいたほうがいいよ。このまま逃げ出そうとすれば話を止めてこっちを追いかけてくるからね」
アオギリの、まるで無茶苦茶な考え、しかし、この状態ならばそれでよいのかもしれない。

「その考えはよく分かる、しかしな、この状態で奴らを逃がしたら、本当に処罰されるんだぞ。……もういい、できるだけ殺さないようにしてやる」
やっと折れたか隊長が側近と逆の方向を向き、全員に突撃の命令を出した。
「やっぱ駄目か……僕でも話を切って敵を捕まえようとするからな……」
「やっぱ駄目じゃん、どう考えたってこのまま逃げれるとは思わなかったけどね」
「まぁ、これは相手がとっても弱かったり話にのめり込んだりしていない限り成功しないんだよね」
アオギリが、後悔の念らしき物を出す。
「全員、奴らを捕まえよ!!」
その号令と共に全員がジリジリと近づく。
「後悔してる場合じゃないだろ、行け!!ギルド!!」
涼哉がモンスターボールを投げる。
捕まえようと迫る集団のポケモンの前に投げる。
中から巨大な怪獣とも取れるポケモンが出てくる。
種族は―――『バンギラス』巨大なポケモンで、破壊力が凄まじい。
恐らくは我修院涼哉が突撃隊長と呼ばれる所以でもあるだろう。
「隊長、逃げますか?戦いますか?」
「うん……逃げているだけだと敵も勢いづくから、出鼻を挫く!!」
「僕も手伝うよ。海斗もユウキもやるよね?」
「当然。岩里で蹴散らしてやる」
「手伝わないと何か悪い気がするなぁ……」
と、三人も自分のモンスターボールを手に取る。
「今度はお前だ、牙空。駿翼も行って来い!!」
「頼むよ、斬廉」
陸也は二匹のオオスバメを、ユウキはザングースを出す。
海斗は、前と同じように岩里を出す。

35 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 15:17:20 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第三十一話:四面楚歌・
「氷塊、敵を撃破せよ!!」
アオギリがモンスターボールを投げる。
中からは、先程のトドゼルガが出てくる。

「全員、臨戦態勢。人海戦術で敵を打ち倒せ!!」
隊長が声を荒げ叫ぶ。
マグマ団も下っ端に成ると低レベルなポケモンが大半を占めるために、『質より量』を信条とした人海戦術で戦っている。
全員がポケモンを出す。三十人ほど居たらレベルが低くとも油断は出来ない。
単純計算一体で六体を捌かなければいけないからだ。
「下っ端の雑魚が何対集まろうか敵にならないな、全部のポケモンでかかって来いよ」
「ふん、数の違いも知らないのか。全員、機知と覇気で敵を打ち破れ!!」
全員がポケモンを出す。グラエナやらポチエナやら色々なポケモンが出てくる。
グラエナを出した人間は、先程の隊長や、側近を加えて十人居れば良いぐらいである。
「大量のグラエナに囲まれては戦えまいだろう。ここは我らに任せよ。他の部隊はカイナシティ市街地にての戦闘を心がけよ!!」
そう言われると、十人以外の部隊はカイナシティへ向かっていった。

「涼哉、他の部隊はカイナシティ市街地へ行くみたいだけど……ここは君に任せて良いかい?」
「隊長、早くあの三人を連れてカイナへ、ここの奴らを倒したら行きますから」
そう言われると、アオギリが、涼哉に向かって敬礼をする。
「……ご武運を」
そう言うと、涼哉も敬礼を返す。
「了解。そちらこそ」

