戦い

1 :対抗すべきは40号(ぉぃ@ちょむ ★2004/06/09(Wed) 23:21:38
えと、40号氏が始めた「Rocket-T.keroc」を見て
覚 醒  し ま し た。
よく考えればおいら、こういう系統のものを書く
のが好きだったんでした。
そこで、以前何処かで書いたものを、性懲りもなく
再編集して公開することにしました。
以外とまとまってるかもしれないかも?(ぉぃぉぃ

2 :ちょむ ★2004/06/10(Thu) 23:04:44
某ホテル内、大宴会場。
「準備はできた。いいな?」
数十人の中心にいるリーダーらしき人物が部下達に聞いた。
「OKです」
「じゃあ、始めてくれ」
「はい!」
数十人はバラバラとなった。

数十分後。
「合格証を見せて下さい」
「これでいいですか?」
「はい、どうぞ」
さっきの会場にぞろぞろと人が入ってくる。
「なあ、今年は何人くらい入ったんだ?」
待機中の係員に青年は聞いた。
「さあな、ざっと60人、といったところじゃないか?あと、シンヤ、
仕事の準備しとけよ。どうせこんなことやったこと無いんだろ」
「へいへい、どうせ俺はただの任務バカですよ」
シンヤは少し無愛想に言った。
「いいことじゃ無いか。それはそれで。それにお前、
ボス直々にこの仕事やれ、って言われたんだろ、名誉なことじゃないか」
誉めたたえるように言われる。
「今のボスは狂ってるのさ。13年間、少しも変わっちゃないね。
先輩は分かってないから尊敬することができるんですよ」
「そうか?今までの中では最高だと思うけど。おっ、全員入ったようだな」
各扉の係員は両手で○をしていた。

「じゃあ、これはお前の分な、間違えずに全部配れよ」
シンヤの前にざっと100枚分の書類が置かれた。
「へいへい、先輩殿」
シンヤはその書類を荷台に乗せて、会場に持っていった。
「いつも通り、バラエティに富んでるな」
会場には年少では10代前半から、年長では20代後半まで揃っている。
シンヤが書類を配らなければならない場所は右端の列。
一番前はシンヤと同じ年頃の、帽子をかぶった少年だった。下を向いている。
「帽子、外したら?」
流石にこんな所ではマナー違反なのではと思い、 忠告した。しかし、
「あんたに言われたく無い」
いきなり静かにそう言い返してきた。すると、彼はハッと我に帰ったかのように
「あっ、えと、この書類を後ろに送ればいいんですね。やっときますから
帰ってて下さい」
と、下を向いたまま、彼は後ろに書類をまわし始めた。
-どっかで聞いたことのあるような・・・

3 :ちょむ ★2004/06/10(Thu) 23:28:35
「おっ、意外と早かったじゃないか」
もう先輩達は帰っていた。
「・・・あっ、まあな・・・」
シンヤはさっきの少年のことが気になっていた。
あの少年の声が、シンヤがもっとも嫌っていた声と似ていたからだ。
昔からさんざんおせっかいをかけてくる幼馴染みの声に。
もしかしたら、従兄弟か?と思ったがそれはありえない。
あいつには従兄弟なんていなかった。じゃあ、なんだ?
-ただ似てるだけか。
シンヤは大きく欠伸をした。朝5時に叩き起こされたのだ。まだ寝たりない。
シンヤは今日の仕事が終わったら、多分、爆睡するだろうな、と思った。
「それでは、只今より、入隊式典を行います」
スピーカーから放送が流れた。
「じゃあ、そろそろ出番だな」
先輩は両手をブルンブルンと回しながら外へ出ていった。
「 まず初めに開会宣言です」
部屋のモニターの電源がついた。先輩が前に立っている。
「ただいまより、特別治安維持隊の入隊式典を始めます!」
会場中から盛大な拍手が送られる。
「続きまして、治安隊長官より御挨拶をいただきます」
また盛大な拍手が送られ長官が前に出てきた。

4 :ちょむ ★2004/06/11(Fri) 21:53:05
やっと、終わった。長官のスピーチが。かれこれ5分は掛かってた。
前回より1分早かった。学習でもしたのかろうかとシンヤは思った。
いや、多分前回は通常のスピーチ+自分への中傷で6分だろう。
調子に乗ったらお構い無しの兄さんのことだ。間違えない。
「やっぱ最高だよ。ボスは」
スピーチを聞いていた先輩が言った。
「まともなことを言いながら、眠くならないように少しボケを入れてくれる、
今までのボスで、こんなにユーモアに溢れた人はいないね」
と、別の先輩。
「そうやってボス万歳とか言ってると、頭狂いますよ。先輩方」
「ははーん、お前は認めなくないんだろう。自分の兄の素晴らしさをさ」
「うっさいなあ、だから違うって」
やはりみじかで見てるシンヤには理解できない。
なんと言うか、飽きてしまったというかなんというか。
とにかく、シンヤには理解なんてできなかった。

5 :ちょむ ★2004/06/11(Fri) 22:01:55
プルル、プルル、と部屋の電話が鳴る。
「あっ、もしもし、待ち合い室ですけど?」
先輩が電話に出る。
「え、そうですか、分かりました。対処します」
先輩はすぐに電話を切る。
「ロケット団の連中が今、会場を襲おうとしてるってさ」
先輩は特に変わったことでもないように 言った。
「そういえば、警備なんて無かったな。今年」
「最近は忙しいから人手が足りないんだよ」
「ああ、そうだったな。じゃあ、会場内で仕留める、ってことで」
「賛成。じゃあ、その仕事をシンヤにやらせるってことでいい人、手をあげろ」
すると、部屋の中の全員(シンヤ除く)が手を挙げた。
「おい、そりゃないだろ。俺はやらないぞ」
あまりにも一方的だったので言い返した。
「やったら、新米隊員しかでれないディナーショーに出れるようにしてやる」
するとシンヤは、なにやら「・・・あ〜」などと言いながら、
「仕方ないな。やればいいんだろ。やれば」
シンヤはかったるそうなふりをしながら外へ出ていった。

6 :ちょむ ★2004/06/11(Fri) 23:50:53
「動くな!」
10人程、各扉から黒服の集団が入ってきた。
「ふわあ〜、それはそっちのセリフなんで」
舞台の上からシンヤの声がした。かなり眠たそうだ。
「あと、新米さんらはそのままにしといてくれよ。邪魔になるから」
「ふん、10対1の状況でよくそんなことが言えるな!」
「パワーだったらその逆ですけどね」
大分バカにするような言い方だった。
「うぬぼれるのも今のうちだぞ。総員、攻撃準備!」
集団は一斉にポケモンを出した。
「じゃあこちらも出すか」
シンヤもまたMBからハッサムを出した。
「かかれー!」
敵が一斉に襲いかかってくる。
「フラッシュ」
右腕から放たれる眩い光が会場を包み込む。
急激な光によって会場内の人全員(目を瞑ったシンヤを除いて)の視力が
一時的に失われる。
「あらあらー、俺はまだ攻撃なんてやってませんけど」
「こしゃくな奴め。調子に乗りやがって。次こそ仕留めてやる!」
「正しくは、今度こそ仕留めてやる、だぞ。おっさん」
あの光が晴れた。すると、ハッサムはまた光を溜め込んでいた。
フラッシュでは無い。オレンジ色の光だ。
「ゲームオーバー」
ハッサムの腕から破壊光線が放たれる。相手は視力が失われて、回避は不可能だ。
ドゴン、爆音が響き渡る。集団とそのポケモンは壁にめり込んでいた。
しかし、今、それが分かるのはシンヤとハッサムだけだ。
シンヤはまた「・・・あー」と呟いて、
「やりすぎた、かな?」
会場の人々を巻き込むのはやはり、やりすぎである。