36 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 15:21:19 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第三十二話:四面楚歌・5
「下っ端集団のグラエナなんか十体集まったところで俺のギルドに敵うかな?」
「ふん、癪に障る事をよくも抜け抜けと……」
「隊長、勝つ見込みは?」
「勝つ見込み?ふん、貴様がまともに戦えば勝てるかも知れんな」
「勝てないと思うのならば……退いて味方と合流して再度戦う方が上策だと思われますが」
と、側近が隊長に向かって呟く。しかし、それが癪に障ったのか、いきなり怒鳴る。
「あんな無鉄砲相手に退け。だと!?ここには強力なポケモンを持つ十人が居るのに、あんな奴相手に退いていれば、マグマ団の名が廃る!!」
「しかし……、あのポケモンはかなり強力そうです。やはり市街地でのゲリラ作戦の方が……」
と、力無くうなだれながら答える。
「貴様、やはり臆病風に吹かれたか!!そんな奴は今ここで八つ裂きにしてくれる!!」
「強い敵に不可能と思いながら戦い犬死することが勇気、栄誉、名誉。とは限りません!!不可能と思えば退き、復讐の炎を燃やし
軍団を勝利に導くのが真の将と言う者であります、今の隊長はアオギリを捕まえるためだけに血気に任せた戦いをしようとしているわけです」
と、またも側近が叫ぶ。周りの兵士がたじろぐ。が、隊長は又も言い返す。
「そこまで戦う気が無いのならな……後で処刑だ。アオギリたちを捕まえたら八つ裂きにしてくれる」
そういい、側近の人間を蹴り飛ばす。
「……捕まえられるわけ無かろう。今までマグマ団が捕まえられなかった人たちだ」
と、呟いた。

37 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 15:23:55 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第三十三話:四面楚歌・6
「おやおや……仲間割れかい?タダでさえ弱いのに戦力を減らしちゃってどうするんだよ」
「ふん、その鼻を圧し折ってくれる。グラエナ部隊、バンギラスを噛み千切れ!!」
グラエナ部隊がギルドに向かって突撃する。
側近の分を減らすと九体のグラエナである。
「雑魚が何匹集まろうと―――雑魚に変わりない!!」
まず、右側から突撃した二体のグラエナは、バンギラスの右手の爪を放ち、二体とも吹き飛ばされた。
先陣を切ろうとしたわけであるが、失敗してしまった。
「もう一回。今度は三体で突撃!!」
今度は、別の三人のグラエナが又突撃する。
「ギルド、勿体無いけど地震を撃っちまえ!!」
足で思いっきり地面を揺るがせる。
三体のグラエナどころか
その下っ端までもが揺れた地面により転びそうになる。
涼哉は仁王立ちで平然と立っている。
「ギルド、もう一発地震」
そのままもう一回指示を出す、先程のグラエナがもう一度転倒する。
先程の繰り返しで見ているようだった。
「くそ……残りの四体のグラエナも出せ!!」
そう隊長が叫ぶ、すると、隊長が自分でもグラエナを出す。
その四体がジリジリとバンギラスに迫る。
だが、その瞬間。
「ギルド、最大出力で破壊光線!!」
と、叫んだ。
金色の光線は一瞬にしてグラエナたちを飲み込み、地を抉った。
隊長や下っ端たちは何とかかわしたが、グラエナは戦闘継続不可能である。

「強い……こんな人たちの下ならば、何か役に立てるはず」
彼は、無残にやられた隊長たちを見て、そう呟く。

38 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 15:26:46 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第三十四話:四面楚歌・7 反逆者
隊長が、
「くそ……全員撤退だ。全軍に報告せよ」
と、撤退のためのルートである橋に向かった。

すると、橋の近くに居た先程の側近が
「隊長さん……やはりそのザマですか?」
と、呟く。
「ああ……やはり強過ぎた。お前、殿軍をやってくれ」
「その必要は……ありません」
先程からずっとうなだれながら答える側近。
その態度に不信感も感じた。
「どういう意味だ?まぁいい、貴様は我らが撤退した後この橋をちょっとの間守れ。そうすれば全軍が退却できる。
危なかったら橋も落とせ。そのために誰か……貴様でもな、犠牲が出てもかまわない」
「クックックックッ……馬鹿どもめ。ここで貴方達を退却はさせない」