7 :ちょむ ★2004/06/12(Sat) 23:21:18
「で」
「なんだ?」
「なんですか。これは?」
先輩らにシンヤは問いつめた。
「ディナーショーだけど?」
「つまり、俺を騙したってわけですね」
スパゲティを食べながら、シンヤは言った。
「まあ、細かいことは気にすんな」
くそう、まんまと騙された。飯ごときに引っ掛かった自分がバカだった。
ロケット団襲撃後は、ハッサムが放ったフラッシュの影響で、
入隊式典が10分遅れてしまった。まあ、別になんの支障もないのだが。
あのロケット団はどうやら、手柄欲しさに襲撃してきたそうだ。
だとしたら奴らはバカだろう。本部を狙った方が楽だったのに。
それか、式典にはエリートクラスの隊員が来ないとでも思ったのだろうか。
しかし、それもバカな話だ。まずは自分の力をみきわめろってんだ。
まあ、とにかく下っ端で良かった。おかげであまり体力を使わずに済んだ。
これ以上、眠たくなるなんて地獄だ。嗚呼、寝たい。早く寝たい。
でも、気掛かりが残っている。書類を配った時にあった少年だ。
シンヤは周りを見回した。いた。彼はすぐ近くにいた。

8 :ちょむ ★2004/06/12(Sat) 23:39:17
「ちょっと、来てくんない?」
シンヤは彼を誘った。
「えっ?あー、いいですよ」
何やら、投げやりな返答。
「じゃあ、あそこで話そうか」
シンヤの指は会場の右隅を差していた。

「で、早速なんだが、お前、何者だ?」
担当直入に聞いた。
「えっ?いや、何者でもないですけどー」
よくありがちな返し方。
「よくいるんだよなー。そういうドギマギした言い方。大体そういうのに限って、
いるんだよなあ。なあ、化けの皮、剥がしたらどうだ?ロケット団さん!」
ちょっとカッコよく決めようと、後ろを向きながらそう言ってみた。
「ちっ、ばれたか」
よし、ついに自白した。
「じゃあ、どうやってここに・・・」
そう言おうとした瞬間・・・
バシッ
「いっ」
足を思いっきり踏まれた。しかも踵で。
「な〜んて、言うとでも思いましたか?」

9 :ちょむ ★2004/06/12(Sat) 23:58:50
「おっ、お前は・・・」
男じゃ無かった。女性だった。シンヤは彼女を知っている。
「お前・・・どうやってここに潜り来んだ!マキ!!」
嘘だと思っていたらそれが真実だったとは。しかし、今の彼には関係ない。
問題はどうやって彼女がここに入って来たかだ。
「何よその言い方!私はちゃんと試験に受かりました!」
「嘘つけ!どうせ俺の兄貴のコネとかなんかだろ!」
兄貴ならあり得なくも無い。
「おっ、いきなり喧嘩とはまた、相変わらずだな」
噂をすれば、やってきた。治安隊長官ことグレンが。
「兄貴!何こんな奴入隊させてんだよ。どうせコネだろ!」
「ノンノン。ちゃんと表から入って来てるよ。トップで」
「へっ?」
こいつが表から入って来た?しかもトップの成績で?
あり得ない。表から入ってくるのは分かる。でもトップはあり得ない。
自分も取ったことは取ったがギリギリだった。マキにとれるはずが無い。
「お前、カンニングでもしたんじゃないか」
やはり信用できない。
「するわけないでしょ。勉強とかもどっさりしましたよ。ゼンさんのところでね」
「・・・は?」
またおかしなことを言い始めた。ゼンさんと言えば、2年前、自分に
ポケモンバトル教えてくれた恩師。あの人はこの時期が一番忙しいというのに。
何故だ。明らかにおかしなことだらけだ。

10 :ちょむ ★2004/06/13(Sun) 23:19:21
えと、ここまでをプロローグにしたいと思います。
いやはや、随分とめちゃくちゃな文になってしまいました。
とにかく、これより本編を始めさせていだだきますぜ。

11 :ちょむ ★2004/06/13(Sun) 23:45:45
【1】〜現段階での状況〜
「ところで、なんで治安隊に入ろうと思ったんだ?」
一番の謎がそこだった。なんとなくはまずあり得ない。
「これよ、これ」
マキはシンヤに一枚の紙切れを渡した。

=======================================
『治安隊、自らの治安はどうした!』
特別治安維持隊(以下治安隊)は渾沌とした状況下に置かれている。
現長官グレン氏は歴代最高の支持率を得ているが、治安隊全体の状況はどうだろうか?
2期ロケット団(以下R団)の破壊工作の巨大化による被害、
エリート集団と言われているアルティメット・ジャスティス隊(以下A・Z隊)の
問題行動、そして、小誌が手に入れたA・Z隊内のとある計画。
(中略)
果して、治安隊増員などの手立てなどはできないのだろうか。

                  週間現実3月29日号
=======================================================
「あー、それか」
グレンは頭をポリポリ掻きながらそう言った。
「だから、増員は自滅の元なんだって。今度抗議してやる」
一般的な政治家としては考えられないやり方だ。
他の政治家ではなく、記者などと戦うとは。
まあ、そうやって記者と言う立場の相手と喧嘩同然の会談をする
行動が彼の人気を示しているのだが。
「で、それがどうなんだ?」
やはりシンヤには全く分からない。
「相変わらずこうなんだから」
シンヤが全く理解しようとしない所にマキは少し腹を立てた。

12 :ちょむ ★2004/06/14(Mon) 23:36:01
「つまり、この機会にでもグレンさん・・・いや、長官の力にでも
なろうかなあ、って思って入ったの!」
「理由が大きすぎる」
どう考えても考えが甘すぎる。自分にそれだけの力があるのだろうか。
「フン、あんただけには言われたくも無い!」
それはこっちのセリフだっつーの。全く反論する気も失せる。
「まあまあ、いつまでも喧嘩腰で話すのはやめろよ。
それよりも、シンヤ、少し仕事を頼んでも良いか?」
「ん〜、別にいいけど?」
実際は嫌だと言いたかったが、このお節介野郎がいる限り、
また何か言い始めるに決まってる。こっちの方が断然ましだ。
「ヒワダのゼンさんのところにこの手紙を届けてくれないか。
あと、返事ももらってきてくれないか。あと、マキちゃんはまだ
入隊のゴタゴタが残ってるから、そっちに回ってくれ」
やはりこっちをとって正解だった。ゼンさんならふかふかのベッドを
貸してくれるに違いない。おいしい料理も食べられる。
何よりも、お節介野郎と別行動だと言うのが一番うれしい。
「あっ、今、心の中でラッキーとか思ったでしょ!」
「いえいえ、そんなことありませんよーだ」
全く、こいつの鋭さは2年経っても変わってないな。
「じゃ、行ってくる」
そう言いながら、会場から飛び出して行った。