「……なんだ?又仲間割れか?」
遠くから見ていた涼哉もそう呟く。

「ど……どういう意味だ?」
息遣いも荒くなった隊長が訊ねる。
「この橋を今から落とす。私はアクア団に投降する」
「な……反逆は……」
隊長の言葉が一旦途切れる、その時に"元"側近が答える。
「反逆。でしょ?問題ありません。あなたがアクア団に捕らえられれば証明する人間が居ませんから。それに、あなたのマツブサ様への背信行為のほうが重大だ」
と、"元"側近が呟く。先程の隊長も入れた九人が九人ともいきなり言われたセリフによりうなだれている。

39 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 15:28:54 ID:wVKLh8Ug
【第四章・ファーストコンタクト】
第三十五話:四面楚歌・8
「全く……今度は何だ?」
涼哉が腕を頭の後ろで組みながら呟く。まだ太陽がかなり高いところに昇っている。
「貴方が……アクア団の人ですよね?」
「え?君は……あの隊長とやらにいびられてた人?」
と、皮肉たっぷりに涼哉が訊ねる。
「ええ、もうやめました。お願いです、アクア団に入れてください」
懇願するように呟いた元側近。
それに対して、涼哉が軽く首を縦に振る。
「あ、ありがとうございます!!」
「いやぁ、仲間が増えるのは歓迎だからね。んじゃあ、味方のところへ行こうか。
おっと、あの状況見てれば嘘じゃないって言うのは分かるが、嘘だったらどうなるかしらねぇよ」

「結構敵も減ってきたね、恐らく我修院さんももうそろそろ来るだろうね」
「ああ、涼哉はあれでかなり有能なトレーナーだからね。下っ端相手じゃ負けることは無いよ」
「んで……その我修院さんが来ましたよ」
と、向こう側の方から涼哉が近づいてくる、その横に、見慣れない人間も居た。
「隊長、大丈夫だった?」
涼哉がアオギリに訊ねる。
「ああ、何とか、ね?ところで、その人は誰?」
「ああ、この人は、あの隊長の側近の人だってさ。降伏してきた」
それに興味を持ったのか、アオギリが詳しく話を聞きたいといった。
そして、今までの経緯を話す。まだマグマ団の隊長は逃げていないことなおども話した。
今回の戦いでホウエン征伐マグマ団は一部隊が捕まった。
【第四章・ファーストコンタクト】完。

40 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/02(Sun) 15:33:59 ID:wVKLh8Ug
さて、やっと四章まで終わりました。
五章目は、お待ちかね(?)マグマ団の内情について書いています。
6章からは、バトル主体かなぁ。楓写君の覇畝も出てきますから。
ということで、お楽しみに!

41 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/03(Mon) 13:34:55 ID:yBS5rGRA
【第五章・マグマ団】
第三十六話:団員会議
マグマ団という組織。
カントーのロケット団が消えた後新しく現れた新興のポケモン集団である。
隊長の名は良く分かっていないが、ホウエンへの攻撃を行っているマグマ団の部隊の隊長はマツブサ。
まだ年は若く、アオギリと比べたって変わらないぐらいである。
その、カントーに本部を置いたマグマ団の日常、それを見ようと思う。

「おい、今日は会議だぞ。早く大広間に集まれ、ってよ」
「へぇ、あの短い会議ね……またやるんだ。ま、たまに長くやられるよりは良いんだけどさ」
二人のマグマ団団員がぼやいて、大広間へ向かっていく。
二人が大広間に着くと、ちらほらとマグマ団団員の姿が見えるぐらい団員が居た。
その会議場の中では、会議が始まるまでは和んだ雰囲気である。

「おい、お前今日の昼飯何食いに行く?」
「ああ、昨日給料日だったし……たまには美味い物でも食うか」
と、まだ朝っぱらなのに昼ごはんの相談をしたり、トランプをやっている人間だって見える。
と、その横を三人の青年が通っていった。
向かっている場所は、会議室らしい。

42 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/03(Mon) 13:38:09 ID:yBS5rGRA
【第五章・マグマ団】
第三十七話:三人の青年
部屋に、先ほどの三人の青年が入ってくる。一人は、資料のような紙の束を持っている。
「皆、会議を始める。まだ総帥は来ていないので、今から分ける手元の資料でこれからの予定をご確認願う。
では、配ってくれ」
資料を持っている背の高い青年。その、団員から見て右側にいる温和な面持ちの青年。
そして、団員が見て左側の、顔によく喜怒哀楽が出やすそうな青年。
「毎回毎回お前ばっかだな……俺にもその役やらせろよ。なぁ?敬介?」
その左側の青年は、右側の敬介と呼んだ青年に同意を求める。
が、敬介と呼ばれた青年は、
「いや、僕はこれで良いですよ。それよか、総帥が来るまで話を繋げなきゃいけないんすよ?浩市さん」
右側の、敬介と呼ばれた青年が、真ん中の青年青年に呟く。その、浩市という青年が
「うわ……何やればいいんだよ……総帥来るまで寄席でもやるか」
と、呟いた、が、その突拍子な思いつきに、
「浩市さん、ストライキ起こされますよ」
「シツレイな……」
「いや、違うな。ギロチンで処刑だ」
と、敬介と呼ばれた青年と、もう一人の大柄な青年が、悩んでいる浩市という青年に皮肉たっぷりに呟いた。
「まったく。……敬介……」
「何ですか?浩市さん」
「司会替わってくれ」
「嫌です」
浩市と呼ばれた青年が敬介と呼ばれている青年に役を委ねようとしている。
「あ、さっきと違って俺はもうやりたくないからな。浩市」
「お前は絶対やってくれないだろ、信行。すぐに都合を変えるからな……」
「分かってるじゃないか、じゃあやってくれ」
前では三人が話し合っている。
席では、予定を確認している人間や、必要ないページを紙飛行機にして飛ばしている人間などがいる。
取敢えず前の三人の会話には興味が無いのか全員前は向いていない。
と、いきなり、コンコン、と、ドアをノックする音が聞こえる。
誰かはもう全員が分かっている。
絶対に総帥である。

43 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/03(Mon) 13:41:15 ID:yBS5rGRA
【第五章・マグマ団】
第三十七話:会議中
厳格そうな老人が部屋へ入って来る。
いわゆる、マグマ団の総帥であろう。
こんな会議室に物々しい雰囲気で入ってくる人間。そして、その人間が入ってくる瞬間に全員が、目の前の人間に向いているとあれば、
それは恐らくとても上流の人間である。だからこそ、この人間が総帥であると分かる。
「皆、本日も緊急の会議を行う。浩市に資料を渡したから、皆行き届いているはずだ」
と、総帥のセリフで、皆が目の前の資料を手に取る。
「今回の会議は幹部と幹部補の緊急会議だ。題はこれからのマグマ団について、他の地方に兵力を裂くか、今カントーで山積みになっている問題の解決に当たるか。
まずは皆の意見を出してもらう」
総帥の老人が、会議のいわゆる目的のようなものを報せる。
今まで資料を見ていた人も目の前に向き直る。
「んじゃあ、発言は自由だ。別に隣近所と相談したってかまわない。まぁ、考えてくれればいいんだ。
じゃぁ、スタート」
老人が、パチン。と手を叩く。
ざわざわ、と言う音が聞こえる。そこまでの小声で話さなくてもいい気がするが。
そこで、いきなり老人がしゃべりだす。
「隣近所と相談しても良いとは言ったさ。……でもな、十人全員で話し合うんだったらいろいろ出してくれよ」
その一言で十人が2〜3人ずつのグループにばらけた。

数十分ほど経った。総帥は、先ほどの敬介と言う青年から熱いお茶をもらう。
と、一つのグループの三人がいきなり立ち上がる。
「……纏まったか?」
総帥が、その青年たちに訊ねた。グループの中には、浩市も居た。