13 :ちょむ ★2004/06/17(Thu) 23:12:41
「よし、到着っと。戻れ、エアームド」
会場からヒワダまではかなり近くにあり、飛行ポケモンを使えばすぐだった。
このぐらいの距離なら、ゴッドバードを応用した高速移動を使うまでも無い。
さっさと雑務を終わらせて寝よう。そう思いながらシンヤは目的地である
ゼンの家へと向かった。

ピンポーン、シンヤは家のチャイムを鳴らした。
「あっ、どーぞ入って下さい」
すぐにゼンの声が聞こえたのでシンヤは少し驚いた。
そういえば、この時期は一番客が来るとかなんとか言ってたな。
春は始まりの季節。まあそりゃ忙しいに決まってるか。
「客じゃないですよ、ゼンさん」
「おっ、シンヤか。今日はどうした?」
シンヤが部屋に入ると、ゼンはアシスタントのフシギダネといっしょに
ドライバー片手にボールを作っていた。
「任務、といっても雑務だけどね。長官からの手紙」
「机の上においといて。フシギダネ、ラスト頼む」
そういうとフシギダネは段ボール箱からボールのパーツを取り出し、ゼンに渡した。
「返事をもらって帰らなきゃならないんで待っときますよ」
シンヤは欠伸をしながらそう言った。
「その調子じゃ大分疲れてる見たいだな。これから用事が無いのなら
泊まっていくか?」
「じゃ、泊まってくよ」
シンヤはいいかげんな口調で言った。
「別にカッコつけなくてもいいから。それに本心はもう分かってからな」
シンヤは少し舌打ちした。
「夕食、1人追加、別にいいよなー?」
ゼンは大声で台所に向かって言った。
「もちろんいいわよー!」
すぐに返事が帰ってくる。
「よし、終了ッと」
気づけばゼンは、ボールを完成させていた。

14 :ちょむ ★2004/06/20(Sun) 22:49:24
「さて、その手紙とやらは?」
「机の上」
いつも通りで、ボケボケだ。
「そうだったな、拝見させてもらいますよ」
そう言ってゼンは丁寧に手紙の封を開けた。中には2枚の紙が入っていた。
すぐに1枚目を読み始める。
「何考えてんだか」
手紙を読みながらそう呟く。そのまま視線は2枚目に集まる。
2枚目はどうやら手紙では無いらしい。手紙にしては短すぎる。
「流石は長官、やることが大きい」
ゼンはそう言いながら、くすっと笑った。
「なんて書いてあるのさ?」
自分を引き付けるかのようなゼンの独り言はとても気になる。
「くだらない極秘事項だよ。言うとなれば・・・、良い野菜を育てろ」
良い野菜を育てろ?全く意味が分からない。
まあ、野菜とかそういう単語が出てくる時点でくだらないのは間違いない。
「ご飯できましたよー」
台所から声が聞こえてきた。

15 :ちょむ ★2004/06/20(Sun) 23:28:30
「もうそんな時間か。この話はまた後で」
ゼンはそう言うと、台所へと向かった。

「おお、今日はトンカツか」
シンヤ的にはとてもありがたかった。洋食は昼に食べるだけ食べてきた。
これ以上洋食を食べる気になどなれない。
まあ、ディナーショーにトンカツがあったかも知れないが。
「もう腹ペコペコだ。もう食い始めてもいいか?」
さっきまではあんなにピンピンしていたゼンは、何故か今はもうヘトヘトだ。
「はいはい、1日ごくろうさん」
「リサもな」
リサはこの家の主人である。実はと言うとゼンはリサの祖父に捕まえられて
無理やり居候させられているそうだ。もう8年になるらしい。
全く、この二人はよく一緒にいるもんだ。もう祖父は死んでいるというのに
ゼンさんはまだこの家に残っている。ゼンさん曰く「逃げたら呪い殺される」
などと言っているが、ゼンさんは、奇跡とか天変地異とかは信じるにしても、
呪い(ポケモンのじゃなくて)は信じて無さそうな感じがするし、
やはり、ごまかしなのだろう。そうに違いない。
ちなみにあのお節介野郎と一緒にいるなんてことになったら、
考えただけで、イライラしてくる。まあ、見事にそうなりそうなのだが。
「ところで、ゼンさん。ちょっと聞きたいことが」
「ん?」
「どうしてマキなんかにトレーナー知識なんて与えたんですか?」
すっかり忘れる所だった。このことを聞くためにここまで来たのに。
「ああ、あの子ね、俺の代わりに謝っといてくれない?」
麦茶を飲みながらゼンはそう言った。謝る?なんであいつなんかに
頭を下げなくちゃならん?
「無理」
即答だった。
「なんで謝らなくちゃならないんだよ」
「実はさ、急にあの子が教えてくれ、って言うものだから、
急だったし、忙しかったから試験に受かる内容しか教えられなかったんだ」
それを聞いて食べてたものを出しそうになってしまった。
「つまり、基本は全てパスってこと」
入隊試験内容は熟練したトレーナー向けに作られていた。
なので、基本知識は試験には入って来ない。最低条件だからだ。
つまり、あいつは相手の弱点を知っていてもそれに対応した技を知らないことになる。
それはハッキリ言って、致命的だ。

16 :ちょむ ★2004/06/20(Sun) 23:54:49
「なんでそんなことまでしたんですか。そこまでするほどの目的じゃないのに」
シンヤの反応に対して、ゼンは少し驚いた。
「そうか?いい目的だったぞ。お前はあの子からどう聞いた?」
「長官の手助けをしたいって・・・」
そう言ったら、ゼンは頭をポリポリ掻きながら、
「やはり、本当のことは言いにくいか。あの子の目的は素晴らしかった。
俺は良い目的を持った奴ならどんなことをしても目的を達成させてやるからな」
「じゃあ、その本当の目的ってなんなんですか」
「今は言えない。まあ、じきにあの子自身が言ってくれるさ」
まあ、どうせそんなに大したことはないだろう。
「でも、問題はこれからだ。あの子はまだ外の世界を知らない。
まだ甘さがある。もしかしたらとんでもない不幸が来るかも知れないし」
「とんでもない不幸って・・・、ゼンさん、その危険性を知ってて教えたんですか!」
急にシンヤの口調が激しくなった。
とんでもない不幸・・・、シンヤはそれを目の当たりにしたことがある。
すると、ゼンは、ハッとして
「そうだったな。お前には前歴があるからな、自分の未熟さで大変なことになったもんな。
お前、あの子にそれを味あわせるたくないんだろう」
「いや・・・、そんなわけは・・・」
「全く、そんな心配するなんて、優しいな。お前も」
シンヤは顔を下に下げながら「フン」といった。
「そんな話はあとにして、早く食べたら?」
リサの一言でこの話は終わった。