44 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/03(Mon) 13:47:45 ID:yBS5rGRA
【第五章・マグマ団】
第三十八話:任務決定
「勿論。冷やかしの為に立つなんてほど性悪ではありませんよ」
「いや、お前の性格だったらありえるぞ、浩市」
先ほどの青年に、老人が皮肉をこめて言う。
「ちょっとー」
「まあ良い、早く発表してくれ」
「了解。まぁ、ホウエンのほうも上手くやっているみたいですし、いまさら他の地方に行くよりもホウエンでいろいろと試したほうが良いと思いますから、
今のカントーでの問題解決に当たったほうが良いと思います」
「そうだな、じゃあ会議は終わりだ」
「え?色々突っ込みどころが多いけど、とりあえず、何をするか、っていう相談はないんですか?」
「言い出したお前が指揮を執れ。敬介とか、他にも幹部候補生が四人、幹部が三人いるんだぞ。
出来ない事は無いだろ」
「えぇっ!?俺……いや、私が?」
「自分称は別にどうでもいい、今更上下関係を硬くしたところで無駄だろう?特に、お前に対してはな、無駄な苦労だ」
「失礼、俺が……やるんですか?」
浩市と言う青年が言い直して、また訊ねる。
「当然。さっきも言っただろ?敬介とか、他の候補生とかに手伝ってもらえよ。
んじゃ、これで本日の会議は終了。頑張れよ、浩市」
と言い、総帥の老人はお供の青年を連れて部屋を出て行った。
「俺も早く対策しないといけないからな……頑張れよ、浩市」
「まぁ、僕も困ったら手伝いますからね、浩市さん。じゃあ」
信行と敬介はすぐにそそくさと会議室を出て行った。薄情者め。

「浩市さん、何か案なんてあるんですか?まず、問題もあるか知りませんけど」
幹部の青年がつぶやく、まぁ、幹部と言っても実力はあるが如何せん自分とあの二人以外は
量産型のようにも見える。何かのゲームでも有名な奴以外は量産型のような顔の人間が多かった。傍から見ればただのクローン集団である。
でも、名前と顔が一致していてしかも外れていないのは、他人が見れば当然かもしれないが、かなりの自慢だと思う。
「……浩市さん?」
「ああ、ごめん。無駄な感傷に浸っちまったからな」

45 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/04(Tue) 12:38:30 ID:Q68jAUcY
【第五章・マグマ団】
第三十九話:古代文献
『遥か昔、天は二体のポケットモンスターを生み出した。
一体は、晴を司りしグラードン。もう一体は雨を司りしカイオーガ。
二体で対となり、初めてこの世のバランスが取れる。
どちらかが暴れればもう一体が甦り、バランスをとる。それを延々繰り返す。
しかし、グラードンに力が行き、バランスが取れなくなった。
グラードンは一年にわたり暴れまわり、一度強靭な爪を振るえば街が消え、
一度大地にその巨体を揺るがせば地は崩れ去る。
そして、二体が戦いしとき、何年もの戦いとなり、総てが破壊され無に帰った。
然し、それは二体も同じことである。二体とも永い眠りについた。』

「―――。と、これがうちに伝わっている文献を簡単にしたものです」
「ありがとう。持っているグラードンへの資料を見せてくれ。と言ったのに要約までしてくれて」
「いえ、ホウエン遠征のためにグラードンは必要不可欠なんでしょう?他の奴もありますから。
すぐ持ってきますよ」
「あ、ありがとう。んじゃあ、甘えさせてもらうよ」

ここはマグマ団の幹部のためのいわゆるアパートである。
入居費や、家賃などはただだが、これくらいの高い階級の人間ともなると結構豪華なのだ。
この部屋は、先ほどの敬介と言う青年の部屋らしい。
その、先ほどの文献を何度も読み返している。
手には敬介に淹れてもらった紅茶を持っている。