17 :ちょむ2004/08/31(Tue) 21:26:18 ID:GNNuNlrY
「・・・おい」
シンヤが昔から使わせてもらってる部屋に入った時の第一声はコレだった。
「ゼンさん、これはどゆことですか?」
この前入った時と比べて恐ろしい程にきれいになっている。
「ああ、そういえばあの子が修行させてもらう代わりに何かやらせて、
とかなんとか言ってたからそこ掃除させたんだったっけな」
やっぱりあのお節介野郎か。ついにはここまで来るとはな。
「まあ、そこはお前の私物じゃないんだから諦めろ」
確かに自分の部屋じゃないことぐらいは知っている。けどここは
2年も自分が使ってた場所だ。もう自分の中では自分の部屋みたいなものだ。
「分かりましたよ」
仕方ない、と自分に言い聞かせ、シンヤはベッドに倒れこんだ。

・・・寝れない。どうも寝れない。原因は分かっている。この部屋だ。
この部屋が綺麗すぎるからだ。どうも自分は部屋が汚いと安心して寝れないようだ。
実質、今治安隊で使っている部屋も完膚なきまでに散らかっている。
もう我慢ならん。シンヤは起き上がって、本棚に手を付けた。
ドサドサドサ、シンヤはその本棚を倒して本をぶちまけた。
「よし」
これでもう大丈夫だ。寝れるに違い無い。

と思ったら、本棚を倒した音のせいで目が冴えてしまった。
自分はバカだ。寝ようと思っているのに逆に目がさめてしまったでは無いか。
まあ、仕方ない、どうせ今夜はなかなか寝れない運命なのだろう。きっと。
にしても、今日はいろいろなことがあった。特にあいつが治安隊に入ってきたことだ。
昔から気は強かったが、自分とは違い、危険なところに首を突っ込まない奴だ。
そういえば、結構執念が強かったから、それが関係しているのだろうか。
いや、それも違う、執念が強かったのは俺が標的だった時のみだ。いつも他ではよそ行き顔だ。
そうか。ストレスたまってきたから、ストレス解消のために俺をいじりに来たとか。
そうだ、そうに違い無い。あの野郎め、俺を人間とすら思っていないに違い無い。
でも、もしもそれが事実だとしたら、今の俺だったら、武力を使ってでも
あいつを追い出すだろう。絶対にこの世界の恐ろしさを知らないに決まっている。
とにかく明日だ。明日になったら聞き出してやる。
シンヤはそう考えながらぐっすりと寝始めた。

18 :ちょむ2004/09/01(Wed) 15:32:24 ID:.hYs091U
うそ、1日たってから書き込まれるなんて。どうなってんだよ。
ということで復活、なんですが、どうも不安定です。まあよろしく。

19 :でゅるー@管理人 ★2004/09/04(Sat) 16:32:41
>ちょむ
えーと、これの区切りはどうしましょう?

20 :ちょむ2004/09/04(Sat) 20:41:46 ID:hVi1MDqg
できたら、2重になってる部分を削除して下さい。お願いします。

21 :40号@副管理人 ★2004/09/04(Sat) 20:59:26
ナースのお仕事。。にやりっ
>>20も消した方がいいですかねえ?

22 :ちょむ2004/09/04(Sat) 21:58:31 ID:6Y7FgPis
別にいいです。歴史に残るんでw

23 :ちょむ2004/09/04(Sat) 21:58:51 ID:6Y7FgPis
別にいいです。歴史に残るんでw

24 :ちょむ2004/12/05(Sun) 21:55:16 ID:ysO.0oYM
「そろそろ本棚か何かぶちまける頃だろう」
ゼンにとってシンヤの大体の行動はお見通しだった。奥の方からもの凄い音がした。
「さてと、リサ、ちょっと電話取ってくれないか」
「今、皿洗いしてるから自分で取ってー」
ゼンは仕方なく立ち上がり、電話の受話器を取り、さっきの手紙を取り出した。
「えーと、0875-921-5757っと」
その番号を打ち出すと、すぐさま受話器から音が出始めた。
「こちら治安隊本部特別回線でございます。パスワードをどうぞ」
「特殊行動部隊第13隊、用件はレベル4」
「認証しました。しばらくお待ち下さい」
そうすると、受話器から音楽が流れ始めた。
「全く、凄いものですな、治安隊って言うのは」
そう呟いていると、受話器の音楽が止まった。
「こちら特別治安維持隊長官。さっきの手紙のことについてか?」
出てきたのはグレンだった。
「まあ、そうだな。手紙の用件だが、断らせてもらうよ」
「何故だ?」
「理由は簡単だ。そんな用件を了承したら、リサに何言われるか分からないからな」
「しかし、シンヤの場合はリサも了承しただろ」
「それは個人だったからだ。団体はお断り。それに第一、やる気のある奴しか育てる気ないしな」
グレンはため息をつき、
「そうか、仕方ないな。資金にプラスして報酬を弾んでやろうと思ったのにな」
「ちょっと待て、それって報酬があるのか」
「当然だろう。お前まさか資金のみ提供の慈善事業と勘違いしてたのか」
それを聞くとゼンは少し笑いながら
「そう思ってた」
「バカめ。でもお前の場合、そんなもの関係ないだろう?」
「いやいや、だったら2,3人程度なら了承してもいいぞ」
「本当か?」
「ああ、ただし条件がある」
「条件だと?」
「まあ、簡単な条件だよ。実はな・・・」

「・・・なるほど、その程度だったら了承しよう」
「悪いな。じゃあこちらも準備をするからまた今度連絡する」
「分かった。じゃあな」
「頑張れよ」
そして、二人は電話を切った。
【1】完

25 :ちょむ2004/12/05(Sun) 21:56:51 ID:ysO.0oYM
ちょっと最近忙しくて書けてませんでした。すいません。
というより僕自体が気まぐれなので、どうか勘弁してくださいな。
ということで復活ですよろしく。

26 :ちょむ2005/01/05(Wed) 23:13:55 ID:.3WkizXI
【2】〜人事異動〜
「おっ、今日は珍しく早いな」
「用事があってすぐに出発しなきゃいけないんで」
「少しは成長したようだな」
実のところ、もう少し寝たかったが、
今日は治安隊内の人事異動の発表の日だったので、起きざるを得ない。
「それじゃ、行ってきますわ」
「そう」
ゼンさんは新聞を読みながらそう答えた。
-音楽プレイヤー付きポケナビが大流行か、おかしなものが流行るもんだな。
そんなゼンさんの独り言を最後に、俺は治安隊本部へ向かった。

治安隊といっても、全員が治安維持のために戦うのではなく、ちゃんとした
部署が設けられており、事件によって出動する管轄は様々だ。
敵アジトを攻略する強襲部、謎めいた事件を捜査する操作部、
小規模な事件を解決する治安維持部(といってもこれはほとんど何でも屋状態だが)
ある一定のものを守る護衛部、要注意人物を見張る偵察部、
事件情報などを管理する通信部、そして危険と思われる事件を解決する強行部、
と他にも様々だ。シンヤは治安維持部に2年配属されている。
しかし、今年もこのまま治安維持部だろう、なんせ大抵の場合、
誰もが治安維持部からスタートし、そこから3年後に隊員の能力に合わせた
部署に異動するからだ。まだ1年ある。
いやまてよ、だとしたらあのお節介野郎も普通の考えでいけば、
・・・同じ部署だ。一気に憂鬱になってきた。
いや、1年だ、1年後の人事異動で自分はどこかに移される。
そうすれば、あのお節介野郎から離れることができる、
そうだよ、1年だけだ、1年待てばおさらばだ。
そんなことを考えながら、シンヤは治安隊本部へ到着した。

27 :ちょむ2005/01/05(Wed) 23:55:27 ID:5AnjaRzE
本部に入ると、掲示板の前に人だかりができていた。
いつも1階のこの掲示板に内容がはり出される。
それでは外来の人には迷惑じゃないのか?、と思うが
はり出されているのは隊員宿舎側だ。だから問題ない。
どうせ、異動なんてことは無いと思うが、一応見てみることにした。
しかし、人が多すぎてなかなか中には入れない。
「初日から遅刻組とはまた流石だな」
昨日の同じ管轄の先輩、リーさんだ。
「仕方ないだろ、遅れたものは仕方ないのだから」
リーさんも何かとお節介が多い。まあ、アイツよりかはマシだが。
「また変な言い訳を。まあ、これからそれも滅多に聞けなくなるから
その言葉、大事に取っとくわ、ハッハッハ」
リーさんはそういいながら、休憩コーナーの方へ歩いていった。
・・・待てよ、さっきそれも滅多に聞けなくなるとか言ってたな、
つまり、俺かリーさんのどちらかが異動したということだ。
リーさんはオールラウンドとかなんとかで、4年以上も居座っている。
だから、リーさんはありえない。だったら俺しかありえない。
ラッキーだ。あのお節介野郎と1年を過ごさなくてすむのだ。これ以上嬉しいことは無い。
しかし、そうなるとどこの部署に配属されたか分からない。
自分のタイプなんて分かる訳が無い。だから余計気になる。
もう我慢できない。シンヤは無理矢理人だかりの中へ突っ込んだ。
「えーと、どれどれ・・・」
無い。強襲部にも、捜査部にも、強行部にもない。どういうことだ?
「何、人に迷惑かけてんのよ、この非常識人間・・・」
後ろから聞きたくもない声が聞こえてくる。奴だ。
「なーに初日から、人様に迷惑かけて!」
こんな人だかりの中なのにマキは大声で言った。
「ハン、こんな場所で大声出す方が非常識って言うんだ、このお節介野郎!」
「何がお節介野郎よ。私にはちゃんとした名前があります!」
「そんなの知るもんか!」
人だかりの真ん中で睨み合う。
「こんな人だかりで喧嘩する方が非常識だと思うが」
リーさんだった。
「お前らの声、休憩室にまで響いてたぞ」
周りをよく見ると、他の人達がジーっとこちらを見てる。
「今、休憩室には俺だけしかいないからそこで話つけようか」
俺らはリーさんの言う通りに休憩室に移動した。

28 :ちょむ2005/01/06(Thu) 00:18:29 ID:6OORb96Q
「あのー、さっきは御迷惑をおかけしてすいません」
マキがリーさんに謝る。
「年上の人にはホント、御丁寧ですねえ」
ボソっと、小声で言ってみた。お節介野郎がジロリと睨んできた。
「まあまあ、落ち着いた落ち着いた。大抵のことは想像できる。
こいつが無理矢理人だかりの中へはいったんだろ?」
「そうなんですよ。ホント、この非常識が」
「そこでまず自分を改善しなきゃならないお節介野郎が、非常識にも
大声で俺を注意したと」
また小声で言った。マキはまた睨んできた。
「だから、落ち着けって。でも、聞いてると、お前ら何かあるだろ?」
図星だ。これだったら捜査部にでも入れるのではと、少し思った。
「不運にも生まれたところが一緒だったという腐れ縁だよ」
「つまり、幼馴染みということか。なんかロマンスを感じるな」
「あるもんか!!」
二人同時に言った。
「息がぴったりだからますます怪しいな。まあ、ほっといてやるよ、一応」
何故か一応だけ、はっきりいいながらニヤニヤしている。
「まあ、それはおいといてだな。マキ、どうして治安隊なんかに入った?」
単刀直入に聞く。
「昨日言った通り。何回言わせれば気が済むのよ」
マキはまだ少し怒り気味だ。それを聞いてリーさんが
「ほう、お前まだ気にしてたのかあの事件。確かにアイツは酷い目にあった。
だからといってこの子と重ねなくてもさ」
「なんですか、あの事件って?」
「それはだなあ、1年前・・・」
「話さないでくれ。リーさん!」
「あ・・、ああ、分かった、分かったよ」
このことだけには触れられたくは無かった。思い出したくも無い。
「そんなこと言われると余計に気になるんだけど、リーさん、後で
おしえて・・・」
「駄目だ!」
厳しくいった。
「はいはい、分かりましたよ。何よ、そんなに怒って。
あーあ、なんでこんな奴と一緒の部署になっちゃったんだか」
「おい、それはどういうことだ。お前、治安維持部じゃないのか?」
予想外の展開だった。まさかこいつが治安維持部じゃないとは。
「ええ、私もおかしいなあと思ったんだけどね、あんたと一緒の
共同支援部よ」
共同支援部・・・、きいたことのない部署だった。