46 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/04(Tue) 12:39:01 ID:Q68jAUcY
【第五章・マグマ団】
第四十話:奥歯に物が
「……?」
と、首を傾げながら何度も、何度も見ている。

「あっれー?何かおかしいところでも見つかりましたか?」
と、敬介が、手に大量の紙を持ちながら部屋に入ってきた。
「うん、いやぁな、この最初にもらった奴だけどな」
「何ですか?何か変なところでも」
「いや、この書いてあるのから見るとさぁ、グラードンって言うのは仮で、ゴジラか何かじゃねぇの?」
「え?別に普通のポケモンですよ」
と、敬介が答える。
「いや、でもさぁ、ポケモンなんてでかくて10メートルぐらいでしょ?それをなぜそんな巨大獣みたいな伝説があるんだよ」
と、信行がまたつぶやく。
「恐らくはバランスが取れなくなってからグラードンがひたすらに成長したんでしょうね。いや、そう言う事にしておいてください」
「うん……何か奥歯に物が引っかかるような言い方だな。おっと、それも見せてくれ」
敬介は持ってきたものをすべて机に置いた。
「うん……えっと、グラードンは、爪の一振りで町を壊滅させ―――。待て、やっぱりゴジラだろ」
「まぁ、嘘だと信じていてくださいよ。そんな、昔の人の得意技は誇張なんですから」
「やっぱりそういうことになるのか?」
ほとんど諦めたように浩市が呟いた。
しかし、思い出したように
「あれ、松さんは?」
「さあ……ホウエンにもう出撃しているとか」
……ふぅ。この仕事は結構―――。

47 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/04(Tue) 20:56:01 ID:Q68jAUcY
【第五章・マグマ団】
第四十一話:松谷啓治、ホウエンへ出撃
「ほう、そろそろ出撃か」
「はっ。ホウエンに送った部隊のうちの一部隊が壊滅したという報せを受けましたため、早く出撃してきたいと思いますが……」
ここは、マグマ団の本部の中でも広い部屋らしい。
恐らくは先ほどの老人の総帥の部屋だと思われる。 しかし、なかなか暗く、何処かのラボの様にも思える。
「なに、お前ならばホウエンの事態も解決できるはずだ。こっちは任せなさい」
「いや、しかし、総帥に何かあったら危険じゃないですか?」
「大丈夫だ、こちらにはまだ敬介と信までいるぞ」
「まぁ……そういうのならば行って来ますよ。浩市は借りていきますがね」
「頼むぞ、松谷啓治」

松谷は、エレベーターに乗り込んだ。 降りる階を指定して、扉を閉めた。
と、地下六階になって、エレベーターの無機質な機械音を聞いて、扉が開いたことを確認すると降りた。
「あいつは……まだか」
松谷は呟いた。 しかし、息を切らせている声を聞くと、そのほうへ向いた。
「おう、よく来た、浩市」
松谷が向いたほうには、息を切らせた浩市が居た。
それに向かって、松谷は言った。
「ハァ……敬介の家から来たもので、結構疲れた……」
「疲れているところ申し訳ないが、出撃するぞ」
松谷はそう言うと浩市を促し、一際多くの光を放っている小さな部屋へ入っていった。
勿論、浩市も一緒に入っていった。
「休んでいる暇は無い。三秒でつくぞ」
松谷はそれだけ言うと、スイッチのようなものを押した。
三秒で分かるかも謎だが、とりあえず体が揺られたような感覚は無かった。
すると、その部屋の扉が開き、変な部屋へ出てきた。
浩市にとっては、この状況が、とてもおかしかったので、とりあえず周りを何度も見回す。
「ははは、そういえば、浩市は初めてだったな。ここはな、ホウエンの本部だ」
「…………えっ?今なんと」
「だから、ここはホウエンだ」
やっと状況が飲み込めたのか知らないが、浩市は大きく二回頷いた。
そこで、エレベーターに乗って、上まで上がっていった。