29 :ちょむ2005/01/06(Thu) 22:14:17 ID:8itSvYH2
「ああ、そういえばお前、あのあとすぐに任務かなんかで居なかったから
聞いてないか。去年、各地方の治安隊を結ぶネットワークが完成しただろ」
そういえば、そんなことがあったような気がする。
「それで地方によって起こる事件の種類が違ってくるだろ。ここジョウトでは
小規模事件で、カントーでは比較的大規模な事件、ホウエンじゃあ地形関連の
事件みたいな感じでさ」
「そんなことは知ってる。で?」
「まあ、そうせかすな。そうなるとどうしても、地方によって管轄の
人数に差が出てくる。そして最近じゃあ、その地方ではあまり起きなかった
事件が凶悪化して、人数的に対処しづらい。
そこで今回、どの分野にも適したメンバーを各地方から集め、
人数的な穴を埋めるべく集められたのが共同支援部だ。
まあ、基本的には国際的な治安維持部ってことだ」
「なるほどね、分かった」
少し分からなかったところもあったが、気にしない。
「けど、ちょっと疑問点があるんだよな」
俺はマキの方を見た。
「なんでこいつが治安維持部じゃなくて共同支援部ということ。
こいつにそれほど価値があるのか」
「それ、どういう意味?」
早速、食らい付いてきた。
「また喧嘩モード突入か?まあ待て。だいたい原因は分かる」
というと、リーさんは俺に向かって指を差しながら、
「こいつから出る甘い汁」
「なんだそりゃ」
「俗にいう七光りってやつかな。さてと、俺もその汁を吸ってくるわ。じゃ」
そう言いながら、リーさんは部屋から出ていった。
何が甘い汁だ。七光りだ。汁を吸うってどういう意味だ。
「おっと、言い忘れてたことがあったな。昨日部屋替えなのに
お前居なかったから代わりに荷物運んどいたぞ」
「変なことしてないだろうな」
「いや、プライバシー侵害なんかしないさ」
良かった。いつもこうであればいいのに。
「あと、バイト料はお前の給料から天引きするように言っといたからな」
そういうと、すぐに出ていった。
前言撤回、やっぱりリーさんはリーさんだ。
「ほら、いい加減なことしてるからこんなことになるのよ」
「黙れ」
それだけ言って、俺も休憩室を後にした。

30 :ちょむ2005/03/21(Mon) 22:34:37 ID:OPrhzdo2
シンヤは休憩室を出た後、部屋替え後の自分の部屋を見に行った。
去年は地方駐留(治安維持部の約85%は地方駐留)だったので、あまり知らなかったが、
本部宿舎が新設された30階立ての本部第3ビルに移転されていた。
このおかげで、寮制だった旧方式から個室制に変わりさらに
部屋の階が23階とまたリッチなカンジがしたので、大分心が弾んだ。
しかし、その後、同じ階にリーさんとあのお節介野郎がいることが判明し、
大分心が沈んでしまったが。
適当に昼食を済まし(当然ここもまた新しくなっていた)、午後にある
共同支援部の部署説明会に参加するために、自分の所属する
ジョウト第11隊(どうやら治安維持部と同じく小隊制のようだ)の場所へ行くことにした。

「まったく、遅刻癖は変わってないわね」
ああ、覚悟していたよ。どうせこいつがここにいることぐらい。
「そうだそうだ、この自己中が」
治安維持部だったはずのリーさんいたことは予想外だったが。
「・・・リーさん治安維持部じゃなかったんですか?」
「さっき人事の方に直訴してきたんだよ。なんかあいつら、
俺が治安維持部以外に興味は無いと勘違いしてたようで」
「じゃ、なんで入りたてこいつがここにいることを聞かなかった訳?」
マキの方を見ながらそう言った。やはり睨んできた。
「残念ですが、あいつらはマキに期待してるようで。俺がここに決まった時、
あいつらが『戦闘のプロと、期待の新人がいる隊にお前がいれば、百人力だよ』
なんて言ってたよ。学科も実技もトップだったそうだな。まあ、期待しとくわ」
「これで納得しましたか。この非常識君?」
マキが自慢げに言ってきた。
「勝手に言ってろよ」
どうせ学科は出てくる問題を覚えているだけで、
実技もゼンさんの育てたポケモンを使っているに違い無い。
「さてと、また喧嘩が起こる前に簡単に説明しとこうか」
リーさんが俺とマキを見ながらそう言った。

31 :ちょむ2005/03/22(Tue) 22:08:43 ID:C29KVqP2
「基本的に共同支援部は、護衛部とか強襲部と同じで通信部からの
報告がないと動かない。そして、主に仕事は各地方の特殊任務の補充員だ。
どうせお前らは知らないと思うが、特殊任務関連の連中は
一般の治安維持部とは違って、何十人の大掛かりな人数で任務をこなして
入るらしい。つまり、俺らは大人数でこなす必要の無い、もしくは
大人数でこなせない任務をするということだ。まあ、治安維持部以上に
コキ使われて、特殊関連の連中以上に危なかっしいことをやらされるつーこった」
リーさんがめんどくさそうに書類に書いてあることを説明していく。
「ちょっといいですか?」
マキがリーさんに質問する。
「特殊関連の人達よりもあぶないことをするって、どういうことですか?」
「悪かった。お前は入り立てで知らないか。どうも特殊関連の部署にゃ、
特別手当があってな。少人数でできる特殊任務には個人で志願すれば、
それなりの手当が出る。これが、あー、奴らにとって簡単なものだったら
問題ないのだが、それが危険な任務になってくると、確かに手当もその分高くなるが、
大抵はその地方の治安隊の盲点を突いた任務が多くなってくる。
いつも命掛けの任務をしてきた奴らでも、こればっかりは死んでしまう
可能性の高い任務はやらないさ」
「それっておかしいことじゃないんですか!」
またマキが食らい掛かってきた。昔から正義感だけは強い。
「確かにおかしいと言えばおかしいさ。以前まではやってのける
命知らずもいたが、1年前にどっかの妹思いの馬鹿がそんな任務に首突っ込んで、
自分の相棒に殺されてしまう事件が起きてからそれっきりだ」
マキの身体が一瞬ビクッとしたのが分かった。俺はリーさんを睨んだ。
「まあ、そんな任務をやるのは稀だから、そんなにビビらなくてもいいさ」
リーさんは目で相づちをしながら、マキをなだめた。
「あと、もう分かっていると思うが、共同支援部は他と違って
部署としての独立性を持ってない。たまに合同任務をする場合もあるが、
基本的にはないと思っとけ。明日から任務は始まるそうだ。
たった3人だがそれなりに頑張るということで。解散」

32 :ちょむ2005/03/23(Wed) 22:34:58 ID:BEwsKQqo
「リーさん、ちょっといいか?」
「いいけど。じゃあ、マキは帰ってもいいぞ。あと、任務連絡はポケギアに
来ることだけは忘れるなよー」
すると、マキはただ首をコクンと振って、そのまま部屋を出ていった。
大方、さっきの話に大分ショックを受けているようだった。
「で、話はなんだ。分かってるけど」
リーさんはマキが完全に帰って言ったのを確認して、身体を伸ばしながら言った。
「じゃあ、言わせてもらうよ。なんでまたあの事件を掘り起こすんだ?」
「別にお前を意識した訳じゃないさ。テストだよ。あいつの力を。
芯は強いが打たれ弱い。正直な所、不安だね」
リーさんはペンを取り出して書類に何か書き始めた。
「やっぱりリーさんも分かるか」
「そりゃ当然。俺がどんだけ新人の多い治安維持部にいたと思ってんの。
まあ、あいつにゃそれなりの戦いのセンスがあるみたいだから、しばらくは安心だろうな」
リーさんはのんきにペンを回し始めた。
「いや、あいつなんかにセンスなんか無い。ポケモンも自分が育てたもんじゃ無いようだし」
「なるほど、お前と同じか。だったら多分大丈夫だろう。それに、今から
あーだこーだ言ってても、結局変わらないさ。ちょっとは辛抱しろ」
「じゃあ、もう一つ質問がある。どうして、治安維持部からこっちに移ったんだ?
ひやかしのためか」
それを聞いてリーさんは少し笑った。
「ああ、それね」
「言っておくが、俺はもう任務に下らないことを入れない。1年前にそう誓ったからな」
俺が、そう言うとリーさんはまた笑って、
「おいおい、下らないこととは酷いなあ。それに・・・」
リーさんはペンを回すのをやめて、
「別に冷やかすために来たんじゃない、逆だよ。不安だったからここに移った。
あと、1年前にそう誓ったんなら、これ以上ヘマを起こすんじゃねえぞ」
リーさんの口調が厳しくなった。
「当然だ」
俺はそう答えて、部屋を出ていった。
【2】完

33 :ちょむ2005/03/26(Sat) 00:32:54 ID:ApEb0YME
【3】〜始まりの遺伝子〜
・・・ピピピ、ピピピ、
ポケギアのアラートなっている。目を開けようとする。目に光が襲いかかる。
そういえば、またカーテン締め忘れたんだったっけ。
昨日も同じように光に襲われた。今度からちゃんと閉めよう。
でも、この光が私にもう以前の日々が失われていったこと思い出させる。
そうよ、もう私は治安隊の一員。ただの学生なんかじゃない。
しかし、そう自分にいい聞かせてはいるものの、やはり未練はある。
変なものだ。治安隊に入ると決めた時には多くの友との別れは
全然さびしくなかったのに、今では少しさびしく感じる。
やっぱり、期待していた世界とは違っていたからだろうか。
特にそれを感じたのはシンヤだった。昔のあいつはいつも私を見かけては
笑顔で話し掛けてきた。でも今は違った。会話はそんなに変わらなかったけど、
なんというか、反抗的だった。文句を言ってきても昔は「悪かった」と謝ってた。
笑顔も無くなっていた。それになんだか私を避けようとしているように思えた。
その証拠に大抵、私を見る時の目は厳しい目だった。
実のところ、ここに来たらまずシンヤを信頼しようと思っていた。
昔のあいつは私にとって弟みたいなものだったから、それが逆転するのは
正直むかつくけれど、一番私を分かっている友はあいつだけなのだ。
それに私もあいつのことを一番よく知っているつもりだった。
どうせ、治安隊について詳しく教えて、と言ったら、
「こりゃ、形勢逆転だな」なんて冗談を笑いながら言って、必死で教えてくれると思っていた。
しかし、思わぬ所での過ち。孤軍奮闘とでもいうのだろうか。
やっぱり、ゼンさんやリーさんが言うあの事件のことだろうか。
ゼンさんも私が修行を受ける際、
「期待はするなよ。シンヤなんかに」なんて言葉を言ってたし。
やはり気になる。しかし、誰も教えてくれないだろう。
けど、あのシンヤがすっかり変わってしまうほどの事件だ。それほど大変なものだったのだろう。
「あーあ」
思わずため息が出る。馬鹿だ。思わず自分が馬鹿だと思えてくる。
シンヤが変わってしまったことでショックを受けてるなんて。
心の隅に私の目的にシンヤが手を貸してくれるなんて期待してたんだろう。
けど、それじゃあここに来た意味が無い。最初からあいつに任せるに決まってる。
それに昨日のリーさんの話に何ビビってたんだか。
確かに私の目的で似たようなことが起こるかもしれない。
でも、流石に自分の肉親を殺すなんてこと奴にできないだろう。
そう、だからこそだ。他の人を巻き込みたく無い。
そうして、私はベッドから出ていった。

34 :ちょむ2005/04/15(Fri) 23:25:52 ID:fVSGk94g
「あっ」
そういえば今日から任務があるんだったけ。急いでポケギアを確認する。
確かにメールが届いていた。内容は
「本日9時20分より共同支援部第11会議室にて任務内容の
発表を行う。尚、任務発表後にすぐ任務にかかるので注意されたし」
9時20分?すぐさまポケギアの時計を見る。
嫌な予感は当たっていた。もう9時になっていた。
私は急いで着替えて、会議室へ走った。

会議室にはもう二人とも揃っていた。時間は9時19分。ギリギリだった。
「おいおい、まさかお前が遅刻しかけるとは驚いたぞ」
リーさんが笑いながら言った。どうやら私はまともだと思われていたようだった。
シンヤの方を見る。するとすぐに私から顔を背けた。
「よーし、全員揃ったところで任務の発表をする。いきなり厄介な任務だぞ。
内容は、先日の治安隊入隊式に現れたR団残党のポケモンの
細胞を研究所まで輸送することだ」
「なんだそりゃ、ただのお使いじゃねえか」
シンヤが思わず反論する。これだけは変わっていない。
私はスタスタとシンヤの側まで近付く。そして、思いっきりあいつの足に
踵落としを食らわす。今でも続いている条件反射。
「いッ!」
2年立ってもこのリアクションは健在だ。
「何すんだよ!」
「ペナルティよ」
「フン!」
すっかり忘れていた。こいつはいつもいちいち俺が年上に文句言うと
こういう風に何も言わずに攻撃してくることを。
「喧嘩はあとで頼むぞ」
リーさんがもう見なれたかのように、俺達をなだめる。

35 :ちょむ2005/06/02(Thu) 21:47:08 ID:fDhoRXMk
「まあ、お前がただの使いと思うのには頷けるな。
お前が一番分かっていると思うが、あのクラスの残党員は
どこの残党集団にも相手にされない、いわゆる悪人バブルの馴れの果てだ」
確かにそうだ。今までそんな奴らばかりと戦って来た。
「でもよく考えてみろ。そんな奴らだったら会場の警備員でも倒せるだろう?」
言われてみると確かにそうだった。最近の警備員はかなり訓練されている。
「それで、鑑識の連中にあいつらの所持していたポケモンを調べた。
シンヤが戦ったポケモンには何も異常は無かったんだが、それ以外が問題でな。
普通の戦闘ではありえないほどに奴らのポケモンは衰弱していた。
原因は何だか分かるか?」
「連中のポケモンの扱い方があまりにも酷かったから」
ポケモンは扱いが悪いと体力が持たない。トレーナーの常識だ。
「一般論だったらそうなるな。だけど残念、不正解。
答えは細胞配列というののせいらしい。」
「それってどういうことですか?」
「俺に聞くなよ。そういうの苦手なんだからさ」
全くもってその通りだ。リーさんほど科学のできない人はいない。
「多分、通常の奴とはその細胞配列とかいうのが違ったからなんだろう。
それ以上は俺にも分からない。けど、こんなえげつないものを
チンピラ共が持っていること自体、おかしい。
希少種だったらまだいいのだが、それこそチンピラには程遠いし、
それを何匹も持っているなんてありえない。つまり改造種の可能性が高い。」
「か、改造種って・・・」
マキの声が少し震えているのが分かった。しかし、俺にとっては大したこと無い。
既に俺の最も尊敬する人がいくつか改造種のポケモンを持っているし、
それに俺は、改造種がどんなものかも知っている。
「そこでだ、今回の仕事はそのポケモンを研究所まで運ぶことなんだが・・・」
リーさんはいきなりため息を吐いた。
「本部の考えじゃあ、チンピラ共のバックにはデカい組織があると見てて、
通常の研究所までのルートには敵の待ち伏せがあるとみてるし、
パソコン通信でも妨害工作もあるし、第一ポケモンの身体に影響しかねない。
そこで、本部はポケモンの検査をヒワダタウンにいるとある男に・・・」
「ゼンさんだな」
「う・・・、そういうことだ」
大体は予想できてた。本部イコール兄貴だということも。
「どうしてゼンさんのところに預けるんですか?」
事が全く分からない奴が1人いた。
「あ、ああ、あの人はあれでもポケモンの細胞学についてはかなり詳しいんだよ」
と、リーさんが説明した。
「とにかくだ。早速仕事に取りかかるので、各自準備してから、
第1ビルの地下2階へ10時集合な。じゃあ解散」
リーさんがそう言ったあと、ぼそっと独り言を言っていた。
「どうしたもんか、あの人苦手なんだよなあ・・・」