「松谷殿、よく来られました」
マグマ団員らしき人が、松谷と浩市に気づき、挨拶した。
すると、それが波のように本部の中に伝わり、20人くらいの人間が集まってきた。
「ところで、そちらはどなたですか?」
と、気づいた一人が松屋に訊いた。
「こいつはな、カントーの本部に居る、マグマ団幹部、柴田浩市だ。一応、俺の援軍ということになるな」
「そうですか、浩市殿、我らに落ちからぞえ願います」
最初に二人に挨拶してきた青年の団員が、代表して浩市にも言った。

48 :司馬の八達@賽は投げられた ◆xRFZlXSIBA2005/01/05(Wed) 17:48:42 ID:j3NJZ.LM
>>47
えっと・・・やっと気づきました。
最後から二行目、落ちからぞえ。
何だよこれorz
お力添えと脳内変換か、この話は無かったことに(ry

49 :司馬の八達 ◆xRFZlXSIBA2005/06/26(Sun) 18:56:34 ID:AXstXwR.
【第五章・マグマ団】
第四十二話:ホウエン総軍配備完了
「しかし……誰かな?俺が来る前に部隊を壊滅させ、あたら有望な若い士官まで敵に降伏させたという愚か者は」
 松谷は細く、しかし鋭い目つきで先頭の若者を見る。
「はい。名前は存じ上げませんが、かなり松谷殿に叛逆心を抱いていたのは確かです。
……まぁ、所詮はそれだけの人間です。寧ろ、側近であるあの若者を失ったほうが痛かったです」
 それを聞くと松谷は普段の目に戻り、ソファーに凭れ掛かった。
「奴は俺が、奴が小さいころから育てた大切な人間だったのだがな……。
もっと経験を重ねれば、青柳などと言う大馬鹿よりも、隊を率いるに足る人物だったんだが。
……まぁ、悔やんでいても始まらない。
まずは任せる。しかし、敵もなかなかやるらしいな。有力な敵は誰だ?総司郎」
「恐れるべきは、アクア団の首領、アオギリ。そして、アオギリの片腕とも言える突撃隊長
我修院涼哉。どちらも無視は出来ません」
 先ほどの青年、総司郎は淡々と言った。
「ふん、アオギリ……ねぇ。あいつも俺に倣って名前をつけたのかねぇ。しっかし、センスが無いな。
それ以上に、涼哉だな。あいつは強いぞ、一歩間違えるとこっちが全滅する。
まあ、後は任せたぞ」
 松谷は、そう呟くとソファーに凭れながら左腕を目の前にまっすぐ伸ばした。
「ホウエン総軍配備完了。直ちに出撃を命じる」

 これからは苛烈な戦いになる。敵にとっても、こっちにも、だ。
目を瞑りながらも、松谷はそんなことを考えた。
【第五章・マグマ団】完。

50 :司馬の八達 ◆SIBAiGST9Y2005/07/27(Wed) 22:31:52 ID:6fFYQUds
【第六章・紅き世界の黎明のために】
第四十三話:たまにはこうして青い空も
「私は武嶋智。元マグマ団でしたが、こうやって受け入れてもらえて感謝します」
例の秘密基地で、先ほどの青年が、アオギリに向かって深々とお辞儀をした。
涼哉は疲れた感じで座っていた。陸也はぱちぱちと拍手している。
 しかし、ふと、海斗が居ないことにユウキが気づいて、アオギリに訊ねてみる。
「そういえば、海斗君はどこへ行ったんですか?」
耳元で囁いてみる。
「海斗君なら、僕たちの“もう一人の仲間”を連れて来てもらうためにキンセツまで行ったよ」
ふーん。もう一人の仲間って、誰だろ? などと思いながらも、もう考えるのをやめて、芝生に大の字に寝転んだ。