36 :ちょむ2005/08/09(Tue) 01:15:39 ID:Xk0orEd6
午前10時、地下2階隊員専用駐車場。
「よーし、全員揃ったな」
リーさんはそういって、任務用のチェック用紙に何か書き込んだ。
「こんな簡単な任務にチェックすることなんてあるのか?」
「しゃーねーだろ。上が情報欲しがってるんだし。じゃあ、これからの
内容を言うぞ。まず始めに任務内容が少し変わった。ポケモンの細胞だけじゃ
なく、そのポケモンごと持っていくことになった」
「それはどういうことですか?」
「検査先の希望だよ。全部検査した方が案外早く終わるかも知れないとさ。
それで、移動方法なんだが、運ぶポケモンはかなり衰弱しているから、
特殊培養液ごと輸送する。それで…」
「このトラックな訳ね」
リーさんの後ろに中型サイズのトラックが止まっていた。
「そういうことだ。ルートはヒワダの森で、運転は俺がやる。
で、なんらかの妨害工作がないとは言い切れないから、空からの見張りが
必要になってくるんだが…」
「その仕事、私がやります。」
いきおいよくマキが挙手した。
「だそうだが、それでいいか?」
リーさんの目が俺の方に向いてくる。
「別に、勝手にどうぞ。」
軽々しくそんなことができるのも今のうちだろう。勝手にやらせとけばいいと思った。
俺の対応を見て、マキはフンッ、と鼻息を鳴らした。
「じゃあ、地上護衛はシンヤに決定だな。各自このインカムをポケギアに
セットしとけ」
そう言ってリーさんはいつものインカムを渡してきた。
「シンヤは知っていると思うが、そいつは特別製だ。ヒワダじゃ電波が悪いからな。
これでもう言うことはないな。今から任務を開始する」
10時20分、このメンバーで初の、初にしてはきつ過ぎる任務が始まった。

37 :ちょむ2005/08/11(Thu) 23:01:21 ID:GXHsaTko
ミス発見しましたorz
何故か…というか必然的に最近ポケモンやってなかったので
ウバメの森がヒワダの森になってます。すいません。
これからは攻略本片手に頑張ることにしますね。ええ。

38 :ちょむ2006/10/01(Sun) 01:10:56 ID:TF3nkEOU
「こちらマキ。現在異常無しです」
「定時連絡ご苦労、そろそろウバメだから低空飛行に移れ。木の枝に引っかかんなよー」
マイク片手にリーさんはそう言った。
「分かってますよ。それでは」
マキがそう言った後、車のスピーカーからブチッという音がした。
11時ジャスト。4回目の定時報告になる。全て異常なしだ。
通信は全て俺の隣にいるエーフィが念波変換して行っている。
空は飽きれるほどに晴れ渡っていて、まさに平和を具現化しているようなものだ。
「なあ、流石にアレは無いよな」
突然、リーさんが話掛けてきた。
「何が?」
「ジョウトの空にボーマンダ」
「同感だな」
今さらながらあの馬鹿に空中監視を任せたのは失敗だった。
まさか奴の所有している飛行ポケモンがよりにもよってホウエンのボーマンダとは。
常識的に考えて地方特有のポケモンを他の地方にて使っている人間など非常に稀だ。
そして、そんな人間はトレーナーにもその地方のマフィアにもマークされてしまい
よほどの猛者でもない限り後々後悔することになってしまうのだ。
だから、普通治安隊員はその地方に合ったポケモンをチョイスするのが常識だ。
「この確信犯的なおとぼけぶり…、ゼンの野郎だな」
流石リーさん。ご名答である。
「でも、こんな常識すら知らんあの馬鹿の方が上だね」
「確かにな」
そうこうしているうちにウバメが見えてきた。

39 :ちょむ2006/10/01(Sun) 01:13:26 ID:TF3nkEOU
あいるびーばっーく!
なんだかんだでもう一年ぶりの更新です。受験後もだらだらしてました。スイマセン。
これからは今年の受験組の穴を埋めるつもりでがんばっていく次第です。
もう時間が時間なのでそれではまた。

40 :先生…穴に入りたいです@ちょむ2007/02/22(Thu) 17:12:44 ID:ulo4ISlE
えと、まずは申し訳ありませんと言っておきます。えと、ぶっちゃけると、
こ の 小 説 、 打 ち 切 ら せ て 頂 き ま す (爆
…スンマセン。ホントスンマセン。
えと、何故やめるかには理由がいろいろあって、簡単にすると、
1.開始から既に2年以上立ち、文章及びシナリオの脆さが露呈した。
2.うだうだやっているうちにダイパが発売し、色々矛盾が発生しそうだから。
3.正直、今の状態のままだとこちらも書くのが難しい。
などです。スイマセン。続き期待してた人がいるかどうかは知りませんが、
ホントに申し訳ございません。
しかし、僕としてもこのストーリーはもう5年以上前から練っていたモノなので、
このままやめるのは僕自身、嫌です。
そこで、考えました。
ダ イ パ 対 応 の 改 訂 版 、 や り ま す (爆その2
というより、やりたいのです。正直ダイパネタ取り込んだ方が
幾分面白くなりそうですし、やりたいシナリオもあるので。
ということで、このストーリーはここで打ち切りです。でも終わりではありません。
アレです。この俺が死んでもまだ四天王は3人いるのだ、という悪役のアレです(謎
まあ、3人はいないのですが、頑張らせて頂きます。
あと、取りあえずこのスレは停止させて新スレに移ります。それではまた。

41 :スレッドストッパーThread Stopped
このスレッドは停止しました。書き込みはできません。

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Colorful Board System Version1.01 by ミライいろ。