 海斗は、サイクリングロードを、さながら故郷の川の上流へと遡る鮭のように自転車で走っている。
「あぁ……なんで俺がこんなことを……」
 海斗は時たま愚痴を口走りながらも、職務に忠実、長い道を登り終えた。
 懐かしい検問所を通ると、あの人はまた声をかけてくれた。
ふと郷愁に浸ったものの、挨拶を返してゆったりと通り抜ける。

 ゆったりとキンセツへの道を歩いていくものの、陸也よろしくかなり眠たくなってきた。
気のせいではなく、目の前が見難くなり、ゆっくりとだが、自分が倒れていくのが分かった。
「こんな青い空も……綺麗かなぁ」
場違いだとは分かっているが、そんなことを呟いてしまった。

51 :司馬の八達 ◆SIBAiGST9Y2005/08/03(Wed) 18:17:41 ID:aRV4IYaU
【第六章・紅き世界の黎明のために】
第四十四話:アクア団第二の少年

「春眠暁を覚えず。
処処啼鳥を聞く。
夜来風雨の声。
花落つること、知りぬ多少ぞ……だっけかな?」

 若い、それこそ少年のようで少し高い声を、海斗は仰向けに寝ている状態で聞いた。
「君は、誰だい?」
 上半身だけ起こして海斗は訊ねてみる。
「やっと起きた? 海斗君」
少年は、釣りを止めて海斗の方を向いて微笑みかけてきた。
「君は?……何で俺の名前を」
海斗は、少年に訝りながらも訊ねてみた。
 少年は、意外な返答を返してきた。
「ボクはアクア団の幹部、鋸摩 覇畝。覇畝とでも呼んでね。海斗君」
 どこぞの誰かに似ている。どこぞの陸也に似ている。結論は、陸也に似ている。
海斗は、覇畝を見て、そんなことを感じた。しかし、そんなことを忘れて覇畝は捲くし立てる。
「いやぁ、蒼ちゃんに頼まれてね、海斗君をキンセツで待っていたんだけど、来なくてねぇ。
約束の時間を越えたけど来ないから、おかしいと思ってここにきたらさ、海斗君寝てるじゃん。
ボクは人の安らぎを邪魔するのは好きじゃないから、釣りでもして待っていたってわけさ。
――あ、ちなみに、ボクがさっき詠んでた『春暁』は、君が寝てたからじゃなくて、ボクの精神状態をね」
「そんな事言われたって、よく分からない。だいだい、何で自分の体験を?」
海斗は、特に深い意味も無く訊ねる。
「処処啼鳥を聞く。までは、特に意味は無いよ。まぁ、君に向かって言ったようなものだけど。
後はね……さっき、スロットとかやってきたんだけどさ、金という名の花が、どれくらい落ちたのか、
自分でも想像したくなっちゃってね。まぁ、結局5、6万円ぐらいすっちゃったわけだけどね」
 海斗は、驚きの表情を出した。どこをどう見ようと子供にしか見えない覇畝が、何故それほどに金を持っているのか、などに。
「何で、そこまでお金を使えるのか……」
多少あきれて呟いたが、そんな海斗を気にせずに、覇畝は出発する気満々である。

「あ、そう言えば君が気絶していて連れ去られそうになっていたから助けた。その分も後で請求するね」

 何? 今何が聞こえたんだ……あぁ、そういうことか。嬉しいよ、覇畝君。
後ろからドロップキックしてそのまま湖の藻屑にしたいくらい嬉しいよ。まぁ、いっそのこと本気でやったろか。
 しかし、そのままで終わらない海斗は、覇畝に皮肉っぽく返してみる。
「“嬉しすぎますね、覇畝様。あまりにも嬉しすぎて、ボクの全身から所持金という名の涙が一滴残らず落ちていくように感じます”」
 覇畝も多少は焦って呻く。
「海斗君、そんなにひどい事言わないでよ」
「“さぁ……さっぱり、何のことか……ですなぁ”」
 さらに海斗は、表情にだけ紳士のような微笑を貼り付けて、心底困ったように呟いてみせた。

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Colorful Board System Version1.01 by ミライいろ。